映画『アウトレイジ2/ビヨンド』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?生き残るのは誰?
シリーズ三部作の第2弾。『アウトレイジ』続編。加藤が山王会の会長になり5年。拡大に貢献した石原が若頭に。その転覆をねらう関西最大の花菱会やマル暴片岡。仮出所の大友は旧敵の木村と組み山王会との抗争を勃発させるが…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | アウトレイジ ビヨンド |
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日本公開日 | 2012/10/6 [予告] 上映時間:112分 |
監督・キャスト | 北野武 |
キャスト 出演者 | ビートたけし、西田敏行、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、松重豊、小日向文世、高橋克典、桐谷健太、新井浩文 |
映倫区分 | 日本:R15+(15歳以上) USA:R |
配給/製作 (画像出典) | Warner Bros. Pictures/「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会、オフィス北野 |
日本興行収入 | 14.5億円 興行収入ランキング |
世界興行収入 | 0.1億USドル [出典] |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.21更新) 70(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ホラー/パニック/バイオレンス映画一覧 前作『アウトレイジ』7.5億 |
ネタバレ感想『アウトレイジ ビヨンド』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
映画『アウトレイジ ビヨンド』ネタバレ感想や考察
前作『アウトレイジ』で山王会の新体制が発足して5年後の話で、今度は関西最大の花菱会も参戦して、相変わらず共倒れをねらうマル暴の片岡(小日向文世)や、山王会にうらみを持つ木村(中野英雄)や、死んだと思われてた大友(ビートたけし)もからんでの巨大抗争バイオレンス・ヤクザ映画です。
前作ではからむ陣営が多くて、ヤクザ映画を見慣れてない人には、組織や人物相関図が把握しにくい構造でしたが、今回はその点に配慮されてて、各人物の属する組織はわかりやすくなってます。ただ、終盤の抗争による若い衆の殺害は、どの組織がどの組をやったのかわかりにくく、セリフで判断するのみです。
北野武監督はこのシリーズを「エンタメに徹して制作した」と言ったように、ただの暴力映画ではなく、ヤクザとマル暴の世界観、ヤクザどおしの縄張り争い、下克上やかたき討ちや裏切りあいやだましあい等をサスペンスっぽく楽しめます。内容はジャンプの少年漫画と似てて、それが暴力的になっただけです。
複雑だった前作に比べると今回はかなりわかりやすくなってますが、その分抗争がこじんまりと見えてしまい、個人的には前作の方が好みです。ラストの意表つき具合いも似てますが、我慢に我慢を重ねてラストで爆発させた前作に比べると、今回はタメがなかったのでそれほど衝撃を受けなかったです。
俳優陣の恐い顔ぶれや、大物や中堅役者が調子にのりすぎた挙句、命乞いしたり恐怖の形相であっさり殺されていくのが『アウトレイジ』シリーズの醍醐味です。今回は、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、小日向文世、中尾彬、田中哲司、桐谷健太、新井浩文などがターゲットになりますが、結果は観てのお楽しみです。
そして続編『アウトレイジ 最終章』での標的予想は、西田敏行、塩見三省、名高達男、光石研、高橋克典などです。あまり調子にのらない、ビートたけしと松重豊は生き残ると予想してます。あとは韓国マフィアと、マル暴の新体制陣がどうからむかで、最後はやはりビートたけしが1人笑うのか気になります。
ビートたけし演じる大友は、前作では中小企業社長のように汚い仕事ばかりさせられて、為す術なく組を全滅させられ刑務所へ逃げ込む負け犬キャラでした。今回も情けないくらいヤクザ世界の底辺で振り回されますが、結果的には復讐も遂げて前作からの唯一の生き残りになります。最終章では攻勢に転じるのか、そもそも今までも計略だったのか気になるので楽しみです!
おすすめ9ポイント
- バイオレンスなヤクザ抗争映画
- 難しいルールも法も道徳も無視
- 調子のった者から順に殺される
- 一般市民はほぼ巻きこまれない
- 個性的な恐い顔役者が大集合
- 恫喝と銃でのおどしあい
- 前作登場人物で誰が生き残るか
- 本当に勝つのはどの陣営か
- 大友の行動が計画的か図り難い
少し残念8ポイント
- 警察が無能すぎる
- 堂々とした殺人が多すぎる
- みんな危機意識が低すぎる
- 加藤が前作より小者になった
- 加藤はなぜ舟木を殺さない?
- 舟木の証言だけで信じるの?
- 木村が仇の大友と組むのは変
- 大友バックの韓国勢はずるい
ネタバレあらすじや解説
関東最大の暴力団の山王会は、前作『アウトレイジ』ラストで会長が殺され、若頭だった加藤(三浦友和)が二代目会長となってから5年、元大友組の金庫番の石原(加瀬亮)が経済手腕で金儲けに成功して若頭の地位に昇りつめています。そんな時、警察のマル暴の山本が車ごと海から引き上げられます。
山本刑事の遺体と一緒に現役大臣の愛人も乗っていて、現内閣の存続も危ぶまれます。実行犯は大臣秘書と接触していた山王会の石原関係だと判明し、警察の組織犯罪対策部の刑事の片岡(小日向文世)は山王会の加藤会長と石原に会って、若い者を1人犯人にして出頭するよう頼みます。
山王会の前会長ボディガードだった舟木(田中哲司)が今では実質No.3の幹部に出世してて、片岡に金を渡します。山王会の幹部会では、金融取引などで稼ぎ頭の石原が古参幹部を見下し、加藤は「実力主義」にすると宣言します。その事や食事も出ないことに不満な幹部、富田(中尾彬)は兄弟分と飲みに行きます。
山王会幹部の白山(名高達男)と五味(光石研)も加藤・石原体制には不満です。富田は、先代殺しは加藤と舟木が仕組んだとする噂を話します。そこへマル暴の片岡が来て、富田が関西最大の暴力団の花菱会の若頭の西野(西田敏行)と兄弟分であることを利用し、花菱会の布施会長に会いに行くことになります。
富田は山王会の加藤・石原体制の不満を述べ、布施会長からも「悪いようにはせん」と好感触な回答をもらいますが、実際は布施会長が加藤会長に富田訪問の件を伝え、白山と五味の裏切りにもあって富田は殺害されます。加藤に呼ばれた片岡は、石原に殴られた腹いせに刑務所で大友が生きてることを伝えます。
片岡は裏で動き、元大友組組長の大友(ビートたけし)を守るため山王会には「死んだ」と噂を流し、刑期はまだ長いのに仮出所できるよう計らい、大友を仇討ちで刺した元村瀬組若頭の木村(中野英雄)にも近づいて大友と組むよう仕向けます。ヤクザの世界で、村瀬殺害の実行犯の大友と木村が組むのは変ですが。
仮出所した大友は、李(白竜)の迎えの車に乗り、韓国マフィアでフィクサーの張(チャン。金田時男)にかくまわれます。山王会の若頭の石原は、自分が裏切った大友の殺害を、古参の幹部らに命じます。片岡は大友と木村を会わせます。木村は関西の花菱会へ大友を誘いますが、大友は拒否します。
大友は宿泊先ホテルで、山王会の古参幹部の岡本(菅田俊)の部下に襲撃されますが追い返し、木村のバッティングセンターに隠れます。木村の子分の嶋(桐谷健太)と小野(新井浩文)は加藤を殺しに山王会に殴りこみますが、返り討ちで舟木に殺害されます。木村と大友はその復讐心から花菱会へ行きます。張は大友に「花菱に利用されるなよ」と忠告します。
花菱会の布施会長(神山繁)の盃を求め、山王会と戦いたいと言う木村に対し、若頭の西野(西田敏行)と若頭補佐の中田(塩見三省)は罵倒し、大友の発言「もう帰ろう」のおとしまいを求めて、中田は銃を大友に向け一触即発になります。木村が指を噛み切ることで事態は収集し、大友らは花菱会の部下を借ります。
大友(ビートたけし)と木村は、花菱会の殺し屋の城(高橋克典)の部隊と共に、山王会の前会長ボディガードで今は最高幹部の舟木を拉致し、前会長を加藤が殺害した事実を語らせ録音します。花菱会の布施会長と西野は、加藤にそれを聞かせ、石原から送ってきたとウソを伝え、加藤に石原を疑心暗鬼させます。
加藤は石原に、花菱会は木村を利用して大友を襲うと吹き込みます。大友や城らが山王会の幹部の岡本と組員を殺害すると、あせった石原は木村と会います。しかし石原の部下は全滅させられ、木村に大友の前へ連れて行かれ裏切りをわびますが、大友はバッティングセンターの球を何度もぶつけて石原を殺害します。
映画『アウトレイジ2 ビヨンド』ネタバレ結末ラスト
加藤(三浦友和)は幹部会で、全幹部から引退を要求されます。全幹部宛に送付された「加藤が前会長を殺害した」という舟木の証言が原因です。加藤派の組員は大友や木村や花菱会の協力で一掃されていき、花菱会の思惑どおり、抗争の責任を取って山王会の加藤の引退と、木村組の大友の破門で手打ちとなります。
山王会は事実上、花菱会が背後につくことになり、白山が新会長、五味が若頭に。大友は破門される前に「俺は木村組の若い衆でいい」と言い去り、堅気になって韓国へ行ったそうですが、フィクサー張の協力で、パチンコへ出かけた堅気の加藤を滅多刺しで殺害します。片岡は木村組をがさ入れします。
その直後、大友の部下を名乗った者が木村と組員らを全滅させます。警察のマル暴の片岡は後輩の繁田(松重豊)に、木村を殺害したのは花菱会で、大友に罪をなすりつけようとしてると語りますが、ヤクザを共闘させてる片岡に愛想をつかした繁田は「出世より一生ヒラでいい」と言って去ります。
木村の葬儀には、花菱会の西野と中田、山王会の主要幹部が出席してて、片岡は大友に連絡して目につきにくい場所から案内します。片岡は中で撃ち合いさせるために、大友に拳銃を渡しますが、銃を受取るとすぐに大友(ビートたけし)は警察のマル暴の片岡(小日向文世)を撃ち殺します。
前作ほどの勢いは感じませんでしたが、生き残って勝ち組になったヤクザたちも安泰ではなかったのを見れてスカッとできるし、新キャラも存在感を発揮してて、続編の最終章へ続く流れもあるので、ぜひ1度は観ることをおすすめします!
私の評価 60/100(60が平均)
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