アニメ映画『ライオンキング』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?王国衰退の原因は?ハクナマタタとは?
ディズニーアニメ映画。オスライオンのムファサ王の子シンバは人生を謳歌していました。しかし王弟スカーとハイエナ達の策略にハマり、プライドランドを追い出され…。ヌーの大移動は誰のせい?シンバに勇気を与えた者は?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | ライオン・キング(アニメ版) |
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日本公開日 | 1994/7/23 [予告] 上映時間:88分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | The Lion King |
監督・キャスト | ロジャー・アレーズ、ロブ・ミンコフ(キャスト) |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:G |
配給/製作 (画像出典) | ディズニー/ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ、ウォルト・ディズニー・フィーチャー・アニメーション |
日本配給収入 | 19.6億円 |
世界興行収入 | 9.7億USドル [出典] (歴代56位) |
製作費 | 0.5億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.18更新) 80(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ディズニーアニメ映画一覧 |
登場キャラクター(キャスト/出演者)
- ムファサ(ジェームズ・アール・ジョーンズ。大和田伸也)オスライオン。プライド・ランドのキング
- シンバ 子供(ジョナサン・テイラー・トーマス。中崎達也)オスライオン。ムファサの最初の息子。プライド・ランドの王子。次期キング
- シンバ 大人(マシュー・ブロデリック。宮本充)
- ナラ 子供(ニキータ・カラム。山本純子)メスライオン。シンバの幼なじみで許嫁
- ナラ 大人(モイラ・ケリー。華村りこ)
- スカー(ジェレミー・アイアンズ。壤晴彦)オスライオン。ムファサの弟。シンバの叔父
- ティモン(ネイサン・レイン。三ツ矢雄二)ミーアキャット。陽気でお調子者。ハクナマタタが口ぐせ
- プンバァ(アーニー・サベラ。小林アトム)イボイノシシ。陽気で大食い。ハクナマタタが口ぐせ
- ザズー(ローワン・アトキンソン。梅津秀行)鳥。アカハシコサイチョウ。プライドランドの王に仕える執事
- ラフィキ(ロバート・ギローム。槐柳二)年老いたヒヒ。マンドリル。誕生の儀式で王子を掲げる呪術師
ネタバレ感想『ライオン・キング(アニメ版)』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
ライオンキングについて!盗作問題や興行収入
ディズニーアニメ映画の32作目で、ミュージカル映画でもあります。ビデオ作品としては続編『ライオンキング2 シンバズプライド』『ライオンキング3 ハクナマタタ』があるが、それらは劇場用のナンバリングには含まれません。
『ライオンキング』は、手塚治虫の1960年代のTVアニメ『ジャングル大帝』と似たストーリーで、公開当時から日米のマスコミや日本の漫画家を中心に盗作疑惑がささやかれましたが、手塚プロが訴えたり問題にすることはありませんでした。
世界興行収入は、それまでのディズニーアニメ映画の最高値9億ドル超えとなり『アナと雪の女王』が記録をやぶるまでずっと首位でした。2019年時点でも『ズートピア』に次いで3位です。
プライド・ランドの王とは?衰退の原因は?
アフリカのサバンナの一王国「プライド・ランド」は、代々オスのライオンが王として治めてるようです。現王ムファサも長男で、誠実で誇り高き王として様々な動物たちから好かれているようです。
王としてのライオンの役割は「王国内の動物たちを守ること」のようです。肉食でシマウマやインパラを食べるライオンが「草食動物を守る」のは変な構造だけど、食物連鎖の流れで食べる分だけ捕らえるのは自然の摂理で許されるのでしょう。
ムファサが王になったため、プライド・ランドでは弟スカーは王になれません。サバンナの掟はよくわかりませんが、スカーが他の場所で王になっていれば、悲劇は起こらなかったと思うのですが。
王ムファサの代わりにスカーが王になると、プライドランド王国は健全に統治されず、ハイエナの群れが好き勝手にふるまったため荒れ果ててしまいます。多くの動物達が去り、草木も枯れてしまいました。
テーマは「過去を乗り越えろ。王の資質と勇気。子を思う親の愛」等?
テーマを考える前に『ライオンキング』は完全なる王位奪還の復讐劇です。王である父の死の原因を作り、後に殺害したことも判明する王弟スカーを、元王子シンバが戻ってきて倒し王座を取り戻すのがメインストーリーです。
そのシンバをヌーの大移動から命をかけて救ったのは父親であるムファサの無償の愛です。父の死が自分のせいだと思いこまされたシンバは、プライドランドを逃げ出して途方にくれるが、やがて過去を乗り越えようとします。
落ち込んでたシンバを立ち直らせたのは、お気楽コンビのミーアキャットのティモンと、イボイノシシのプンバァです。立派なオスライオンに成長したシンバは、ナラから荒れたプライドランドについて聞いても自分とは無関係だと言い切ります。
しかし老いたヒヒのラフィキから「王ムファサはおまえの中にいる」と気付かされ、水に映る姿や空から見守る父を感じて、ついにプライドランドを立て直すため勇気を出してスカーに立ち向かいます。それこそが「王の資質」だと感じます。
ヌーの大移動を誘ったのはシンバの遠吠え?
シンバはスカーおじさんに連れてこられた場所で「吠える練習」をするよう言われますが、上手くできません。そして何度か吠えた後、ヌーの大移動がはじまります。シンバは自分が吠えたせいでおどかしてしまったと勘違いしたかもしれません。
しかし真相は、スカーの合図を受けたハイエナの3匹シェンジ、バンザイ、エドがヌーの群れをおどかしたり追ったりして大移動を開始させたのだと思います。シンバの弱そうな吠え方くらいでは、ヌーの大移動は始まらなかったでしょう。
ハクナ・マタタとは?ストレスフリーの思想
プライド・ランドから追放されたシンバは落ち込みながらも砂漠のオアシスに住みつき、ミーアキャットのティモンと、イボイノシシのプンバァから「ハクナ・マタタ」の精神を学び、気が楽になります。
ハクナ・マタタとは、スワヒリ語で「(過去の事を)くよくよするな」や「気楽に生きよう」という意味です。「ハクナ・マタタ」のミュージカル曲は、アカデミー賞の歌曲賞でノミネートされました。
王子だったシンバなので、本来は「英気を養なった後に別の王国を建てろ」というようなアドバイスが適切に思えるけど、何事も心の平穏を取り戻してからだという思いを感じます。ストレスの多い現代にこそ通用しそうな考えですね。
『ライオンキング』私の評価と実写版について
ディズニーアニメ映画のファンだけでなく、世界中の人から愛されている映画が『ライオン・キング』です。王の弟が国を奪った後、元王の息子が成長して王座奪還するまでの典型的な復讐劇です。
ストーリーはシンプルで驚きもないため今観ると物足りなさも感じるけど、王道の物語なので安心できるし、家族や子どもとも一緒に見れる優れた映画だと思います。この映画で「ヌーの大移動」を知った子どもも多いのではないでしょうか。
ハイエナが見た目だけで悪役というのは納得感ないし、シンバが成長する過程やその間の冒険も見たいし、スカーに立ち向かう強いきっかけがほしいという不満点はあります。アニメーションの動きもさすがに古さを感じます。
それでも質の高いミュージカル・アニメ映画の先駆けとして評価したいです。2019年夏にはフルCG(超実写版)『ライオンキング』も公開予定なので、シンバのかわいさ、プンヴァらの陽気さ、虫の扱い、ミュージカル表現など期待したいです。
私の評価 64/100(60が平均)
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