映画『紅の豚』評価は?ネタバレ感想考察あらすじ/豚になった理由?ジーナとの結末は?名言集
『紅の豚』あらすじ概要
今度のスタジオジブリ映画は、地中海で賞金稼ぎをする孤独な豚の大人の物語です。ミラノ工房の孫娘フィオに再設計してもらった飛行艇で、1度は敗北したアメリカ人のカーチスと再戦するが...。人間にもどれるのか?ジーナやフィオとの関係は?(ネタバレあらすじ↓)
映画名/邦題 | 紅の豚 |
日本興行収入 | 47.6億円 |
平均評価★★★★★80(私の評価↓は含まず)
| |
シリーズ/関連 | スタジオジブリ映画 |
日本公開日 | 1992/7/18 [予告↓]上映時間 93分 |
映倫区分 | 日本 G(年齢制限なし) |
映画監督 | 宮崎駿 |
キャスト 出演者 | 森山周一郎、加藤登紀子、桂三枝、上條恒彦、岡村明美 |
配給/製作/画像 | ©東宝/スタジオジブリ |
『紅の豚』予告動画
『紅の豚』ネタバレあらすじ
この先はネタバレありのあらすじです。続編前作や関連映画は、スタジオジブリ映画一覧もご参考に。
戦後の不景気な時代の地中海のアドリア海で、豚の姿の賞金稼ぎのポルコ・ロッソ(声:森山周一郎。本名:マルコ・パゴット)は、空中海賊(空賊)のマンマユート団から女子学生達の救出依頼を受け、飛行艇サボイアS.21で見事に成し遂げます。
紅の豚、空中戦で撃墜される?(ネタバレあらすじ)
夜、ポルコはマダム・ジーナ(声:加藤登紀子)が経営するホテル・アドリアーノに飲みに行き、ジーナの3人目の飛行艇乗りの夫が戦争で亡くなったことを聞きます。アメリカの飛行艇乗りのドナルド・カーチス(声:大塚明夫)はジーナの歌声にほれます。
マンマユート・ボス(声:上條恒彦)はポルコに対抗するため、カーチスを雇います。ポルコは不調な飛行艇の修理のためミラノへ向かう時、カーチスに襲われて墜落するが、隠れながらピッコロおやじ(声:桂三枝)の飛行機工房に持ちこみます。
紅の豚が若い娘フィオを人質に?(ネタバレあらすじ)
再設計に近い修理をピッコロの孫娘のフィオ(岡村明美)が担当することに、最初ポルコは反対でしたがフィオの情熱と実力を認めてまかせます。ピッコロの一族あげて飛行艇を完成させると、ファシスト秘密警察に追われるポルコはすぐに飛び立ちます。
飛行艇の調整のため、フィオも人質のふりして同行します。ポルコは旧友のおかげでイタリア空軍から逃げのび、アドリア海の孤島に帰るが、マンマユート団の空賊が待ち受けてます。フィオの機転でポルコとカーチスの再戦が決定します。
紅の豚とカーチスの再戦の勝者は?(ネタバレあらすじ)
カーチスはジーナに求婚するが、ジーナがポルコを待ってることに気づき対抗意識を持ちます。夜にフィオは、決戦準備してるポルコが人間の姿に見えます。ジーナの婚約者など多くの戦友達が散っていき、1人生き残ったポルコは軍や国に失望したと語ります。
決戦当日、ポルコはフィオを、カーチスはポルコの飛行艇の修理代全てを賭けて、高度な空中戦で戦います。ポルコは優位に立つがカーチスに銃弾を当てたくないので疲労を待ちます。長引くドッグファイトの末、両者とも機関銃を発射できなくなり降ります。
『紅の豚』ネタバレ結末と最後/ラスト
ポルコとカーチスが海で互角になぐりあってダブルノックアウトした時、ジーナが飛んできて「また1人女の子を不幸にするの?」との声に反応したポルコが立ち上がり勝利します。情報収集に長けたジーナは空軍の接近を伝え、観客たちは一斉に逃げ去ります。
ポルコにジーナの飛行艇に乗せられたフィオは、去りぎわにポルコの口にキスします。ポルコの顔を見たカーチスは驚きます。その後、カーチスはハリウッド俳優として成功し、フィオはジーナと交流を続け、人間に戻った?マルコとの関係性は秘密です。
ネタバレ感想『紅の豚』解説や評価レビュー
この先はネタバレありの感想考察です。続編前作や関連映画は、スタジオジブリ映画一覧もご参考に。
スタジオジブリ映画ですが、本作のファンタジー要素は主人公が豚の姿であることだけです。しかも内容は子ども向けではなく大人用で、ヒロインのジーナの声優を演じた加藤登紀子が主題歌を歌ったことなどジブリ映画としては異例だらけです。
子どもの頃に「ジブリ映画」として観た時は、面白いけど期待ほどではないという感想でした。大人になってから観ると、マルコやジーナのやりきれなさや、マルコのかっこよさなどがわかるようになったけど、逆にラストの決戦が陳腐に思えてきます。
ストーリーはシンプルで無駄が少ないのは評価できますが、最後の決戦に至るまでの経緯に工夫がなく、勝負の結果も予想の範囲を超えないのは少し残念です。賞金稼ぎエピソードをあと1つ2つ見たかったし、ラストアクションにも必然性と緊迫感がほしかったです。
マルコが豚になった理由は?
マルコが豚になった理由は最後まで語られないけど、ファシストの手助けをするイタリア空軍から脱退するために、自らの意思でブタになる魔法をかけたのだと解釈します。戦死する戦友の中で1人だけ生き残り「雲の平原」を飛んだ体験も影響してそうです。
マルコはジーナへの想いを封印しながら、戦友がジーナと結婚するのを祝福してきて、彼らが先に亡くなるのを見てるうちに、国家や戦争の虚しさに気づいて自分の殻に閉じこもったのでしょう。もしマルコが明るいイタリア人なら求婚してたと思います。
ジーナも周囲の人々も「豚差別」することなく、むしろその生き様や信念にひかれて協力してくれる人があとをたちません。大切なのは外見よりも中身だと教えてくれます。
ポルコ・ロッソの意味は?
イタリア語で「赤いブタ」「紅の豚」という意味ですが、ののしりぎみに「豚野郎」というニュアンスもあります。元の本名はマルコ・パゴットですが、その呼び名を知ってる人間はジーナ以外には少なそうで、主に「豚」や「ポルコ」と呼ばれています。
登場キャラクター。ジーナはスパイ?
マルコはイタリア人やラテン系というより日本人っぽいです。賞金稼ぎの依頼を受ける時、信念を曲げないのはかっこいいです。マルコと対極に描かれたのがライバルのカーチスです。カーチスは手段を選ばないというほどの悪者ではないけど、富や名声や良き妻を得ることに迷いはなく、典型的なアメリカ人です。
複雑なマルコの感情を「簡単に明るく」ほぐしていくのが、工房ピッコロの孫娘フィオです。ただ、あれだけ美人で頭脳も根性も持ってるフィオが豚姿のポルコに恋していくような流れは、男性というかおやじにとって都合良すぎる気もします。
ジーナは声のいいシャンソン歌手で、飛行機乗りたちに大人気です。ジーナの3度の結婚相手の全員が飛行艇パイロットで、いずれもマルコの冒険仲間でした。ジーナは無線を傍受できる装置を持ち、スパイの疑いもありますが、その技術を使ってマルコたち4人の冒険野郎をサポートしてたのかもしれません。
マルコは人間にもどれた?ジーナとの結末は?
ラストでフィオにキスされたポルコは、カーチスの反応からも人間の姿にもどったのだと思います。ジーナの賭けがどうなったかは秘密だそうですが、ラストの空撮映像でホテル・アドリアーノの裏庭の海面に赤い飛行艇が停泊してるのが見えます。
マルコとジーナが結ばれたのか、フィオとの関係はどうなったのかは不明ですが、個人的にはマルコはジーナの4人目の夫になって、時々遊びに来るフィオとも仲良しでい続けたのだと思います。フィオは工房ピッコロを引き継いだようです。
若者特権の輝ける未来を感じさせる陽性キャラのフィオは、ラストのキスで「ディズニー映画定番の真実の愛」のような奇跡を見せてくれますが、あの役割をなぜジーナではなくフィオに演じさせたのか宮崎駿監督の真意はわかりません。
映画『紅の豚』の舞台はクロアチア?
マルコの拠点はアドリア海の孤島なので、イタリアに近いと思います。ただ、街の風景はクロアチアのドブロブニクにそっくりなので、参考にした可能性も高そうです。
かっこいい名言集
映画『紅の豚』のキャッチコピー「カッコイイとは、こういうことさ。」(糸井重里)
ポルコ・ロッソ「飛ばねえ豚は ただの豚だ」「バカヤロウ。そういうものは、一番大事な時にとっとけ!」「あの野郎 フィオを見て、豚に真珠だと言いやがった」「ファシストになるより豚の方がマシさ」「豚に国も法律もねえよ」
マダム・ジーナ「マルコ、今にローストポークになっちゃうから。あたし嫌よ、そんなお葬式」「ここではあなたのお国より、人生がもうちょっと複雑なの」
続編前作や関連映画は、スタジオジブリ映画一覧もご参考に。
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