『ウォルトディズニーの約束』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?約束とは?メリーポピンズ誕生秘話?
ウォルト・ディズニーは娘の愛読書「メリー・ポピンズ」映画化を原作者パメラ・トラヴァースと交渉するが了承されず。父親との思い出が原因と知ったディズニーは、ある約束を提案するのだが…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | ウォルト・ディズニーの約束 |
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日本公開日 | 2014/3/21 [予告] 上映時間:126分 |
製作国 | アメリカ、イギリス、オーストラリア |
原題/英題 | Saving Mr. Banks |
監督・キャスト | ジョン・リー・ハンコック |
キャスト 出演者 | トム・ハンクス、エマ・トンプソン、ポール・ジアマッティ、ジェイソン・シュワルツマン、ブラッドリー・ウィットフォード |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:PG-13 |
配給/製作 (画像出典) | Walt Disney Studios Motion Pictures/Walt Disney Pictures、BBCフィルムズ、エッセンシャル・メディア、Ruby Films、Hopscotch Features |
日本興行収入 | 3.6億円 (興行収入ランキング) |
世界興行収入 | 1.1億USドル [出典] |
製作費 | 0.4億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.25更新) 74(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | 実話/歴史/時代/西部/戦争映画一覧 |
ネタバレ感想『ウォルト・ディズニーの約束』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
『ウォルト・ディズニーの約束』は、世界中に愛される映画『メリー・ポピンズ』ができるまでの実話をベースにした映画です。映画化を了承しない原作者パメラ・トラバース夫人との交渉や、彼女の父との思い出などが描かれます。
この映画のおすすめ8ポイント
- 『メリー・ポピンズ』誕生秘話
- トラヴァースの父の思い出
- ディズニーの父の思い出
- ディズニーの人間くささがわかる
- トラヴァースと運転手ラルフの関係
- ディズニーランド招待シーン
- ディズニーの約束とは?
- ラストで感動できる
少し残念つっこみどころ4ポイント
- 似た場面の繰り返しが退屈
- 夫人のこだわりがわかりづらい
- 約束の内容がわかりづらい
- 小さな子どもには向いてないかも
映画『ウォルト・ディズニーの約束』ネタバレ感想や解説
ウォルト・ディズニーの伝記的な映画だと思って見たのですが、全く違う内容です。かなり昔のディズニー映画『メリー・ポピンズ』の誕生秘話なので、できればその作品を見た後の方が、話を理解しやすいと思います。
『メリー・ポピンズ』は英語圏の児童文学で、その原作者パメラ・トラヴァース夫人がとても頑固で映画化についても、なかなか了承しません。ウォルト・ディズニーや制作陣の人たちが、あの手この手でもてなす姿が、真剣なのですがそれがよけいに笑えてきます。
やがてトラヴァース夫人がメリー・ポピンズ中のバンクス氏に、彼女の亡くなった父親の姿を重ねていることに気づいたディズニーは、自分の父についてのトラウマも話し出します。父親の存在がテーマです。トラヴァース夫人の言動が最初は理解できませんが、ラストでは愛おしくなります。
ネタバレあらすじ感想
冒頭からパメラ・トラヴァース(エマ・トンプソン)の変わり者ぶりや、取り扱いの難しさが描かれます。新作を書けなくてお金にも困り始めたので、代理人のアドバイスにより、ウォルト・ディズニー(トム・ハンクス)が提案する映画化の話を聞くためアメリカのロサンゼルスへ向かいます。
運転手ラルフにも「晴れより雨が好きだ」とそっけない態度をとり、ホテルの室内いっぱいに置かれたディズニーグッズも嫌がって、ぬいぐるみ等をクローゼットなどへ押し込めます。洋梨は特に嫌って、下のプールへ投げ捨てます。さらっと描かれますが、夫人の洋梨への思い出は終盤で明らかになります。
ウォルト・ディズニーは娘が『メリー・ポピンズ』の大ファンなので、ぜひ映画化したいと熱望します。しかしトラヴァース夫人は作曲家のシャーマン兄弟や脚本家などにも、ミュージカルもアニメも赤色もダメで、脚本も作曲した歌も気に入らないとクレームばかりつけて前進しません。
やがてトラヴァース夫人が『メリー・ポピンズ』を大切に思う理由は、そこに出てくる子どもたちの父親バンクス氏が、彼女の父(コリン・ファレル)をモデルにしているからだとわかります。
幼いパメラは父から空想の楽しさを学びます。父の転勤で一家はオーストラリアの大草原へ引っ越します。父は銀行家でしたがあまり向いてなくて、酒の量が増えていき、仕事もうまくいかなくなり、血を吐いて倒れてしまいます。
母が隠した酒をパメラが渡してしまい、母が入水自殺しようともしたことにも責任を感じます。そんな時、エリーおばさんがやってきて、家事を効率よくこなし家族を支えてくれました。メリー・ポピンズのモデルです。しかしパメラが父のために洋梨を買いに行ってる間に、父は亡くなりました。
パメラ・トラヴァース夫人は、父に対していろいろ責任を感じてたりして、映画化してもバンクス氏をないがしろにしてほしくないのでしょう。だから脚本の中で、バンクス氏が子どもたちにひどいことをする場面には激怒したのです。
運転手ラルフは夫人に、自分の娘は体が不自由なので、外を歩ける晴れた日が好きだと、出会った時の会話を補足します。万策尽きた感じのディズニーは、夫人をディズニーランドへ誘って断られますが、ラルフに内緒で連れてこさせます。
この映画ではウォルト・ディズニー氏の夢をかなえるために決してあきらめない行動力だけでなく、強引さ、上手くいかない時のいらだちぶり、人の話を聞かないくせ、ヘビースモーカーぶり、その他の人間くささも、包み隠さず描いている点がとても興味深いです。
ディズニーランドに強引に招待されたトラヴァース夫人は、立ち止まってディズニーが眺める先の窓に「イライアス・ディズニー」と書かれているのを見つけます。後に彼の父の名だとわかります。しぶしぶメリーゴーラウンドに乗せられた夫人の表情は、喜ぶ子どもたちを見るうちにやわらかくなっていきます。
映画『ウォルト・ディズニーの約束』ネタバレ結末ラスト
それ以降の打ち合わせでは一緒に歌ったり踊ったりしますが、ペンギンのダンスシーンがアニメだと聞くと激怒して帰国してしまいます。別れの時、親しくなった運転手ラルフには娘宛にサインしました。帰国後、夫人を訪ねてきた人物がいます。それはまるで、メリー・ポピンズが訪ねてきた瞬間のような映像です。
ディズニーは、トラヴァース夫人の本名が「ヘレン・ゴフ」だと知って、帰国した夫人を訪ねてきました。そして夫人が父トラヴァース・ゴフの名前を使い、バンクス氏のことも大切に思う気持ちは理解してると告げ、自分が子どもの頃に父イライアスが厳しかった過去も語ります。
映画『メリー・ポピンズ』では、バンクス氏を決してないがしろにはせず、むしろ世界中のバンクス氏である父親たちを救いたいと約束します。それが金儲けのためだけではないことは、彼が困ってる時もミッキーマウスを売らなかった事実からわかります。
トラヴァース夫人からOKをもらったディズニーは、映画『メリー・ポピンズ』を作り上げますが、完成試写会に夫人を呼びませんでした。連絡しても来ないと思ったのはあるでしょうけど、たぶんマスコミに暴言をはいて評価を下げたくなかったのだと思います。
しかしトラヴァース夫人はやってきて、ディズニーを驚かせます。ホテルからは運転手ラルフが送迎します。そしてミッキーマウスが手を差しのべると、夫人は喜んでエスコートされます。夫人は映画を観て、笑いはこらえますが、涙は隠せませんでした。ディズニーには「アニメがひどくて」とやせ我慢を言いますが。
もうミッキーマウスのあたりから、こちらまで涙してしまいます。これがフィクションなら、ディズニーとトラヴァースは良い仲になったんじゃないかと想像してしまいます。いやそれよりも、ウォルト・ディズニーは、ヘレン・ゴフ夫人にとっての「メリー・ポピンズ」ではなかったのでしょうか。
ディズニーの話ですが、子どもが見るには少し難しすぎるかもしれません。むしろ大人が観て自分の父との関係性や、自分の子から見た父親像などを考えなおすのにいいかもしれません。ぜひ1度は観ることをおすすめしたいです!
私の評価 62/100(60が平均)
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