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映画『もののけ姫』評価は?ネタバレ感想考察あらすじ/シシ神の正体は?17考察と神殺しの意味

映画もののけ姫

『もののけ姫』あらすじ概要

スタジオジブリ作品のファンタジー映画。アシタカはタタリ神を退治時に受けた右腕の呪いを解くため西へ旅し、鉄を作るタタラ場を治めるエボシと、森の犬神モロに育てられた少女「もののけ姫」サンと出会います。三者とシシ神の行く末は?(ネタバレあらすじ↓)

映画名/邦題 もののけ姫
日本興行収入201.8億円
製作費21億円
平均評価★★★★★85私の評価↓は含まず)
シリーズ/関連スタジオジブリ映画
日本公開日 1997/7/12 [予告↓]上映時間 133分
映倫区分日本 G(年齢制限なし)USA PG-13
映画監督宮﨑駿
キャスト
出演者
松田洋治、石田ゆり子、田中裕子、小林薫、美輪明宏、森繁久彌、西村雅彦
配給/製作/画像©東宝/スタジオジブリ

『もののけ姫』予告動画

『もののけ姫』ネタバレあらすじ

この先はネタバレありのあらすじです。続編前作や関連映画は、スタジオジブリ映画一覧もご参考に。

屋久島「もののけ姫の森」の旅行記

中世日本の東のエミシの村にタタリ神(祟り神)が襲来し、アシタカ(声:松田洋治)が弓矢でしとめるが、右腕に死の呪いを受けます。その正体は西の巨大イノシシの神(ナゴの守)で、鉄のつぶてを撃ちんだ人間への憎しみからタタリ神になったようです。

アシタカとサンとエボシの出会い?(ネタバレあらすじ)

アシタカは呪いを解くため西へ旅立ち、侍に襲われる人々を助けたり、僧風のジコ坊(小林薫)からシシ神の住む森を聞きます。倒れた男達を救った時、巨大な白い犬神を手当てする「もののけ姫」の少女サン(声:石田ゆり子)を見かけ「去れ」と言われます。

アシタカは鉄を作るタタラ場に招かれ、頭のエボシ御前(声:田中裕子)が村を守るために、石火矢(火縄銃に近い)を製造させてると知ります。エボシはイノシシ神ナゴの守がタタリ神になった原因でもあるが、救われた不幸な女達や病人からは慕われてます。

シシ神とモロと乙事主の関係は?(ネタバレあらすじ)

もののけ姫のサンがタタラ場に襲来して、エボシの命をねらうが失敗します。アシタカはサンを救うが、石火矢で重傷を負い、森に向かう途中で力つきます。目覚めたサンがアシタカを殺そうとすると「美しい」と言われて動揺し、シシ神の所へ連れて行きます。

人間に森を奪われた猿神の猩々(しょうじょう)達は、知恵を得るために人間のアシタカやサンを食べたがるが、山犬(渡辺哲)が追い払います。アシタカは人面の鹿の姿のシシ神の力とサンの看病で回復するが、右腕の呪いはシシ神にも治してもらえません

猪神たちはアシタカやサンをねらうが、山犬の白い犬神モロの君(美輪明宏)が止めます。四本牙の白い猪神の乙事主(森繁久彌。おっことぬし)が現れ、一族だったナゴの守の最後をアシタカに見せてもらった後、納得して猪神を引き連れて去ります。

もののけとシシ神と人間と自然の勝者は?(ネタバレあらすじ)

アシタカは森と人間が争わない道や、サンを森から解放する方法を模索するが、犬神のモロの君に一蹴されます。アシタカがタタラ場へ戻ると、鉄をねらう地侍に襲撃されてます。エボシの軍勢は別の場所で、突進する猪神やサンや犬神と交戦中です。

アシタカがタタラ場のためにエボシを呼びに行くと、猪神はほぼ全滅してます。重傷の乙事主を連れたサンがシシ神へ向かうのを、ジコ坊に雇われたジバシリ(地走り)が猪の皮と血をかぶり追います。乙事主はタタリ神に変化しはじめ、サンも取りこまれます。

サンを助けようとするアシタカとジバシリが戦いを始めると、乙事主はタタリ神となるが、重傷の犬神モロの君が決死でサンを救い出します。現れたシシ神の頭をエボシが撃ち抜くが、傷はすぐ治り、シシ神は乙事主とモロの君を安らかな死へといざないます。

『もののけ姫』ネタバレ結末と最後/ラスト

夜になり月が出て、シシ神はディダラボッチへと巨大化をはじめます。エボシが石火矢で神殺しすると、黒い負の液体がコダマ(木霊)の森を侵食します。天皇から「不老不死」の首を持ち帰る命を受けたジコ坊と唐傘連が、シシ神の頭を持ち去ります。

黒い液体にタタラ場も破壊されます。エボシは犬神モロの首に右腕を噛みちぎられるが、アシタカに救われます。怒り狂うサンをアシタカが抱きしめて、共にジコ坊からシシ神様の頭を取り戻しディダラボッチに返すと、朝がきて少し緑がもどります。

右腕の呪いから解放されたアシタカはタタラ場で、そのアシタカを好きと言ったサンは森で、共に暮すことに決めて別れます。右腕をなくしたエボシは会心して、タタラ場で民に新しい良い村を作ることを誓います。森にコダマが1匹だけもどって来ます。

ネタバレ感想『もののけ姫』解説や評価レビュー

この先はネタバレありの感想考察です。続編前作や関連映画は、スタジオジブリ映画一覧もご参考に。

私の評価 ★★★★★85/100(60が平均)[レビューサイト評価↑]

スタジオジブリ作品の中でも典型的な、少年と少女の成長を描いたファンタジー映画です。興行収入でも大成功をおさめ、私もジブリ作品の中ではベスト3に入るくらい好きです。一方で、内容を詰め込みすぎて複雑で、敬遠する人がいるのも納得できます。

主人公のアシタカは、大和朝廷に東へ追いやられたエミシ(蝦夷)の出身ですが、呪いを解くために西へ旅して、エボシのタタラ場や、シシ神とサンのいる森へたどり着きます。迷いやブレが少なく、善悪に固執せず考え続ける理想の人間像だと思います。

このアシタカの立ち位置に近いと感じたのは「シシ神」です。もちろん最後は、アシタカは人間側、シシ神やディダラボッチは自然側に立つのですが、最も中立で「神」的な存在です。一方で、エボシ御前は守る村も野心もある、典型的な人間です。

さらにエボシを利用するのが、大和朝廷に雇われた師匠連で、唐傘連の頭領でもあるジコ坊です。彼の真意は不明ですが、中間管理職なので上からの命令なら自然も破壊し、シシ神殺しも躊躇しませんが、実行犯はエボシにさせるズル賢い人物です。

それに対し、森や自然側の敗因はリーダー不足だと感じます。猪神とその頭の乙事主(おっことぬし)、猿神の猩々(しょうじょう)、山犬と犬神モロの君に育てられた「もののけ姫」こと少女サンなど勢力図が複雑で、人間に対する考え方もバラバラです。

生物の生死を左右する「シシ神」は森や山の神でもあるけど、それを滅ぼそうとする人間に対抗する気はなさそうです。そのシシ神に頼りきりで、異種族間でも平等で平和だった森が人間に侵略される流れは、皮肉にもエミシのたどった道とも似ています。

『もののけ姫』をラストまで見た後、モヤモヤする感情が残るのは「誰が悪い」のか明確に示されないからだと思います。善悪や正義は、立場や守る者によって変わるので勧善懲悪では語れませんし、これは「自然中心から人間中心へ移る物語」だと感じます。

ラストでエボシは会心して村の再建を誓い、アシタカもタタラ場で暮らすと決め、サンは山犬と森へ帰ります。この三者が生きてる間は「自然と人間との調和が保たれる」でしょう。サンの後継者が現れないかぎり、次の世代での維持は難しいでしょうけど。

キャッチコピーの「生きろ。」は、まさにこの三者に向けて放たれた言葉で、「自然を理解しながら人間を統率する者」「自然と人間の橋渡しをする者」「人間を理解しながら自然で生きる者」のうち1人でも死んでいれば、さらに争いは続いたと思います。

シシ神やコダマの死は、人間が自然と離別した象徴だと思います。「森の動物達が小さくなり、考えなくなると、人間の肉になるのみ」と言った乙事主の予言どおりの現代を私達は生きていますが、後戻りはできないので、まさに「生きろ。」なのでしょう。

『もののけ姫』17の疑問と考察・解説

本作の疑問と考察や解説です。ネタバレありです。

『もののけ姫』で一番悪いのは誰?

主人公のアシタカが敵対した勢力はいないことからもわかるように、本編には悪役はいません。

エボシ、ジコ坊、サン、犬神モロ、山犬、イノシシ神、乙事主、猿神、タタラ場の民、ジバシリ、ナゴの守、大和朝廷、エミシ、それぞれの立場によって家族や仲間が良い暮らしをできるように努力していて、その過程で他勢力と衝突しているだけです。

映画もののけ姫

アシタカの村を襲ったタタリ神の正体とは?

西の森のイノシシ神だったナゴの守(かみ)が、エボシに石火矢で撃ち抜かれた後、人間への憎しみに満ちてタタリ神になったのです。その体内からは、石火矢の銃弾である鉄のつぶてが出てきました。

アシタカが右腕を呪われた理由は?

神殺しの代償だと思います。タタリ神ももとはイノシシ神でした。

犬神のモロの君に重傷を負わせたのは誰?

崖を移動中のエボシの軍勢を犬神モロが襲った時、エボシが石火矢(火縄銃)でモロの胸を撃ち抜いたのが致命傷になったようです。

コダマ(木霊)の正体とは?

コダマ(木霊)の存在は、森がシシ神などの神によって健全に守られている証拠だと考えられます。だからシシ神の首が落とされた時、森のコダマたちも消滅していきます。

ジコ坊や手下の正体と目的とは?

ジコ坊は謎の組織「師匠連」の唐傘連の頭領で、けもの皮と血をかぶるジバシリ(地走り)も従えています。天皇の命を受けて「不老不死」になれると伝わるシシ神の首をねらっています。

エボシがタタラ場で慕われている理由は?

戦争などの被害で売られた女達や、ハンセン病患者などの行き場のない弱者たちが、エボシに救われてタタラ場で仕事を与えられたためです。

タタラ場に子供がいない理由は?

本編では語られませんが、おそらくタタラ場は子育てに向かない環境だからだと思います。鉄の加工には危険がともなうし、近隣諸国や地侍から戦を仕掛けられることも多いだろうから、もし子どもができても、平和な村にあずけてるのかもしれません。

また、タタラ場じたいが作られて間もないから、という理由もある気がします。

アシタカがもののけ姫サンを救った理由は?

アシタカは相手がタタリ神でもエボシでも、誰でも「生かそう」と考えるため、サンが特別ではないです。ただ「美しい」と言ったことから、恋愛感情までじゃなくても興味は持ったのだろうと思います。

アシタカが腹に銃弾を受けてもすぐ倒れなかった理由は?

アシタカにもサンにも特別な力はないので、アシタカがかなりタフだったからということなのでしょう。銃弾が即死するような致命傷ではなかったのが幸いしたようです。

シシ神の正体は?森の神々を整理

山犬と犬神モロと、彼らに育てられたもののけ姫ことサン。イノシシ神と頭の乙事主(おっことぬし)と、エミシの村を襲った元イノシシ神だったタタリ神。人間を食べるとその知恵が身につくと考えている猿神の猩々(しょうじょう)たち、などがいます。

シシ神はその上位の存在で、昼は人面の鹿の姿、夜は半透明の巨人ディダラボッチになって森を守っています。生物の「生きるべきか」「死ぬべきか」を判断して、簡単に生死をコントロールできます。ただ、シシ神は神々の中では下位の存在らしいです。

アシタカが故郷でもらった小刀の守りをサンに渡した理由は?

アシタカは故郷の村エミシを出る時、妹分のカヤから小刀の守りをもらい、それを山犬からサンに届けてもらいます。初見では、異性からのプレゼントを別の異性にあげる行為に納得できませんでした。少しセリフや説明がほしかった気はします。

アシタカは銃弾を腹に受けても死ななかったので、その幸運を「小刀の守り」のおかげだと感じたから、危険をかえりみないサンに渡して「生きて」ほしかったのだと解釈できます。

イノシシ神の乙事主がアシタカを食わなかった理由は?

乙事主はナゴの守がタタリ神になったのを見たので、「人間への憎しみ」がタタリ神を生むと知ってたからだと思います。また、アシタカの記憶を見た時、アシタカが最後までナゴを生かそうとしたことに気づき、本当の敵はナゴをタタリ神にしたエボシだと感じたからでしょう。

エボシが腕をモロに奪われた理由とは?

エボシはシシ神の首を落として「神殺し」となったため、その呪いとして腕を失ったのだと思います。アシタカがタタリ神を倒した時に右腕を呪われたのと同様です。ジコ坊が自分で神殺しをしない理由も呪いを恐れてたのでしょう。

ちなみに、モロの体はディダラボッチから落ちた負の液体で溶かされたようです。

アシタカの呪いが解けた理由とは?

アシタカの右腕の呪いは「神殺し」が原因なので、シシ神に首を返した「神生かし」によって「ゆるし」を得たのだと思います。

アシタカとサンが一緒に暮らさない理由は?

アシタカは人間側から、サンは森や自然側から、人間と自然との調和を伝えながら生きることを選んだのです。「好き」だとも言ったので恋愛感情は芽生えてそうですが、お互いの生き方を尊重したのでしょう。

シシ神は死んでしまったのか?

朝が来た時、草木に緑が少しもどったり、コダマが1匹もどったことから、シシ神は生きている可能性もあります。しかし「神殺し」した人間には、もう見えなくなったのでしょう。

続編前作や関連映画は、スタジオジブリ映画一覧もご参考に。

『もののけ姫』シリーズ順番・映画ランキングや映画賞

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