映画『マレフィセント2』ネタバレ感想/ラスト結末は?妖精との戦争勃発?糸車の呪い再び?
ディズニーアニメ映画『眠れる森の美女』の実写版『マレフィセント』の続編。人間と妖精の国の女王オーロラは、フィリップ王子と結婚すると決めるが、王子の母はマレフィセントに思うところがあり…。マレフィセントの正体は?黒幕は?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | マレフィセント2 |
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日本公開日 | 2019/10/18 [予告] 上映時間:118分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | Maleficent: Mistress of Evil |
監督・キャスト | ヨアヒム・ローニング(キャスト) |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:PG |
配給/製作 (画像出典) | ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ、ウォルト・ディズニー・ジャパン/ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ |
日本興行収入 | 14.0億円 (興行収入ランキング) |
世界興行収入 | 4.9億USドル [出典] |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.17更新) 69(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ディズニー実写映画一覧 前作『マレフィセント』65.4億 |
登場キャラクター(キャスト/出演者)
- マレフィセント(アンジェリーナ・ジョリー。深見梨加)『眠れる森の美女』のヴィラン。オーロラの義母的な存在
- オーロラ姫(エル・ファニング。上戸彩)マレフィセントに呪われたが救われ、人間と妖精の二国を治める
- ディアヴァル(サム・ライリー。阪口周平)人間に捕らわれてたカラス。マレフィセントに救われ手下になり人間などに変身させられる
- フィリップ王子(ハリス・ディキンソン。小野賢章)隣国のプリンス。オーロラ姫と森で出会い親しく話した
- イングリス王妃(ミシェル・ファイファー。五十嵐麗)フィリップ王子の母親。アルステッド王国の女王。妖精王国ムーアの殲滅を望む
- コナル(キウェテル・イジョフォー。竹田雅則)闇の妖精。人間との共存を望む
- ボーラ(エド・スクライン。星野貴紀)闇の妖精。人間との戦争を望む
ネタバレ感想『マレフィセント2』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
ディズニー実写の名作続編を三大女優で?
ディズニーアニメ映画を実写化する流れが続いてて『美女と野獣』『アラジン』『ライオンキング』などがかなり忠実に再現され日本でも大ヒットしています。
その先がけとして2014年に公開された『マレフィセント』も『眠れる森の美女』の実写版ですが、ヴィラン(悪役)を主役として物語の裏側をオリジナルストーリーで見せてくれたのが驚きで新鮮でした。
しかしディズニーが思うようなヒットではなかったのか、その後はオリジナルストーリーのおとぎ話(フェアリーテイル)はあまり制作されていません。その状況で本作『マレフィセント2』が発表されたので、期待と不安が半々でした。
最近のディズニーは強い女性やプリンセスを前面に出す映画が多めですが『マレフィセント1』もその代表格です。アンジェリーナ・ジョリー、エル・ファニングに加えて今回はミシェル・ファイファーも参戦です。
前作『マレフィセント』の簡単あらすじ(ネタバレあり)
妖精の国ムーアの幼い魔女マレフィセントは、森に迷った人間の少年ステファンと親しくなり恋心を抱きます。しかしステファンは野望を持ちマレフィセントを裏切り、眠らせたすきに翼をもぎとって持ち帰り、平民から王へと出世します。
やがて女王との間にオーロラ姫が生まれるが、怒りの魔女マレフィセントが「16歳までに眠りにつき、真実の愛でしか目覚めない」と呪いをかけます。王は娘を森に隠して妖精に育てさせ、マレフィセントは姫を眺めてるうちにとりこになります。
16歳になったオーロラ姫は城へ帰ると呪いどおり眠りにつき、フィリップ王子のキスでも目覚めません。しかしマレフィセントのキスこそ真実の愛で、目覚めたオーロラ姫は人間と妖精の二国を治める女王になります。
テーマは「他種族との共存や許容」「姑戦争」等?
前作は「悪役にも同情すべき理由がある」「人は変われる(良くも悪くも)」などを上手く描いてて、ストーリー上の意外性や驚きにも満ちあふれた素晴らしい脚本でした。特にマンネリ化しつつある「真実の愛」のひねりには涙しました。
それに比べると本作『マレフィセント2』はシンプルでストレートな内容で、後半はほぼ単純な戦争アクション映画といっても過言ではありません。その戦争の原因となるのが、オーロラ姫の嫁ぎ先であるアルステッド国の女王のたくらみです。
アルステッド王国のイングリス王妃(ミシェル・ファイファー)は、オーロラ姫(エル・ファニング)の義母マレフィセント(アンジェリーナ・ジョリー)が魔女である事だけでなく、妖精国ムーアの存在じたいを消し去りたいほど嫌ってます。
そして人間に撃ち落とされたマレフィセントを救った闇の妖精(ダークフェイ)達も、他種族である人間との共存を願うコナル達と、戦争をうったえるボーラ達に分かれています。結局は一度戦った後でしか共生の道は見つけられませんでした。
イングリス王妃のねらいとは?
アルステッド王国のイングリス王妃は、マレフィセントが来訪した時から挑発ぎみで、オーロラ姫が呪われた件やその亡き父王の話をします。そして夫のジョン王に呪いをかけた容疑で、マレフィセント撃ち落とそうとします。
また、城の地下では鉄の武器を製造したり、キノコの妖精を誘拐したり、翼を奪った妖精に精霊の花から作る赤い粉を作らせたりもして、妖精の王国ムーアを滅ぼす計画をすすめています。結婚式に招待した妖精たちを聖堂に閉じこめて、パイプオルガンからの赤い粉で全滅させようとします。
この大量虐殺は、ユダヤ人へのナチスドイツの方法を連想させて恐ろしすぎです。木の妖精などがダメージを受けてたけど、赤のノットグラスや緑のフリットルと仲良し三妖精の1人、青のシスルウィットが自己犠牲で皆を救いました。
そして駆けつけたマレフィセントが、カラスのディアヴァルを熊に変身させて聖堂の扉をやぶり、妖精たちは外へ出て助かりました。
イングレス王妃は、幼少時に妖精の国近くで暮らしてた時にこわい体験をして、それ以来妖精を嫌うようになったそうですが、全滅させようとするのはやりすぎで、元からサイコパスだった可能性が高いです。最後は羊の姿に変身させられます。
呪いで眠ったジョン王の真相とは?
フィリップ王子の父であるジョン王は、魔女マレフィセントの魔法によって眠らされたと思いきや、その真相は妻であるイングレス王妃が呪いの糸車の針を刺して眠らせたのです。王妃はそれをマレフィセントのしわざに見せかけます。
ちなみにこの「呪いの糸車」は前作『マレフィセント』でオーロラ姫が刺されて眠りについた物ですが、それを手に入れたイングレス王妃にも驚きですが、糸車じたいに呪いの力があったとは後づけ設定やりすぎと感じます。
マレフィセントの正体とは?闇の妖精との関係は?
ジョン王に呪いをかけた容疑でゲルダに撃ち落とされたマレフィセントは、自分と同種族の闇の妖精ダークフェイ達に救われます。闇の妖精は、人間が領土を広げるにつれ、孤島のような狭いエリアへと追いやられたようです。
マレフィセントも闇の妖精と同種族ですが、その正体は「フェニックス」であると教えられます。マレフィセントはオーロラ姫の身代わりで消滅した後、ダーク・フェニックスとして復活しイングリス王妃の野望を阻止します。
この設定もご都合主義であまり賛成できません。この設定を知った後、前作で追い込まれるマレフィセントを見ても不死身なのでスリルゼロですね。「真実の愛で復活」という設定の方がディズニーらしいし前作と整合性がとれると思います。
『マレフィセント2』私の評価と前作比較と続編
ディズニーアニメ映画[作品一覧]の名作『眠れる森の美女』を題材とした実写映画『マレフィセント』の続編ですが、その世界観を使っただけに思える作品です。
前作で強引に解決した「異種族間の抗争(主に人間側からの)」をさらに発展させてラストでは戦争まで勃発させた本作は「多様性」を描き続けるディズニーらしいストーリーです。しかし原因や首謀者の規模が小さすぎて現実的ではありません。
おまけにマレフィセントの正体を不死身にしてしまい、後半の緊張感を台無しにしたことも残念です。もっとオーロラ姫との「真実の愛」を前面に出してほしかったです。闇の妖精との戦争アクションは迫力満点で楽しめました。
イングリス王妃は羊に変身させられますが、きちんと罪をつぐなえる状況におくべきだと感じます。ちなみに羊の悪役はディズニーでの流行でしょうか(ネタバレなので作品名は伏せます)。
前作『マレフィセント』は少しトリッキーですが良作だったので、本作『マレフィセント2』は蛇足感だらけです。もし3作目の続編が制作されるなら本作は「眠ってたオーロラ姫の夢でした」という設定で、マレフィセント本人の真実の愛を語る正当続編を期待したいです!
私の評価 59/100(60が平均)
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