『ジャスティスリーグ ザックスナイダーカット』ネタバレ感想考察/ラスボスは変更?正体と目的とは?
『ジャスティスリーグ』の当初構想どおりの新バージョン。ブルース・ウェインは、せまる脅威から世界を守るため超人チーム結成へと動きます。しかし敵ステッペンウルフにも上位の存在が…。公開の経緯や違いは?劇場版を超えた?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | ジャスティス・リーグ ザック・スナイダーカット |
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日本公開日 | 2021/5/26 [予告] 上映時間:241分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | Zack Snyder's Justice League |
監督・キャスト | ザック・スナイダー[キャスト] |
配給/製作 (画像出典) | ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント/ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ、DCフィルムズ、アトラス・エンターテインメント、ザ・ストーン・クアリー |
日本興行収入 | |
製作費 | 0.7億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | 80(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | DCU/DCユニバース一覧 前作『ジャスティス・リーグ』11億 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- クラーク・ケント/スーパーマン/クリプトン名:カル=エル(ヘンリー・カヴィル)世界最強クラスのクリプトン星人の唯一の生き残り。前作で死亡
- ダイアナ・プリンス/ワンダーウーマン(ガル・ガドット)アマゾン族。スピード・パワー・戦術を備える女性ヒーロー
- バリー・アレン/フラッシュ(エズラ・ミラー)超高速で走れるヒーロー。お調子者。さらに光速では…
- ビクター・ストーン/サイボーグ(レイ・フィッシャー)元アメフト選手。延命のため父によりサイボーグ化。機械やネットを操れる
- ブルース・ウェイン/バットマン(ベン・アフレック)ゴッサムシティの大富豪。ヒーローチーム結成を進める
- アーサー・カリー/アクアマン(ジェイソン・モモア)アトランティス帝国の女王アトランナと人間との子。海中のヒーロー
- ステッペンウルフ(キアラン・ハインズ)地球の3つのマザーボックスを集めるためには手段を選ばないヴィラン(悪役)
- ヒッポリタ女王(コニー・ニールセン)セミッシラを治める女王。ダイアナの母
- サイラス・ストーン(ジョー・モートン)息子ビクターを、延命のためサイボーグ化。マザーボックスの研究者
- アルフレッド・ペニーワース(ジェレミー・アイアンズ)ブルース(バットマン)の忠実な執事
- ロイス・レイン(エイミー・アダムス)クラーク・ケント(スーパーマン)の恋人
- メラ(アンバー・ハード)海底国ゼベルの王女。アーサー(アクアマン)の理解者
- ジョーカー(ジャレッド・レト)バットマンの宿敵。元恋人はハーレイ・クイン
- レックス・ルーサーJr.(ジェシー・アイゼンバーグ)前作で投獄されたが…
ネタバレ感想『ジャスティス・リーグ ザック・スナイダーカット』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
スナイダーカット公開の経緯は?
DCコミックスのDCEU映画シリーズとして2017年に公開された映画『ジャスティス・リーグ』は、当初ザック・スナイダー監督により企画・撮影されてきましたが、最終段階で降板し『アベンジャーズ』監督のジョス・ウェドンに引き継がれました。
降板の理由は積極的に明かされませんでしたが、ザック・スナイダーの大学生の娘の死も影響したと言われています。ザックの妻で本作のプロデューサーを努めていたデボラも同時に降板してます。
劇場版『ジャスティス・リーグ』は、ライバルのマーベル映画MCUを成功に導いたウェドン監督らしく、暗い話の中にも明るさが散りばめられて見やすく仕上がっています。個人的にはDC映画の中では好きな方だし、米国では不評ですが日本では70点以上の高め評価です。
しかし公開後、撮影中の問題点(詳細は書きません)が明らかになります。ザック監督も自分が描きたかった『ジャスティスリーグ ザックスナイダーカット』を追加撮影までして完成し公開。日本では劇場公開はなく、動画配信だけなのが残念です。
劇場版『ジャスティス・リーグ』との違いは?超えた?
上映時間が2倍以上になってるし追加撮影やCG強化などの編集もされてるので単純比較はできませんが、1本の映像作品としてなら、今回の『ジャスティス・リーグ ザック・スナイダーカット』の方が圧倒的に好みです。
本作は4時間以上もあり、七章にわけられてもいるので映画というよりドラマシリーズに近いです。もはや別作品として楽しむ方がよさそうだし、細かい変更点はあげるときりがないけど一目瞭然な部分のみ羅列します。
- シリーズのラスボスや腹心達の登場
- ステッペンウルフの動機と強さを拡張
- スーパーマンの恐ろしさと強さを拡張
- サイボーグ大活躍と父子物語や誕生譚
- フラッシュ大活躍と恋人との出会い
- ワンダーウーマン、アマゾン族の拡張
- アクアマン、アトランティス族の拡張
- ジャレッド・レトのジョーカー登場
- 全体的なCG強化と劇的な音楽
ヒーローチーム「ジャスティスリーグ」結成と序盤の見どころ
本作は『マン・オブ・スティール』で誕生したスーパーマンが『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』で亡くなった後からつながる続編なので、その2作品は観ておいた方がより理解しやすいです。
冒頭でスーパーマンの死が回想され、それを目の前で見たブルース・ウェイン(バットマンの正体)は危機感をつのらせます。ヒーローチーム「ジャスティス・リーグ」結成を目指し、漁港にアーサー・カリー(アクアマンの正体)を勧誘に。
アクアマン勧誘に失敗したブルースの基地に、『バットマンvsスーパーマン』で共闘したダイアナ・プリンス(ワンダーウーマンの正体)が来ます。ブルースはバリー・アレン(フラッシュの正体)も仲間に加えます。
ダイアナの勧誘を断ったビクター・ストーン(サイボーグの正体)も、パラデーモンに父を誘拐された後に合流。4人のヒーローは、敵ステッペンウルフの基地を襲撃し、アクアマンの助けもかりて、誘拐された者達を救いだすのに成功します。
5人のヒーロー集合までの流れは以上です。それ以外の序盤最大の見どころは、アマゾン族が守る宝を圧倒的な強さのステッペンウルフが奪うまでの集団バトルシーン!アメフトを連想させたり弓矢で箱を飛ばすのもナイスアイデアですね。
劇場版『ジャスティス・リーグ』ではほぼ描かれなかった、サイボーグ誕生物語と父子の確執や、フラッシュが恋人を助けるシーンも追加されてて愛着が深まります。サイバーグを生んだ箱はスーパーマン復活の伏線にもなります。
ラスボスや箱の正体は?ステッペンウルフの目的は?
劇場版のラスボスはステッペンウルフでしたが、背景の物語も動機や目的もあまり語られず「ただ倒されるだけのヴィラン」だったのが不満でしたし、作品評価を低くする要因でした。今回もラスボスはステッペンウルフですが、よく話すしメタリックな鎧も力強くて別人。
ステッペンウルフは、アポコリプスの支配者ダークサイドの腹心だったが、裏切り者として追い出されたようです。ステッペンウルフが箱(マザーボックス)を集める目的は、それを手土産としてダークサイド陣営にもどるためです。
神話の時代、別宇宙から地球にきたダークサイド陣営は、アマゾン族、アトランティス族、ゼウスやアレス率いる神々と人類とグリーンランタン等により侵略を阻止されて退却。置き去りの3つのマザーボックスは集めると三位一体パワーで地球を滅ぼせるので、3陣営が厳重管理することに。
マザーボックスの正体は、生物を再生したり消滅できるチェンジ・マシーンです。人類が守る箱はナチスドイツからアメリカが入手しサイラス博士が研究。博士は我が子ビクターを延命させるため、箱のパワーでサイボーグ化。
ステッペンウルフの動機や背景が語られたことにより、劇場版よりキャラに厚みが増しました。しかしMCUのサノス等と比べるとまだまだ魅力的ではありません。やられキャラ・パラデーモン以外に部下がいないのも残念です。
ちなみに、地球にはマザーボックス以外にも「全生命をおびやかす最悪の兵器」が隠されているようです。「ロイスが鍵」という気になるキーワードも回収されてないので、今後の作品で明かされるのでしょうか。
スーパーマン復活の方法は?地球を救った方法とは?
5人のヒーロー達は、サイボーグが超人になれたことを応用し、マザーボックスとクリプトン星の宇宙船でスーパーマン復活を計画。足りない電力は、フラッシュが光速を超えて少し時間を戻せる能力を利用。この能力も伏線に。
復活したスーパーマンは、ヒーロー達を敵と思い攻撃。バットマンを除く4人がかかりでも全くかなわないほどの強さで驚き。超高速のフラッシュを目で追うシーンはかっこよすぎてしびれました!スーパーマンは恋人ロイスと飛び去ります。
ステッペンウルフは、発動したマザーボックスを感知して奪います。直前にサイボーグの父サイラス博士が命をかけてマザーボックスを熱したため、ジャスティス・リーグの5人は三位一体化する前にマザーボックスの場所へたどり着けます。
バットマンが敵要塞バリアを破壊し、パラデーモンを一掃。ワンダーウーマンとアクアマンがステッペンウルフを足止めする間に、サイボーグがマザーボックスの三位一体化を止め、超高速フラッシュ発電でマザーボックスを分離させる作戦。
予想以上に強いステッペンウルフの前に、スーパーマンが現れた時はテンション上がりまくり!大斧を刺されてもケガ1つしないだけでなく、息だけで凍らせて大斧を破壊しステッペンウルフをたたき飛ばす姿で「勝った」と思ったが甘かったです。
フラッシュが撃たれて、サイボーグは三位一体に取り込まれてスーパーマンも地球の生命体も一度は消滅。しかしフラッシュはあきらめず光速で少し時間を逆行し、サイボーグを引き戻し、スーパーマンがマザーボックスを分離して世界は救われます。
別宇宙のダークサイドとつながるワームホールが閉まる前に、スーパーマンがステッペンウルフを投げ飛ばし、ワンダーウーマンが首を斬ってダークサイドのもとへ送る演出もかっこよすぎ。いつかダークサード陣営がラスボスとして襲来しそうですね。
エピローグの登場人物の正体は?死んだヒーローは誰?
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』で投獄されたレックス・ルーサーJr.はアーカム精神病院から脱獄し、洋上ボートでデスストローク(デッドプール似・眼帯)と会い、バットマンの正体を教えます。映画『ザ・バットマン』へつながるのでしょうか。
時は移り、ダークサイド陣営ぽい宇宙船が襲撃にきた世界で、バットマンらが対抗してます。サイボーグ、フラッシュ?(バリーかは不明)、三叉槍トライデントを持つメラ、仲間になったデスストロークだけでなくジョーカー(ジャレット・レト)とも共闘。
中盤のサイボーグの夢のとおり、アクアマンは倒され、ワンダーウーマンは火あぶり(火葬かも)になったようです。ハーレイ・クインの死の可能性も。そこへ悪に染まったスーパーマンが登場。その悪夢から目覚めたブルース・ウェインの前に、マーシャン・マンハンターが現れ去っていきます。
想像以上に濃いエピローグですが、この世界線のDC映画シリーズを観たいと思いました。予定されてる『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』『ザ・バットマン』『ブラック・アダム』等の期待値があがってきました!
『ジャスティス・リーグ ザック・スナイダーカット』私の評価と感想
劇場版『ジャスティス・リーグ』も、アメリカでの評価ほど悪くはないと思ったけど、今回の『ジャスティスリーグ ザックスナイダーカット』を観ると圧倒的にこちらが好きです!ただし後出しが良いのは当然なので、ジョス・ウェドン版も肯定したいです。
今回の方がいいと思える主な理由は「ヴィランの性格や動機づけが明確になったこと」「浅くしか描かれなかったヒーロー像が肉づけされたこと」「戦闘や演出のかっこよさが増したこと」「ラストの未来予想図」「CGと音楽の強化」等。
一方、映画にしては長すぎるので映画館で上映しづらいのは難点。短くまとめる能力も監督の資質です。前後編に分けるのはありかも。一度別の監督が引き継いで公開された映画の別バージョンを制作した点には少しひっかかりますが。
ただ、ここまで完成度の高いバージョンが公開されてしまっては、今後のDC映画シリーズも乗っかってほしいですね。ザック・スナイダー監督映画の中では『ウォッチメン』の次に好きな作品になりそうです!
私の評価 77/100(60が平均)
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