『ターミネーター』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?カイルの正体とは?
ターミネーターシリーズ1作目。未来からきたターミネーターは、女子大生サラ・コナー暗殺をねらい、カイル・リースは守ろうとします。しだいに明かされるサラと人類の未来は…。サラが狙われる理由は?語られた未来とは?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | ターミネーター |
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日本公開日 | 1985/5/25 [予告] 上映時間:108分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
原題/英題 | The Terminator |
監督・キャスト | ジェームズ・キャメロン(キャスト) |
映倫区分 | 日本:PG12(小学生指導必要) |
配給/製作 (画像出典) | オライオン・ピクチャーズ、ワーナー/バシフィック・ウェスタン(ヘムデール)プロ |
日本配給収入 | 5.3億円 |
世界興行収入 | 0.7億USドル [出典] |
製作費 | 0.1億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.18更新) 79(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ターミネーター映画一覧 続編『ターミネーター2』87.9億 |
登場キャラクター(キャスト/出演者)
- ターミネーター T-800(アーノルド・シュワルツェネッガー)サラ暗殺用アンドロイド、サイバーダインシステム・モデル101
- サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)なぜかターミネーターに狙われる女子大生。気楽なウェイトレス
- カイル・リース(マイケル・ビーン)サラを救うため、ターミネーターと戦う
ネタバレ感想『ターミネーター』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
監督とシュワルツェネッガーの出世作
監督のジェームズ・キャメロンは『スターウォーズ』を観た後で映画制作を始め、いくつかの作品で関わった後に本作『ターミネーター』の脚本を持ち込んで自ら監督して大ヒットさせ、その後も大作でヒットを繰り返すことになります。
主演の暗殺サイボーグT-800を演じた俳優アーノルド・シュワルツェネッガーも、本作で一躍ハリウッドスターとして世界的に有名になりました。当初はカイル・リース役を演じる予定でしたが、監督の要望で悪役として採用されました。
T800役を予定されてたランス・ヘンリクセンは刑事役として出演しています。強い女性サラ・コナーを演じた駆け出し女優リンダ・ハミルトンにとっても出世作となり、その後ジェームズ・キャメロン監督と結婚⇒離婚しています。
見どころは「最強鬼ごっこ/未来戦争/サラの成長/聖母」
本作『ターミネーター1』の見どころは、いくら攻撃しても追い続けてくるターミネーターことT-800(アーノルド・シュワルツェネッガー)との終わりの見えない鬼ごっこです。普通の女子大生だったサラにとっては絶望的な状況です。
追うT-800も、追われる者を助けるカイル・リースも、未来からは武器を持ってこれないためこの時代の兵器で戦います。その時点で「高い防御力」だけは持って来れたターミネーター側が圧倒的に有利です。
ただの「最強鬼ごっこ」ですが、カイルは逃げながらサラに「最悪の未来戦争」の様子や息子ジョンのことを話して未来の回想シーンに移るので退屈しません。ただし、カーチェイスシーンが連続するのは何か工夫がほしかったです。
能天気なウェイトレスだったサラは、カイル・リースと一緒に逃亡するうちに現実を直視し成長しやがて結ばれます。そして「未来の知識」を得て、戦い方を覚え、今後の覚悟もできた人類最初のレジスタンスとなります。特異点的な存在です。
物語全体は「聖書や黙示録」を連想させます。おごった人類が核戦争で滅亡する審判の日や、悪魔のようなターミネーター、聖母マリアや救世主キリストを連想させる母サラと子ジョン、神がつかわしたようなカイルの存在などが暗示してます。
全裸タイムトラベルや別サラ殺害の理由は?
ターミネーターやカイル・リースが未来からタイムトラベルしてくるシーンは、ターミネーターシリーズではおなじみです。カイルが警察の聴取で話しますが、全裸で送られる理由は「生きてる者しか送れない」からです。
「ターミネーターT-800は金属だけど、細胞におおわれてるから送れた」とも言うけど、それなら細胞でおおった兵器も送れることになり矛盾だらけです。
ターミネーターが暗殺対象のサラ・コナーを電話帳順に探したり、顔を知らなかったりする理由は「最終戦争で人類の個人情報が消滅したから」だそうです。指導者ジョン・コナーの母親の名前と住んでた街だけしか残ってなかったようです。
ジョンの父の正体は?カイルが送られた理由は?
近未来2029年、核戦争と人工知能「スカイネット」の機械軍により絶滅の危機の人類は、レジスタンスリーダーのジョン・コナーの指揮で反撃中です。挽回したいスカイネットは、ジョンの母サラを過去で抹殺するためT-800を送りこみます。
この計画を阻止するため、抵抗軍ジョン・コナーはカイル・リース軍曹をタイムマシンに乗せて現代へ送りこみ、母サラ・コナーの護衛を任せます。
この時点の未来では、ジョンが父親の正体を知ってたかは不明です。ただし、貴重な母親サラの写真をカイルへ与えたことから、ジョンは父が未来から来たカイルだと知ってた可能性が高く、両親を出会わせるために現代へ送ったのだと思います。
ラストシーンで、サラは「カイルがジョンの父であることを録音」しているため、それをジョンが聞いた可能性も高いでしょう。
ターミネーターの倒し方は?復活一覧
ターミネーターT-800は何度攻撃されても立ち上がって襲ってくるので不死のゾンビのようです。ターミネーターが受けても効かなかった攻撃と、最後に倒され機能停止した攻撃の一覧は次のとおりです。
- 銃やショットガン
- 車内外での交通事故
- タンクローリーにひかれる
- タンクローリー爆発(金属のみ残る)
- 鉄パイプでなぐられる
- 爆弾直撃(上半身だけ残る)
- プレス機で圧迫(機能停止)
ラストはサラ・コナーが、はいずり回ってプレス機の下へ誘導し圧壊させてやっと全機能停止させます。カイル・リースはターミネーターを爆破した時の破片か爆風で亡くなったようです。
ラストシーンの意味は?サラ写真や審判の日
ターミネーターを倒した後、カイル・リースの遺体やサラは警察へ運ばれます。その後、妊娠中のサラがメキシコらしき地で、これから産まれるジョン・コナーに向けて「カイルが父であることや未来」について話し録音しています。
サラは、そこで撮影された写真を地元少年から4ドルで買います。それこそ息子ジョン・コナーが大切にしてた物であり、後にカイル・リースに譲った写真だったのです。カイルはその写真を聖母マリアのように敬い愛するようになります。
地元少年の「嵐がくる」を聞いたサラが「わかってる」と言ってハイウェイを走り去る、これ以上ない完璧な終わり方です。ちなみに「嵐」とは、その後の「審判の日」から始まる核戦争や機械との戦いで人類が直面する滅亡の危機のことです。
有名セリフ「I'll be back.」はどこで?
サラ・コナーとカイル・リースが警察に捕まった後、ターミネーターは傷を修理して警察署へ行きます。窓口で追い返されたターミネーターは「また来る(I'll be back.)」と言って去り、すぐにトラックで追突して襲撃します。
『ターミネーター1』私の評価と続編
1984年公開の低予算映画なので、今見るとアラやツッコミどころが多く見つかります。しかしSF設定はしっかりしてて、単純な追いかけっこなのに退屈させないつくり、伏線と回収の見事さ、続編を期待させる終わり方などが素晴らしいです。
カーチェイスの繰り返しは気になるけど、ゾンビのように不死身に見えるターミネーターの倒し方をさぐるような逃げ方は、最近の映画でも多用されてると感じます。「過去の誰かを暗殺」というジャンルの先がけだと思います。
低予算で技術もなかったため未来戦争の様子は暗いけど、うまく見せてるのでSF映画を見慣れててもそれほど違和感なかったです。アクションとしては弱いけど、サスペンス要素は濃く、ちょっとしたミステリ要素もあるのでかなり好みです。
本作『ターミネーター』ヒットにより『ターミネーター2』も制作され、その後もシリーズが続き、2019年には正当な3作目『ターミネーター ニューフェイト』も公開されます。その前に1作目である本作は必見です。
私の評価 72/100(60が平均)
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