『search #サーチ2』感想ネタバレ解説考察/結末は?真犯人と真相は?前作あらすじも
『search サーチ』第2弾。南米コロンビア旅行中に消息不明となった母。娘で女子高生のジューンは、SNSやスマホや便利サービス等を駆使して母を捜索するのだが…。何アプリで探す?母の生死は?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | search #サーチ2 |
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日本公開日 | 2023/4/14 [予告] 上映時間:111分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | Missing |
監督・キャスト | ウィル・メリック、ニック・ジョンソン[キャスト] |
映倫区分 | 日本:PG12(小学生指導必要) USA:PG-13 |
配給/製作 (画像出典) | ソニー・ピクチャーズエンタテインメント/Stage 6 Films、Screen Gems、Bazelevs Company、Search Party |
日本興行収入 | 0.8億円 (興行収入ランキング) |
世界興行収入 | 0.4億USドル [出典] |
製作費 | 0.1億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.14更新) 77(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ミステリ/サスペンス映画一覧 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- ハビ(ヨアキム・デ・アルメイダ)コロンビアのレンタル便利屋
- ジューン(ストーム・リード)Macを駆使して母を探す
- ヘザー(エイミー・ランデッカー)母の友人。弁護士
- グレイス(ニア・ロング)ジューンの母親。旅行中に行方不明に
- ケヴィン(ケン・レオン)母グレイスの恋人。一緒にコロンビア旅行へ
- パーク捜査官(ダニエル・ヘニー)母を捜索する捜査官
ネタバレ感想『search #サーチ2』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
前作観る必要ある?監督やキャストは?
前作『search サーチ』と同様にPCやスマホのスクリーン上で物語は展開するという意味で第2弾。ですが、舞台もキャラも一新された新作で、続編ではないため、事前に前作を観る必要はないです。
前作の監督・脚本のアニーシュ・チャガンティはその後、映画『RUN ラン』でも注目されました。今回彼は原案として参加。本作『search #サーチ2』の監督は前作で編集担当だったウィル・メリックと、ニック・ジョンソンです。
主演女優のストーム・リードは『それでも夜は明ける』(2013)で長編映画デビューし、最近は『透明人間』『ザ・スーサイドスクワッド 極悪党集結』や『THE LAST OF US』のライリー役などで活躍中です。
前作の簡単あらすじ(ネタバレ注意)
3年前に妻を亡くしたデビッド・キムは、16歳の娘マーゴットが外泊したのを心配してPCで調査開始。娘は半年前に勝手にピアノ教室をやめ、授業料を持ち去ってました。デビッドの弟ピーターは「年頃」なので気にするなと薄い反応。
デビッドは、娘が同級生との待ち合わせ場所に現れなかったと知り警察に届け出。担当の女性刑事ヴィックはネット評判も良さそう。孤独だったマーゴットは、母が闘病中の女性「fish and chips」に共感し交流してたと、娘のFacebookで判明。
SNSで娘がよく訪れたバルボッサ湖で、デビッドは娘の持ち物を発見し警察へ通報。湖内から彼女の車と現金$2,500が発見されニュースでも報道。SNS会話から弟ピーターを疑うが、自白した真犯人が自殺し事件は終了と刑事から知らされます。
娘の弔い写真を送信する場でfish_n_chipsの写真がネットモデルと知ったデビッドは、真犯人である元受刑者とヴィック刑事が映る写真も発見。やがて元受刑者に罪をかぶせ殺害したヴィックは逮捕され、fish…の正体は彼女の息子と判明。
fish…はマーゴットをだまして金をもらったが後悔してバルボッサ湖で返却。口論となりマーゴットは崖下へ落とされ、母のヴィック刑事は真相を隠蔽。事件から5日後、奇跡的にマーゴットは救出され、その後ピアノを継続してるようです。
『search #サーチ2』ネタバレなし感想!おすすめ点と残念な点
前作『search サーチ』が想像以上の展開で予想外に面白かったので、続編も楽しみにしてました。結果、期待以上のデキでかなり好み。
おすすめな点(長所)は、最初からデジタルネイティブZ世代の娘が、各種ネットサービスを息するように使い難問を解決していく爽快な展開です。あと、低評価と思ってたハビの人柄と働きぶりが大好き♪。
一方、残念だった点(欠点)やツッコミどころは、必要な情報が順番に入手できたところ。セキュリティへの関心やパスワード管理なんて皆そんなもんかも知れないが、重要情報があまりにも簡単にハッキングできたのはさすがにやりすぎ。
全体のストーリーはわりとシンプルで、母の真相については他作品との既視感ありますが、それを女子高生がほぼPCの前にいるだけで解明していく見せ方は新鮮で驚きの連続。そういう演出も含めてかなり好きな映画です。アイデア勝負の続編もあればぜひ観たいです!
『search #サーチ2』あらすじ!失踪経緯と協力者は?
幼少期のジューンのビデオに映ってた、鼻血を流した父はすでに他界してます。それを撮影してた母はシングルマザーとして娘ジューンを育てました。そんな母グレイスにも恋人ケヴィンができ、2人は南米コロンビアへの旅行へでかけます。
女子高生ジューンは、友達とハメを外して遊んだ後、あわてて母を迎えに空港へ。しかし飛行機には搭乗しておらず、ホテルも個人情報守って非協力的。母の友人ヘザーへ連絡し失踪届を提出。連絡きたFBI捜査官は合法での捜査の難しさを指摘。
ジューンはウーバー/Uberの掃除夫を思い出し、コロンビアの便利屋ハビをネットで雇いホテルの監視カメラを取りに行ってもらうが既に上書き済みでした。ハビは従業員の話から2人の行き先を総当りし、金物屋で錠前を購入したことが判明。
以上が序盤あらすじです。失踪した家族を探す話は前作と同じだが、今回はZ世代デジタルネイティブの娘が母親を探す話なので最初からネットを駆使し、使うツールも翻訳・SNS・マップや位置情報履歴・会話履歴・ライブカメラなど多彩。
パスワードの解明法など目まぐるしすぎて今どうやったの?と思えた部分もあるし非合法だが、個人で警察の初動捜査くらいなら上回れる時代なんだと実感できました。一番感心したのは、現地のレンタル便利屋をネットで雇う方法です。
このハビは、ジューンが安さで選んだ(1時間8ドル?)が低評価だから安いのでしょうか。実際はとても誠実で一所懸命に仕事をこなし、本作内で最も信頼でき好印象でした。「ネットの評価はあてにならない」ことを描きたかったのでしょうね。
ケヴィンの正体とは?母の写真に違和感?
ジューンはケヴィンのGoogleにログインし、メッセージやブロックリストから、ケヴィンの正体が3年間収監された詐欺師だと知りショック。彼のメッセージと位置情報の履歴で見つけた教会に電話すると、ジミーと名乗る男性が出て、犯罪者の更生を助けてると説明。
ジューンは出会い系サービスにもログインし、ケヴィンから母に近づいたと知ります。さらにカルタヘナの「愛の南京錠の橋」を見つけライブカメラ録画から、母とプロポーズしたケヴィンを発見。その帰り道、2人は何者かの車に誘拐されました。
気落ちしたジューンだが、旅行中の母が写真や動画で顔を見せてないのを疑問に思います。iPhoneのライブフォト(撮影前後1.5秒を視聴可)写真を1枚見つけ、確認すると女性は母ではなく、ケヴィンがメッセージしてた黒人女性と判明。
以上が中盤あらすじ。ついにケヴィンの正体があばかれ、元詐欺師だったことや拉致されたこともわかり急展開。さらに旅行中の母が偽物だったと判明するが、その確認法が「iPhoneのライブフォト」なのは現代的。犯人がアップ写真を確認してないのは変ですが。
観光地のライブカメラの録画で2人を見つけたのも今風ですが、過去映像があそこまで細かくネットで確認できるのは個人情報保護の観点から現実では難しそう。
これらシーンには、伏線も多く散りばめられてます。出会い系メッセージでケヴィンが位置情報を切ることを書いてたし、彼が「完璧だ」とほめた黒人女性の存在や、更生のための教会の関係者ジミー等が、後の時系列で見事に伏線回収されます。
結末は?真犯人の正体は?命救ったアプリとは?
母の名グレイスは偽名と判明し、FBI会見やマスコミやSNSは共犯者扱いするが、実際はドラッグをやめられなかった父から逃亡するために司法保護プログラムを受けたと判明。その時に助けてくれたDV専門弁護士がヘザーでした。
ジューンは、ケヴィンとメッセージしてたヘザーを疑って会いに行くが、相手が犯人と通じてる可能性もあるのに軽率だと感じます。実際に数分早く到着してたら、ヘザーと共に犯人に殺害されてたわけですし。
謎の共犯者に見捨てられたケヴィンの結末もあわれで、抵抗か逃亡をはかって警官隊に射殺されます。謎の共犯者こと黒幕の正体は更生の教会のジミーで、ジューンの父でした。母が「死別」とウソついたのは、ジューンを悲しませないように。
ヘザーの時と同様に、明らかにあやしい父親を自宅へ入れたジューンは軽率ですが、父も母も亡くして1人ぼっちになったと思いさみしい時に実父が現れ、唯一の身内として頼りたくなったのでしょうね。
最後まで不明だったのは父ジェームズの目的(見逃したかも)。昔の自宅前に穴を掘ってた?ので2人を埋めるつもりだったのか、3人一緒に入るつもりだったのか。負傷した妻のため病院を検索して力つきたのは、家族愛が残ってたのでしょうか。
父に誘拐された後の展開は、ジューンの自宅PCに映された監視カメラ映像です。撃たれた母を救ったのは、自宅PCへの救急車通報を処理した「iPhoneの音声アシスタントSiri」だったのが見事。Siriは劇中何度も伏線的に登場してました。
また、警察への通報は、スマートウォッチからハビへの電話とインスタグラムにアップした写真のおかげです。父がウォッチを奪わなかった理由は、WiFiパスワードを設定してなかったことから、ガジェットにうとかったのでしょう。ジューンの友人が何度も腕時計に言及してたのも伏線でした。
この事件の一部は、Netflixドラマシリーズ『アンフィクション』として見せられますが、Netflix社から来てた連絡で事件を配信ドラマ化したってことなんでしょうね。最後までスキのない脚本で見事です!
私の評価 76/100(60が平均)
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