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映画『アメリカンハッスル』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?実話?詐欺は成功?

アメリカン・ハッスル 映画/ドラマ

アメリカの収賄スキャンダル「アブスキャム事件」をベースに映画化。詐欺師アーヴィンはFBIと司法取引し、大物政治家やマフィアの悪事を暴くため、ニセのアラブ大富豪でおとり作戦を演出するのだが…(ネタバレ感想あらすじ↓)

映画名/邦題アメリカン・ハッスル
日本公開日2014/1/31 [予告] 上映時間:138分
製作国アメリカ
原題/英題American Hustle
監督・キャストデビッド・O・ラッセル
キャスト
出演者
クリスチャン・ベール、ブラッドリー・クーパー、ジェレミー・レナー、エイミー・アダムス、ジェニファー・ローレンス
映倫区分日本:G(年齢制限なし) USA:R
配給/製作
(画像出典)
ファントム・フィルム、コロンビア映画(USA)/Atlas Entertainment、Annapurna Pictures
日本興行収入3.0億円 (興行収入ランキング
世界興行収入2.5億USドル [出典]
製作費0.4億USドル
平均評価
平均:100換算
*批評家と一般は単純平均
(興収・評価: 2024.8.26更新)
73私の評価は含まず)
シリーズ
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ネタバレ感想『アメリカン・ハッスル』解説と評価

以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!

『アメリカン・ハッスル』ネタバレ感想や解説

映画『アメリカン・ハッスル』は、詐欺師ローゼンフェルドがFBI捜査官リッチーと司法取引して協力しながら、大物の政治家やマフィアを詐欺にはめて逮捕しようとする、実話を基にしたサスペンス映画です。出演者が豪華で、それぞれの見せ場合戦の要素もあります。

アブスキャム事件というアメリカでは有名な実話の詐欺事件をベースにしてますが、ほとんどがフィクションだそうです。しかしフィクションにした割には、現実を超えるような奇想天外な面白さはなかったように感じました。名作映画『スティング』のようなだましあいを期待したのですが。

出演者たちは豪華でクセの強い人を集めてるのですが、演じる役じたいも濃いキャラが多いため、俳優・女優たちのぶつかりあいは見ごたえがあって素晴らしかったです。特にジェニファー・ローレンスのぶっとんだ演技は『世界にひとつのプレイブック』も思い出させる好演でした。

この映画のおすすめ5ポイント

少し残念ツッコミどころ4ポイント

アメリカン・ハッスル 映画/ドラマ

ネタバレあらすじ感想

クリーニング店長かつ詐欺師のアーヴィング・ローゼンフェルドはクリスチャン・ベールが演じてるとは思えないくらい、外見はさえない感じですが、それが詐欺を仕掛ける上ではプラスになってる気がします。目立たないし記憶されにくいし、頭が良くて計算高いと思われにくいからです。

そんなローゼンフェルドを外見ではなく内面で好きなシドニー(エイミー・アダムス)は見る目があります。シドニー自身は美女で頭の回転も早くて、ローゼンフェルドと組んでハニートラップ(色仕掛けの詐欺)が得意です。

2人は愛しあっていますが、ローゼンフェルドは妻ロザリン(ジェニファー・ローレンス)に子どもの親権を取られてしまうため離婚できません。このロザリンがとんだトラベルメーカーで、詐欺計画もローゼンフェルドの命も危うくなるけど、本人は全く意に介さないので、ある意味最強です。

物語は現在に過去が混ざってくるけど、境界線がわかりにくいため時系列を混乱します。ローゼンフェルドはシドニーと出会って愛人にして、2人でさらに大儲けしようとしたところ、身分をいつわって金を借りに来たFBI捜査官リッチー(ブラッドリー・クーパー)に逮捕されます。

ローゼンフェルドはいつも自分の手は汚さないため不起訴となりますが、シドニーを助けるために捜査官リッチーとの司法取引に応じて、4人の大物詐欺師の逮捕に協力します。しかしリッチーの最終目的は、市長カーマイン(ジェレミー・レナー)や汚職議員の逮捕です。

リッチーがなぜこれほどに市長カーマイン逮捕に執念を燃やすのかは意味不明でした。カーマインは基本的に賄賂をもらわないし、誠実を心がけています。街の住民や発展のために尽力してもいます。カジノ建設のために裏工作もしてるけど、それほど悪人には思えません。

そんなカーマイン市長に無理矢理、賄賂を受け取らせて逮捕しようとするリッチーには共感できませんでした。結局、カーマインはマフィアとつながっていましたが、リッチーはその関わりを途中から知った感じだったので、カーマインを逮捕したい理由がよくわかりませんでした。

そのマフィア、ヴィクター・テレジオとローゼンフェルドら詐欺師たちが会合することになり、テレジオが偽のアラブ大富豪にアラビア語で話しかけたシーンは、この映画で一番ドキドキしました。テレジオ役のロバート・デ・ニーロの迫力演技はさすがです。

妻ロザリンはうつ病とは思えないくらいの怖いもの知らずで、テレジオの部下と親しくなります。そしてうっかり、夫ローゼンフェルドの計画について話して、マフィアに疑われてしまいます。夫の命が危険なのに、平然としているロザリンは超天然なのかもしれません。

その時のロザリンの逆ギレ感がとんでも論理の名言で、あきれる以上に笑えました。「あなたは追い詰められないとがんばれないのよ。だから私のおかげで助かったでしょ?」

映画『アメリカン・ハッスル』ネタバレ結末ラスト

ローゼンフェルドはカーマイン市長と親しくなってたので、全てを打ち明けますが、逮捕は避けられないため激怒するのも当然ですね。ローゼンフェルドとシドニーは最終作戦を練って、FBIが200万ドルをテレジオの部下へ振り込むよう説得します。

ここもわかりにくかったです。ローゼンフェルドは200万ドルをテレジオに渡すことにより、詐欺ではないことを証明すれば命が助かります。しかしこの現金は実際にはテレジオには振り込まれなかったはずです。それなのにマフィアが逮捕をまぬがれただけで、ローゼンフェルドを見逃すのでしょうか

そこで考えられるのは、マフィアがローゼンフェルドを殺したり危害を加えると、今度こそ証拠が確かなのでFBIがマフィア逮捕に乗り出す可能性があるということです。または、ローゼンフェルドはFBIに利用されてただけで、最後はFBIを出し抜いてマフィアを助けてくれたので恩を感じたのかもしれません。

結局この200万ドルはローゼンフェルドが詐欺により手に入れて、FBIに返却するかわりに、ある条件をのませます。それは、カーマイン市長の減刑と、ローゼンフェルドとシドニーの不起訴です。

200万ドルは当時で2億円以上の価値があったし税金だったので、FBIがそちらを優先させた理由はわかります。しかしそれよりも、お金を受け取ったのがマフィアでないため、この時点でマフィア逮捕はできなくなったのも条件をのんだ理由だと感じました。それにカーマイン以外の汚職政治家は逮捕できましたし。

ラストでは、ロザリンはマフィアの部下と一緒になるため、夫との離婚を認めてくれ、ローゼンフェルドはシドニーと共に健全な仕事をはじめます。それにより、子どもを引き取ることもできます。彼らにとってはハッピーエンドな結末でした。

しかし最も善良に見えたカーマイン市長が減刑とはいえ逮捕されたのは、本当にかわいそうで後味が悪すぎます。ローゼンフェルドは良心の呵責があるのなら、裏方でもいいのでカーマインと彼の家族をケアしてあげてほしいです。

そして本来は最も善良であるべきのFBI捜査官リッチーが、実は詐欺師以上の最もクズで野心家だったのは皮肉でしょうね。でも上司をなぐった上に、ローゼンフェルドの策にはめられてしまったため、出世は危うくなると思います。

シドニーが途中リッチーの方にほれていきそうな展開でしたが、あれはウソ演技だったのか本気なのか微妙でした。シドニーがもし本気だったとしても、頭が良い自信家が好きなようなので、敗色濃厚になったリッチーを見限ったようにも感じました。

アカデミー賞10部門でノミネートされただけあり、クセある役者陣の競演は見事でした。詐欺師がFBIとマフィアと政治家をだます映画というだけでも興奮できますので、ぜひ1度は観ることをおすすめしたいです!

私の評価 62/100(60が平均)

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