映画『X-MENファーストジェネレーション』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?共闘の決裂?
X-MENシリーズ新三部作の1作目。チャールズは少年時代に不法侵入した少女レイヴンと暮らし大学でミュータントを研究。一方、エリックはナチス強制収容所で母を失い復讐を誓う。2人はCIAでミュータントを集めるのだが…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | X-MEN ファースト・ジェネレーション |
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日本公開日 | 2011/6/11 [予告] 上映時間:131分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | X-Men First Class |
監督・キャスト | マシュー・ボーン |
キャスト 出演者 | ジェームズ・マカボイ、マイケル・ファスベンダー、ケビン・ベーコン、ローズ・バーン、ジャニュアリー・ジョーンズ、ジェニファー・ローレンス |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:PG-13 |
配給/製作 (画像出典) | 20世紀フォックス/マーベルスタジオ、デューン・エンターテインメント、ザ・ドナーズ・カンパニー、バッド・ハット・ハリー・プロダクションズ |
日本興行収入 | 7.0億円(興行収入ランキング) |
世界興行収入 | 3.5億USドル [出典] |
製作費 | 1.6億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.29更新) 77(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | X-MEN映画一覧 続編『X-MEN フューチャー&パスト』10.3億 |
ネタバレ感想『X-MEN ファースト・ジェネレーション』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
映画『X-MEN ファースト・ジェネレーション』ネタバレ感想
旧3部作『X-メン』シリーズの前日譚にあたる第一弾です。過去作を全く見てなくても楽しめます。人類がミュータントを初めて認識する事件が起こる、マーベルコミックのファンタジーアクション映画です。
本作はX-MENの映画シリーズの中では最も明るくて躍動的だと思います。はじまりの時代をあつかってるため、他の作品では気になるような矛盾点などもあまりなく、主要ミュータントも若くて活動的なのもうれしいです。
一方で、キャラそれぞれの活躍場面などが少ないのは残念です。しかしさすがにプロフェッサーXになるチャールズと、マグニートーになるエリックについては未来との矛盾点も感じないくらい描かれています。そしてミスティークと、チャールズやエリックとの関係がわかるのも本作ならでは。
あと、エリックが人間に憎悪していく姿は描かれていますが、チャールズが人間とミュータントの共存を目指す理由はあまり描かれてなかった点が少し残念です。他のX-MEN関連作を見ればわかるのでしょうか。ただ、エリックとチャールズが協力しあう場面を見るだけでも価値ある映画だと思っています。
ネタバレあらすじ感想や解説
過去作『X-メン』の冒頭で、エリック(後のマグニートー)がナチス・ドイツによりユダヤ人強制収容所に入れられ、そこでミュータント能力を発現する場面が出てきました。あの伏線が今回やっと回収されます。
目の前で母親を殺されたエリックは怒りにより能力を発現しますが、あそこでなぜすぐにクラウス・シュミット博士(ケヴィン・ベーコン)を殺さなかったのでしょうか。まだ子どもで甘かったということなのでしょうが、それから18年後になって、やっと復讐しようと探しはじめます。
一方のチャールズ(後のプロフェッサーX)は同じ時代でも何不自由ない裕福な家庭で生まれました。そこへレイヴン(後のミスティーク)が偶然迷い込んで来るのは、ミュータントがひかれあうにしても少し都合良すぎる気はします。
このエリックとチャールズの生い立ちや育った環境が、後の彼らの人間に対する考え方に大きな影響を与えたのでしょう。とはいえ、エリックが復讐したいシュミット博士はミュータントだったのだから、その憎悪は人類にではなくミュータントに向けてほしい気はします。
チャールズ・エグゼビア(ジェームズ・マカヴォイ)はCIAエージェントのモイラ・マクタガート(ローズ・バーン)の依頼でCIAに協力して、ヘルファイア・クラブのセバスチャン・ショウを追います。このショウこそが、エリック・レーンシャー(マイケル・ファスベンダー)が追うシュミット博士と同一人物なのです。
エリックはシュミット博士を見つけて、攻撃をしかけますが、失敗して逃げられてしまいます。そこで若きエリックとチャールズは出会うのです。エリックはチャールズも勧誘して、共通の敵に立ち向かうことになります。
チャールズはCIAで働くハンク・マッコイ(ニコラス・ホルト)が開発したテレパシー増幅装置(セレブロの原型)を使って、世界中(と行ってもアメリカ国内だけ?)のミュータントを集めだします。そしてエリックと一緒に個別に説得に行きます。カメオ出演のウルヴァリンことローガン(ヒュー・ジャックマン)には断られます。
何人か見つけてCIAのディヴィジョンXに集めるけど、チャールズとエリックが不在の時に、ショウとヘルファイア・クラブがセキュリティを突破して彼らを勧誘に来ます。セレブロを持ってないショウの方が、強力なミュータントを従えてて、しかも能力訓練もされてるのは皮肉です。
というかディヴィジョンXは対ミュータント施設としては、この時点では最強だと思うので、ヘルファイア・クラブは、このメンバーだけでもアメリカの主要機関なんてほとんど制圧できそうです。特にアザゼルのテレポートはスピード感あって強いですね。
そんなこともあり、CIA側のミュータントも修行をはじめます。ハヴォックの赤い光線はうまく使えれば最強なのに、最後まで良い見せ場がなくてかわいそうです。この後の時代で登場するサイクロップスも、似たような能力ですがもっと活躍します。
チャールズがエリックの力を引き出すシーンは、カップルのような雰囲気もあり、シリーズ屈指の名場面です。「怒りと平静の中間」というのが、『スターウォーズ エピソード1 ファントム・メナス』シリーズのフォースを連想させます。
ハンクは優秀な科学者でセレブロ、ハヴォックのレーザー制御装置、ステルスジェット機などを作りますが、防護ユニフォームのデザインは最悪ですね。チャールズに愛想つかしたミスティークとせっかく仲良くなったのに、彼女の外観を気にして嫌われたのは残念です。彼女の遺伝子?で自分まで青色になります。
そんなミスティーク(ジェニファー・ローレンス)は、自分の本来の青色の姿を認めてくれたエリックに心が傾いていきます。さびしい子ども時代を過ごした2人なので、共感した部分もあるのかもしれません。裕福な家庭に生まれたためか、やや上から目線のチャールズにはない部分です。
『X-MEN ファーストジェネレーション』ネタバレ結末ラスト
ショウは、キューバへソ連の核ミサイルを運ぶ準備をすすめます。人類どおしで殺し合いをさせるという発想はいいと思いますが、なぜキューバ危機を利用するのかわかりません。それに核ミサイルを打ち合う戦争が起これば、ミュータントもほとんど死滅するのではないでしょうか。
エリックとチャールズは少しづつ考え方に違いが出てますが、ショウは共通の敵なのでそれぞれ違う方法で倒そうとします。チャールズからテレパスをさえぎるための、かっこわるいヘルメットは、ショウが作ったようです。
ショウとエリックの戦いは、もっと盛り上げてほしかったです。エリックはショウへのとどめを、2人のナチスの収容所での因縁のコインで果たします。エリックの根に持つ性格もよく表現されています。宿敵を倒した本人がナチスと同じことをはじめる皮肉は、ヘルメットの引き継ぎから始まるようです。
アメリカとソ連は協力してミュータントをミサイル攻撃してきます。あの島がキューバなら国際問題になりそうですが、近くの島なのでしょうか。そしてこのミサイル攻撃が、エリックの人類に対する絶望感を決定的にしてしまいます。
ラストでは、撃たれた銃弾をエリックがはじいて、それがチャールズに当ってしまいます。それが元でチャールズことプロフェッサーXは下半身不随になり、車椅子生活になったのです。銃を撃ったのが、チャールズの恋人になったモイラなのは悲しい展開です。
エリックはさすがに申し訳なさそうですが、マグニートーとしてミスティークとともに去っていきます。チャールズはプロフェッサーXとして「恵まれし子らの学園」を創設して、X-MENを集め、人間とミュータントの共存をさぐっていくことになります。
過去作を見てるとニヤッとできるエピソードもありますが、ストーリー上は知らなくても全く問題ないよう作られていますし、X-MENとしてよりも1本の映画として完成度が高いため、多くの人におすすめしたい作品です!
おすすめ9ポイント
- マーベルのSFアクション
- X-MENのはじまりの物語
- 主要ミュータントの子供時代
- ミュータントの出会いや決別
- 能力者バトルが楽しい
- ミスティークがかわいい
- ウルヴァリンも登場
- キューバ危機ともう1つの危機
- 子どもや家族と一緒に観られる
少し残念4ポイント
- 主要キャラ以外の活躍が少ない
- 急にシーンが変わって混乱する
- X-MEN衣装や防御ヘルがダサい
- 戦闘アクションは意外と少ない
私の評価 76/100(60が平均)
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