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映画『バンブルビー』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?伏線回収は?

バンブルビー 映画/ドラマ

トランスフォーマー・シリーズのスピンオフ1作目。サイバトロン星から地球に着いたバンブルビーと、父を亡くした孤独な少女チャーリーは友情を深めるが、敵により離ればなれにされて…。母性本能に目覚めた少女を守れるか?吹替版の出来は?(ネタバレ感想あらすじ↓)

映画名/邦題バンブルビー
日本公開日2019/3/22 [予告] 上映時間:114分
製作国アメリカ
原題/英題Bumblebee
監督・キャストトラヴィス・ナイト(キャスト
映倫区分日本:G(年齢制限なし) USA:PG-13
配給/製作
(画像出典)
東和ピクチャーズ/ディ・ボナヴェンチュラ・ピクチャーズ、オールスパーク・ピクチャーズ、テンセント・ピクチャーズ
日本興行収入8.7億円(興行収入ランキング
世界興行収入4.6億USドル [出典]
製作費1.4億USドル
平均評価
平均:100換算
*批評家と一般は単純平均
(興収・評価: 2024.8.17更新)
74私の評価は含まず)
シリーズ
関連作品
トランスフォーマー映画一覧

登場キャラクター(キャスト/出演者)

ネタバレ感想『バンブルビー』解説と評価

以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!

大抜擢のトラヴィス・ナイト監督とマイケルベイ

今までのトランスフォーマー・シリーズと言えば、スティーヴン・スピルバーグがプロデューサーで、マイケル・ベイ監督が完成させてきました。制作費は莫大ですが、それを上回る興行収入を獲得し大成功を収めています。

しかしシリーズを重ねるにつれ、ド派手なアクションや爆発の連続、ご都合主義のストーリー展開、感情のないキャラクターや敵味方不明のバトル、それでもハッピーエンドに見せる強引なラスト等に映画ファンですらついていけなくなりました。

そこでトラヴィス・ナイト監督ですが、誰?と思い調べたら、なんとナイキ創業者フィル・ナイトの次男です。アニメーターとして参加した会社を父が買い取り、その「ライカ」の一員として『コララインとボタンの魔女』にも参加しています。

「ライカ」のCEOとなった後は、日本を題材とした『KUBO クボ 二本の弦の秘密』を発表し、アカデミー賞の長編アニメ賞にノミネートしました。8歳時に日本へ来てて、黒澤明や宮崎駿も好きだそうです。

それにしても経歴にしては大抜擢ですが、トランスフォーマーはアニメの方が親和性も高いので、アニメーター出身の監督起用は正解です。マイケルベイ風「かっこよさの足し算」は排除し、シンプルで丁寧な作りが世界中で評価されています。

個人的にも1作目『トランスフォーマー』はワクワクしたけど、それ以降はもういいやと思いながら『トランスフォーマー5 最後の騎士王』まで観てしまい、今では何も記憶に残ってません。パイレーツオブカリビアン・シリーズに似てるかも。

『バンブルビー』の成功により、続編の可能性も高いようですが「マイケルベイ色をもっと濃くする」との記事を読んで「せめて10%程度に抑えてほしい」と思ってます。昔のトランスフォーマーを求めてる人って多いのか気になりますが。

ヘイリースタインフェルドと他キャストや吹替声優

主演のヘイリー・スタインフェルドは、2018年公開『スウィート17モンスター』が記憶に新しいけど、なんと『トゥルー・グリット』のマティ・ロスを演じてアカデミー賞の助演女優賞にノミネートされたあの子役だったんですね。

本作では何やってもうまくいかない女子高生を演じ、バンブルビーとの交流もかわいいです。アイシャドウなどの化粧はない方が日本ではウケそうですが。最近では『スパイダーマン スパイダーバース』のグウェンの声優もしています。

セクター7の軍人バーンズ少佐を演じたジョン・シナは、アメリカの現役プロレスラーです。俳優業は初めてじゃないので違和感なかったし、むしろ無骨な軍人役はシュワルツネッガーのようで似合っていました。

少年ギレルモ・グティエレス、通称メモを演じたジョージ・レンデボーグ・Jrは初めて見たけど、内気な少女に思いを寄せるオタク少年を見事に演じていました。彼が演じる同じようなキャラを別の映画でも見てみたいですね。

日本語吹き替え版はまだ観てませんが、心配された「タレント吹き替え批判」は少なめなので、チャーリー役の土屋太鳳、メモ役の志尊淳は問題なさそう?ですかね。でも主役級キャラはやはり専業声優を使ってほしいと思ってます。

オプティマス・プライム役の玄田哲章、敵のシャッター役の悠木碧は絶賛されてます。特に悠木碧はバンブルビーが昔から大好きらしいので、本当はチャーリー役にしてほしかったですね。愛ありすぎて内気なチャーリーには似合わないのかな?

トランスフォーマーシリーズでの位置づけと続編は?

『バンブルビー』の時系列は、トランスフォーマー・シリーズ1作目より20年前です。サイバトロン星でオートボットとディセプティコンという二勢力が戦争し、バンブルビーが地球へ逃げて来る場面から始まります。

トランスフォーマーではバンブルビーは最も人間と近くで接してましたが、地球に来た直後にチャーリーと交流したことが影響してる気もします。バンブルビーは他のオートボットと違い、あまり発声できませんがその理由も本作で明かされます。

『バンブルビー』は世界でも日本でも、トランスフォーマーシリーズで最も高評価ですが、興行収入は最低に終わりそうです。その理由はたぶん、アクションやバトルシーンが少ないからでしょうね。ストーリーは一番わかりやすいのですが。

その結果を受けて、続編企画も進んでいるようで「マイケルベイ要素(戦闘や爆発シーン重視)をもっと濃くする」というニュースもあります。個人的には物語性を犠牲にしてほしくないけど、一般大衆にウケるためには仕方ないのでしょうか。

バンブルビー 映画/ドラマ

テーマは「内気な少女少年の成長」「コミュニケーション」「家族」等?

今までのトランスフォーマー・シリーズは、ロボット生物どおしの戦闘アクション重視でストーリーは二の次でした。『バンブルビー』では冒頭とラスト以外は少女とロボットのコミュニケーションが見どころです。

主人公チャーリーは父の死後、飛び込み選手も止め、あまり友達もつくらず、父の残した車を修理するためにバイトするが失敗したり、学校のイケてるグループに負い目を感じたり、新しい父となじむ弟や母に反発したりと息苦しく生きてます。

チャーリーは「その状況を脱するには車が必要」と思い母にねだるが経済的に断られます。そして傷ついたバンブルビーと出会い、孤独な者どおし打ち解けていき「お互いに初めての友達」となります。この展開は『E.T.』とにてるけど、スティーヴン・スピルバーグが製作に関わっているので驚きません。

負傷して人間を恐がりガレージで体育座りしたり、うまく車に変形して隠れられない、子犬や赤ちゃんのようなバンブルビーを見たチャーリーに母性本能が芽生えたのでしょう。本来は強いバンブルビーだけど、チャーリーは子供を守るように接します。

そしてチャーリーに思いを寄せるオタク少年メモも合流し「内気な少年少女が、バンブルビーと冒険するうちに成長」していきます。その過程でチャーリーは「生きてる家族」の協力も得て、自分は家族に支えられていることを思い知ります。

チャーリーは亡き父との思い出を大切にしすぎて、生きてる家族とコミュニケーションをとろうとしません。しかし話せないバンブルビーと出会い、コミュニケーションの重要性に気づき、自ら人との関わりに「飛び込む」ことを選択するのです。

バンブルビーについて!話せない理由や選んだ車

トランスフォーマー・シリーズでもバンブルビーは発声機能が故障してたりして、うまくコミュニケーションをとれません。その理由が映画『バンブルビー』で明らかになりました。

地球へ追いかけてきたディセプティコンのブリッツウィングに発声機能を破壊されたのです。その後、チャーリーが車内のカセットプレイヤーを修理してくれ、音楽テープの中の歌詞を使って会話できるようになります。

バンブルビーにも音楽の好みがあるようで、例えばザ・スミスの曲等はすぐにはき出してしまいます。チャーリーがよけないと危なかったですね。音楽による言葉の選択は不自由なようですが、感情を表現しやすいので逆にスマートに感じます。

バンブルビーは本作ではフォルクスワーゲンの黄色い車「ビートル」を選びました。しかしラストでオプティマス・プライムと合流時には、ゼネラルモーターズの黄色い「カマロ」に変形して、トランスフォーマーでおなじみの車になります。

観てたビデオや飛び込み選手の伏線回収など

バンブルビーが何度も観てたビデオ(男性が手を高く上げるポーズ)は1980年代の有名映画『ブレックファスト・クラブ 』Wiki)です。イケてない者や天才など普段接することない男女生徒が集められた教室で話し、少しだけ理解しあう物語です。

本作のチャーリーもイケてるグループから馬鹿にされてるし、バンブルビーも異星人で居場所がないので、両者の境遇とも重なります。絶対交流しなかったであろう、チャーリーとバンブルビーが打ち解けてゆく展開のオマージュでもあります。

ラストでバンブルビーが見せたガッツポーズは『ブレックファスト・クラブ』からのオマージュです。それ以外にも、映画『マイアミ・バイス』や音楽なども1980年代の小ネタが盛りだくさんなので、わかった人はニヤッとできたでしょうね。

チャーリーが飛び込み選手だった伏線は、中盤にイケてるグループの眼の前で崖から飛び込むシーンで回収されるかと思いきや、ラストで海に沈んだバンブルビーを助けに行く時に飛び込みます。結果的にはビーだけで立ち直れたと思いますが。

イケてる女生徒への復讐としては、トイレットペーパーや卵を家や車に投げたり、バンブルビーがやりすぎて車を破壊したりしたけど意味不明でした。もっとスマートに精神的に成長したチャーリーがカマロで登校したりして勝ってほしかったです。

『バンブルビー』総括

SFロボットどおしのバトルアクションを期待した人には物足りなかったかもしれないけど、『バンブルビー』は少女と少年とバンブルビーの友情や、少女が勝手に遠ざけてきた家族との和解などを描いた後味の良い映画に仕上がっています。

80年代の音楽や映画やポップカルチャーを覚えてる人はなつかしさも感じるかもしれません。目のかたきにして追ってきた軍人バーンズが、バンブルビーに救われたことにより最後に見逃してくれたのもエモい展開です。

一方で、物語が優等生すぎて何かが足りないという感覚にもとらわれました。あと、バンブルビーが拷問されるシーンが多いのも少し不快に感じたし、スタンガンで目覚めさせるのもどうかと思いました。イケてるグループに「イケてる」と思わせるシーンもほしかったですね。

個人的にはマイケル・ベイのトランスフォーマーより好みですが、ロボット映画としてはもう少しアクションの爽快さもほしいので続編には期待したいです。世間でも高評価のわりに興行収入では苦戦気味なので、やはり大衆はマイケルベイ風を求めてるのかもと思うと複雑な心境です。

私の評価 69/100(60が平均)

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