映画『死霊館1作目』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?霊の正体は?

霊能力者ウォーレン夫妻の死霊館ユニバース1作目。ペロン一家が引っ越してきた屋敷では、不可解な現象がつづき、調査してもらうと恐ろしい歴史が明らかに。悪魔の目的とは？霊の正体は？3時7分の意味は？アナベル人形とは？（ネタバレ感想あらすじ↓）

ネタバレ感想『死霊館』解説と評価

以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を！

アナベル･死霊館シリーズの1作目です。時系列ではスピンオフ（外伝）のアナベルシリーズの方が先です。本作はメインストーリーの登場キャラクターは誰も死なないのに、かなり恐いホラー映画で、好きな人はクセになるかもしれません。

そのメインストーリーは、田舎の呪われた屋敷に引っ越してきたペロン一家が数々の超常現象に遭遇し、霊能力者の夫婦に調査を依頼すると、土地の歴史が関係しているという物語です。ホラーではよくある展開ですが、遊びの部分が少なくてひたすら恐いです。

ただ、制作側も「よくある話」に肉付けしたかったのか、途中で霊能力者ウォーレン夫妻が関わった過去や現在の事件が差しこまれて、それが全体をかなりわかりにくくしてます。特にアナベル人形は、ペロン家の呪いの伏線に思えて仕方なかったけど意味なしでした。

途中で似たようなサイドストーリーをはさむなら、キャプチャーなどでしっかり境目を示してほしいです。それ以外に不満点がないだけに残念です。ウォーレン夫妻については充分に魅力的で、調査方法も科学と宗教が融合されてる感じで興味深いです。

幽霊もののホラー映画の中では、異形の実体映像が多いのも特徴ですが、ファンタジーっぽくはならず、トップレベルに恐い演出だらけで好みです。ラストの写真で、これが実話だと再確認させられると、身近にも起こる可能性を感じてさらに恐ろしいです。

一方で、呪いの起源は「セイラムの魔女」の一族と結論づけられますが、現代人からすると、えん罪事件です。だから、魔女の家系が悪いのではなくバスシーバ個人の特性だったことを教えてくれないと納得感は薄れてしまいます。

ペロン一家を襲う霊の正体も、種類が多くて混乱するのでしっかり把握したい人には不満が残りそうですが「何だかわからないけど恐い。でも歴史を知ると正体も判明する」くらいの方がホラー感は増して、多くの人に恐怖を植え付けそうで、個人的には好きです。

『死霊館1』16の疑問と考察･解説

本作の疑問と考察や解説です。ネタバレありです。

死霊館とは何のことを指すのか？

本作は、アナベル･死霊館シリーズや、死霊館ユニバースと言われるホラー映画シリーズの1作目です。

死霊館とは邦題です。原題「The Conjuring」の意味は「魔術･呪い」なので、本作も直訳は「呪われた屋敷」でしょうか。一方で「死霊館」とはウォーレン夫妻の除霊部屋「資料館」とのダブルミーニングを意味するとも解釈できます。

アナベル人形についての物語とは？

死霊館シリーズの『アナベル 死霊館の人形』『アナベル 死霊人形の誕生』などで語られるので、興味ある人は観てみましょう。

屋敷が呪われた理由とは？最初の事件は？

1863年、この土地に屋敷を建てたジェドソン･シャーマンの妻バスシーバは、「セイラムの魔女裁判」で公判中に死亡した「メアリー･タウン･イースティ」（無実の可能性あり）の一族でした。バスシーバは生後7日の我が子を悪魔の生贄（いけにえ）にしようとします。

それを夫に見つかり、魔女バスシーバは「土地を奪う者は呪う」と呪いの言葉を残して「午前3時7分」に池の前の巨木で首吊り自殺をしました。

屋敷の幽霊の正体とは？（最初以外の事件）

最初に呪いをかけた魔女バスシーバは、成人した女性に取りついて、子どもを害しようとします。それ以外の幽霊は、過去にバスシーバに取りつかれた女性や殺害された子どもです。または、バスシーバが住人をおどかすために霊を演じてる可能性もあります。

1930年代、ウォーカー夫人はバスシーバに取り憑かれて息子ローリーを殺害し、夫人も地下室で首つり自殺しました。ローリーは狂った母を恐れてクローゼット裏に隠れました。ローリーは森で行方不明になったとされます。愛用のオルゴールに取りついてます。

またその後も、若いメイドがバスシーバに取りつかれて、少年を池でおぼれさせた後、（手首を切って？）自殺しました。ペロン一家の前に現れる霊の正体は、こういった過去の不幸な人々です。

家中の時計が「午前3時7分」で止まってた理由は？

魔女バスシーバが我が子を悪魔の生贄（いけにえ）にしようとして夫に見つかり、池の前の大木の枝にロープをかけて首つり自殺した時刻が「午前3時7分」でした。

エイプリルがオルゴールの鏡で話すローリーとは誰？

1930年代にこの屋敷に住んだウォーカー夫人の息子がローリーです。ウォーカー夫人は、同じ屋敷で過去に亡くなった魔女バスシーバに憑依（ひょうい）されて、息子ローリーを殺害したようです。そのローリーの霊がオルゴールにとりついたのでしょう。

2階のクローゼットには何者が取りついてるのか？

昔住んでたローリーという男の子が、母親のウォーカー夫人から逃げる時に、クローゼットの裏に隠れていました。結局最後は、バスシーバに取りつかれた母親に殺されたようなので、その霊がクローゼットについてるのかもしれません。

または、魔女バスシーバが人間を恐がらせるためにローリーを演じている可能性もあります。手を叩いて合図したのはこわすぎです。

ハミルトン巡査を襲ったメイドの正体とは？

過去に屋敷の近くに住んでいた若いメイドの霊です。魔女バスシーバに取りつかれ、池で少年をおぼれさせた後、自殺したそうです。手首はその時に切ったのでしょう。

ロレインが地下室に落ちた時に見た霊の正体とは？

オルゴールの鏡にうつった太った女性は、過去の住人ウォーカー夫人です。彼女は魔女バスシーバに取りつかれ、息子ローリーを殺害後、地下室でロープで首つり自殺しました。ロープや足がぶら下がってた光景はその時のものです。

屋敷を呪う者（バスシーバ）の目的とは？

屋敷を最初に呪った魔女バスシーバは、我が子を生贄（いけにえ）にしてる時に夫に見つかって追及され、土地を呪いながら首をつりました。その経緯から、成人した女性にとりつき、子どもをいけにえにすることを目的としています。

本作では、バスシーバは母キャロリンに取りついて、5人の娘たちをいけにえにするのを目的とします。キャロリンの体のアザはその印です。

ロレインが見た池に流れてた少女はウォーレン夫妻の娘？

魔女バスシーバが、ロレインに警告を与えるために見せた、ロレインとエドの娘ジュディの幻影（死んではない）です。

アナベル人形がウォーレン夫妻の娘ジュディを襲った理由は？

明確には示されませんが、魔女バスシーバが、ウォーレン夫妻への警告として、アナベル人形をあやつってジュディを襲撃させたのだと思います。

アナベル人形を抱いてた老人は誰？魔女バスシーバ？

本作でアナベル人形を抱いて揺り椅子に座ってた老人は、魔女バスシーバだと思いますが、明言はされません。

バチカンが悪魔祓い（ばらい）をすぐ許可しなかった理由は？

事件前のペロン一家のキリスト教やカトリックの信仰心はうすくて、娘たちも洗礼を受けていなかったからです。

魔女による母キャロリンへの呪いが解けた理由は？

エドによる悪魔ばらいで魔女バスシーバの力はかなり弱っていました。そこへ夫ロジャーによる愛情と、ロレインによる「楽しい海岸での家族との思い出」を呼び覚まされたため、キャロリンの意識がもどって、魔女の呪いが解けました。

アミティヴィル事件とはどんな事件？

1976年、アメリカのニューヨーク州アミティビルで、ラッツ一家が引っ越してきた家に悪霊が住みついていて、ウォーレン夫妻が調査することになる事件です。

詳細は『死霊館 エンフィールド事件』の冒頭で語られます。

『死霊館1作目』ネタバレあらすじ

アナベル事件（1968年）

実話が基です。1968年、悪魔研究科エド･ウォーレン（パトリック･ウィルソン）と、妻で霊能力者ロレイン･ウォーレン（ヴェラ･ファーミガ）の所に、看護師デビーが来ます。7歳少女のアナベル･ビギンズの霊が憑依してると霊媒師が言う人形を持ってます。

黒髪女性デビーと同居女性はかわいそうと思い「アナベル人形に同居する許可」を与えると恐ろしいことが起こり始めて、ウォーレン夫妻の所へきたのです。エドは「霊はついてない。悪魔があなたを支配する許可を得た」と言い、アナベル人形は自宅の一室に保管します。そこは神父が浄化する資料館で他にもあやしい品々が置いてあります。

古い屋敷のペロン一家を襲う者とは？（1971年）

実話が基です。アナベル人形事件により、超常現象研究家ウォーレン夫妻は有名になりました。彼らの体験で最も邪悪で恐ろしい事件についてです。1971年の、キャロリン･ペロン（リリ･テイラー）と夫ロジャー（ロン･リビングストン）と5人娘の物語です。

ペロン一家は、ロードアイランド州ハリスヴィルの田舎に念願の一軒家を購入し引っ越してきます。壁がこわれて、家具のある地下室が発見されます。翌朝、キャロリンは体にアザができてることや、家中の時計が「午前3時7分」で止まったままだと気づきます。

昨日家に入ろうとせず吠えてた愛犬セイディーが外で惨殺されてます。四女シンディ（マッケンジー･フォイ）は夢遊病でクローゼットにぶつかります。五女で末っ子エイプリル（カイラ･ディーヴァー）は池の前で拾ったオルゴールで友人ローリーと遊びます。

三女クリスティーン（ジョーイ･キング）は寝てる時に足を引っ張られ、眼鏡の次女ナンシー（ヘイリー･マクファーランド）のしわざと思うが、霊が見えて「みんな殺す」と言われ腐臭もします。長女アンドレア（シャンリー･カズウェル）は老婆霊に襲われます。

屋敷を呪うのは悪魔？魔女の正体とは？

母キャロリンのアザも増え、地下室に閉じこめられたりしたので、夫ロジャーと共に、名高いウォーレン夫妻に調査を依頼します。想像以上に深刻で、屋敷には多数の霊がとりつき、家族が引っ越しても付いていくので、バチカンに悪魔祓いを依頼することにします。

霊能力者ロレインは歴史を調べます。1863年、この屋敷を建てたジェドソン･シャーマンの妻バスシーバは、生後7日の我が子を悪魔のいけにえにするのを見つかり「土地を奪う者は呪う」と言って、「午前3時7分」に池の前の巨木で首つり自殺をしました。

バスシーバは「セイラムの魔女裁判」で公判中に死亡した「メアリー･タウン･イースティ」の一族でした。1930年代の住人ウォーカー夫人の息子ローリーは森で行方不明になり、夫人も地下室で自殺します。その後も池での溺死やメイドの自殺などがつづきます。

呪いの歴史の真相と魔女の目的とは？

ウォーレン夫妻はバチカンへの証拠集めのため録音や録画し、助手ドルー（シャノン･クック）やブラッド･ハミルトン巡査（ジョン･ブラザートン）に協力してもらいます。ある夜、巡査は「あの女がやらせた」と手首を切った若いメイドの幽霊に襲われます。

四女シンディは夢遊病でクローゼットの裏に入り、五女エイプリルは「ローリーはこわい時あそこに隠れる」と言います。そこを調査したロレインは首つりロープを見つけるが、床が抜けて地下室へ落下し、オルゴールの鏡に太ったウォーカー夫人の霊が映ります。

夫人は魔女バスシーバに取りつかれ、息子ローリーを殺害後、地下室で首吊り自殺しました。別の時代のメイドもとりつかれて、少年を池でおぼれさせたようです。ロレインは魔女の目的が「母に娘を殺害させること」と気付き、ペロン一家はモーテルへ避難します。

ネタバレ結末

魔女はウォーレン夫妻の一人娘ジュディ（スターリング･ジェリンズ）を、アナベル人形で傷つけようともするが夫妻が救出します。憑依されたキャロリンは、娘クリスティーンとエイプリルを屋敷へ連れて行き生贄にしようとします。無理にキャロリンを屋敷から出すと死ぬようです。

ペロン一家は信仰心が薄く洗礼も受けてないのでバチカンの救いは望めず、エドが独断で悪魔祓いをはじめます。暴れるキャロリンに夫ロジャーとロレインが「楽しい家族との記憶」を思い出させて魔女を除霊します。するとキャロインの体のアザは消えます。

ロレインはオルゴールを、いわくつきの品々の部屋（死霊館？）に保管します。バチカンの悪魔祓いは今ごろ承認されます。エドとロレインのウォーレン夫妻は「アミティヴィル事件」の依頼を受けます。最後に現実のペロン一家とウォーレン夫妻の写真が映されます。

私の評価 73/100（60が平均）

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サイト管理人ゆめぴょん（映画･旅行好き）
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