映画『ザ・コンサルタント』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?敵の正体と目的は?
自閉症の会計士クリスチャン・ウルフはある大企業の財務調査で不正を見つけた後に命をねらわれます。実は凄腕のウルフは次々と敵を倒していくが、過去の人間関係が浮かび上がってきて…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | ザ・コンサルタント |
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日本公開日 | 2017/1/21 [予告] 上映時間:131分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | The Accountant |
監督・キャスト | ギャビン・オコナー |
キャスト 出演者 | ベン・アフレック、アナ・ケンドリック、J・K・シモンズ、ジョン・バーンサル、ジョン・リスゴー |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:R |
配給/製作 (画像出典) | Warner Bros. Pictures/エレクトリック・シティ・エンターテイメント、Advanced Underwriting Concepts、ラットパック=デューン・エンターテインメント、ゼロ・グラビティ・マネジメント |
日本興行収入 | 5.3億円 (興行収入ランキング) |
世界興行収入 | 1.5億USドル [出典] |
製作費 | 0.4億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.24更新) 71(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | アクション/スポーツ/冒険映画一覧 |
ネタバレ感想『ザ・コンサルタント』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
映画『ザ・コンサルタント』ネタバレ感想と解説
タイトルを聞いただけでは見たいと思わないけど、ベン・アフレックが高機能自閉症で裏稼業をこなすと言われれば、少し興味がわいてくるだろうサスペンス・アクション映画です。しかし、サスペンス要素も、アクション要素も、それほどないので期待しないで見た方がいいかもしれません。
ストーリーは会計調査を頼まれた会社で不正を見つけてしまい、命をねらわれるようになり、黒幕を見つけて倒す、というシンプルでありきたりのものですが、ベン・アフレック演じるクリスチャン・ウルフが次に何をするか予測しにくい点で、いろいろと新鮮さはあります。
そしてJ・K・シモンズが演じるレイ捜査官とクリスチャンとの関係も、中盤の見どころになってきます。アナ・ケンドリック演じるデイナは存在感こそ発揮してますが、メディナと同様に今作品ではそれほど必要のないキャラに感じます。2人とも語り聞かせるための存在でしょうね。
横領の黒幕については予想どおりでしょうけど、それ以外の部分、例えば黒幕を守るリーダーや、機会音声助手の正体などの方が驚きです。それはそれで評価できますが、本筋をもっと面白く厚みのあるものにしないと、視聴後の満足度はそれほど高くならない気がしています。続編には期待したいです!
おすすめ9ポイント
- 高機能自閉症が主人公
- 本筋も脇もサスペンス
- 何度かアクションもあり
- クリスチャンの謎
- レイとクリスチャンの関係
- 横領事件の黒幕の正体は?
- 黒幕を守るリーダーの正体
- デイナとの関係
- 機会音声助手の正体に驚き
少し残念6ポイント
- 物語の時系列がわかりにくい
- 登場人物の人間関係が不鮮明
- ラマーからの調査依頼は偶然?
- 弟が敵を指揮してたのも偶然?
- ラスボス戦がなくて消化不良
- レイとメディナの存在が薄い
『ザ・コンサルタント』ネタバレあらすじと解説
クリスチャン・ウルフは、両親によって精神障害児用のハーバー神経科学研究所に連れて行かれ、高機能自閉症と診断されます。それは明るい光や大きな音に過敏になり、人とのコミュニケーションは困難だが、知的発達の遅れはない症状です。弟ブラクストンは静かに座っています。
クリスチャンはそこで落ち着きなく、難解ジグゾーパズルに取り組みますが、最後の1ピースが見つからなくてパニックを起こします。すると口のきけない少女ジャスティンが床の1ピースを見つけて渡すと、クリスチャンは落ち着きを取り戻し、なんと裏返しのまま表の絵「モハメド・アリ」を見ずにパズルを完成させます。
クリスチャンの父親は施設にあずけることに反対して、弟とともに育てることにすると、母親は家族から離れていきます。父は軍人なので子どもたちも厳しく育て、インドネシア武道シラットや引き下がらない強い精神を教え込みます。そして2人は軍人となり、クリスチャンは射撃の名人となります。
現在、クリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)はシカゴで会計事務所を開業しています。そこへ老夫婦が税金の相談へ来て、クリスチャンは的確にアドバイスしたので、老夫婦は喜んで彼を家へ誘います。後日、クリスチャンは老夫婦の広い農場へ行き、射撃練習をさせてもらいます。その腕前は名人級です。
同じ頃、財務省(商務省)捜査官レイモンド・キング(J・K・シモンズ)は分析官のメリーベス・メディナ(シンシア・アダイ=ロビンソン)に、裏の世界でも活動しているクリスチャンについて調査するよう依頼します。レイモンドはメディナの犯罪履歴を知っていて従わせます。メディナは犯罪現場の盗聴音声から、自閉症患者の特徴を見つけます。
クリスチャンは整理された部屋で質素に暮らし、食事もシンプルです。寝る前には、大音量の音楽をかけながら、光を点滅させて、足に刺激を加える運動?をします。裏稼業用のトレーラーハウスも所有してて、武器や資金だけでなく、大好きなルノワールやジャクソン・ポロックの絵画も飾ってあります。
クリスチャンは機械声の女助手と話し、ハイテク大企業リヴィング・ロボティクスの社長ラマー・ブラックバーン(ジョン・リスゴー)からの依頼で、同社内の横領疑惑について会計調査することになります。社内で横領に気づいた担当者のデイナ・カミングス(アナ・ケンドリック)は気さくに接しますが、クリスチャンはマイペースです。
クリスチャンはホワイトボードや壁一面に会計数字を書き、徹夜で調査を終え、多額な横領をつきとめてCFOに報告します。デイナは調査を1日で終わらせたことに驚きます。翌日、壁の数字が全て消されて、ラマー社長から調査中止だと言われます。昨晩、CFOが自殺(をよそおって殺された)したからです。
クリスチャンは仕事を完遂できないことにストレスを感じ、老夫婦の農場を射撃練習のため訪れます。そこで暗殺者が老夫婦を人質にとるが、返り討ちにして老夫婦を助けます。暗殺者はデイナをねらうことを知り、クリスチャンは襲撃されてたデイナを間一髪で助け出して、安全な場所へ避難させます。
クリスチャンはデイナに、高機能自閉症のことを話します。そして横領した金で自社株を買って自社価値を高めようとする陰謀を暴き出します。横領犯人は副社長でラマーの妹のリタだと結論づけたクリスチャンは、リタの自宅へ行くが既に殺されていて、殺人犯は取り逃がしますが、黒幕はラマー社長だとわかります。
シンプルな物語のように始まりますが、クリスチャンの過去と、レイモンドやメディナの捜査と、現在のクリスチャンの表の顔である会計士の話、クリスチャンの裏の顔が、次々と展開されるためわかりにくいです。
それに加えて、高機能自閉症という聞きなれない症状のクリスチャンが、数字への異様なこだわりと天才的頭脳によって不正会計を一晩で暴き、実は凄腕のスナイパーで格闘技のシラットも使いこなせるという万能ぶりです。そんな主人公に期待しつつも、超人すぎる点に少し違和感も感じてしまいます。
一方、メディナはクリスチャンが資金洗浄して、ハーバー神経科学研究所へ寄付してることなどをつきとめ、レイとともに彼の自宅を家宅捜索します。武器にまじって、凹んだ水筒を見つけたレイはなつかしみます。メディナが商店街の共同経営者がクリスチャンであることを突きとめたきっかけは、よくわかりません。
水筒になつかしんだレイが語ります。クリスチャンが刑務所に入った理由は、母が死んだ時に葬式へ行き、再婚後の家族に追い出されそうになり暴れたからです。父親はその時に撃たれて亡くなりました。そのくらいなら大した罪ではない気もするし、発泡した警官の方がやりすぎで罰せられたのか知りたいです。
刑務所でクリスチャンは、フランシスというガンビーノ一家の資金係だった男と仲良くなり、そのノウハウ等を伝授されます。フランシスは出所後、すぐにガンビーノ家に捕まり拷問後に殺されます。それを知ったクリスチャンは、すぐに看守を水筒で殴って脱獄し、ガンビーノのトニーと部下達を全滅させます。
当時レイ捜査官は、フランシスから資金の流れを聴取する担当だったが熱心には取り組まず、保護すべきだったフランシスを釈放してしまったことに後悔します。そしてフランシスを殺害したであろうトニーを見張ってるうちに、クリスチャンがなぐり込むのを見て追いかけます。トニーらの全滅後、レイはクリスチャンに銃を向けられますが助けられます。
そんな恐怖を味わい、後悔の念もあったレイは退職しようとしますが、機械声の女性から電話があり、大きな犯罪をあつかえました。それ以降も同じような電話が続きます。しかしレイは引退するので、次の後継者にメディナを選んだのです。その時、メディナに機械声の女性から電話があり、レイの足を机から下ろすことと、目標がリビング・ロボティクスであることを告げます。
このレイの昔話は、クリスチャンとレイの過去を知る上で最も重要なのですが、語られる順番がバラバラでしかも区切れ目がはっきりしないため、かなりわかりにくい点が残念です。そもそもこれだけの秘密を、全て会話と回想シーンのみで見せるのも、サスペンス映画としては減点です。
『ザ・コンサルタント』ネタバレ結末ラスト
クリスチャンはリビング・ロボティクス社のCFOと妹リタまで殺害した社長ラマーのもとへ向かいます。ラマーは襲撃に備えて多くの暗殺者に待ち伏せさせますが、クリスチャンの強さは圧倒的で全滅させます。そして少し負傷したクリスチャンは、幼い頃に繰り返した歌を歌いだします。
それをモニターで聞いてた暗殺者のリーダーは仲間を殺し、クリスチャンの前に出ます。なんとそれは弟ブラクストン(ジョン・バーンサル)で、父の死についてクリスチャンを責めます。2人は格闘の末に仲直りしますが、弁解しながら出てきたラマーにクリスチャンは慈悲を与えず、あっさり射殺します。
兄弟は再会の約束をして別れます。リビング・ロボティクス社の横領事件の手柄としてメディナが記者会見しますが、チームで解決したのだとアピールします。デイナは襲撃された部屋を修理してると、犬の絵の宅配便が届きます。しかしそれを破ると、クリスチャンのトレーラーハウスで見つけたジャクソン・ポロックの抽象画が現れます。
ハーバー神経科学研究所へは多額の寄付があり、そこの所長の娘ジャスティンは超高性能PCを与えられ操作できます。話せない彼女はPCの機械音声で会話できますが、その声がクリスチャンの助手の正体です。
ラストのアクションは、クリスチャンことベン・アフレックの久々の格闘シーンで、シラットと銃を使って圧倒的な強さを見せてくれて楽しいです。『イコライザー』『ジョン・ウィック』などを思い出します。しかしリーダーが弟だったという偶然?のせいで、ラスボス戦がなかったのは消化不良ぎみです。
弟との再会、メディナへの引き継ぎ、サポート役ジャスティンの正体、そしてデイナとの関係など続編へつながりそうな終わり方で、実際にその構想は発表されています。全てを把握しようと思うと結構難解な気はしますが、ぜひ1度は観ることをおすすめします!そして2度観るとさらに発見がありますよ。
私の評価 62/100(60が平均)
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