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映画『SINGシング』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?合格の動物は?歌う曲は?

SING シング 映画/ドラマ

ミニオンのイルミネーション映画。コアラのバスタームーンは劇場を再生するため歌唱コンテストを開催。オーディションでクセある歌手たちを審査するが開催できない事態に…(ネタバレ感想あらすじ↓)

映画名/邦題SING シング
日本公開日2017/3/17 [予告] 上映時間:108分
製作国アメリカ
原題/英題Sing
監督・キャストガース・ジェニングス
キャスト
出演者
マシュー・マコノヒー、リース・ウィザースプーン、セス・マクファーレン、スカーレット・ヨハンソン、ジョン・C・ライリー
映倫区分日本:G(年齢制限なし) USA:PG
配給/製作
(画像出典)
東宝東和/Illumination Entertainment
日本興行収入51.1億円 (年間7位
世界興行収入6.3億USドル [出典]
製作費0.8億USドル
平均評価
平均:100換算
*批評家と一般は単純平均
(興収・評価: 2024.8.24更新)
73私の評価は含まず)
シリーズ
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ネタバレ感想『SING シング』解説と評価

以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!

映画『SING シング』ネタバレ感想や解説

字幕版で観ましたが『SING シング』に関しては吹替版の評判もかなり良いみたいです。MISIAの歌声はいつか聞いてみたいかも。

『ミニオンズ』や昨年の『ペット』を筆頭にイルミネーション・エンターテインメントが、ディズニーアニメにせまる本数で新作を作り続けています。ただ、脚本というか物語の部分がまだまだ弱いと感じています。

『SING シング』でもメインストーリーはシンプルすぎて物足りなさを感じます。一方でこの映画の主役である歌は本当に素晴らしいです。そして個性的な歌い手の動物たちの群像劇になってて、それぞれが人生でいきづまったような感情を、ラストに向けて表現していく構成は見事

おすすめ7ポイント

少し残念5ポイント

SING シング 映画/ドラマ

『SING シング』ネタバレあらすじや感想

動物だけの世界で、コアラのバスター・ムーン(声:マシュー・マコノヒー、内村光良)は6歳の頃に見た女優ナナの舞台に魅了されて、ムーン劇場の経営者となるが、にぎわってた劇場は過去のものとなり、今は関係者や銀行へさえお金を支払えない状況です。逃げ回るのは誠実ではありませんね。

そんな時、ムーンは劇場再生の催しとして賞金「1,000ドル」の歌のコンテストを開催することを思いつきます。秘書?のイグアナのミス・クローリー(声:ガース・ジェニングス、田中真弓)にポスターを作ってもらうが、飛び出した義眼の目玉により「100,000ドル」に書きかわったことには気づきませんでした。

翌朝、歌のコンテストのために動物の行列ができました。バスター・ムーンとミス・クローリーはオーディションを行い6組を選びます。個性豊かな動物が、世界の有名曲を次から次へと歌うのは楽しく日本からは「きゃりーぱみゅぱみゅ」の「にんじゃりばんばん」「きらきらキラー」等をレッサーパンダのアイドル5人娘キューティーズが歌います

翌朝からリハーサルを行いますが、参加者もそれぞれ問題を抱えています。ブタで専業主婦のロジータは、25匹の子豚と、仕事におわれて家族に無関心な夫ノーマンを支える家事だけで毎日手一杯の日々です。リハーサルに行くために、家事を自動化する機械を徹夜で組み立てたのは歌以上の才能ですよね。

ロジータ(声:リース・ウィザースプーン、坂本真綾)はインパクトに欠けるため、レディー・ガガを歌って落選したブタのダンサーのグンター(声:ニック・クロール、トレンディエンジェル斎藤司)と組まされることになります。性格が正反対の2人ですが、超良いやつのグンターはロジータを励ましつづけます。

窃盗団ボスのビッグダディを父にもつゴリラのジョニー(声:タロン・エガートン、スキマスイッチ大橋卓弥)は、のんきで優しい性格が強盗には向いてなくて、高い歌唱力の才能があります。しかし新たな強盗計画の手伝いで、リハーサル時も何度も呼び出されます。結局は強盗を片手間にやってしまい、父や仲間は警察に捕まり刑務所行きとなります。

パンクロッカーで同棲中カップルのハリネズミ、アッシュ(声:スカーレット・ヨハンソン、長澤まさみ)とランスはデュエットを披露したが、アッシュのみが合格してしまいます。ランスはアッシュの才能を過小評価していて、家に別の女性まで連れ込んでたので追い出されます。アッシュは失恋で落ち込みます。

音楽院出身で歌も演奏も才能豊かなネズミのマイク(声:セス・マクファーレン、山寺宏一)は、ストリートミュージシャンとして活動しています。コインを入れてくれた、ぜんそくの猿から全財産を巻き上げたり、賞金を担保に銀行から大金を借りて新車を買ったり、カジノでイカサマしてクマのギャング団から金を巻き上げたりと最悪キャラです。

歌の才能がずば抜けているにもかかわらず、恥ずかしがり屋の象の少女ミーナ(声:トリー・ケリー、MISIA)は、オーディションでは歌えず落選します。しかしあきらめきれず翌日、ムーンに再挑戦をお願いするが、その大きさから舞台係として採用され、内気なので断れず、家族には合格したと期待されて思い悩みます。

合格したカエルの3人組はずっと仲が悪くてケンカ続きでしたが、何度目かのリハーサルでついに解散して歌わないことになります。ラクダのピートもリハーサル中に大けがして本番出場できなくなります。ムーンはレッサーパンダ5人組を誘うけど、日本語で「足くさい」と間違えて言って怒らせてしまいます。

『SING シング』はこの後、ロジータ、ジョニー、アッシュ、マイク、ミーナ、ムーンの6人の群像劇として進みます。視聴者が感情移入しやすいキャラがいるかもしれません。しかし短時間で6人の物語を進めるのは無理があり切替も多く、ありがちな話ばかりなので群像劇としては成功してるとは言い難いかも。

バスター・ムーンは本番の衣裳や曲目を全て独断で決め、ソロだった豚のロジータとグンターをペアにしたり、逆にデュエットだったアッシュとランスをアッシュだけ当選させたり、象のミーナはすぐ落選にしたり、当選したキリンは会話しづらいという理由で落選にしたりと傍若無人ぶりがひどいです。

ムーンは賞金が2桁も間違ってて、支払える額でないことに気づいた後も参加者に言わず、友人の羊のエディの祖母で大物舞台女優ナナに頼りきろうとする姿勢も誠実さに欠けると思います。それでも、毎回三日月型の舞台装置で上から降りてくる様子など愛らしさもあり、単に大人に成りきれてないだけのようにも感じました。

ロジータの専業主婦ぶりは今の日本では希少な気もしますが、子どもを作る時点でその覚悟はしてたと思うので、キャラの中では一番幸せだと感じます。グンターとのリハはうまくいかなくて悩みますが、買い物中のダンスは上手すぎて、なんでも手に入れる完璧さが逆に、このキャラを面白くないものにしたと思います。

ゴリラのジョニーは強盗団の一員で感情移入できないけど、親は自分で選べないことを考えると、少しづつこのキャラに愛着と同情がわきます。ジョニーを犯罪者の境遇から救ったのは、歌うことであり、この『SING シング』のテーマでもある、歌で人生を好転させた最大の受益者でもあると感じます。

ハリネズミのアッシュと象のミーナは対称的なキャラだけど、若い女性の悩みの代表的なものを描いてて共感する人も多いのではないでしょうか。2人とも歌により突破口を開きます。ネズミのマイクは最後までゲスで好きになれなかったけど、それがアッシュやミーナの純粋性を際立たせてた気もします。

ムーンは大物ナナを訪ねて熱心に説得して、リハーサルへ来てもらうことになり、舞台に巨大水槽をミーナと一緒に設置します。そしてホタルイカの群れを無償で?連れてきて電光ショーのように美しく見せて、羊のナナも感心します。

しかしネズミのマイクにイカサマされたクマたちが賞金を奪い取りに来て、舞台や水槽は壊されてしまい、水が洪水のようにあふれ、ホタルイカも流されてしまい、見に来てたナナや参加者たちも命からがら逃げます。劇場は完全に崩壊して銀行に差し押さえられ、コアラのムーンは住まいも失い、やる気をなくします

ムーンは仕方なく父がやってたようにバケツを持って、洗車で稼ぐことにしますが、うまくできず、羊のエディにも手伝ってもらいます。コアラと羊が自分の体に洗剤をつけて、体毛で洗車する様子はかわいいけど、あわれすぎて笑えません。金持ちぼんぼんでニート?のエディが、手伝う理由もよくわかりません。

しかしそんなムーンが再起を図ろうとする姿に感動しかけたところ、象のミーナが劇場跡で歌ってるのを聞くために、ムーンが洗車をエディ1人にまかせて去ってしまうのはとても残念でした。でもその歌声はムーンに野外劇場での開催を決意させます。参加者が賞金なしでも参加する理由は、もっとはっきりさせてほしかったです。

映画『SING シング』ネタバレ結末ラスト

コンテスト本番、まずブタのグンターとロジータが、テイラー・スウィフト(Taylor Swift)のシェイク・イット・オフ(Shake It Off)をテンポよく歌い踊ります。2人の衣裳は微妙でしたが、ロジータのはじけぶりとセクシーさに、夫ノーマンや25人の子どもたちも大興奮です。

客席は身内以外も増えてきて、次はゴリラのジョニーがピアノを弾きながら、エルトン・ジョン(Elton John)のアイム・スティル・スタンディング(I’m Still Standing)をかっこよく歌います。牢獄のTVでそれを見た父は脱獄して来て、ジョニーと和解してまた刑務所へ戻っていきます。

ついに銀行員が劇場の伴奏を止めるが、ハリネズミのアッシュはエレキギターなしで足でリズムをとって、映画オリジナルのセット・イット・オール・フリー(Set It All Free)を勢いよく元気に歌います。失恋を乗り越えて、初の自作ですが、TVで見てた元カレのランスも聞き入ってしまうほどの良い出来です。

賞金なしで出演を止めたが、皆の歌声に触発され戻ってきたネズミのマイクは、フランク・シナトラ(Frank Sinatra)のマイ・ウェイ(My Way)を、高い歌唱力で歌い上げます。途中、ビッグ・ダディを捕らえにきた警察ヘリの爆風により素晴らしいパフォーマンスも演出します。

最後は象のミーナが、スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)の、くよくよするなよ!(Don't You Worry 'bout a Thing)を歌い、最初は緊張で声が出なかったけど、最後は劇場が崩れるほどに熱唱して会場も大盛り上がりします。そしてムーンの乗ってた三日月の代わりに、背後には大きな本物の満月が皆を照らします

ネズミのマイクも、ミーナの歌声にはうっとりしますが、そのすきをついてクマに捕まります。しかし女性ネズミに助けられ、車で逃げますが、後ろにはクマが乗っててどうなったのかはこの映画では不明です。最後は羊の大物女優ナナがこのコンテストに感心して、ムーンと劇場にお金を出し再建されることになります。

ラストの歌唱コンテストは、どの歌もパフォーマンスも素晴らしくて感動的でした。でも歌をずっと聞き続けられるわけではないので、音量が下がっていくと少し残念な気持ちになります。しかし映画なので、ストーリー進行の優先度が高いのは当たり前ですが、それが歌の魅力に負けてるということなんでしょうね。

グンターのことは語られず、ロジータ、ジョニー、アッシュ、ミーナはそれぞれ人生を一歩前進できたようです。ネズミのマイクは、ラストでミーナに聞きほれた以外は全く感情移入できなかったです。しかも最後は女性ネズミに助けられるという風に、自分では改心も成長もしてない状態で消息不明となります。

コアラのバスター・ムーンも電気や水まで?盗んだり、洗車仕事も長続きしなくて、結局は父により建てられた劇場を、今度はナナに支援してもらっただけで、自分ではほとんど努力してない点が気になります。それだけ人徳があるという見方もできますが、そういう風には描かれてないです。

2022年3月公開の続編『SING シング ネクストステージ』感想もご参考に。

私の評価 66/100(60が平均)

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