映画『ソウ3』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?主役は誰?参加者の関係は?
ソウ・シリーズ3作目。1作目のバスルームに捕らわれたエリック刑事は脱出を試みる一方、同僚のケリー刑事にも危険がせまる。ジグソウは短い命を延命させるためリン医師をかたわらに置き、全く別のゲームも進行。彼に心酔するアマンダはリンの存在が気になりはじめ…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | ソウ3 |
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日本公開日 | 2006/11/18 [予告] 上映時間:108分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | Saw III |
監督・キャスト | ダーレン・リン・バウズマン |
キャスト 出演者 | トビン・ベル、ショウニー・スミス、アンガス・マクファデン、ダイナ・メイヤー |
映倫区分 | 日本:R18+(18歳以上) USA:R |
配給/製作 (画像出典) | アスミック・エース/ツイステッド・ピクチャーズ、ライオンズゲート・フィルムズ |
日本興行収入 | |
世界興行収入 | 1.6億USドル [出典] |
製作費 | 0.1億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.21更新) 63(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ソウシリーズ一覧 前作『ソウ2』評価65 続編『ソウ4』評価59 |
ネタバレ感想『ソウ3』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
映画『ソウ3』ネタバレ感想や考察
ソウシリーズ3作目で、前作までと同じく命をかけるゲームが繰り返されますが、今回はジグソウの脳手術などでもグロテスクさを見せつけてきます。ただ、捕らえる方法やゲーム内容はワンパターンで似通ってるため、そろそろマンネリ感が出てきてます。ジグソウの生命力は強すぎですが(笑)
前作『ソウ2』のラストからはじまるので、エリック刑事がメインの話かと思いきや、それはアマンダの回想シーンだけで終わらせてもったいない気がします。ジグソウにくわしいケリー刑事の最後もあっさりすぎて、彼女こそ後継者になれる可能性もあっただけに残念です。
本作のメインストーリーとしては、ジグソウを脳手術で延命させるリン医師と、息子を交通事故でなくし人生を失ってきたジェフが事故関係者をゆるせるかのゲームが同時進行で行われます。ジェフのゲームは豚ミンチの刑が強烈だった以外はそれほど面白くないし、ジグソウの脳手術も見るに耐えないだけです。
しかしジグソウが仕掛けたゲームは、やはりそんなに単純なものではなく、主役はそれまで傍観者に近かったアマンダだったことに驚きです。でも今回の驚きはこの1点だけなので消化不良気味です。また、赦される人々が全員生きたままで、アマンダもリンを撃たなければ5人も残ったのですがどうするつもりだったのでしょうか。映画の展開は結果オーライにしか思えません。
パズルスリラーとしての面白さと、私刑のグロテスクさ恐ろしさや、先を読めない感は健在ですが、あくまでも衝撃の1作目『ソウ』の貯金だけでシリーズを作ってる感じがするのは残念な点です。まだ続編も作られるようですがグロに逃げるのでなく、何か突破口を見つけてもっと驚かせてほしいです!
おすすめ8ポイント
- 恐怖のパズルスリラー3作目
- 前作ラストからの続き
- アマンダ仕掛けたゲームも伏線
- ジグソウの脳手術もホラー
- 更に残虐性の増した仕掛け
- ゲームの主役に驚かされる
- ジグソウがついに死んだ?
- 生き残ったのは誰?
少し残念5ポイント
- 1作目の衝撃は味わえない
- 捕え方やゲーム内容がマンネリ
- 論理パズル的な楽しみがない
- 生死人数など不確定要素が多い
- アマンダの心理がわかりにくい
ネタバレあらすじや解説
前作『ソウ2』のラストで、アマンダ・ヤング(ショウニー・スミス)にバスルームに監禁された悪徳刑事エリック・マシューズ(ドニー・ウォルバーグ)は、拘束具ごと切断された足首を見つけ、それをヒントに自分も足首の骨を折って拘束具から抜け出し、部屋からも出ますが消息不明です。
隊長ダニエル・リッグ(リリク・ベント)が率いるSWAT隊が通報で駆けつけ、溶接された扉を開けると部屋には誰かが爆破された形跡が残ってます。それを同僚のエリックだと思ったアリソン・ケリー刑事(ディナ・メイヤー)もやってきますが、違う人だったようです。鎖をはずしても外へ出るのは不可能だったことから、ジグソウと違う犯人だと見抜きます。
少し前、その部屋には何度も刑務所入りを繰り返してたトロイという男が、全身のあらゆる箇所をリング状の鎖でつながれていて、1分30秒で爆発する時限爆弾が仕掛けられてます。モニターのビリー人形の指示で、身体中の鎖をはずすが痛さに耐えきれず、唇のをはずす前に時間切れで爆死してしまいます。
ケリー刑事は現場で見つけたビデオテープを自宅で再生しますが、それを止めた後にも自分の部屋が映ってるとわかり棚の監視カメラを見つけますが、後ろから気絶させられて目を覚ますと、手足を拘束され胸郭に拘束具がはめられてます。映像では、目の前の「強酸」の中の鍵を溶ける前に取れば助かると言われます。
ケリー刑事は手が溶けながらも強酸の鍵を取り出し、拘束具の錠をはずしますが、助かる道はなかったらしく時間切れになって胸が引き裂かれ絶命します。死の直前にアマンダらしき犯人を見ます。別の場所で、医者のリン・デンロン(バハー・スーメク)は、クリスに「離婚しろ」と言われるが無視して出ます。
ドクター・リンは子どもの命を救いますが、同僚に私生活を持ちこむなと注意された後、ブタ仮面に拉致されます。目を覚ますと、ジグソウことジョン・クレイマー(トビン・ベル)「おまえは夫も子も裏切っている。私は病院でおまえに死刑宣告された。誰かを生かそうとする意志、命を守ることが試される」
リン医師はアマンダに拘束具をつけられ、ジグソウの心拍モニターがゼロになるか逃げ出せば爆破する仕組みです。建物内にはもう1人のゲーム参加者ジェフ・レインハート(アンガス・マクファーデン)もいて、彼のゲームが終わるまでジグソウが死ななければリン医師は救われるそうです。
ジェフは息子がひき逃げで亡くなった後、妻も娘もかえりみず復讐心に取りつかれてます。しかも飲酒でのひき逃げ犯人はすぐに釈放されたので憎悪でいっぱいです。ジグソウはジェフに「人を赦すチャンスを与えながら」最後は犯人に会わせると約束します。ジグソウ「2時間以内に脱出しろ。ゲーム開始だ」
閉じこめられた箱を破壊したジェフは、犯人への復讐心で娘に怖がられてることを思い出します。「扉を開けろ」のメモと、誰か男性(クリス?)の写真を見つけます。一方、リンはすぐにジグソウを病院に連れていき脳圧を下げないと助からないと言いますが、アマンダはこの場所でやるよう命令します。
その時、ジグソウことジョン・クレイマーは発作を起こして危ない状態になりますが、リン医師が食い止めて、アマンダに麻酔や電気ドリルを用意するよう指示します。ジェフは「恐れに立ち向かえ」の扉を抜けると、3年前に息子がひき逃げされた時の唯一の目撃者ダニカ・スコット(デブラ・リン・マッケイブ)が裸で冷凍室の中に鎖でつながれてるのを見つけます。
テープによると、ダニカが勇気を出して目撃証言すれば、ひき逃げ犯は裁かれたはずで、ダニカも謝罪しますがジェフはゆるす気がおきず、しばらく放置します。しかしダニカに冷水が吹きかけられて氷り出すと、ジェフは鉄パイプの奥の鍵を、ほおを傷つけながらも取りますが、間に合わず彼女は凍死します。
しかし「助けようとした」ので「ゆるしたことになり」次の部屋へ行けます。「銃弾が全てを終わらせる」のメモと銃弾と息子の写真を手に入れたジェフは、次の部屋で、ひき逃げ犯人に6ヶ月間という軽い刑を宣告したハルディン判事(バリー・フラットマン)が大鍋の底に拘束されてるのとテープを見つけます。
テープ音声「判事をゆるせるなら、息子のぬいぐるみ等の遺品を焼却器で燃やして鍵を取り出す必要がある」。装置が動き出すと丸ごとの豚肉が次々と運ばれてミンチにされ、判事に降り注がれます。悪臭もすごいし見捨てると窒息します。ハルディン判事「ひき逃げ犯のようになるな。私にも息子がいるから助けて」
判事の謝罪を聞いたジェフは息子の思い出の品との別れに苦しみながら焼却して鍵を手に入れ、ハルディン判事を救い出します。一方、リンはジグソウの脳圧を下げるため頭蓋骨の一部を切断する手術をはじめます。しかし切断後、心拍数が急低下し、愛する女性を夢で見てるジグソウはリンに愛してると言い、誤解したアマンダは嫉妬を感じます。
リン医師は結婚指輪をはめて夫との関係を悔います。アマンダがリンに銃を向けると、ジグソウは目を覚まして止めます。アマンダは1作目『ソウ』のゲームの準備をバスルームでジグソウと一緒に行ったことを回想します。アマンダはゲーム後にアダム・フォークナー(リー・ワネル)を殺害しました。
2人目もゆるしてゲームクリアしたジェフは「おまえのチャンスだ」の壁文字と「復讐は目前」メモと娘の写真と銃の弾倉を手に入れます。ハルディン判事「犯人が死刑でも心の痛みは消えない。復讐は痛みが増すだけだ」。3つ目の部屋には、ひき逃げ犯ティモシー・ヤング(エムポー・クワホー)が拘束されてます。
テープ音声「彼はジェフの人生を変えたが親もいる。手足と首につけた歯車は肉体が破損するまでねじれる。ガラスケースの鍵があれば解除できるが、鍵を取った者はショットガンで死ぬ。息子を殺した犯人を守るために死ねるか」。ハルディン判事は救おうとしますができず、ジェフに「傍観は共犯だ」と言います。
ジェフ「彼を殺すことだけを考えてきた」としばらく立ち尽くしますが思いなおして、ケースの銃口をさけながら鍵を取ると、偶然にもハルディン判事の頭半分にショットガンの弾が当たり、判事は倒れ込みます。ジェフは鍵で仕掛けを解除しようとするが間に合わず、ティモシー・ヤングの首はねじれて絶命します。
映画『ソウ3』ネタバレ結末ラスト
ジェフが3人目を赦したため、ジグソウはリン・デンロン医師を解放しろと言いますが、アマンダはリンに銃口を向けます。アマンダは回想で、冒頭で足を自分で折って逃げたエリック刑事と格闘の末、置き去りにしたことを思い出します。一方のジェフは1つめの鍵を使って扉を開け、道沿いに進みます。
ジェフは「最後のチャンス」のメモと拳銃を手に入れ、今までの戦利品の銃弾と弾倉を装填して進みます。アマンダはリンに嫉妬して、解放せずに銃で撃ちます。するとジェフが部屋に入ってき、アマンダを撃ちます。ジェフが最後に手に入れた写真は妻リンのものです。ジグソウはその関係をアマンダに黙ってました。
今回のゲームの主役は「アマンダ」だったのです。アマンダはジグソウの後継者としてゲームを仕組みますが、感情が荒すぎて、ゲームクリアした者でさえ殺してしまいルールを守れてません。ジグソウは不満でしたが「最後のチャンス」として「誰かを生かそうとする意志を試す」ゲームをアマンダに仕込みます。
ジグソウ「ゲームオーバー」。ルール無視したアマンダは絶命します。ジェフはジグソウにも発砲しますが銃弾は1発だけなので撃てません。ジグソウ「復讐は無意味だと学んだはずだ。私を赦せば救急車を呼んでリンは助かる」。ジェフは「ゆるす」と言いながら回転ドリルでジグソウの首を切り裂きます。
ジグソウは手元のテープ音声をオンにします。「私が最後の赦しのテストだったが、君は敗れ逃げ道はなくなった。君らの娘は空気がなくなる部屋にいるが、場所は私しか知らないので、私を殺せないだろう」。しかしジグソウの心拍モニターはゼロを示し、リンの顔は爆弾で吹き飛びます。
ジグソウの先読みが神がかってる気がしますが、違う展開だったなら違うシナリオを用意してたのかもしれません。そろそろマンネリを感じますが、今回もラストで明かされるネタには驚かされたので、一定水準は保ててると感じます。まだまだ続編もあるので、ぜひ1度は観ることをおすすめします!
私の評価 62/100(60が平均)
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