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映画『グリーンブック』感想ネタバレ評価あらすじ/黒人白人の旅の結末は?チキンと手紙が鍵?

更新
映画 グリーンブック
タイトル/邦題 グリーンブック
日本公開 2019.3.1 予告↓上映時間 130分
映倫区分日本 G(年齢制限なし)USA PG-13
参考公式サイト世界興行収入Wiki
製作国アメリカ
原題/英題Green Book
映画監督ピーター・ファレリー [キャスト↓]
配給/製作(C)ギャガ/アンブリン・パートナーズ、パーティシパント・メディア、コナンドラム・エンターテインメント、シネティック・メディア
日本興行収入20.4億円
世界興行収入3.1億US$
製作費約US$ 23,000,000(約25億円)
平均評価★★★★★83私の評価★★★★★70
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映画『グリーンブック』概要とあらすじ(ネタバレなし)

アカデミー賞ゴールデングローブ賞受賞。実話ベース。1962年、気の荒い白人トニーは、天才ピアニスト黒人シャーリーの演奏ツアー運転手に雇われます。しかし米南部では人種差別が合法化されてて...。トニーの息子が脚本?ラストの妻の一言は?(ネタバレあらすじ↓)

『グリーンブック』予告動画

キャラクター(キャスト/出演者。日本語吹き替え声優)

トニー・バレロンガ(ヴィゴ・モーテンセン)
自称リップ。イタリア系。用心棒の職を失い、シャーリーのツアー運転手に
ドクター・ドナルド・シャーリー(マハーシャラ・アリ)
黒人の天才ピアニスト。差別法のある米南部ツアーになぜか挑む
ドロレス・バレロンガ(リンダ・カーデリーニ)
トニーの愛妻。2人の子を育てながら、粗野なトニーをてなづけてる
オレグ (ディミテル・D・マリノフ)
シャーリーとトリオの一員で、チェロ担当。
ジョージ(マイク・ハットン)
シャーリーとトリオの一員で、ベース担当。

『グリーンブック』ネタバレあらすじ

この先はネタバレありのあらすじです。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

1962年、ニューヨーク。ナイトクラブ「コパカバーナ」の用心棒トニー・バレロンガ(ヴィゴ・モーテンセン)自称リップは、無学だが腕っぷしは認められています。しかしクラブ改装中は無職となります。ホットドッグの早食い等で稼ぐのも限界です。

グリーンブックの意味は?(ネタバレあらすじ)

仲間の情報で黒人天才ピアニストのドクター・ドナルド・シャーリー(マハーシャラ・アリ)の運転手の面接へ行くと採用され、緑のキャデラックで米南部の2ヶ月間の演奏ツアーに出発します。南部はジム・クロウ法により人種隔離が合法化されてました。

そこで黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに、シャーリーは黒人専用ホテルに泊まります。しかし演奏する場所でもトイレが白人専用なので、車でモーテルを往復する必要がありました。バーではなぐられ、夜間出歩くと逮捕もされました。

2人の成長のきっかけとは?(ネタバレあらすじ)

雨の日、警官に職質を受けたトニーはイタリア系であることを侮辱されなぐってしまい留置所に入れられます。しかしシャーリーのコネでケネディ司法長官から釈放依頼の電話があり、トニーも警官達も驚きます。

気性の荒いトニーはシャーリーの「品格や勇気」にふれ、愛妻への手紙の書き方も習って、しだいに差別的な言動はなくなります。シャーリーはトニーの臨機応変な対応ぶりに頼りきり、フライドチキンの美味しさと一緒にいる楽しさをおぼえます。

ラスト演奏会まで開催されるか?(ネタバレあらすじ)

そして最終のクリスマスコンサートが開かれる会場で、シャーリーは控え室として物置部屋に案内されても文句を言わなかったが、レストランでトニーらと一緒に食事できるように交渉しても取り合ってもらえず、ついに演奏会をボイコットします。

トニーとシャーリーは黒人が集まるバーに行きよそ者扱いされるが、ピアノを引くと拍手が起こり他の演者も参加してくれて楽しい夜を過ごせます。帰宅したトニーは家族の夕食に間に合うが、そこへシャーリーも現れて...。

ネタバレ感想『グリーンブック』考察・評価レビュー

この先はネタバレありの感想/考察です。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。映画 グリーンブック

★★★★★ 70点/100(60が平均)

子孫がアカデミー賞受賞!監督やキャスト

本作『グリーンブック』はアカデミー賞の作品賞ゴールデングローブ賞の作品賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞した実話ベース映画で、アメリカでは高く評価されています。

監督のピーター・ファレリーは『メリーに首ったけ』『愛しのローズマリー』など、少しやりすぎなコメディ映画で名を上げてきたのでやや意外です。本作でもトニーの不謹慎な行動で笑いをとるシーンに片鱗が見られますが見事に成功しています。

『グリーンブック』の脚本は、本作主人公のトニー・バレロンガ(自称リップ)の実の息子ニック・バレロンガも関わり、ピーター・ファレリー等が中心となり書かれたものです。アカデミー賞とゴールデングローブ賞の脚本賞でも受賞しています。

主演のヴィゴ・モーテンセンは目立つ俳優ではないけど『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルン役で脚光をあびました。撮影前には、さえない中年男性を演じるためにかなり増量したそうです。不快なほどにお腹がぽっこりしてたのは俳優魂の賜物だったんですね。

アカデミー賞の助演男優賞ゴールデングローブ賞の助演男優賞を受賞したマハーシャラ・アリは、『ムーンライト』でも2017アカデミー賞を受賞しているので、演技俳優としての評価が確立しつつあります。

ちなみにアカデミー賞で作品賞を受賞後、スパイク・リー監督やマスコミなどから「白人の救世主」「魔法の黒人(マジカル・ニグロ)」を描いた映画だと批判されました。すなわち「白人の成長を助ける役割の黒人」という意味だそうです。

グリーンブックとは?タイトルの意味は?

1960年代のアメリカ南部では、まだ人種隔離政策が残っていて特にジム・クロウ法と呼ばれる州法では、黒人だけでなく先住民インディオやアジア人などの黄色人種までもが、白人と同じホテルやレストランやトイレへの出入りを禁止されていました。

グリーンブック(GREEN BOOK)とは、黒人でも安心して入れる施設をまとめた冊子/ガイドブックのことです。南部を旅するシャーリーは、このグリーンブックに書かれたホテルにだけ泊まります。

ちなみに、2人がツアー旅行する自動車は「緑のキャラデラック」であり、2人の絆を象徴する「翡翠(ひすい)の石」ともどもエメラルドグリーンです。服やシャツも緑っぽいのをよく着てたので、タイトルの「グリーンブック」を印象づけます。

テーマは「教養の違いや異人種間の相互理解」「勇気で世界を変える」?

『グリーンブック』は社会派映画でもあり、テーマをひとことで言うと「多様性」ですが、最近このテーマの映画が増えすぎてるので、もっと分解しないと本質は語れません。当時の黒人差別が最大の問題点として描かれますが、それほど単純ではないです。

マハーシャラ・アリが演じる黒人のドクター・シャーリーは教養もお金も持っている天才ピアニストですが、プライドが高くて庶民生活にふれたこともなく、妻子ともうまくいかず当時少数のゲイでもあり、兄とは連絡も取ってなくて孤独に暮らしています。

ヴィゴ・モーテンセンが演じるトニー・バレロンガは、イタリア系の白人だが教養はなく気性も荒っぽいので用心棒などの仕事しか出来ません。裕福ではないが、しっかり者の妻と2人の子どもと他の家族と共に楽しく暮らしています。

このように、ただの黒人と白人というだけでなく、教養と常識はあるが孤独な黒人と、粗野だが妻子のある白人が一緒に南部をツアー旅行しながら、過去や価値観や抱える問題などを理解しあっていく過程がそのままテーマになってる感じです。

また、シャーリーが南部でコンサートツアーをする理由がずっと伏せられていますが、ラストの黒人バーで「才能ではなく勇気で世界を変えたい」と告白します。それはささやかな抵抗でしょうけど、南部の社会に問題提起することはできたのでしょう。

見どころは2人の成長と当時の黒人差別の実態?

トニーは家では黒人が口をつけたコップをゴミ箱に捨てるほど、当たり前のように人種差別をしていました。ところがイタリア系という劣等感も持ち合わせてたようです。雨の日に警官に職質された時、イタリア系と馬鹿にされただけで殴って逮捕されます。

シャーリーも「黒人が夜間歩いた」ことで逮捕され、この日の演奏会は中止になりました。そしてトニーはシャーリーに「暴力では何も解決できないどころか事態は悪化するだけ。品格を持って行動せよ」と言われ、少し成長したように感じます。

驚いたのは、ドン・シャーリーがコネを使うと、当時のロバート・ケネディ司法長官(か関係者)から釈放依頼の電話が警察あてにかかってきたことです。シャーリーは「恥だ。司法長官に申し訳ない」と言ってたけど、水戸黄門的な気持ちよさがあります。

ちなみに雪の日(白を連想)に車を止めた白人警官は、タイヤがパンクしたことを教えてくれ、タイヤ交換中も交通整理してくれるくらい親切でした。この時はかなり北上してたのかもしれないけど、南部の警察官でも差別主義者は「人による」のでしょう。

そんな風に全く違う世界で生きてきた2人が接し続けることにより、相互理解も深まり、お互いが仕事を超えた関係で、なくてはならない存在になる過程で成長していく姿がみどころの1つです。また、当時の南部での人種差別の実態は他にも描かれてます。

シャーリーはバーやゲイ用シャワールーム?等でひどい目にあったり、クリスマスコンサートで演奏するホテルのレストランでも食事をさせてもらえません。演奏会に招かれた屋敷で屋内トイレを使わせてもらえず、車で30分かかるモーテルを往復したのは『ドリーム』を思い出しました。

フライドチキンと手紙による成長?

シャーリーはカーネギーホールの上層階に住み、庶民生活に接したことがないため黒人の中でもはみ出し者です。茶畑で奴隷的に働く黒人と対峙した場面が印象的です。トニーが「ケンタッキーと言えばフライドチキンだ!」と買って美味しそうに食べてるのを見ても「不衛生で油がつく」などと拒否していました。

ところが食べてみると美味しく感じたようで、それ以降も何度か食べてるし、屋敷の食事に招待された時に出されたフライドチキンもうれしそうに食べます。フライドチキンを始めて食べたあたりから、シャーリーとトニーの距離は縮まっていきます。

フライドチキンは元々は黒人奴隷のソウルフードで、それが後に白人文化に広まりました。本作では「白人にすすめられたフライドチキンを黒人が食べる」ので逆の流れに思えるけど「底辺に近い者から上流階級へ」と考えるとメタファーにも思えます。

手紙は、トニーが妻ドロレスに言われて送付してましたが、イタリア系気質でかなり野暮ったかったです。しかしシャーリーの言うとおりに書くと上品に仕上がります。受け取った愛妻どころか、その家族や友人のご婦人たちにも大好評です。

トニーもコツをつかんで、1人でも以前よりはましな手紙を書けるようになります。教養を身につけるにつれて、人種差別的な言動や考えもなくなっていく流れが自然に描かれててうまいなと感じます。

『グリーンブック』総括と空腹時観賞の注意!

黒人と白人のバディムービーであり、2人とも異人種と接触することにより成長する姿は『最強のふたり』にも近いけど、従来の黒人と白人との立場が反転してる点は、アカデミー賞などでも重視される「多様性」をうまく表現できてると思います。

また、単調になりがちなロードムービーに、異文化交流による笑いと、まだ南部に色濃く残る黒人人種差別の緊張感をたくみに盛りこんで退屈させない作りにしてる脚本も素晴らしいです。旅に出てるのに愛妻との絆が深まる演出も家族映画として最高です。

そしてラストのトニー家でのクリスマスイブの晩餐で、トニーが親類に「ニガーと言うな!」と言って黙らせたり、妻ドロレスが来訪したシャーリーと抱き合った時に「手紙をありがとう」というのは感動的な名シーンです。

葛藤を抱えた2人が、異人種交流することにより成長していく物語をコメディ調で軽い気持ちでも見れるので、脚本演出は完璧に近いと思います。一方で、映画を観る前に想像してた内容とほぼ同じだったので、やや月並み感はあります。

サスペンス映画ではないので、意外である必要や驚きはなくてもいいけど、何かこの映画特有のシーンや独特な事件も観られたならもっと良かったのですがハードル上げすぎですかね。実話ベースだし、美談を好まなかったシャーリーに配慮したのかも?

それでもアカデミー作品賞と脚本賞の受賞には納得だし、個人的には『ROMA ローマ』より好みなので、この心温まる物語をぜひ多くの人にオススメしたいです。ケンタッキーフライドチキンやピザを食べたくなるので、空腹時観賞は要注意です!

他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

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ゆめぴょん(仮名・管理人/執筆/映画好き)
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