映画『聖地X』評価は?ネタバレ感想考察/呪いの真相と解決方法は?

『聖地X』あらすじ概要
父が遺した韓国の別荘で暮らす輝夫の所に妹が転がりこみます。妹は韓国で夫を見かけるが、東京にもいると判明し混乱。一方、その夫が出てきた和食店の妻も記憶喪失となり…。捕らえた男の正体は?分身の消し方は?(ネタバレ感想考察↓)
映画名/邦題 | 聖地X |
日本公開日 | 2021/11/19 [予告↓]上映時間 114分 |
映倫区分 | 日本 G(年齢制限なし) |
映画監督 | 入江悠 [キャスト↓] |
配給/製作 | (C)ギャガ、朝日新聞社/ロボット、B.A.エンタテインメント |
平均評価★★★★★68(私の評価↓は含まず) |
『聖地X』予告動画
キャラ ランキング(キャスト/出演者/吹替声優)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者。日本語吹き替え声優)
- 1位要/かなめ(川口春奈)輝夫の妹。夫に愛想をつかせて兄の別荘へ転がりこむ。韓国で夫・滋を見かけるが…
- 2位山田輝夫(岡田将生)要の兄。小説家志望。父が遺した韓国の別荘で暮らしている
- 3位スヨン(パク・イヒョン)韓国の女子大生。輝夫の別荘のお手伝いさん。かなり日本語を話せる
- 4位滋/しげる(薬丸翔)要の夫。韓国で見かけるが、東京の会社にも出勤してるという…
- 5位星野(真木よう子)東京の会社の滋の上司
- 6位忠(渋川清彦)京子の夫。和食店の店長。土地の呪いを疑っている
- 京子(山田真歩)忠の妻。突然、謎の記憶消失に
- 江口(緒形直人)和食店の日本人オーナー。呪われた土地の過去を知る
ネタバレ感想『聖地X』解説や評価レビュー
この先はネタバレありの感想考察です。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。
舞台の映画化?韓国ロケ?監督やキャスト
映画『聖地X』は、劇作家・演出家の前川知大の「劇団イキウメ」人気舞台の映画化です。日韓融合チームによる、オール韓国ロケで制作されました。公開日と同時に、TELASA、auスマートパスプレミアムで動画配信されるようです。
入江悠監督は自主映画から始めて、『22年目の告白 私が殺人犯です』『AI崩壊』や、劇団イキウメ舞台『太陽』も監督。同劇団『散歩する侵略者』は別監督が映画化。
主演の岡田将生は『さんかく窓の外側は夜』『Arc アーク』『CUBE 一度入ったら、最後』等、最近は個性派俳優として活躍中。
川口春奈は、映画では『九月の恋と出会うまで』等に出演。NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』のヒロインに決定したことを機に、2021年末の紅白歌合戦の司会にも選ばれました。
他、渋川清彦、山田真歩、真木よう子、緒形直人、薬丸翔などクセある俳優女優陣が集結。また、韓国人俳優も多数出演。韓国映画『犯罪都市』『悪人伝』の制作会社が関わってるので、マ・ドンソクの姿も観れますよ。多分(笑)

冒頭の死因は?妹が離婚を決意した理由は?
両親が遺した韓国の別荘で暮らす輝夫(岡田将生)は、ゲームや映画ばかりの日々で小説執筆は進んでません。地元学生スヨンをお手伝いとして雇ってます。そこへ輝夫の妹の要(川口春奈)が、日本の夫に愛想つかせて転がりこんできます。
要/かなめは買い物中に、夫の滋/しげるを見かけ、古い巨木と不気味な井戸のある和食店で再会。輝夫は、追いかけてきた滋を閉じこめます。しかし、滋の携帯にかけると東京で働いてることが判明し、輝夫と要はドッペルゲンガーに混乱します。
一方、開店準備中の和食店の店長・忠(渋川清彦)は、妻の京子(山田真歩)の記憶喪失を、その土地の呪いのせいだと考えてます。オーナーの江口(緒形直人)は、その場所の過去の所有者を調べ、謎の死をとげたことを店長に告げます。
以上が序盤あらすじです。入江遊監督は、いつも導入部分がうまくて後半を期待させますが、今回の『聖地X』もミステリ的にも先が気になる素晴らしい序盤です。ただし過去作はうますぎる導入部を超えられない作品も…
冒頭で亡くなったアメリカ人夫婦の死因は、栄養失調だったようです。彼らは和食店の土地で、過去に「American Pie/アメリカンパイ」という店を経営してました。
要が夫との離婚を決意した理由は、夫が浮気と風俗で使いこんだ500万円を要の口座から引き落としてたからです。お金以外でも、夫の女性関係のだらしなさや反省しない軽薄な性格に愛想をつかしたのでしょう。
ドッペルゲンガーの正体と発生条件は?呪いの現象とは?
要は輝夫と共に、夫・滋が出てきた和食店へ行きドッペルゲンガーについて話します。すると、店長も「茶碗蒸しがプリンに変化」したり「妻が2人に分離?」した奇妙な出来事を語ります。そこへ、妻の京子が帰ってきました。
しかし京子は家の中にもいます。2人の京子はふれあうと1人の京子に。その直後は具合が悪そうでしたが記憶喪失からは回復し、日がたつと元の京子に。その地をムーダン(祈祷師)にお祓いさせるが「神と思えば神に、悪魔と思えば悪魔に…」と忠告されただけで失敗におわります。
一方、東京から滋とその上司の星野(真木よう子)が韓国へ来ます。星野は滋のドッペルゲンガーに驚きます。東京からの滋には「妻の要との生活の記憶」が一切ありませんが、要を見るとひとめぼれ。
輝夫は「小説本」で実験し、その土地では「信じた物や人が具現化される」ことをつきとめます。つまり、妻が帰ってきたと信じた店長の前には妻が現れ、韓国まで追ってきたと信じた要の前には滋が現れたのです。ただし元の体の記憶からは「新たな体に入った記憶」が抜け落ちました。
プリンの話が出てきた時は、どこへ向かうのか?と思ったけど、うまく収束していくストーリー展開には脱帽。ただ、プリンや小説本の現象と、人間の記憶データの分離が同じ現象というのは苦しいですね。同じなら茶碗蒸しや本も「ぬけがら」が残るはずでは?
韓国の伝統的な祈祷師ムーダンは、韓国作品ではよく見かける光景ですが、今回のはホラー味よりコメディ風でしたね。神…悪魔…の忠告は言い訳に聞こえたけど、鏡やよく落ちてたコップ同様に伏線でした。
分身を無事にもどす方法は?結末は?
店長の妻の例から、ドッペルゲンガー(分身)をもとの肉体と接触させると記憶がもどることが判明。しかし輝夫は「分身の新たな記憶が多すぎると、融合した時に記憶があふれ落ちて精神障害を起こす」可能性を指摘。
そこで、分離した人間を元にもどす方法として「滋/しげるの新たな記憶のみを知ってるスヨンに三体目の滋を作らせた後、元の記憶だけ持つ二体の滋を融合させる」という作戦を思いつき実行。ややこしいけどコップ水の解説はわかりやすかったです。
そして滋はほぼ元どおりに。融合時のCGが低水準で気になったけど。残された「三体目の滋」は、輝夫と要が殺害しようとするが出来ずに、部屋に閉じこめます。時間の経過とともに「三体目の滋」は消え去ったようなラストでした。
ここで疑問なのは、要が忘れたことで「三体目の滋」は消えるのか?という点。この滋を作ったのはスヨンなので、彼女が忘れないと消えないのでは?と思うけど、何か聴きのがしたのかもしれません。
要と滋との離婚は成立したようです。金と女性にだらしない滋ですが、要への愛は確かだったため、ヨリをもどすのかと思ったけど別れて正解ですね。「滋」と名前で呼んでた星野とはつきあいありそうだし。
和食店の店長夫妻もソウルの新市街で店をオープンするようです。輝夫は、今回の事件を題材にした小説『聖地X(エックス)』を執筆。呪われた土地「聖地X」はどうなるか不明ですが、供養した後にまた誰かが店を始めるのでしょうか。
映画『聖地X』私の感想と評価
劇団イキウメと入江遊監督の融合なので、期待を裏切らない奇妙な作品でした。序盤の導入部は本当うまくて引きこまれ、真相を知りたくなる展開や解決方法には納得させられました。
この規模の映画にしてはキャストも豪華で、ねらったわけではないだろうけど、ノリにノッてる岡田将生と川口春奈の起用は正解。また、韓国女優パク・イヒョンもかわいい。『エターナルズ』で話題の韓国兄貴マ・ドンソクも出演はしてないけど拝める場面がありますし(笑)
一方、『犬鳴村』『樹海村』のようなホラー映画を期待すると全くこわさはなく肩すかしをくらう人は多そう。SFサスペンスですね。入江遊監督の「自主映画臭」は今回も健在で、ファンは喜びそうだけど一般客は好みが分かれそう。
期待してた「井戸や巨木をからめた呪いの起源」が明かされなかったのも拍子抜け。舞台調のグダグダシーンをカットしてでも真相にはせまってほしかったかも。予算の関係かCGは低水準で映画館ではつらいが、配信用ぽいので家で観るならあり。
まぁ今回の『聖地X』にかぎらず劇団イキウメ作品は挑戦的すぎるため、大衆ウケは目指してないのでしょうね。人々が集まり話す舞台っぽさや役割少ないキャラ達は気になったけど、個人的には斬新なSF/ファンタジー設定は好みなので楽しめました!
他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。
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