『ナイブズアウト2 グラスオニオン』感想ネタバレ解説考察/結末は?真犯人の正体と真相とは?
ネットフリックス『ナイブズアウト』続編。大富豪マイルズ・ブロンは、プライベートの島に友人達を招待しミステリゲームを開催するが、実際に被害者が発生。名探偵ブノワが真相を暴くが…。動機は?容疑者は誰?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | ナイブズ・アウト グラスオニオン |
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日本公開日 | 2022/12/23 [予告] 上映時間:139分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | Glass Onion: A Knives Out Mystery |
監督・キャスト | ライアン・ジョンソン[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:PG-13 |
配給/製作 (画像出典) | Netflix/T-ストリート |
日本興行収入 | |
世界興行収入 | 0.1億USドル [出典] |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.15更新) 75(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ミステリ/サスペンス映画一覧 前作『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』3.2億 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ。藤真秀)名探偵。大富豪のプライベートアイランドに招かれる
- マイルズ・ブロン(エドワード・ノートン。宮本充)億万長者。親友達をミステリーパーティーに招待
- デューク・コーディ(デイヴ・バウティスタ。楠大典)筋肉質のYouTuber
- ヘレン・ブランド(ジャネール・モネイ。佐古真弓)アンディの双子の妹
- アンディ/本名:カサンドラ・ブランド(ジャネール・モネイ。佐古真弓)マイルズの元ビジネスパートナー
- ペグ(ジェシカ・ヘンウィック。田村睦心)バーディのアシスタント
- ウィスキー(マデリン・クライン。熊谷海麗)デュークのガールフレンド。YouTuber
- クレア・デベラ(キャスリン・ハーン。藤本喜久子)コネチカット州知事
- バーディ・ジェイ(ケイト・ハドソン。園崎未恵)ファッションデザイナー。元スーパーモデル
- ライオネル・トゥーサン(レスリー・オドム・Jr.。福田賢二)新進気鋭の科学者
ネタバレ感想『ナイブズ・アウト グラスオニオン』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
続編?前作観た方がいい?
本作『ナイブズ・アウト グラスオニオン』は『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』(2019)の続編ですが、前作とのつながりはないので独立作品として観ても問題ありません。
名探偵ブノワ・ブランの過去の活躍が気になる人は、本作視聴後に前作を観るのもありです。なお私は前作の方が好きなので、ミステリ映画を好む人にはぜひオススメします。『ナイブズアウト 名探偵と刃の館の秘密』ネタバレ感想もご参考に。
今度の舞台はどこ?アッセンブル?
問題発言多めの州知事クレア(キャスリン・ハーン)は、送付されてきた謎の小箱を開けると、友人でアルファ社創業者マイルズ(エドワード・ノートン)からの「地中海ギリシャの島でのミステリーパーティ」の招待状でした。
同様に、科学者ライオネル、ファッションデザイナーのバーディ(ケイト・ハドソン)と助手ペグ(ジェシカ・ヘンウィック)、筋肉YouTuberデューク(デイヴ・バウティスタ)と恋人ウィスキーもマイルズの島へ招かれます。
船着き場には、名探偵ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)と、マイルズの元ビジネスパートナーのアンディ(ジャネール・モネイ)も来て皆は驚きます。マイルズの助手(イーサン・ホーク)が消毒液で感染症対策も万全。
島に到着するとマイルズが出迎え、かつて皆が集まったバーの名「グラスオニオン」にちなんだ豪邸へ招待。島に住んでるデロルという酔っぱらいも紹介。マイルズはブランに「招待してない」と迫るが手紙を見せられて滞在を許可。
以上が序盤のあらすじです。前作の閉ざされたような洋館とは違い、今回はプライベートな島とはいえかなり広くオープンな場所での事件です。いちお波が高くて警察がすぐ来れない環境ではあったのでクローズドサークルですが。
豪華キャストがゴージャスな舞台でぜいたくする様子は、クリスマスシーズンの公開がぴったり。ブランの同居人でヒュー・グラントが登場したり、イーサン・ホークが消毒液担当だけで終わったりしたのもぜいたくな配役。
MCU(マーベル映画)『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のデイブ・バウティスタが「アッセンブル!」と叫んだのは驚き。マイルズ役のエドワード・ノートンは、MCUのハルク役を降板してるので皮肉の笑いかも。ジェレミー・レナーという発言にも笑い。
ミステリゲームの勝者は?第1,2の犠牲者は誰?
名探偵ブノワ・ブランは、メンバーの関係性を観察。招かれた4人の共通点は、マイルズから資金提供を受けてて逆らえない点。マイルズは全員「破壊者」として成功したとも。アンディは、裁判で皆に裏切られて根に持ってるようです。
デュークは、恋人ウィスキーがマイルズと親しくする場面を目撃。ペグは主人バーディのスキャンダル関係でマイルズに相談するが断られます。ブランはそれらも観察。マイルズは、本物の「モナリザ」と「新固形水素燃料クリア」も披露。
科学者ライオネルはクリアの不安定さを指摘するが、マイルズは全館の動力源として稼働中で将来はアメリカ中に普及させると自信。ディナーの席でミステリーゲームが始まると、殺人の前にブランが解決してしまいマイルズに謝罪。
突然デュークが倒れて死亡。毒殺の可能性が高く、マイルズのグラスを飲んでた事、デュークの銃とスマホがなくなってる事が判明。突然停電し「部屋をあらした」と言われ走り去ったアンディも、何者かに銃殺されます。
以上が中盤のあらすじです。集まったメンバーの共通点や関係性が明らかになり、ラストの重要な要素である「モナリザ」と「クリア」も登場。第一の犠牲者がデュークだったのは予想外。もう少し彼の演技や筋肉は見てたかったかも。
マイルズの企画したミステリーゲームを開始前にあっさり解決して「iPad PRO」ももらったブランには爆笑。しかしこの時、ブランが提案したミステリー展開「銃と停電」は後への伏線と、マイルズの無能ぶりにつながり見事。
名探偵とアンディが来た理由とは?生還のわけは?
少し前、感染症ロックダウンで退屈してたブノワ・ブランの家へ箱を運んできたのは、アンディの双子の妹ヘレンでした。ヘレンは、数日前に自殺した姉アンディが誰かに殺害されたと思い、報道される前に名探偵に相談に来たのです。
ヘレンは、殺害される前のアンディがデューク達4人に送ったメール「見つけた証拠で罪をつぐなわせる」と「赤い封筒」の写真を見せます。ブランは、赤い封筒や犯人を探すために、ヘレンが姉に変装してマイルズの招待を受ける事を提案。
ヘレンは姉の日記から、さえなかった30代のマイルズと4人を「小さな成功から大成功」に導いたのは姉だと知ります。やがてマイルズは新水素燃料に社運をかけようとし、大反対したアンディは解雇に。裁判では4人がマイルズの味方に。
敗訴したアンディは「創業アイデアを書いたナプキン」を見つけたが、入れた赤封筒を奪われ殺害されました。姉として島に入ったヘレンは徹底調査し4人全員に「動機」「機会」を見つけます。停電の闇の中で銃撃されるが、姉の日記が盾となり無事でした。
以上が終盤のあらすじです。アンディが撃たれたシーンから過去にさかのぼり、ブランとアンディがパーティに来た理由が描かれます。「姉の日記」が「双子トリック」と「銃弾からの生還」の両方を可能にしたアイテムで見事。
そして「新水素燃料クリアこそ、姉が会社を去った理由」だと判明し、ラストへの伏線にもなってます。「アイデアを書いたナプキン」が重要証拠になりうるのかは疑問ですが、筆跡鑑定ならマイルズが飾ってるコピーでも可能なのでは?と思ったけどマイルズの模写なのか。
結末は?真犯人の正体と動機は?
命拾いしたアンディ(ヘレンの変装)は、ブランの助言で死んだふりした後、グラスオニオンを捜索。ブノワ・ブランは、皆の気を引きつけるために長い説明を開始。ヘレンは「赤い封筒」を発見して来て、ブランが真犯人はマイルズと断定。
Googleアラートで「アンディの自殺記事」を読んだデュークはマイルズに見せ「アルファニュース」への掲載を要求。実はアンディ死亡日にバイクで訪れてたデュークは、高級車と接触事故を起こしかけました。それはマイルズの車と判明。
マイルズは殺人に気づかれたと思い、デュークの酒にパイナップルジュースを入れてアレルギーで殺害。ブランのミステリアイデアのとおり、停電させて盗んだ銃でヘレンを銃撃。ヘレンが発見した証拠のナプキンも焼いてしまいます。
万策尽きたブランはヘレンに「アンディが会社を去った理由を思い出せ」と勇気の酒と水素燃料クリアを渡します。ヘレンはガラス細工を破壊し、火にクリアを放り込みモナリザも燃やし「クリアは世界一の絵画を焼いた」という既成事実をつくりデビューを困難に。皆は裁判でマイルズの敵になると宣言。
以上がラストの結末まです。真犯人はマイルズと判明するが全く意外性ないどころか、他の容疑者に犯人の可能性すらなかった点はミステリ映画としては物足りないです。ただし、無能な犯人が起こした事件なのでそれでいいのかも。
つまり無能なマイルズは、人のアイデアだけで成功してきたため、ミステリーパーティーの事件も実際の殺人事件も全く独創性のない方法を使ってる点が今回の肝なのです。だから「ミステリ映画としてつまらないのは、マイルズが犯人だから仕方ない」のでしょう。
一つ心配なのは、マイルズは2人の殺人犯として逮捕されるが、ヘレンは装飾物やモナリザなど多額の損害賠償を抱えそうな点。他の皆がマイルズの責任にするんでしょうけど。ただし前回の証言がウソなら偽証罪となりそうですが…
ネットフリックス映画『ナイブズアウト2 グラスオニオン』私の感想と評価
前作『ナイブズアウト 名探偵と刃の館の秘密』はミステリ映画として秀逸の出来ばえだったので、その続編となる本作も楽しみにしてたが多くの点で期待どおりでした。特に脚本が素晴らしいと思います。
一方で「ミステリ映画」としては予想外なことが起こらず、トリックも解決法も陳腐なので物足りなかったです。登場キャラの多くも前作よりクセが弱くて、容疑者としてあやしい点も描かれなかったため必要性を感じませんでした。
ただしそれが「無能な犯人による犯行」だからというオチまで知れば納得はできました。ミステリ好きとしては前作の方が好きですが、ストーリーの無駄のなさは本作の方が上なので好みは分かれるでしょうね。続編にも期待!
私の評価 65/100(60が平均)
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