DC映画『アクアマン1作目』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?トライデントはどこに?
DCEユニバース6作目だがほぼ独立作。地上人とアトランティス人の混血アーサー/アクアマンは、海底の異父弟オームの野望を知り、ゼベル王女メラと共にトライデント探しの冒険に出るのだが...。7つの海底王国とは?元女王の母の生存は?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | アクアマン |
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日本公開日 | 2019/2/8 [予告] 上映時間:143分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | Aquaman |
監督・キャスト | ジェームズ・ワン(キャスト) |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:PG-13 |
配給/製作 (画像出典) | ワーナー・ブラザース |
日本興行収入 | 16.4億円 (興行収入ランキング) |
世界興行収入 | 11.5億USドル [出典] (歴代31位) |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.18更新) 73(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | DCU/DCユニバース一覧 続編『アクアマン 失われた王国』7.2億 |
登場キャラクター(キャスト/出演者)
- アーサー/アクアマン(ジェイソン・モモア。吹き替え:安元洋貴)アトランティス帝国の女王アトランナと人間との間の子
- メラ(アンバー・ハード。吹き替え声優:田中理恵)海底国ゼベルの王女。アーサーの理解者
- バルコ(ウィレム・デフォー。吹き替え声優:多田野曜平)アトランティス帝国の参謀。アーサーをきたえた
- オーム/オーシャンマスター(パトリック・ウィルソン。吹き替え:中村悠一)アトランティス帝国の王。アーサーの異父兄弟
- ネレウス(ドルフ・ラングレン。吹き替え:広瀬彰勇)海底国ゼベルの王。メラの父親
- アトランナ(ニコール・キッドマン。吹き替え:沢城みゆき)アトランティス前女王。アーサーとオームの母
ネタバレ感想『アクアマン』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
DCシリーズとジェームズ・ワン監督とキャストなど
『アクアマン』はアメコミのDCコミックスが原作で、映画ではDCエクステンデッド・ユニバース6作目です。マーベル映画MCUほど大成功してないシリーズでしたが、本作は興行収入でも大ヒットなので良い方向へ一変しそうです。
ジェームズ・ワン監督はソウシリーズで実績を示し、最近はアナベル・死霊館シリーズや『ワイルド・スピード SKY MISSION』など大作でも高評価の信頼できる映画監督です。大げさなセリフやアクションで楽しませてくれます。
主演アクアマン/アーサー役のジェイソン・モモアは、アメリカのハワイ出身で先住民族の血を引き継いでるようです。アクアマン以外ではTVドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』等で脚光をあびてますが、映画では大抜擢だと思います。
アクアマン役として、簡単なアクションはこなしたようで、ラフで野性味も感じさせるが、コメディセンスもあるので「暗い」と批判されてきたDC映画シリーズを「明るい」方向へ導いてくれそうです。漫画的な海底人スーツも似合ってます。
ヒロインのメラを演じたアンバー・ハードは、出演作はいくつも観てるけど女優として認識したのは本作が初めてです。ドレスもスーツも着こなせて、アクション的な動きもできるので続編や今後の出演作も楽しみな女優です。
ヴィラン(敵役)のオーシャンマスターを演じたパトリック・ウィルソンは、ジェームズ・ワン監督の死霊館シリーズでも重要な役でした。脇役をニコール・キッドマン、ウィレム・デフォー、ドルフ・ラングレンらベテラン俳優が固めてます。
テーマは「多様性の許容」「ゴミの海洋投棄」「敵にも慈悲を」?
アクアマンのヒーロー誕生物語であり、海底のアトランティス帝国の真の王が決定するまでの物語です。社会問題性はそれほど感じませんが、地上人と海底人の混血のアーサーを海底人がブーイングしたり「汚れた血」と嫌悪するのは問題提起でしょう。
オーシャンマスターことオームも「自分は純血の王だ」ぽいことを発言します。また、7つの海底王国や地上人をただ支配しようとします。それに対してアーサーは「寛容」に話し合いなどで接しようと提案してます。
そのアーサーも冒頭で、海賊デビッド・ケインの父ジェシーが自分の不注意で動けなくなった時、助けることができたのに助けず去って、死んだ父の恨みでデビッドはブラックマンタとなり襲ってきます。アーサーはそこから「敵にも慈悲」と学びます。
オームが地上に戦争を仕掛ける大義名分は「海をゴミ等で汚染した地上人に報復」ということで、大波でゴミと戦艦を地上に打ち上げたりします。本作ではそれ以上踏み込まないけど「ゴミの海洋投棄」を批判してるのは確かです。
7つの海底王国一覧と世界観は?
映画を1回観ただけでは、アトランティス帝国や7つの海底王国の土地勘や背景などがよくわかりませんが、『マイティ・ソー』の9つの世界と同じで、理解してなくてもストーリー上は気にする必要はなさそうです。
私も1回観ただけでは把握できなかったのでメディアや他サイトの情報で補完して、6つの海底王国までは特定できました。以下のとおりです。あと1つが不明です。また、アトランティスは7つの海底王国に含めるのかどうかも不明です。
- オーム王(アトランティス帝国)
- ネレウス王(海底王国ゼベル)
- サハラ砂漠に没したデザーター王国?
- 地中海の海溝に巣食うトレンチ王国?
- オームに王を殺されたフィッシャーマン王国
- 甲殻類のブライン王国
『アクアマン』大ヒットの理由はアクション重視?
2018年の世界全体での興行収入ではベスト5に入るほどの大ヒットで、DC映画シリーズとしても最高です。アメリカの批評家評価は平均以上で、観客評価は70点以上です。日本はアメコミ苦戦地域なのでまず20億が目標でしょうか。
世界全体でも苦戦のDCシリーズは試行錯誤を重ねてるようですが、『アクアマン』の面白さは徹底的にアクション重視にした点だと思います。中盤以降はバトル連発で、ラストの海中決戦ではいろんな種族の大混戦になりビジュアル的にも斬新で楽しいです。
ただ、ブラックマンタがヴィランとして中途半端だったり、シチリア島での屋根バトルは長いしで、地上バトルは不要だと感じました。その分、見たこともないような海中戦闘を見たいです。教会の鐘は『ワンダーウーマン』オマージュでしょうか。
大ヒットのもう1つの理由は、アクアマンが明るいキャラクターで、コメディシーンもハマってた点だと思います。例えば、ピノキオのマネしてクジラのお腹に隠れたり、バーであらくれ漁師にからまれたと思いきや一緒に自撮りを求められたりです。
あと、海洋生物てんこ盛りなのも気に入りました。サメ、タコ、イカ、カニ、タツノオトシゴ、ワニ?、その他大型魚類や怪物っぽい生物もあふれんばかりに登場して戦闘にも参加します。もう少し個別の特技などを発揮させてくれればもっとアガったはず。
同じような展開が多い?次作で改善してほしい点は?
アクアマンやメラが絶体絶命のピンチの時、横からサッと助ける者が現れる場面がいくつもあります(例:津波にさらわれた時、オームとの決闘で負けた時、メラがトレンチに喰われそうな時)。重要なことを話してる途中で爆発する展開も何度かあります。
銃のような武器で撃たれたり、なぐられたりした時にふっ飛ぶシーンも何回か見ました。もう少し展開のバリエーションを増やしてほしいです。そもそもストーリーがひたすらミッションクリアするだけの単調さですが、アクション重視なので仕方ないですね。
それぞれのミッションクリアが簡単すぎるのも気になりました。特に、最近の考古学研究で発見されたという筒デバイスを挿すだけで起動するのは誰でもできそうだし、火でトレンチを避けながらアトランナのビーチに行くのも困難には思えなかったです。
三又の槍を守る怪獣カイゼンがアクアマンに譲った理由は、その言葉が通じたことだと思うけど、アトラン王の像からトライデント(三又槍)を手に入れるのも何も試練がなくてがっかりです。ちなみにこれはエクスカリバーを引き抜いたアーサー王ですね。
モンスターのカイゼンの声は、同じ時期に公開中の『メリー・ポピンズ リターンズ』の50年以上前の前作『メリー・ポピンズ』で主演のメリーポピンズを演じた女優ジュリー・アンドリュースです。
ワイルドスピードなど様々なオマージュ一覧
上でも書いたけど、教会の鐘は『ワンダーウーマン』を連想させるし、トライデントを引き抜いたのはアーサー王伝説でエクスカリバーを抜いたのと似てます。崖の上で大津波に追いかけられる構図は『崖の上のポニョ』そっくりです。
ピノキオのまねしてクジラに隠れた後、ビーチに出ていく歩き方やその時の音楽や、サハラ砂漠へ向けて飛行機からパラシュートなしで落下するシーンは、同じジェームズ・ワン監督の『ワイルド・スピード SKY MISSION』オマージュで間違いなさそうです。
ジェームズ・ワン監督がらみでは「アナベル人形」も一瞬だけ出たそうだけど見逃しました。シーホース(タツノオトシゴ)を馬代わりに乗り回すのは、ポセイドン伝説では有名らしいです。
他にオームの鎧が、ポセイドンと同じようにギリシア神話題材の日本漫画『聖闘士星矢』の黄金聖闘士(ゴールドセイント)の聖衣(クロス)に見えました。オームとの決闘場で、タコが8本足で太鼓を叩いてたシーンも何かのオマージュなのでしょうか。
『アクアマン』総括と続編やスピンオフとDCの今後
暗いイメージだったDC映画シリーズに光をさしそうな『アクアマン』は、アメコミヒーロー映画として、息つく間もないアクションバトル映画として、海中や海洋生物を楽しむ映画として、トライデント探しのインディジョーンズ風映画として楽しすぎます。
海底王国の景色も他の映画では観たことない光景で美しいし、CG生物の動きも違和感ないどころか躍動感も感じました。ストーリーや細かいツッコミどころはありますが、マーベル映画MCUをあわせても、中間以上の面白さです。
大ヒットを受けて、同じジェームズ・ワン監督で続編の企画も進んでいるそうです。また、7つの海底王国の1つトレンチのスピンオフ企画もあるようなので楽しみですね。
今回はヴィランとしてあまり活躍しなかったブラックマンタも、エンドロール後のオマケ映像で復活してました。苦戦気味のDC映画シリーズですが『アクアマン』を1作目としてリブートしてもいいのではと感じます。本作は娯楽大作としてオススメできます!
私の評価 68/100(60が平均)
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