映画『ソウ2』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?被験者の共通点とは?
ソウシリーズ2作目。前作の連続殺人犯ジグソウが刑事エリックらに捕まるが、隣の部屋では8人の男女が閉じこめられ脱出ゲーム開始。そこに息子を見つけた刑事はジグソウを問いつめるが…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | ソウ2 |
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日本公開日 | 2005/10/29 [予告] 上映時間:100分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | Saw II |
監督・キャスト | ダーレン・リン・バウズマン |
キャスト 出演者 | ドニー・ウォールバーグ、ショウニー・スミス、トビン・ベル、フランキー・ジー、グレン・プラマー |
映倫区分 | 日本:R15+(15歳以上) USA:R |
配給/製作 (画像出典) | アスミック・エース/ライオンズ・ゲート・フィルムズ、ツイステッド・ピクチャーズ |
日本興行収入 | |
世界興行収入 | 1.4億USドル [出典] |
製作費 | 0.0億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.21更新) 65(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ソウシリーズ一覧 前作『ソウ』評価75 続編『ソウ3』評価63 |
ネタバレ感想『ソウ2』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
映画『ソウ2』ネタバレ感想や考察
ソウシリーズ2作目ですが、さすがに1作目を上回る衝撃は個人的には感じられませんでした。ただ、ドキドキできる展開、中盤の駆け引きゲームの面白さ、ラストでの真相やどんでん返しには驚かされるので、スプラッター要素はともかくパズル要素にはシリーズとして信頼できます。
前作ではジグソウの殺しの対象は明白な理由や個人的うらみがありますが、今回それらはあまり感じられなくなったのが残念。特に監禁された8人のうち6人は犯罪者でクズではあるけど、アマンダ同様にエリックにデッチあげで逮捕された被害者でもあるので、全員があんな目にあうのはかわいそうな気がします。
2つの場所でゲームが進行するのですが、ジグソウを逮捕したエリックやケリーなどがほぼモニターを見つめるだけで何もしないのが無能に感じられます。せめて部屋をもっと調べるべきで、エレベータースイッチや不自然な金庫の存在にも気づけたはずです。エリックが冷静でいられないよう仕向けたのでしょうけど。
ジグソウは最初から「ほぼ嘘をつかない」ので「ここで座って話してれば息子を返す」と言うのが本当だと気づけそうですが、モニター映像の状況がリアルタイムだと錯覚させられてるため、エリックも視聴者の私たちも、一刻も早く現場へ行って救出しなきゃいけないと思わされるのが見事です。
8人の脱出ゲームは論理性がなくて面白みに欠け、しかもメモの指令に従わなければ誰も死ななかった気もしますが、さすがにその時はアマンダが巧みにみんなを死へと誘導していくのでしょうね。首の後ろの数字や虹の彼方のヒントも結局は使わず、ゲームとしては中途半端に終わった感じで残念です。
それでもラストでの4つの真相である、脱出ゲームが録画、ダニエルの所在、アマンダの告白、前作バスルームにエリック拘束が目的などには驚かされたので、続編『ソウ3』も見たくなってます。今回生き残ったエリック、ケリー、アマンダ、ジグソウも?安泰ではなさそうですね。サイコスリラー好きにはおすすめです!
おすすめ7ポイント
- 恐怖のパズルスリラー2作目
- 前作からのキャラも登場
- 2つの場所での駆け引きゲーム
- 悪徳警官エリックの罪と罰
- 前作のバスルームで決着
- 金庫のダニエルに驚き
- アマンダとジグソウの関係に驚き
少し残念6ポイント
- 1作目の衝撃は味わえない
- ほとんどが論理的な解決ではない
- 8人の脱出ゲームに驚きがない
- 8人は何もせず待てばよかった?
- 虹の彼方や首の数字は使わず?
- ジグソウの部屋を捜索しないの?
ネタバレあらすじや解説
タレコミ屋のマイケル・マークス(ノーム・ジェンキンス)が暗い個室で目覚めると、前のTVモニターでビリー人形(白面に赤いうずまきのほっぺ)が「ゲームしよう。おまえは密告屋だ。生き残るために『ある物』を捨てられるか」と言い、死の仮面(デスマスク)をはずす鍵の場所を教えます。
タイマーが刻む時間内に、右目の奥に埋めこまれた鍵を取り出さないと、デスマスクが閉じて頭がつぶされます。マイケルはメスで右目をえぐろうとするが出来なくて、時間切れになり死の仮面(デスマスク)が閉じて頭がつぶされ絶命します。
刑事エリック・マシューズ(ドニー・ウォルバーグ)は妻と離婚後、息子ダニエル(エリック・ナドセン)が窃盗で警察に捕まり、迎えに行きます。ダニエルを説教後、連絡がつかなくなり心配します。同僚の刑事アリソン・ケリー(ディナ・メイヤー)からの電話で、情報屋マイケルの死を知らされます。
マイケルの顔はつぶされてますが、足のタトゥーで確認でき、ジグゾーパズルの1ピースが焼き印されてるため、ケリーが追っている殺人鬼ジグソウによる犯行だと推測できます。天井には「近くで見ろ、マシューズ」と書かれてて、改めて調べたエリックは「Wilson Steal(ウィルソン鉄鋼)」の文字を見つけます。
エリックとケリーはSWATと共に鉄鋼所の廃墟へ侵入し、犯人ジグソウ(トビン・ベル)を拘束しますが、別の部屋のモニターに8人が個室に捕らわれている映像を見つけます。エリックの息子ダニエルもいます。ジグソウ「2時間以内に問題を解いて解毒剤を注射しないと、神経ガスのせいで体中から出血して全員死ぬ」
閉じこめられた8人は気絶してるうちに運ばれて何も覚えていないようです。倒れてる女性アマンダ・ヤング(ショウニー・スミス)が目覚め、頭の回りを確認して状況を知ると叫びながら何かを探しはじめ、レンガの中にテープレコーダーを見つけます。彼女は前作『ソウ』の生存者です。
レコーダー「3時間後に外への扉は開くが、神経ガスにより2時間で死ぬので、いくつか隠された解毒剤が必要だ。1つは金庫にあり、番号は全員の『頭脳の後ろ』、順番は『虹の彼方』に見つかるだろう。全員の共通点がわかればここにいる理由がわかる。『X』に答えがある。ではゲーム開始だ」
巨漢で荒っぽい男性ザヴィエル・チャベス(フランキー・G)はレコーダーと共に落ちた鍵を奪い「鍵をドアにさすな」のメモを無視して挿すと、扉ののぞき穴を見てたガス(トニー・ナッポ)が仕込み銃で脳天を撃ち抜かれて即死です。アマンダはこれが連続殺人犯ジグソウのゲームで、自分は生存者だと告白します。
鍵により開いた扉を出ると普通の家の中のようです。アマンダは入念に壁などを調べていきます。外へのドアを開けられなかったザヴィエルは鍵を捨て、それを黒人男性ジョナス・シンガー(グレン・プラマー)が拾います。ザヴィエルはドアを針付きバットで破壊しますが、金属片で補強されてて外へは出られません。
刑事エリックはジグソウの希望を聞き2人で話し、内緒の無線機で会話をケリーらにも聞かせます。ジグソウ「本名はジョン・クレイマーで末期ガンでもうすぐ死ぬ。体に刻むジグソウピースは象徴で、最後の1片『生存本能』が欠けている。最後までここで座って話ができれば息子は無事戻る」と言い、水を1杯求めます。
ザヴィエルは外へ出られずイラつき、売春婦アディソン・コーデイ(エマニュエル・ヴォージア)をバカにします。アマンダが部屋の電灯をつけます。白人女性ローラ・ハンター(ビヴァリー・ミッチェル)は地下へのドアを開け、ザヴィエルが先頭で降りると詐欺師オビ・テイト(ティム・バード)に伝言があります。
レコーダー「ペテン師で放火魔のオビよ、誘拐を手伝ってくれたお礼に2本の解毒剤を与えるから、その装置の中に入って取れ。1本は誰かに与えよ」。ローラは自分を誘拐したのがオビだと思い出し、ザヴィエルはナイフをオビの首に当てて、中へ入って解毒剤を取ってくるよう強要します。
オビが2本めの注射器を引っ張ると装置が閉まりロックされ、炎でオビは焼死し解毒剤も燃えてしまいます。エリックにジグソウ「強要は君のお得意だ。君のは正せるが私のガンは治せない。人は1杯の水のうまさなど生を尊重すべきだ。死ぬまで人間の本質を試す」。前作のゴードン医師が末期癌を宣告したようです。
エリックの息子ダニエルはアマンダに前回ジグソウに捕まった理由を尋ねると「麻薬中毒」で、それで逮捕されて刑務所で自殺しようとリストカットしたため、命を尊重しなかったとして再度ゲームに参加させられたのだろうと言います。黒人ジョナスがドアを見つけたので呼ばれ、ダニエルはローラを運んでやります。
ザヴィエルが罠も気にせず力づくで開けると、ワイヤーが引っ張られて金庫のタイマーが3分のカウントダウンを開始します。ザヴィエル宛レコーダー「麻薬売人の君がやってきたように、絶望した者に代償と交換で希望を与える。君の客のように汚辱の中でもがき苦しめ。時間内に鍵を見つけると解毒剤が手に入る」
その部屋の床下に使用済みの注射器で満たされた小プールがあり、ザヴィエルはそこへアマンダを落として鍵を探させ、受け取って金庫にさすがわずかな差で時間切れです。ダニエルはアマンダを救い出し注射器を抜いてやります。8人の共通点を話すと前科者ばかりですが、ダニエルだけは少年院経験がありません。
刑事ケリーの助言でエリックは暴れてジグソウの資料を破棄しはじめます。ジグソウ「証拠がなくなっても、またデッチあげて逮捕するのか。引出しの資料を見ろ」。ケリーが見つけた資料は、過去にエリックが罪状を偽って逮捕した者で、モニターに映る7人です。ジグソウ「奴らにバレたらダニエルの命は危ないぞ」
ザヴィエルは元の部屋へ戻り、最初に銃殺されたガスの首の後ろに「赤字の2」を見つけ「金庫番号は全員の頭脳の後ろ」というヒントを思い出します。部屋に入ってきたジョナスが協力しあおうというのも無視してバットで殺し、その首に「白字の16」を見つけます。2時間が過ぎ、生きてる者も衰弱しています。
ローラは「X」の傷のある掛けた絵画で「Xに答えがある」を思い出し、アディソンが調べるとダニエルと父エリックが一緒の写真の裏に「父と息子」と書かれていて「私は刑事エリックに罠にはめられて刑務所に入った。皆の共通点がわかった。信用できないから1人で行動する」。ローラはガスで死亡します。
アマンダはジョナスが殺されてるのと、オビの首には「緑の11」を見つけ、ダニエルを連れて逃げます。ザヴィエルはローラの首に「黒か紫の8」を見つけ、アマンダらを追います。アディソンはガラス箱の注射器を取ろうと手を入れると両手とも抜けなくなり、ザヴィエルは彼女の首の「緑の9」を見て放置して去ります。
映画『ソウ2』ネタバレ結末ラスト
刑事エリックはジグソウを殴って痛めつけ銃を口に入れると、ジグソウ「ゲームオーバーだ。君だけあの家へ連れて行く」と言い、2人のいる場所がエレベーターになって下へ降り車で監禁してる家へ向かいます。ケリーの解析班もモニター映像が流されてる場所を突きとめたので向かいます。
アマンダとダニエルは元の部屋へ戻り、ドアを釘付きバットでロックしてザヴィエルが入れないようにし、血の流れから床の扉を見つけジョナスのポケットの鍵で開けて地下道へと下ります。一方、エリックはその家へ到着し、いくつも死体を確認しながら奥へ進みます。SWAT隊も屋敷へ到着し侵入しますが、ケリーの見るモニターには誰も映りません。
アマンダとダニエルは地下のバスルームに入りますが、そこは前作『ソウ』の舞台であり、死体が2体転がっています。ザヴィエルが入ってきて、首の後ろの数字を見せろと言うと、アマンダ「ダニエルは死んだわ。あなたの首は誰が見るの」。ザヴィエルは自分の首の後ろをナイフで切り取り、数字を確認します。
ザヴィエルがアマンダに近づくと、死んだふりのダニエルがノコギリ(ソウ)でザヴィエルの首をかっ切ります。一方、刑事エリックは金庫そばに使用済み注射器を見つけ、バスルームに着くとザヴィエルら数人の遺体が転がってるだけです。SWAT隊は屋敷の奥に数台のモニターを見つけ、ビデオ機器をストップすると、ケリーの見る映像も止まったため、8人の脱出劇は録画だったことが判明します。
エリックが浴槽をのぞくと、仮面を被った者が注射を打ってきて気絶させられます。目覚めると鎖でつながれ、レコーダーはアマンダの声で「あなたのデッチあげで刑務所に入った後、ジグソウに会い『師や父』に感じた。彼がガンによる死を克服する方法は永遠の命、誰かの記憶に刻まれることで不滅になること」
ジグソウやエリックが出ていった部屋で、タイマーの時間切れになると、金庫が開いて中には瀕死のダニエルがいます。もしエリックがここで最後までジグソウと話していれば、生きた息子と再会できたのです。アマンダ「ジョンの死後、私が彼を引き継ぐ。あなたは最初の被験者」と言いバスルームを閉じます。ジグソウは車内で笑みを見せます。
1作目ほどの衝撃はありませんが、2つの場所で並行して駆け引きゲームが行われるような展開には手に汗にぎります。それに予測出来ない驚きの事実もあるので、2017年のシリーズ8作目の前に、ぜひ1度は観ることをおすすめします!
私の評価 65/100(60が平均)
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