映画『ドクタードリトル(2020)』評価は?ネタバレ感想考察/黒幕の正体は？アノ巨大生物も参戦？

動物と話せるドクタードリトルは、世間から離れてひっそり暮らしていたが、女王の使いが尋ねてきたことから冒険の旅へ出ることになります。スタビンズ少年と個性的な動物たちと共に…。旅の目的地は？海の助っ人とは？（ネタバレ感想あらすじ↓）

登場キャラクター（キャスト/出演者）

• ジョン・ドリトル先生（ロバート・ダウニー・Jr。藤原啓治）
• 海賊王ラソーリ（アントニオ・バンデラス。大塚明夫）
• オウムのポリネシア/通称ポリー（エマ・トンプソン。石田ゆり子）
• ゴリラのチーチー（ラミ・マレック。小野大輔）
• アヒルのダブダブ（オクタヴィア・スペンサー。朴璐美）
• 犬のジップ（トム・ホランド。斉藤壮馬）
• シロクマのヨシ（ジョン・シナ。中村悠一）
• ダチョウのプリンプトン（クメイル・ナンジアニ。八嶋智人）
• リスのケヴィン（クレイグ・ロビンソン。黒田崇矢）
• キツネのチュチュ（マリオン・コティヤール。沢城みゆき）
• キリンのベッツィ（セレーナ・ゴメス。花澤香菜）
• トラのバリー（レイフ・ファインズ。池田秀一）
• フクロモモンガのミニー（ニック・A・フィッシャー。茅野愛衣）

ネタバレ感想『ドクター・ドリトル』解説と評価

以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を！

7度目の映画化？原作や監督とキャストと声優

『ドクター・ドリトル』の原作小説は、20世紀前半のアメリカでヒュー・ロフティングが書いた児童文学作品シリーズです。本来の発音は「ドゥーリトル」ですが、日本では『ドリトル先生』の愛称で親しまれています。

1998年からエディ・マーフィー主演で公開された『ドクター・ドリトル』『ドクター・ドリトル2』も含めると、今回が7作目のハリウッドによる実写映画化です。他にアメリカや日米合作でのアニメ作品シリーズも制作されました。

スティーヴン・ギャガン監督は、2000年『トラフィック』の脚本でアカデミー脚色賞を受賞し、最近は2016年『ゴールド 金塊の行方』などを監督。プロデューサーには、ロバート・ダウニーJr.の妻スーザン・ダウニーも名を連ねます。

ドリトル先生を演じたロバート・ダウニーJr.は『アイアンマン』と一連のMCU映画や『シャーロックホームズ』で活躍する世界的なハリウッドスターです。ロバート・ダウニーJrを長年担当した吹替声優の藤原啓治は、残念ながら本作が遺作です。

海賊王ラソーリはアントニオ・バンデラス、ブレア・マッドフライはマイケル・シーン、トミー・スタビンズはハリー・コレットが演じます。動物たちの声優は日米とも豪華キャストなので、字幕・吹替どちらで観るか迷います。

オウムはエマ・トンプソンと石田ゆり子、ゴリラはラミ・マレックと小野大輔、イヌはスパイダーマンでおなじみトム・ホランドと斉藤壮馬、ホッキョクグマはジョン・シナと中村悠一、ダチョウはクメイル・ナンジアニと八嶋智人、アヒルはオクタヴィア・スペンサーと朴璐美など。

ドクタードリトルがひきこもった理由とは？

本作前の出来事をアニメで解説してくれます。動物と話せるという不思議な能力を持つ医者ドクタードリトルは、ヴィクトリア女王を助けたことにより、動物たちと暮らせる広い土地と屋敷を与えられました。

ドクタードリトルにはリリーという妻がいました。リリーはこわいもの知らずの冒険家で、2人は世界中を旅して多くの動物たちを保護してきました。しかし冒険をやめられないリリーは1人で海に出て、航海中に命を落とします。

ドリトル先生が引きこもった理由は、リリーを亡くした悲しみにより屋敷の門を閉じてしまったからです。なお、リリーの死因についてはくわしく語られません。

ドリトル先生が外へ出た理由とは？

父や兄弟との狩猟中、あやまってリスを撃って負傷させてしまった少年トミー・スタビンズは、オウムのポリーに連れられてドクタードリトルの屋敷に入ります。ドリトル先生は動物にはやさしいので、リスを手術して弾を取り出し治療します。

同時にバッキンガム宮殿の女王の使いとして、レディ・ローズもやって来ます。ローズは謎の病に倒れたヴィクトリア女王を救えるのは、ドリトル先生だけだと思って頼みに来たのですが「二度と人間には関わらない」とことわられます。

ローズが「女王が死ぬとドリトル先生と動物たちが住む場所は国に返される」と話すと、狩猟時期に外へ放り出されたくない動物たちも先生を説得します。ドリトル先生は動物達を失いたくないので、しぶしぶ女王の命を助けに向かいます。

女王の病気原因の解明方法は？治療法は？

ドクター・ドリトルは眼鏡をかけた犬ジップ（スパイダーマンのトム・ホランドが声）に女王のニオイをかがせて毒のせいだと突き止めます。次にその部屋の水槽にいるタコから「女王はお茶を飲んだ後に具合が悪くなった」と聞き出します。

そして犬のジップにお茶の葉の匂いをかがせて、植物図鑑から毒を特定します。その毒の治療方法は、遠い島の魔法の木の実しかないと突き止めたドリトルは動物たちと航海へ出発します。

お茶に毒が入ってる時点で、犯人はかなりしぼりこめるのに放置する理由がわかりません。ローズと番犬1匹では女王を守りきれないと思うのですが。本作『ドクタードリトル』はそういう部分を無視しながら進むので少しずつ気になります。

少年スタビンズに魅力を感じないのは先生だけじゃない？

あやまってリスを撃ち、ドリトル先生に治療してもらった少年スタビンズは、先生が動物たちと会話しながら手術する様子を見て助手になりたいと思い始めます。しかし死の可能性もあるリスの手術を、笑いながら見る姿には違和感あります。

その前にドアを開けたゴリラを見て叫ぶシーンもコメディとしてはスベってたし、船に乗りこむためのアクションや船内でのやりとりもキャラとして魅力を感じません。脚本がよくないのですが、俳優ハリー・コレットも演じきれてない印象。

ドクター・ドリトルが「家へ帰れ」と追い返したのも納得です。ただ「子供の成長」を描くのは物語コンテンツの王道なので予想どおり戻ってきます。キリンとキツネ（声はセレーナ・ゴメスとマリオン・コティヤール）が連れ戻します。

なぜ追いかけられるのか不明でしたが、町でキリンが走ってたら追いかけられるのは当然ということ？少年を連れ戻したオウムのポリーだけは最初に森で知りあった時から、少年がドリトルやリリーのような才能を持つことに気づいたようです。

海で敵船から逃げるのを助けた巨大動物とは？

女王の宮殿であやしかったブレア・マッドフライですが、バッジリー卿の命令をうけて軍艦で追ってきます。ドクター・ドリトルが、サルに甲板で楽器を演奏させると、海中に救難信号の音波が流れていきます。

敵船から逃げるのを助けてくれたのは、巨大なクジラです。ドリトルとシロクマが海中に潜って、クジラの胴体と船とをつなげると高速でひっぱって行き、ブレアの船を簡単に引き離せました。

島の場所を示すアイテムとは？どこで入手？

ドクター・ドリトルは、魔法の木ノ実がある島の位置は「亡き妻リリーの航海日誌」に記されていると言います。そこまで知ってて島の場所を知らないのは変ですが（笑）。一行はリリーの故郷である海賊の島へ向かいます。

日誌はリリーの父の海賊王ラソーリが持つが、敵対するドリトルに見せてくれるはずもなく盗む計画をたてます。アリ達に角砂糖で交渉したり、おしゃべりなトンボがドジするシーンはかわいくて好きです。そのせいでドリトルは捕まりますが。

どうやらリリーの父の海賊王ラソーリは、娘とドリトルとの結婚に賛成ではなかったようで、しかも亡き娘にされてしまったのでドリトルをうらんでます。ラソーリは、ドリトルを狂ったトラ・バリーのエサにしようとします。

弱虫ゴリラのチーチーは、船ではドリトルの命綱をはなしてしまったけど、今度こそふんばってトラをKOしドリトルを救います。しかしスタビンズ少年が盗んできた日誌はブレア一味に奪われ、ドリトル先生達の船も破壊されてしまいます。

しかし海賊王ラソーリは、今でもドリトルが娘リリーを想う気持ちに共感し、おんぼろながらも船をプレゼントします。苦労せずにすぐ新しい船が手に入ったりするのは、さすがに締まりないエピソードだと感じます。

島への到達方法とは？実を守る巨大生物の病とは？

島の場所を示すリリーの航海日誌は盗まれましたが、ドクタードリトルはクジラのネットワークを利用して、ブレアの船を追跡し、難なく目標の島に到着します。クジラは2度目なので、イルカやサメにも活躍してほしかったですね。

無事に島の洞窟に着いたドクタードリトルの一行は、やはりブレア一味に邪魔されますが、実を守る巨大生物「ドラゴン」が一掃します。ドリトルは「ドラゴンが愛する者を亡くした悲しみで心に傷を持つ」ことを知って治療します。

ドクタードリトルは、アヒルのダブダブのギャグアイテム「大ネギ」でドラゴンのお尻を浣腸してオナラを出します。ドラゴンは心の病で胃腸が弱ってたのかと思いきや、倒したスペイン軍の鎧や武器で消化不良をおこしてたようです。

最後には「スコットランドの伝統楽器バグパイプ」が原型のまま出てきます。回復したドラゴンはお礼に魔法の木ノ実へ導き、ドリトル一行は実をつんで全速力で女王のバッキンガム宮殿へもどります。

黒幕の正体は？リスはスパイだったのか？

無事に戻ったドクター・ドリトル達は、最期を看取られようとしているヴィクトリア女王に木ノ実のエキスを飲ませて治療に成功します。実を持たされ投げられたフクロモモンガのミニーですが、かわいい役だけでなく活躍できてよかったです。

しかしスタビンズ少年がスライディングするのなら、彼が持っててもよかった気がします。しかも床をさわった手で実をしぼり女王に飲ませたのは、潔癖症でなくても気になります（新型コロナ禍の時期に観たせいもある）。

女王に毒のお茶を飲ませた黒幕の正体は、バッジリー卿です。ドクター・ドリトルは、その証拠を絵画の額縁に擬態させた昆虫（ナナフシ？）から聞きます。悪だくみの会話を、水槽のタコに聞こえないようにするのを予想してたのでしょう。

逆ギレして逃亡しようとするバッジリー卿を止めたのは、シロクマとリスです。リスのケヴィンはスタビンズ少年が銃で負傷させたことをずっと根に持ち、少年がしくじるのを期待してたので、私は「ブレアのスパイである」と深読みしました。

結局リスは「うらみ」は持ったが敵にはならず、最後は少年を称賛して仲間の一員になります。リスのキャラは、もっと深みを増すことも成長を見せることもできたと思います。少年がリスの傷を一度も気にかけず、からみすらないのも違和感あります。

エンドクレジットも楽しい？おまけ映像もある？

「外に出るのもいいな」と言って屋敷へもどったドクター・ドリトルは、心を開いたように敷地の門を開き、リリーの望みどおり動物のお医者さんを再開します。スタビンズ少年も助手に認められたようです。

エンドクレジット映像では、ドリトル一行が女王から勲章メダルを授けられるスターウォーズのようなシーンも観ることができます。リスのケビン、タコ、ナナフシまでメダルを下げててかわいい。

主要なエンドクレジット後（エンドロール前）のオマケ映像では、木ノ実の島でドラゴンにより地下へ落とされたブレアが、コウモリたちと会話できるようになり襲われるシーンで終わります。続編の敵キャラ・バットマン？になりそうです。

『ドクタードリトル』私の評価と総括と続編

本作『ドクタードリトル』は、家族やカップルや子どもと一緒に観れる「動物エンタメ冒険映画」として楽しめると思います。『アイアンマン』で名を上げたロバート・ダウニーJr.が主演なので、それ目当てで観る人も多そうですね。

ただ、彼以外の俳優女優が魅力あるキャラを演じきれてないのは残念です。特にスタビンズ少年の無表情と笑い顏はシーンにあってません。しかも主役である動物たちのCGも、ディズニーと比べると低予算・低技術に思えてしまいます。

ストーリーも王道だけど工夫も斬新さも意外性も感じられず「子ども向け」に逃げた「子供だまし」に見えます。ブレアとコウモリの結末シーンなど、続編作る気はありそうですが興行収入しだいでしょうか。

私の深読みでは「リリーは生きてて、オウムのポリーの中にいる」（原作は未読）と思ってるので続編で答え合わせしたいです。ロバート・ダウニーJr.が妥協せずに作れば逆転もありえるので期待してます！

私の評価 60/100（60が平均）

シリーズやジャンル⇒ヒューマンドラマ/恋愛/コメディ一覧

サイト管理人ゆめぴょん（映画･旅行好き）
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