『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』ネタバレ感想解説/結末は?ウンパルンパの正体は?夢を叶えた方法とは?
『チャーリーとチョコレート工場』の前日譚。若きウィリー・ウォンカは、亡き母と約束した世界一のチョコレート店を作ろうとするが、その夢を阻止する組合や謎のウンパルンパが現れ…。チョコレート工場につながる?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | ウォンカとチョコレート工場のはじまり |
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日本公開日 | 2023/12/8 [予告] 上映時間:116分 |
製作国 | イギリス、アメリカ |
原題/英題 | Wonka |
監督・キャスト | ポール・キング[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:PG |
配給/製作 (画像出典) | ワーナー・ブラザース/Heyday Films |
日本興行収入 | 23.7億円 年間26位 |
世界興行収入 | 6.3億USドル [出典] |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.7.14更新) 76(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | SF/ファンタジー映画一覧 前作『チャーリーとチョコレート工場』53.5億 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
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※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
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- ウィリー・ウォンカ(ティモシー・シャラメ/幼少期:コリン・オブライエン/吹替:Lynn。花村想太@Da-iCE)魔法のチョコレートを作る若者
- ウンパルンパ(ヒュー・グラント。松平健)チョコを盗む謎の小さな紳士
- ヌードル(ケイラ・レーン。セントチヒロ・チッチ)ウォンカに協力する孤独な少女
- ミセス・スクラビット(オリビア・コールマン。松本梨香)悪どい宿屋の女主人
- 神父(ローワン・アトキンソン。松尾駿@チョコレートプラネット)チョコレート中毒の神父
- スラグワース(パターソン・ジョセフ。岸祐二)ウォンカを邪魔する有力者。チョコレート組合の長
- 警察署長(キーガン=マイケル・キー。長田庄平@チョコレートプラネット)チョコが好きで悪事も…
- ブリーチャー(トム・デイヴィス。石井康嗣)宿屋の女主人の相棒
- プロドノーズ(マット・ルーカス。関智一)ウォンカを邪魔する有力者。チョコレート組合の長
- フィクルグルーバー(マシュー・ベイントン。武内駿輔)ウォンカを邪魔する有力者。チョコレート組合の長
- アバカス(ジム・カーター。平林剛)ウォンカの協力者。囚われの身
- ウォンカの母(サリー・ホーキンス。本田貴子)
- ラリー(リッチ・フルチャー。山本高広)ウォンカの協力者。囚われの身
- パイパー(ナターシャ・ロスウェル。斉藤貴美子)ウォンカの協力者。囚われの身
- ロッティー(ラキー・タクラー。早見沙織)ウォンカの協力者。囚われの身
ネタバレ感想『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
前作の前日譚?原作はオリジナル?監督とキャストは?
映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』は、2005年公開の映画『チャーリーとチョコレート工場』の前日譚です。原作はロアルド・ダール著の児童小説『チョコレート工場の秘密』で、工場長ウィリー・ウォンカの若き日のオリジナル物語です。
ポール・キング監督は、最近では『パディントン』『パディントン2』も監督してます。
主演のティモシー・シャラメは『ストーリー・オブ・マイ・ライフ わたしの若草物語』『DUNE デューン 砂の惑星』等に最近出演。
他、サリー・ホーキンス、ヒュー・グラント、オリヴィア・コールマン、ローワン・アトキンソン等も出演。
ウォンカの夢とは?少女と出会う場所とは?
「世界一のチョコレート店を開く」という夢をかなえるため、ウィリー・ウォンカ(ティモシー・シャラメ)は船でチョコレートの有名な町へやってきます。その町では「夢見ると罰金」で、無一文になったウォンカは野宿の準備をします。
そこへ現れたブリーチャーが、スクラビット婦人の宿へ案内。ウォンカは、小間使い少女ヌードルの忠告「細かい字も読め」の意図がわからず「出生払いプラン」にサインし宿泊。翌朝、街頭で「空飛ぶチョコ」を売るが、チョコレート組合の3人に阻止されて売上金も没収されます。
宿に戻ると、宿泊代以外に法外なサービス料を請求されて、地下の洗濯場で強制労働をさせられます。アバカス等の4人と、みなし子症候群の少女ヌードルも、スクラビットにだまされて働いてます。契約書があるので逃げても無駄。
しかしウォンカはあきらめません。発明した自動クリーニング機に仕事をまかせ、少女ヌードルと外へ出て、まずは動物園へ。警備員に夢を見せて眠らせ、キリンのミルクをしぼり取り、フラミンゴを先導して逃亡させ、洗濯場に戻ります。
以上が序盤あらすじ。チョコレートの町「グルメガレリア」へやって来たウォンカが最初から存在感バツグンだが、金銭感覚に無頓着だったり、文字が読めなかったりしたのは意外な設定でした。最初から一流のチョコ職人なのも予想外。
この町が最初は「夢見たら罰金」だったことにも驚き。ただ、これは「チョコレート組合が町を裏で牛耳ってる」設定とかぶってて、その後はあまり描かれず残念。ウォンカが発明で逆境を乗りきる展開は、頭脳戦のようで好みでした。
宿の主人が洗濯奴隷を搾取した設定は「チョコレートに欠かせないカカオ農場で、現実でも労働者が搾取されてた」ことへの皮肉や批判だと感じました。フラミンゴを先導して自由にしたのも、それらのメタファーでしょうね。
ウンパルンパの正体は?最初のチョコレート工場は?
ウォンカは、亡き母が貧しいながらも作ってくれたチョコレートの味を忘れられず、母の言葉「夢見ることから始まる」を心に「世界一のチョコレート工場」を夢見てます。初めてチョコを食べたヌードルは「もうチョコなしに戻れない」と感動。
ウォンカは、作ったチョコを盗む「オレンジで緑顔の小さき紳士ウンパルンパ」を発明品で捕えます。島でカカオを栽培してるウンパルンパ族の1人が居眠り中、ウォンカがカカオ豆4つを盗んだため、千倍返しを要求しチョコを盗んでたようです。
ウォンカはあきらめず、様々なチョコレートを町で販売して資金をため、工場用の廃墟を手に入れます。しかしチョコレート組合の3人は、警察署長や教会の神父達もチョコ中毒にして操り、宿の女主人も金で味方につけます。
ウォンカは洗濯奴隷の5人の協力で、新しいチョコレート工場を開店し大繁盛。しかし宿主人がチョコに入れた毒で廃業になり、警察に追われる身に。チョコレート組合と取引し、洗濯奴隷5人の解放と引き換えにウォンカは町を去ります…
以上が中盤あらすじ。夢やチョコを知らなかっ少女たヌードルが、ウォンカに出会うことで新しい世界を知る過程も、この映画のテーマの1つと感じました。しかし、全てを持っていくのは、前作でも異彩を放ってた謎の小人ウンパルンパです。
今回、ウンパルンパの故郷やカカオ栽培の仕事が判明し、ウォンカとの因縁も明らかになりました。クローンだと予想してたが、ウンパルンパにも個性があり、発明家であることは意外。ウォンカとかぶってはいますが。
ウォンカの「最初のチョコレート工場」がお披露目され、これが続編『チャーリーとチョコレート工場』の工場かと思いきや、悪のチョコレート組合により失敗に終わります。町を去る時、奴隷5人の解放だけは見届けてほしかったですね。
結末は?少女の正体は?新チョコ工場?
船上で移動式バーを広げて「もうあきらめるのか?」と残念がるウンパルンパ。そこでウォンカは、少女ヌードルがチョコレート組合のスラグワース家の者だと気づきます。船の爆破前に海へ飛び込み、宿主人から少女ヌードルを救出。
ヌードルの正体は、スラグワースの弟の娘でした。一族の財産を相続したいスラグワースが弟夫婦を殺害したようです。ウォンカとヌードルは、教会の地下で「組合3人の悪事の裏帳簿」を発見するが、組合3人によりチョコ廊に幽閉されます。
充満したチョコで窒息寸前のウォンカ達は、飛んできたウンパルンパに救われます。裏帳簿で悪事を暴露された組合3人と警察署長は逮捕されます。彼らが薄めて貯めてたチョコが噴水から吹き出し、町中の人々はお祭り状態に。
ウォンカは母の言葉「味の秘密は、チョコを分かちあうこと」を思い出します。ヌードルは図書館で働く母ドロシー・スミスと再会。ウォンカは、去るウンパルンパを勧誘し、廃城で新チョコレート工場を開業。洗濯奴隷はみんな日常に戻り、宿の女主人と男は逮捕されました。
以上がラストまでのネタバレあらすじです。少女ヌードルの正体も判明するが、驚きや納得感は薄かったかも。ヌードルの母親をもっと前面に出してスラグワースと対決させれば面白かったのかも。水攻めでなく「チョコ攻め」されたウォンカはチョコ愛で脱出してほしかったな。
予想どおりウンパルンパが救出に来ますが、助けに来た理由をもっと明確にして、ウンパルンパがウォンカに惹かれ始めてるのを描写してもよかったかも。新チョコレート工場で共に働くのが唐突に思えたので。
教会の地下で裏帳簿やチョコを守ってた「謎の女性」が、チョコレートで真実の愛に気づき、動物園の警備員と両想いになるサイドストーリーなど不要だが、詰め込み脚本は好きなのであってよかったかも。
映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』ネタバレ感想と私の評価と続編
前作『チャーリーとチョコレート工場』は映画館ではなく家で観たが、独特の世界観とウンパルンパの異様さが記憶に残り、傑作とは言いづらいが忘れることのできない作品でした。そこで前日譚の本作は、初日に映画館で観賞。
ミュージカル風で始まり、風景、衣装、ウォンカ(ティモシー・シャラメ)の端正な顔立ちなど、ビジュアル面もきわだつため、映画館で観るのに適した作品だと思いました。豪華な俳優女優陣のなりきり演技も見事!
一方、ストーリーは予想できる範囲内で意外性や驚きは少なく、感動や多幸感もあまり感じられなかったので、子どもは喜べそうだが大人にとっては好みが分かれそうです。ただ、児童文学ベースなので、この作風で問題ないとは思います。
貧富の差や貧困問題からの脱出などテーマ性はあるが、基本的にはウォンカが自分の夢を叶えるために人々に協力してもらってる風にしか見えないのが少し残念。とはいえ、チョコレート工場を開業するまでのウォンカの物語は思った以上に楽しめました。これって続編(チャーリーが来る前)ありそうですかね?
私の評価 66/100(60が平均)
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