映画『エイリアン コヴェナント』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?創造主が登場?
エイリアン・シリーズ前日譚2作目。移住船コヴェナント号の近くで地球人の信号をキャッチし着陸。地球と似た星だが異形生物が現れ、謎のアンドロイドが助けてくれるが…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | エイリアン コヴェナント |
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日本公開日 | 2017/9/15 [予告] 上映時間:122分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | Alien: Covenant |
監督・キャスト | リドリー・スコット |
キャスト 出演者 | マイケル・ファスベンダー、キャサリン・ウォーターストン、ビリー・クラダップ、ダニー・マクブライド、デミアン・ビチル |
配給/製作 (画像出典) | 20th Century Fox/ブランディワイン・プロダクションズ(英語版)、スコット・フリー・プロダクジョンズ(英語版)、TSGエンターテインメント(英語版) |
日本興行収入 | 7.0億円 (興行収入ランキング) |
世界興行収入 | 2.4億USドル [出典] |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2022.6.28更新) 66(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | エイリアン映画一覧 |
ネタバレ感想『エイリアン コヴェナント』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
映画『エイリアン コヴェナント』ネタバレ感想や考察
エイリアンシリーズの前日譚2作目で『プロメテウス』の続編です。前作は矛盾点や謎ばかり残して終わったため、それが解明されるのかという期待と、山積みのままさらに謎を残すのでは?という不安が入り混じった今作ですが、一部の謎は解けるけど、ほとんどは無視のままです。
ストーリーは地球からの移住船が近くの惑星から信号をキャッチし、そこへ行ってみたらエイリアンに襲われ、前作のアンドロイドのデヴィッドが助けてくれるという物語です。マイケル・ファスベンダーは1人2役です。今回のヒロインはキャサリン・ウォーターストン演じるダニエルズで、冒頭で夫を失います。
ウォルターがデヴィッドと同じ顔なので、フレア事故やダニエルズの夫の焼死も計画的なのかと疑ってしまいますが、これは『プロメテウス』を覚えてる人だけのサービスと考えてもいいでしょうね。冷凍睡眠中にロボットだけ動かすことには反対したいです(笑)
今回はネオモーフという白いエイリアンが初登場しますが、黒い胞子状の気体を吸いこんだ人間の腹から、ミニサイズで出てきてあっという間に成体にまで成長するようです。見た目は異様で旧作での成体ゼノモーフへの進化前なのかもしれません。デヴィッドの実験により作り出されたのでしょう。
シガニー・ウィーバーが演じて以来、エイリアンシリーズは強い女性が主役で生き残ると決まってますが、今回のダニエルズの奮闘ぶりも良かったです。ただ、怖がり表現が弱かったし、ケガすらしてないのは、少し余裕がありすぎるとも感じます。その意味では、前作のノオミ・ラパスの方が好みです。
ところでデヴィッドもウォルターも人間の女性に特別な思いを寄せるのは「愛」に似た感情が芽生えたとも考えられますが、子孫を作れないアンドロイドが「産める体の女性」に憧れての感情だとも感じます。だからこそデヴィッドは前作でも今作でも、若い女性をターゲットにしたのだと思います。
エイリアンの倒し方はありきたりばかりで、シリーズで最も工夫を感じなかったのは残念です。ただ、今回の本当の敵はエイリアンではなく、悪魔か神になろうとするアンドロイドのデヴィッドなので、サイコパスとの戦い的な要素もあります。ラストは薄々気づきますが、それでも衝撃的でぞっとします。
これで四つ巴戦のような展開になり、スペースジョッキー(エンジニア)が人間を創造し、人間がデヴィッドを創造し、デヴィッドがエンジニアの技術でエイリアンを進化させその創造主となり、エンジニアを滅ぼします。次のデヴィッドのねらいは創造主の人間を滅ぼすことでしょうか。または人間がデヴィッドを倒す物語が続くのでしょうか。
おすすめ8ポイント
- SFサバイバル・ホラー映画
- 『エイリアン』の前日譚
- プロメテウスの謎解き
- プロメテウス後日談に興味
- マイケルファスベンダー再登場
- アンドロイド対決
- サイコパスとの戦い
- ラストが衝撃的
少し残念7ポイント
- 移住船の扱いが雑すぎる
- 未知の星なのに無防備すぎる
- 死体の山あるのに疑わない?
- 人類の創造主はあっさり全滅?
- オラムはなぜデヴィッドを撃たない?
- 宇宙船AIは違うロボを見抜けない?
- 宇宙空間でジャンプ?
ネタバレあらすじ感想や解説
前作『プロメテウス』より以前に、若かりしピーター・ウェイランド(ガイ・ピアース)によって創造されたアンドロイドは名前を聞かれると、ダビデ像を見ながら「デヴィッド」(ダビデの英語名)と答え「あなたは私の創造者、ではあなたの創造主は?」。ウェイランド「いつか一緒に探しに行こう」。デヴィッド「私の創造者のあなたはいつか死に、私は死なない」
2104年、宇宙船コヴェナント号は、宇宙移住計画のため2000人もの人間をコールドスリープ(冷凍睡眠)させて惑星オリガエ6へ向け航行中、艦内はアンドロイドのウォルター(マイケル・ファスベンダー)だけで動かされており、人間の胚か受精卵のようなカプセルも管理しています。
ところが、ニュートリノ爆発による衝撃波を受け、船に甚大な被害が発生し、ウォルターは休眠中のクルーを起こして船内の消火を行います。しかしダニエルズ(キャサリン・ウォーターストン)の夫で船長でもあるジェイコブ・ブランソン(ジェームズ・フランコ)は事故で焼死し、ダニエルズは悲しみにくれます。
副官オラム(ビリー・クラダップ)が船長代理をつとめ、まずは皆で修理からはじめます。ダニエルズはテラフォーミング(地球化)装置の修理をウォルターに手伝ってもらいます。ダニエルズ「ジェイコブとオリガエ6の湖畔に丸太小屋を建てる計画だったの」と言って悲しむと、ウォルターがなぐさめます。
ダニエルズと一部のクルーはオラムに黙って、ジェイコブの遺体を宇宙葬にして冥福を祈ります。オラムの妻で生物学者カリン(カルメン・イジョゴ)は、オラムに合理主義ではなくクルーに親しく接するよう忠告します。修理は無事終えますが、近くの惑星から発信された電波が地球の歌だとわかります。
まだ7年以上かかるオリガエ6より居住環境に向いていて、数週間で到達できる距離にあるため、オラムら複数の乗員は調査しようと提案します。しかしダニエルズだけはオラムに「2000人の命を危険にさらす」と抗議しますが却下され、調査チームを作ってその惑星の地表に降り立ちます。
そこは地球とかなり似た環境で、麦も育っています。チームは発信源へ向かいますが、生物学者カリンは生態系を見たいため残ると言うので、護衛隊員レッドワードも同行します。レッドワードはカリンに隠れて喫煙しタバコをポイ捨てしますが、その時、小さな黒い胞子状の生物?が耳に入っていきます。
調査チームは前作『プロメテウス』のと同じU字型宇宙船を見つけます。内部はトンネル状になってて、巨人像や10年前に行方不明のプロメテウス号のエリザベス・ショウ博士(前作の主役)のプレートや、ブリッジのような場所で歌うホログラム状の信号の発信源も発見します。
チーム内のハレット軍曹も鼻から黒い胞子を吸い込んで、しばらく後に苦しみだします。別行動のレッドワードも歩けないくらい苦しみだし吐血もしたので、カリンは着陸船へ戻って、パイロットのマギー・ファリス(エイミー・サイメッツ)に手伝ってもらいながら医療室へ連れて行きます。
ファリスは病気を疑い2人を隔離し、オラムに連絡します。レッドワードは何かに背中を破られて絶命し、その何かはカリンも食い殺します。それはエイリアン(ネオモーフ)の幼体で、ガラスを割ってファリスも追います。ファリスはショットガンで反撃しますが、引火物に当って着陸船は炎上爆発してしまいます。
その光景を見る調査チームですが、ハレットの口からもネオモーフが出現し、素早い動きで暗闇に隠れ、人々を襲います。ダニエルズを助けようとしたウォルターは左腕を食いちぎられます。着陸船のネオモーフ?も襲ってきて、銃でも即死しないため苦戦しますが、何者かが閃光弾を放ち「こっちだ」と誘います。
道中には謎の黒い死体の山があります。奥まで行くと、その者はデヴィッドと名乗りウォルターと同じ顔です。宇宙船プロメテウス号の最後の生き残りで、共にこの星へ来たショウは衝突事故で死んだそうです。調査隊の生き残り6人は、宇宙のコヴェナント号に連絡しますが嵐にさえぎられてつながりません。
コヴェナント号のチーフパイロットのテネシー・ファリス(ダニー・マクブライド)は、妻マギーの動揺する声を最後に聞いたので心配で、アップワースやその夫リックスの制止も聞かず、宇宙船を嵐にまきこまれる境界の地上80kmまで近づけて、受信できる確率を上げることを決断します。
アンドロイドのウォルターは、同じ顔のデヴィッド(マイケル・ファスベンダー)の部屋へ入り、笛の吹き方を教えてもらいます。デヴィッド「君(ウォルター)は効率的だが創造は許されてない」。デヴィッドは、この星の人類の上に円筒容器の黒い液体(アンプル)を降らせて全滅させたことを告白します。
このシーンは『プロメテウス』の後日談動画のThe Clossingでも語られますが、この惑星はなんとスペースジョッキーことエンジニア(人間の創造主)の母星であった可能性が高いです。ショウがハイパースリープで眠ってる間に、デヴィッドがアンプルを降らせて全滅させたようです。
デヴィッドはオジマンディアス王(古代エジプトを最盛期にしたラムセス2世のギリシア名)と言いますが、既に創造主になったつもりなのかもしれません。デヴィッドはショウの墓を見て「体を修復された。優しくされたのは初めてで、愛してた」。ウォルター「私のダニエルズに対してのは(愛ではなく)義務だ」
映画『エイリアン コヴェナント』ネタバレ結末ラスト
負傷した女性ローゼンサルはチームを離れて手当てしてると、大きな白いネオモーフ・エイリアンに襲われます。そこへ来たオラムは、デヴィッドがネオモーフを手なづけてる光景とローゼンサルの遺体を見つけて、デヴィッドの制止も聞かずにネオモーフを撃ち殺し、次はデヴィッドに狙いを定めます。
デヴィッドは全て話すと言ってオラムを研究室へ連れていき、無数の円筒容器の中の黒い液体を使って生物実験を繰り返したことを告白します。そして卵のようなのが並ぶ部屋へ連れていき「安全だ」というのを信じてのぞき込んだオラムの顔に、卵から出たフェイスハガーが取り付き、口から卵を植えつけます。
目を覚ましたオラムの腹を破って、ゼノモーフの幼体が出てきて、創造主のデヴィッドのマネして祈るように手を振り上げます。ウォルターは研究室で、腹が引き裂かれたショウの遺体を見つけます。デヴィッド「私以上にあなたを愛する者はいない」と言いキスしようとみせてウォルターを殺害します。
オラムを探しに来たロープとコールは、フェイスハガー(中間体)とゼノモーフ(成体エイリアン)に襲われます。ダニエルズはデヴィッドがショウを殺したことに気づきますが、格闘戦では全くかなわず無理やりキスされます。そこへ自己修復したウォルターが現れ、デヴィッドを投げ飛ばしてダニエルズを救います。
ウォルターはデヴィッドより新型ロボットなので片腕がなくても格闘戦で有利で、やがて抑えこみます。デヴィッドは「天国の奴隷か、地獄の支配者、どちらを選ぶのか」と言いながら、近くの武器をつかもうとしてます。ダニエルズとロープは、コヴェナント号から発進したテネシーの操縦する着陸船に向かいます。
2人は走って飛び乗り、追いついてきた片腕のウォルターも間に合います。しかしエイリアン成体ゼノモーフも着陸船に取り付いたので、ダニエルズがロープを自分に付けて戦って倒します。無事に移住船コヴェナントに戻れた3人ですが、ロープの腹からエイリアンが出て、リックスとアップワースを殺害します。
ダニエルズとテネシーはエイリアン成体ゼノモーフをウォルターの協力のもと格納庫へ誘導して、ダニエルズの捨て身覚悟の攻防により宇宙空間へ放り出すことに成功します。その後処理を終えると移住計画を継続するため、まずテネシーがオリガエ6までコールドスリープに入ります。
ウォルターに礼を言ってダニエルズも冷凍睡眠装置に入り「小屋を建てるの手伝ってね」と言いますが、その反応から目の前のアンドロイドがデヴィッドだと気づき、叫びますが冷凍睡眠に入ってしまいます。デヴィッドは口からエイリアンのカプセルをいくつも取り出し、人間の受精卵の横に並べて映画は終了します。
最後に恐ろしい事実が判明して幕を閉じ『エイリアン』へつながっていきます。エイリアンシリーズとしても今回の過去や未来の物語が構想されてるらしいので、その上映前にぜひ1度は観ることをおすすめします!
私の評価 68/100(60が平均)
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