『死霊館のシスター呪いの秘密』ネタバレ感想解説/結末は?ヴァラクの目的?アイリーンの家系?
死霊館ユニバースの『死霊館シスター』続編。特殊能力者シスター・アイリーンは、フランスの神父殺人事件の調査を始めるが、悪の元凶ヴァラクと再び対峙し…。アイリーンは生き残れる?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 死霊館のシスター 呪いの秘密 |
---|---|
日本公開日 | 2023/10/13 [予告] 上映時間:110分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | The Nun 2 |
監督・キャスト | マイケル・チャベス[キャスト] |
映倫区分 | 日本:PG12(小学生指導必要) USA:R |
配給/製作 (画像出典) | ワーナー・ブラザース映画/Atomic Monster、Safran Company |
日本興行収入 | 2.1億円 (興行収入ランキング) |
世界興行収入 | 2.6億USドル [出典] |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.9.1更新) 64(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | 死霊館ユニバース一覧 前作『死霊館のシスター』1.7億 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- シスター・アイリーン(タイッサ・ファーミガ)ある特殊能力を持つ修道女。前作でヴァラクを退治
- モリース(ジョナス・ブロケ)前作の旅人フレンチー。悪魔ヴァラクが取り憑いた?
- ソフィ(ケイトリン・ローズ・ダウニー)ケイトの娘。おとなしいが感受性が強い
- 悪魔尼僧ヴァラク(ボニー・アーロンズ)中世のルーマニア城主が召喚した悪魔公爵
- シスター・デブラ(ストーム・リード)アイリーンと同じ修道院の、少し変わった修道女
- ケイト(アナ・ポップルウェル)フランスのある寄宿学校の教師
- エド・ウォーレン(パトリック・ウィルソン)アメリカの悪魔祓い。ウォーレン夫妻の夫
- ロレイン・ウォーレン(ヴェラ・ファーミガ)アメリカの霊能力者。ウォーレン夫妻の妻
ネタバレ感想『死霊館のシスター 呪いの秘密』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
死霊館ユニバースのつながりは?前作あらすじは?
前作『死霊館のシスター』は、死霊館ユニバースで最も古い時系列であり全ての元凶のはじまりでした。本作『死霊館のシスター 呪いの秘密』はその直後からの続編です。
悪魔尼僧ヴァラクの初登場は『死霊館エンフィールド事件』。霊能力者で悪魔祓いのロレインの夢に現れて脅迫しました。『アナベル死霊人形の誕生』では、ルーマニア修道院と尼僧ヴァラクの写真が登場。
(前作のネタバレあらすじ)1952年、ルーマニア聖カルタ修道院。バチカンからバーク神父と見習い修道女アイリーンは、修道女全滅の調査のため派遣され、発見者の旅人フレンチーに話を聞きます。元凶は悪魔尼僧ヴァラク。
中世にルーマニアのある城主が力を求め悪魔公爵ヴァラクを召喚。バチカンの聖騎士が聖遺物「キリストの血」で封印。しかし第二次世界大戦の空爆で封印は破れヴァラクは復活し、最後の修道女は憑依されないよう自死。
尼僧ヴァラクは憑依をめざして猛攻撃をしかけるが、見習い修道女アイリーンは聖遺物「キリストの血」を口にふくみ吹きかけて再封印。しかし尼僧はフレンチ(本名モリース)に憑依し逃亡。数年後、モリースの悪魔祓いが行われたが結果は不明…
神父殺人事件の容疑者は?目の聖人とは誰?
前作のルーマニアの聖カルタ修道院での事件後、シスター・アイリーンは事件関係者とは知られずに、修道女たちにまぎれて生活してました。そのイタリアの修道院へ、バチカンの枢機卿が来て、アイリーンにある調査を依頼。
最近、フランスのタラスコンの教会で、神父が火あぶりにされる事件が発生。その前には、ハンガリー、オーストリアのグラーツ等でも怪死事件が。悪魔尼僧がルーマニアから西へ進んでるとの予測で、アイリーンが再び指名されました。
しぶしぶ出発したアイリーンに、シスター・デブラが強引に同行。タラスコンの教会で話を聞くと、モリース(前作の旅人フレンチー)が使用人として働いてたと判明。デブラは目撃した少年から十字架を受取ります。
アイリーンは悪魔尼僧ヴァラクの幻影で気絶し「ある修道女が目を刺される夢」を見て目覚めます。アイリーン達は悪魔の目的を調べるため、フランスのカトリック公文図書館へ。そこで「両目をえぐり出された聖ルチア」に思い至ります。
以上が序盤あらすじ。前作で活躍したアイリーンが末端の修道女のままなのは、ひかえめ性格の本人の希望なのでしょうか。バチカンの悪魔祓いに任命されてもおかしくない力量なのに。そして予想どおり、モリース再登場で今回の敵です。
悪魔ヴァラクは「何か」を探してルーマニアから西進し「ある子孫たち」を殺害。信仰心厚い神父は、簡単には悪魔に敗れないが「恐怖心」と少年に十字架を渡した?ことにより焼かれました。焼いて「子孫の能力」を確かめたのでしょう。
アイリーンが「聖遺物 聖ルチアの両目」にたどりついた過程は簡単すぎますが、夢や幻影でヴァラクが誘導して「あえて発見させた」という解釈もできそう。そもそもヴァラクは以前の対決で、アイリーンの正体に気づいてた可能性もあります。
モリースはどこに?悪魔の目的とは?
一方、モリースは、フランスのプロバンスの寄宿学校で使用人として働いてます。教師ケイトと、その娘のソフィと親しくなってます。おとなしいソフィは、活発な女子生徒3人に、立入禁止の礼拝堂に閉じこめられたがモリースが救います。
ソフィは礼拝堂で、窓の赤い目のヤギや、悪魔尼僧の姿を見ました。ある晩、モリースを見かけた女校長が、亡き我が子の声にさそわれて礼拝堂に入り死亡。警察は事故死とします。ケイトは苦しみだしたモリースの首に逆さ十字架を発見。
アイリーン達は、悪魔ヴァラクはかつて天使だったと推測。ヴァラクの目的は、火あぶりでも焼かれなかった「シチリアの聖人ルチア」の「聖遺物である両目」を入手し、かつての力を取り戻すことと突き止め、聖遺物のある寄宿学校へ向かいます。
以上が中盤あらすじ。モリースが働く寄宿学校のエピソードは、ほとんど不要だったように感じます。特にケイトとソフィ親子とモリースとの関係性は、後にも効果的な物語が描かれないため無駄かと。いじめっ娘の報いはホラーあるある。
モリースの首の「逆さ十字」は前作でヴァラクがとりついた時についたものですが、人間界にとけこんで悪さしたい悪魔がわざわざ「私は反キリスト教」と示す印をつけるのは意味不明。
「悪魔ヴァラクが天使だった可能性」がさらっと語られたけど、もっとくわしく聞きたかったですね。というかこの映画の世界に「天使」がいることに驚き。数ある聖人・聖遺物から、聖ルチアが選ばれた理由は不明だが、ヴァラクの過去と関係あれば興味深かったのに。
結末は?アイリーンとヴァラクの生死は?
悪魔尼僧ヴァラクは、前作で取り憑いたモリースを弱らせて思いどおりにあやつり、各地に散らばってた聖ルチアの子孫たちを殺害しながら聖遺物を探してたのです。到着したアイリーン達は、悪魔化モリースを気絶・拘束し、聖遺物を捜索。
ソフィの助言で、ステンドグラスのヤギの赤目の指す場所を掘ると「聖遺物 聖ルチアの目玉」を発見。しかし目覚めたモリースが襲い、目を持ったソフィが鐘楼の上へ追いつめられます。いじめっ娘達も、悪魔ヤギと校長亡霊に襲われ逃走。
アイリーンは聖遺物でモリースを倒したが、すきをみて聖遺物の目玉を奪った悪魔尼僧ヴァラクは実体化。アイリーンは焼かれるが、聖ルチアの子孫だったため火は消え、デブラとの祈りと信仰で「ワインをキリストの血」と信じてヴァラクを退治。
モリースは目覚め、ケイトとソフィと一緒に学校へ戻ります。アイリーンはモリースに少し不安げな表情。
エンドクレジットの途中(ポストクレジット)で「ヴァラクの悪魔祓い」をバチカンのゴードン神父から電話されたのは『死霊館 エンフィールド事件』冒頭のウォーレン夫妻。霊能力者ロレイン・ウォーレン(ヴェラ・ファーミガ)と悪魔祓いのエド・ウォーレン(パトリック・ウィルソン)です。
以上がラストまでのネタバレあらすじです。本作『死霊館のシスター 呪いの秘密』で明かされた最大の秘密は「ヴァラクが天使だった可能性」と「アイリーンが聖ルチアの子孫」であることです。ウォーレン夫妻との血統は明かされず拍子抜け…
そして今回も映画を盛り上げるための意味不明な展開が続出。特に、いじめっ娘に報いを与える「悪魔ヤギと校長亡霊」の存在は本編に関係なく、ヴァラクによる攻撃だとしても意図が不明。目を得たヴァラクの弱さも気になりました。
「ワインは、キリストの血ではない」を伏線回収し「信仰心や信心の強さ」と「聖人の子孫」という2要素がそろって初めてヴァラクを退治できた、という結末には疑問点もあるが納得感。ただし、モリースの悪魔祓いまで完結すべきかと。
映画『死霊館のシスター2 呪いの秘密』私の感想と評価
死霊館ユニバースもアナベル含めると9作目。今も続いてるホラー映画シリーズの中では一番好きだが『エンフィールド事件』をピークに、興味も評判も下降傾向で蛇足感も見えてきてます。
それでも初期作品の時の見事なプロットを期待して初日に鑑賞。全くノレなかった前作と比べるとかなりましだが「死霊館ユニバースの設定を使った学園モノ」を作りたかっただけとも感じられ、ユニバース復活にはほど遠いです。
悪魔の「最終目的」と「できる事」が明確でなく、作品ごとにルール設定があいまいで、なんでもありな点も解消されていません。前作に引き続き聖遺物が重要アイテムである点や、主人公の出生の秘密が明かされたのは興味深かったです。
ホラー映画として恐くないのは致命的。邦画『リング』同様、敵が実体化すると「物理攻撃で倒せて視覚的に楽しい」反面「恐怖対象でなくなる」という典型。まだ続編の計画もあるようなので、次こそ原点回帰した恐怖を見せてほしいですね!
私の評価 65/100(60が平均)
シリーズやジャンル⇒死霊館ユニバース一覧