映画『モアナと伝説の海』評価は?ネタバレ感想考察/女神の心を届けに少女と半神が海洋冒険

『モアナと伝説の海』あらすじ概要
ディズニーアニメ映画。モテゥヌイ島で家族や仲間たちと平和に暮らす少女モアナは、幼いころに不思議な海の力により選ばれた。成長したモアナは異変を解消するため、隠された船で大海原へと旅立ち、世界を産んだ女神..(ネタバレ感想考察↓)
映画名/邦題 | モアナと伝説の海 |
原題/英題 | Moana |
日本公開日 | 2017/3/10 [予告↓]上映時間 113分 |
映倫区分 | 日本 G(年齢制限なし)USA PG |
製作国 | アメリカ |
映画監督 | ジョン・マスカー、ロン・クレメンツ |
キャスト 出演者 | アウリー・クラバーリョ、ドウェイン・ジョンソン、レイチェル・ハウス、テムエラ・モリソン、ニコール・シャージンガー |
配給/製作/画像 | ©Walt Disney Studios Motion Pictures/Walt Disney Pictures |
シリーズ/関連 | ディズニーアニメ映画 |
日本興行収入 | 51.6億円(年間6位) |
世界興行収入 | 6.4億USドル [出典] |
平均評価★★★★★78(私の評価↓は含まず)
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『モアナと伝説の海』予告動画
ネタバレ感想『モアナと伝説の海』解説や評価レビュー
この先はネタバレありの感想考察です。続編前作や関連映画は、ディズニーアニメ映画一覧もご参考に。
『モアナと伝説の海』ネタバレ感想の総括
アメリカで同年公開のディズ−アニメ映画『ズートピア』『ファインディング・ドリー』と比べると、かなりシンプルな海洋冒険映画で、個人的には少し物足りなさを感じました。ちなみに3作とも白人っぽくない女性キャラ(動物)が主人公で、世相が反映されてる気がします。
海が舞台なのでドリーと同じですが、神やおばあさんが出ることが共通してるため『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』に近い物語だと感じました。冒険はやや困難だけど、ラストの決着はわりとあっさりという点も似ています。
『モアナと伝説の海』はディズニーアニメでははじめての、ポリネシアが舞台の映画だそうです。あいかわらず海や島の風景などは美しくて、ポリネシアっぽい歌やミュージカルは、頭に残りやすいです。勇気や自然保護、常識を疑うこと、先祖の技術を復活させることがテーマで、子どもにもおすすめできます。

この映画のおすすめ、8つのポイント
- ポリネシア舞台の海洋冒険映画
- ポリネシアの文化や様子を知れる
- 先祖のルーツを知り、継承する
- モアナの勇気と行動力
- にわとりのヘイヘイがかわいい
- 半神マウイのヒーローへの葛藤
- テフィティの正体には少し驚き
- 子どもや家族と一緒に楽しめる
少し残念?つっこみどころ、5つのポイント
- ストーリーがシンプルすぎる
- 葛藤や困難が少ない
- モアナを守る海が最強すぎる
- 海の力でテカーを楽に倒せるのでは?
- 豚のプアが同行しなくて残念
『モアナと伝説の海』あらすじにそってネタバレ感想
冒頭はこの世界の成り立ちが語られます。ポリネシアの伝承をもとにしてるようです。私もサモア、トンガ、フィジー、ラパヌイ(イースター島)などには行ったことがあり、地域の伝承を少し調べたので、なつかしいです。
女神テ・フィティは、海に島を作り、生物を創造するなど、生命をつかさどっています。ある日、英雄である半神マウイが、なぜかテフィティのハート(心)を盗みました。魔法の大フック(釣り針)で鳥や魚に変身できるマウイでしたが、突然現れた地と火の悪魔テカーに負けて、フックもハートも海に沈んでしまいます。
それから世界は闇になりつつあり、魔物やテカーがテフィティのハートを探し続けている、という神話を村長の母親のおばあちゃんが、子どもたちに話します。その神話から千年経つと言ってましたが、それ以降のマウイの動向や島の異変が最近出てきたことから、千年は大げさすぎると感じました。
幼いころから好奇心旺盛な村長の娘モアナは、1人で海へ行き、生まれたての亀が海へ入るまで鳥から守ってあげます。すると海から祝福されたようで、モーゼのように海が開いて歩けるし、テフィティの心を与えられます。しかしすぐに海に落としてしまい、年月が経ちます。
亀つながりでは、アメリカで同年公開で同じくアカデミー賞にノミネートされた『レッドタートル ある島の物語』を思い出します。しかし赤ちゃん亀が海へ入るまで保護しただけで、海に祝福されるという設定には違和感を覚えます。そのくらいなら他の子もやりそうなので、もっと深い選抜理由がほしいです。
モアナの父は村長で、村の平和を守ることを最優先し、海へ出る時もリーフの外の沖へ行くことは禁じています。海が大好きなモアナは船で漕ぎ出そうとしますが父に戻され、成長するにつれ日常に順応していきます。しかし、おばあちゃんは海洋民族の血がさわぐのか、モアナの好奇心を刺激しつづけます。
こういう物語は、どの島でも共通していて、昔はどこかから船でやってきて島に定住して、やがて航海技術が忘れされてしまうのです。定住した方が安全で食料の心配も少なくなり子孫も増やしやすいのですが、フロンティア精神や冒険心はなくしていきます。
ある日、島のココナッツがおかしくなり、魚も取れなくなります。モアナはリーフ外での漁業を提案するが、過去にリーフ外で友人を亡くした父は猛反対します。それでも海に漕ぎ出したモアナはすぐ失敗し、祖母により隠された祖先の洞窟へ案内されます。
そこには、祖先が海洋民族だった証の、立派な船がいくつも隠されてます。祖先は困難な航海を乗り越えて、この島に到達したのでしょう。祖母は海で拾っていたテフィティの心(ハート)をモアナに渡した後、倒れます。祖母はモアナに、世界の暗黒化を阻止するために、ハートをテフィティに戻す旅へ出よと言います。
先ほどの「千年問題」や「海がモアナを選抜した理由」もそうですが、ここまで観ただけで『モアナと伝説の海』は、ディズニーらしいディテールへのこだわりをあまり感じません。先入観を捨てられない村長のもとから旅立つのは『ヒックとドラゴン』と同様ですが、ヒック…はもっと奥が深かったです。
最近のディズニーアニメでは、プリンセス的な女性キャラが王子様に頼らず、自ら道を切り開いていく映画が主流です。しかしモアナは、テフィティのハートも船も祖母から受取り、リーフ外への航海も祖母に言われるがままで、何1つ自分自身で成し遂げていません。
モアナは航海をはじめるけど航海術の知識もないので、すぐに遭難します。この準備不足もひどいけど、そういう知識を与えずにただフックの星座を目指せ!と航海をうながした祖母もひどいです。しかし遭難した無人島には都合よく半神マウイがいました。そもそも遭難は海のしわざだったのかもしれません。
ところで、豚のプアが同行しないのは残念です。いつものディズニー映画なら必ず同行すると思ったのですが。にわとりのヘイヘイだけは同行して、細かく役立ちます。笑いのネタにもされますが、だんだんかわいいと思えてきます。石しか食べない?設定は伏線かと思ったのに、謎解きがなくて残念です。
半神マウイはフックをなくして変身できなくても、船くらいは造れるだろうに、千年間?も何してたのかは、つっこみ禁止なのでしょうか。そして最大の謎である、テフィティのハート(心)を盗んだ理由も結局不明のままです。このあたりもディズニーにしては、ツメが甘すぎます。
モアナとマウイは航海開始後すぐに、カカモラというココナッツの海賊と遭遇して戦闘になります。アクションシーンはさすがディズニーで、躍動感もあって面白いです。この映画がヒットしたら、ディズニーシーのアトラクションにも追加されるかもしれません。
しかし残念なのは、カカモラがストーリー上、何も意味がないことです。悪役が送りこんだわけでもなく、後に正体が判明するわけでもなく、ただ単に子どもウケするアクションシーンを追加したかっただけにしか思えません。謎多きかわいいキャラだけに、もったいない使い方です。
次にモアナらは、マウイのフック(大きな釣り針)を、光り物が好きなカニのタマトアから取り返しに行きます。そこへの入口が岩山の頂上の顔面遺跡であったり、飛び降りると水の層を抜けた後に空気のある空洞があったりと、意味不明な展開がつづきます。そもそもモアナは落下死した可能性すらありますね。
カニのタマトアをだましてフックを奪い返した後は、海底火山か間欠泉で打上げられて海面まで戻りますが、そんな方法は最初から考えてなかっただろうから都合良すぎます。カカモラのボスキャラをタマトアにした方が納得感もあった気がします。
フックを手にしたマウイは、ひさしぶりで上手く変身できません。マウイは人間の両親に海に捨てられ、海の神に拾われて育てられ、変身のフックを与えられて半神になったようです。モアナに「海の神が助けた理由はあるはず。マウイは神が育てたのではなく、あなた自身だ」と自信づけられ、変身能力がもどります。
『モアナと伝説の海』ネタバレ結末/ラストシーン
ついにテフィティの島へたどり着きますが、地と火の悪魔テカーに敗北して、フックにひびが入りマウイは失意で去ります。しかしモアナはおばあちゃんの幻影にはげまされ、マウイに習った航海術を駆使して、テカーの弱点である海水を利用しながら再び挑みます。結局、ピンチの時にはマウイが現れて助けられますが。
テフィティの島にはテフィティの姿はなく、ハートのうずまきとテカーの胸の模様が一致するのを見て、モアナはテカーがテフィティであると気づきます。そしてモーゼのように海を割って、テカーと向き合い、テフィティのハートをうずまきにはめます。するとテカーはテフィティに戻り、島も元どおりになります。
テカーが実はテフィティであったことは予想できなかったので意表をつかれました。しかしそれならマウイがハートを盗もうとした理由が、ますますわからなくなります。また「モアナを導いた海の意志」と「マウイを育てた海の神」と「女神テフィティ」の関係を知りたいです。神が多すぎて混乱しますよね。
また、マウイのフックをテフィティが再生して渡すのはやめてほしかったです。マウイは成長してフックに頼ることなくヒーローになれた、という展開の方が良かったです。ところでフックを再生できたということは、マウイを育てた海の神は、テフィティと同一神なのでしょうか。
ラストでは、マウイは大鷲になってモアナの元を去り、モアナはモトゥヌイ島へ戻って、村長や村人たちに忘れさられた航海術を教えて、平和になったリーフ外の海へとのりだします。結局、勇気を出して外へ出たモアナが航海術を身につけて、島民を海洋民族に戻した物語だったわけです。
最近のディズニーアニメ映画の中では荒さが目立ちますが、ストーリーは簡潔でテーマも軽めで気楽に見るには向いてると思いますので、ぜひ1度は観ることをおすすめしたいです!
続編前作や関連映画は、ディズニーアニメ映画一覧もご参考に。
『モアナと伝説の海』シリーズ順番・映画ランキングや映画賞
- ディズニーアニメ映画
- 2017興行収入ランキング日本
- 世界興行収入(2000-2022年)
- アカデミー賞(2003-2023年)
- 報知映画賞(1990-2023年)
- ゴールデングローブ賞(2010-2023)
- ファンタジー/SF映画一覧

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