映画『バイオレンスアクション』感想ネタバレ解説考察/結末は?ラスボスは誰?最強は誰?
専門学校生の菊野ケイの夜のバイトは、指名ナンバーワンの殺し屋。今回のヤクザ組長からの殺害依頼は、ケイが出会い胸高鳴らした男。さらにケイを狙う最狂の殺し屋まで現れ…。任務を達成できるのか?落とし所は?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | バイオレンスアクション |
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日本公開日 | 2022/8/19 [予告] 上映時間:111分 |
監督・キャスト | 瑠東東一郎[キャスト] |
映倫区分 | 日本:PG12(小学生指導必要) |
配給/製作 (画像出典) | ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/ファインエンターテイメント |
日本興行収入 | 2.1億円 (興行収入ランキング) |
平均評価 平均:100換算 | (興収・評価: 2024.8.15更新) 56(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | マンガ実写化一覧 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
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※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
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- 菊野ケイ(橋本環奈)昼は専門学校生。夜はバイトで殺し屋
- みちたかくん(城田優)独自ルールを持つ最狂の殺し屋。ケイをねらう
- アヤベ(大東駿介)木下組の資産運用係。運用会社の社長
- ヅラさん(岡村隆史)不自然リーゼントの運転手。やや強い
- 渡辺(鈴鹿央士)ケイに恋する専門学校の同級生
- テラノ(杉野遥亮)頭脳明晰。ヤクザ会計士。金庫番。親友が病院で療養中
- だりあ(太田夢莉)孤高の天才スナイパー。金子との間に因縁が?
- 木下(高橋克典)次期組長の座をねらう野心家ヤクザ
- ラーメン屋の店長(馬場ふみか)キレたらこわい。ラーメンの味は…
- 三代目組長(佐藤二朗)伝馬組の三代目組長。親父ギャグ大好き。刑務所行きがほぼ確定
- 金子(森崎ウィン)凄腕の殺し屋スナイパー
- 国津(兵動大樹@矢野・兵動)次期組長をねらう古株ヤクザ
ネタバレ感想『バイオレンスアクション』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
原作はマンガ?監督と橋本環奈などキャスト
映画『バイオレンスアクション』は、原作(沢田新)・作画(浅井蓮次)による漫画の実写映画化です。小学館の漫画配信サイト『やわらかスピリッツ』で連載中。沢田新の正体は、漫画家「室井大資」(むろいだいすけ)の別名義だと明かされてます。
瑠東東一郎監督(るとう とういちろう)は、主にテレビドラマに関わってきました。映画作品では『劇場版 新・ミナミの帝王』(2017年)と『劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD』(2019年)を監督。
主演の橋本環奈(略称ハシカン)の、最近の映画出演作は『キングダム2 遥かなる大地へ』『新解釈・三國志』『今日から俺は!!劇場版』など。
杉野遥亮(ようすけ)は『東京リベンジャーズ』等に、鈴鹿央士(すずか おうじ)は『蜜蜂と遠雷』『かそけきサンカヨウ』等に、馬場ふみかは『糸』『AWAKE』等に最近出演。
ピンクヘア女子の表と裏の顔とは?バイト先は?
ある男が「ぷるるん天然娘 特急便」に電話し、ホテルに若い女子を呼びます。するとピンクヘアのJKにも見える女性がホテルへ入り、多数のチンピラを一瞬で片付けます。捕らわれてたアイドル女性は無事に救い出されました。
ピンクヘア女子の菊野ケイ(橋本環奈)は、昼は「日商簿記検定2級」合格を目指して専門学校で勉強中。帰りのバスで乗車賃を払ってくれた男テラノに少しトキメキます。ケイが、バイト先のラーメン屋に入ると、1人の男の死体が。
ケイにほれた専門学校生の渡辺(鈴鹿央士)も来店。店長(馬場ふみか)のラーメンはゴムの味。死んだと思われた男が暴れだすが、運転手のヅラさん(岡村隆氏)とケイが瞬殺。目撃者の渡辺は動じず、バイトを志願。
以上が序盤あらすじです。菊野ケイの表と裏の顔や能力の高さ、その仕事仲間であるヅラさん、店長の特徴、巻きこまれても動じない渡辺の変人ぶり等も解説なしでわかる良い導入部です。専門学校の風景はこれっきりですが。
橋本環奈の主演作(ヒロインは除く)を映画館で観たのは初めてだが、いい感じの女優になってて驚き。重厚な役を演じきれるとは思わないが、JKから20代前半の若く明るい女子に関しては遜色なく演じきれてると感じます。
橋本環奈は運動神経いいイメージはなかったが、今回くらいの動きができれば日本なら充分にアクション女優もこなせそう。ハリウッドや韓国と比べると酷ですが。『キングダム』の河了貂も演じてるので、乗馬で走るシーンも楽しみ(笑)
ヤクザが殺し屋を雇った理由?金庫番が発見した物?
今度の依頼は、関東最大のヤクザ伝馬組の若頭「木下」(高橋克典)から。依頼内容は、同じ伝馬組で次期組長の座を争う古株「国津」と国津組の構成員たちの抹殺。国津組が、木下組の資産運用係のアヤベを拉致したので報復のため。
菊野ケイはあっさりと片付け。恫喝して銃をぬこうとした国津も、ケイの仕事仲間の凄腕スナイパー「だりあ」が遠距離から銃殺。それを見た伝馬組の殺し屋の金子(森崎ウィン)は「だりあ」と因縁がありそう。
伝馬組の三代目組長(佐藤二朗)は、次の裁判後に刑務所へ入ることがほぼ確定で組の将来を気にしてます。そんな時、木下とアヤベの隠し資産3億円を発見したと、金庫番のテラノが組長に伝えます。テラノは金庫からその資産を盗み逃走。
中盤以降は、ヤクザ伝馬組の抗争に「ぷるるん天然娘特急便」が巻きこまれていきます。とはいえ、銃を持つ複数のヤクザ相手でも、たった1人で簡単に全滅させる殺し屋ケイの動きは超人レベル。ヒーロー映画と思った方がよさそう。
毛色の似た映画『ベイビーわるきゅーれ』の方が、リアル寄りのアクションで好みですが、ハリウッドや韓国映画の派手さに慣れてる人には、日本のリアルアクションは鈍重に見えるので好みは分かれそうですが、個人的には世界水準を目指してほしい。
ストーリーは、ヤクザの次期組長をめぐる単純抗争と予想したが、金庫番テラノ、木下の資産運用会社の社長アヤベ、殺し屋みちたかくんと金子、ケイの仲間だりあ等、意外と複雑な人間関係で忙しいです。
おやじギャグ好きの組長として佐藤二朗が登場した時には「またか〜」とがっかりしたが、ギャグ時間は短かったので、福田雄一監督ではなく瑠東東一郎監督でよかったかも!または、佐藤二朗がイメージを変えたいのかな?
次の目標はケイの想い人?最強は誰か?
次の仕事依頼は、伝馬組の三代目組長から。木下組の金庫から横領した会計士テラノが目標。テラノは、親友クラを撃った組員を探してます。クラが自害すると、関わってた木下組の隠し資産を奪って燃やします。
ケイはテラノを見つけ、組長が始末方法を検討してる間だけ、簿記2級の勉強を見てもらいます。そこへ木下組が現れ、テラノ殺害をねらうが、今度はテラノがケイを雇い木下組は倒されます。
しかし、ケイは、改造ネイルガンを連射する「みちたかくん」に敗北。伝馬組員の抹殺をねらう木下は、みちたかくんにも宣戦布告。しかし、みちたかくんの圧倒的な強さに木下組は全滅。
ラスト直前は、いよいよヤクザの内部抗争が本格化。ケイたち外部の殺し屋は不要では?と思いきや、なぜか戦闘力のないテラノ殺害のために雇われます。みちたかくん、金子などは信用されてないのか?
ケイはバスでテラノに一目ぼれした感じですが、簿記を学ぶケイにとって、会計士のテラノはあこがれのような存在にもなっていったのでしょう。ケイを直接雇えるのは、通常はありえない(金積んだ者勝ちになる)ので異例でしょうね。
今回の最強キャラは間違いなく「みちたかくん」でしょう。キャラもいいですね。ただ、みちたかくん、殺し屋なのに冷酷ではなく?殺さないのでつまらない。木下も生きてたし。ケイもほぼノーダメージで生還し、最強の座を奪います。
ケイが何度も言う「小さくても希望があれば」というセリフは原作どうりなんでしょうけど、経歴も過去も不明なケイが言っても「重みが感じられない」ので残念。続編ありきにしても、出し惜しみして結果を残せないと続編もなしになりそう。
結末は?全ての計画者の正体は?テラノの生死は?
生還したケイは、みちたかくんのネイルガンを見切って倒します。だりあも、両親のかたきであり自分を殺し屋に育てた金子を、教えられたとおり「迷わず」射殺し復讐を果たします。テラノは、ケイをニューヨークに誘います。
そこへ、生きてた木下と組員が現れてケイ、テラノを包囲。テラノは、奪った資産の隠し先の鍵を渡すと見せかけて、木下と一緒に海へ飛びこみ自爆。悲しむケイは借りてた30円を海へ投げ、ヅラさんの背中で泣きます。
伝馬組は、次期組長候補の木下組と国津組、テラノ、みちたかくん、金子も失ったが、これは全て三代目組長の計画どうりでした。アヤベも協力してたようだが、結局は組長の手のひらで転がされるのみ。組長はアヤベに期待してるよう。
騒動後、ラーメン屋で店長の(激まずい)ラーメンを美味しそうに食べる「みちたかくん」の姿が。ケイには、チーズケーキと30円が映った写真が送信されてきて、テラノが生きててニューヨークで暮らしてる姿を想像させます。
「伝馬組の抗争が三代目組長の計画だった」ということじたいに意外性は感じないが、組長がアヤベを動かしてたことは意外。アヤベが国津に拉致されて抗争のきっかけになったのも、計画の1つだったのかな。
最狂の「みちたかくん」がケイにも木下にもトドメを刺さないのはがっかりだが「勝った後には興味ない」という設定にすればよかったのに。それにしても、ケイの不死身ぶりは異常。完全にリアルを放棄しましたね。
テラノが生きてたのも防弾チョッキのおかげ?ぽいが、そういう甘い展開が続くと、死をかけたバトルに緊張感がなくなるし「殺し屋って何?けんか屋のこと?」みたいに思えてしまい、もう続編はいらないなと思ってしまいました。
映画『バイオレンスアクション』私の感想と評価
橋本環奈は、マンガのごとく極端にデフォルメされた「超かわいい娘」を演じさせれば他に候補なしかも。そんな橋本環奈を愛でて堪能するには最高の映画だし、今の年齢でしか出せない純粋なかわいさを残すだけでも価値ある作品です。
一方、アクション映画の白熱感・緊張感は放棄してるように感じます。スタントやボディダブルを多用してるとはいえ、ハシカンが動くシーンはTVなみの雑な編集技術でごまかしてるのがみえみえで、世界に配信するには恥ずかしい水準。
『ベイビーわるきゅーれ』のあの2人を採用すれば、もっとしっかりしたアクションを見られたと思うが、そもそも橋本環奈ありきで始まった可能性も高そう。一昔とは違い、看板女優や番宣がヒットに結びつかないのは興行収入が証明しそう。
ストーリーもありきたりで、とってつけたようなケイの「小さな希望」発言も軽薄に感じるし、戦闘も邦画でよく見るスロー多用のなんちゃってバトルで残念。そろそろそれでは視聴者をだませないことに気づくべきですね。
もちろん橋本環奈たち出演者に罪はなく、古い考えの制作陣が一掃されることを祈るのみ。橋本環奈、城田優の他に見どころは少ないが、今しか見れない若手女優の輝きを堪能したい人はぜひ!
私の評価 60/100(60が平均)
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