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『キングスマン』感想ネタバレ解説/黒幕の目的は?裏切り者は誰?

映画キングスマン

『キングスマン』あらすじ概要

さえない暮らしぶりのエグジーは、亡き父が所属した秘密スパイ組織に誘われ採用試験を受けることに。一方、ある科学者が地球環境問題を解決するために世界規模の陰謀を実行し…。SIMカード配った目的とは?(ネタバレ感想考察↓)

映画名/邦題 キングスマン
日本興行収入9.8億円興行収入ランキング
世界興行収入4.1億USドル [出典]
製作費0.8億USドル
平均評価★★★★★80私の評価↓は含まず)
シリーズ/関連キングスマンシリーズ 続編 >
原題/英題Kingsman The Secret Service
日本公開日 2015/9/11 [予告↓]上映時間 129分
映倫区分日本 R15+(15歳以上)USA R
製作国イギリス
映画監督マシュー・ヴォーン
キャスト
出演者
コリン・ファース、サミュエル・L・ジャクソン、マーク・ストロング、タロン・エガートン、マイケル・ケイン
配給/製作/画像©KADOKAWA/Marv Films、Cloudy Productions、TSG Entertainment

『キングスマン』予告動画

ネタバレ感想『キングスマン』解説や評価レビュー

この先はネタバレありの感想考察です。続編前作や関連映画は、キングスマンシリーズ一覧もご参考に。

私の評価 ★★★★★76/100(60が平均)[レビューサイト評価↑]

『キングスマン』ネタバレ感想や考察

スパイ映画はミッションインポッシブルシリーズや、007シリーズだけでなく単発でも作られすぎで飽き気味ですが、本作はジョークやコメディ要素を徹底的に取り入れ、キレッキレのアクションシーンも満載で、独特な差別化に成功してると感じます。

ストーリーは、国家に属さないスパイ組織キングスマンの一員だった父を亡くしたエグジー(タロン・エガートン)が成長後、ハリー(コリン・ファース)の誘いでスパイとなる訓練や試験を受けて、ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)の悪の野望を阻止しようとする英雄成長物語です。

その本筋ストーリーは007などのスパイ映画の誕生譚のようですが、バイオレンス要素は容赦ないしそれを悪趣味なコメディとして見せようとします。そういう部分で好みは分かれそうで、個人的には許容範囲ですが多くの人にすすめるのは躊躇しそうになります。でもアクションはスパイ映画で1番好きです。

戦闘などのアクション・バトルシーンはわりと豊富で、見たことないアングルもあり、キレッキレでスピーディな部分も多くて楽しめます。教会での大殺戮やラストの花火はいずれもキングスマンの一員が行ったものだと考えると、仕方なかったとはいえ、もう少し組織全体で反省した方がいいようにも思えます。

エグジーの訓練は大切なシーンばかりとはいえ少し長すぎると感じます。義父とのやりとりも多いけど、上流階級出身者が多いキングスマンやスーツ姿との対比なので必要なのかもしれません。犬のパグはかわいくて、最後のテストではエグジーが引き金を引かないよう祈りました。でも本当に失格になるとは驚きです。

いくら空砲とはいえ、かわいい飼い犬を殺せない者は失格と言うのは、上流階級出身者とか関係なく納得できない展開です。ハリーの犬のミスターピックルのはく製は続編『キングスマン ゴールデン・サークル』でも登場するので見逃せません。

ハリーがあっさり殺されるのは驚きましたが、序盤のランスロットや、中盤のアーサーや教会信者達、ラストのVIPたちの殺害を観た後なら「容赦なく殺す」映画だとわかります。続編はマーリン、エグジー、ロキシーが中心の話になるのでしょうか。パグのJBも再登場してほしいです。見れる人にならおすすめします!

映画キングスマン

『キングスマン』おすすめ10ポイント

  • 振り切ったコメディ・スパイ映画
  • アクションバトルが痛快
  • 主役も脇も個性的キャラクター
  • 冒頭から見逃せない
  • 007などスパイ映画のパロディ満載
  • スパイ訓練や試験を経ての成長物語
  • 犬のパグがかわいい
  • スパイガジェットが興味深い
  • 教会での殺戮やラスト花火が圧巻
  • ガゼルの造形やバトルが楽しい

『キングスマン』少し残念7ポイント

  • 悪趣味な笑いやバイオレンスが多い
  • ヴァレンタインの悪事がわかりにくい
  • ヴァレンタインへの切替が小刻みすぎ
  • スパイ訓練が長すぎる
  • スパイ訓練の合否判定に納得できない
  • ティルデ王女の存在が意味不明
  • キングスマンも敵側も層が薄く思える

『キングスマン』ネタバレあらすじや解説

1997年、中近東で尋問中に、キングスマンの一員ハリー・ハット(コリン・ファース)は敵の手榴弾自爆にあうが、マーリン(マーク・ストロング)が訓練してた候補生リー・アンウィン(ジョノ・デイヴィース)の捨て身に助けられます。ハリーの訓練生ランスロット(ジャック・ダヴェンポート)は合格します。

ハリーはリーの妻に殉職を事務的に説明するが受け入れられず、リーの息子エグジーにキングスマンへの連絡先が記載されたメダルを渡します。その17年後のアルゼンチンで、誘拐されたアーノルド教授(マーク・ハミル)を救うため、キングスマンのランスロットが敵数人を始末するが何者かに真っ二つにされます。

暗殺者ガゼル(ソフィア・ブテラ)は死体にシーツをかけ、血の苦手なボスのリッチモンド・ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)を中に入れます。ロンドンのスーツ街サヴィル・ロウ(Savile Row。背広の語源になった説あり)の高級洋服店キングスマンは、国家に属さないスパイ組織の表の顔です。

リーダーのアーサー(マイケル・ケイン)は上流階級出身者ではなかった部下に対し嫌味を言い、ランスロットの代わりの新しい候補生を連れてくるよう各エージェントに告げます。マーリンは生物科学兵器についてとアーノルド教授の動向を説明します。

ゲイリー・アンウィンこと通称エグジー(タロン・エガートン)は、不良ボスと再婚した母親とさえない暮らしをしてます。ある日酒場で母のことを侮辱されたエグジーは、キーを盗んで車で暴走しパトカーと逆走でカーチェイスした後、警察に逮捕されます。そこでメダルの連絡先に電話し「オックスフォード」と言うとすぐ釈放され、外でハリーが待っています。

酒場でハリーはエグジーの父に命を救われたと語り、海兵隊をやめて仕事もしてないエグジーが母や義父の自堕落を言い訳にして暮らしてるのを注意します。そこへエグジーが車を盗んだ不良組が訪れ、ハリーの忠告も聞かないので、ハリーは外へのドアの鍵を締めて「マナー礼節は人を作る」と言い戦闘になります。

ハリーは傘などのスパイ兵器を使い簡単に数人を気絶させて去ります。エグジーは帰宅すると義父や不良達に仕返しされそうになるが、ハリーが背中に仕掛けた装置で話しかけてきて、エグジーは高級テーラー「キングスマン」へ行きます。エグジーはハリーにキングスマン・エージェントに推薦され了承します。

キングスマンは1849年から高級洋服を提供し、1919年の大戦後に残された多くの顧客の莫大な財産により、国家に属さず平和を維持するスパイ組織が結成され、今も2足のわらじをはいてるそうです。深い地下のカプセル列車でどこかの屋敷へ着き、ランスロットの座を競う訓練生たちが待つ部屋に通されます。

まず死体袋を渡され、訓練の過酷さや外部に秘密をもらした場合も袋に入ると説明されます。その晩寝てると部屋が水で満たされ、候補生達はシャワーホースをくわえてトイレから空気を吸います。エグジーだけはドアが開かないのを確認後、マジックミラーを拳で叩き割り水を外へ流して試験終了です。

マーリンは全員失格と言い、チームワークがないせいで1人が水死体です。一方、ハリーはアーノルド教授にランスロットの最後を聞きに行くが教授は爆破され、ハリーは薬品を顔にあびて銃撃され逃走します。遠隔爆破したヴァレンタインはハリウッドでも有名人で、地球環境改善のため政府ともつながってます。

訓練生たちは1匹づつ犬を与えられ、エグジーはブルドッグだと思って小型犬パグを選び、訓練で足手まといになります。しかしエグジーは才能が開花し6人の候補に残り、パグのJBもしつけてます。昏睡から目覚めたハリーのメモリから、アーノルド教授の首のチップはヴァレンタイン社と通信してたことが判明します。

ヴァレンタインは「世界中で携帯電話やインターネットを使えるSIMチップ」を無料配布して一躍人気者です。スウェーデン首相(ビョルン・フローバルグ)にも理解され、合意のもとで首にチップを埋めこみます。同席したスウェーデン王室のティルデ王女(ハンナ・アルストロム)は反対するが、そのボディガード2人は義足が刃物のガゼルに殺され、ティルデも幽閉されます。

エグジーらは飛行機から落下してスカイダイビングを楽しみながら、レーダーに見つからないようゴール地点へ降りる試験を受けますが、マーリンが1人だけパラシュートが開かないかもと言ったため、エグジーの提案で皆で手を取り合います。しかし皆は恐怖に負けて、エグジーとロキシーだけがゴール着地します。

エグジー、ロキシー、チャーリー以外は失格となります。エグジーはなぜ自分のパラシュートだけ開かないようされたのか詰め寄るが、マーリンがレバーを引くと普通に開き、先入観があだになったようです。次の試験はパーティーで特定の人物を口説き落とすことですが、3人とも盛られた毒で眠らされます。

エグジーは目を覚ますと線路の上に縛られ、電車にひかれる前にキングスマンの情報をはくようおどされますが答えないでいると、体が線路より沈み込み助かります。目の前にはハリーがいて、命をかけても情報をもらさない試験だとわかります。次のチャーリーは情報をもらしてしまい、アーサーに失格と言われます。

ヴァレンタインの晩餐会に出席したハリーは参加者が自分1人で、ディナーがマクドナルドのハンガーガーセットだが動揺せず多額の寄付金をしたいと申し出て帰ります。ヴァレンタインはハリーのワインにナノ追跡ジェルを仕込んでるので、それ以後のハリーの動きは筒抜けです。

エグジーはハリーとキングスマンの店へ行き、隠し扉の先にあるスパイガジェットの数々を見せられます。店にはヴァレンタインも来ていて、奇遇をよそおいハリーと再会します。エグジーは最終試験でアーサーに銃を渡され、パグ犬のJB(24のジャック・バウアーから命名)を撃てと命じられるができず失格します。

ロキシーが撃った銃声が聞こえて、ランスロットの称号を勝ち取り、エグジーは帰宅を命じられます。エグジーは母との再会を喜び、義父を追い出すために不良グループのたまり場へ行きますが、ハリーが車を遠隔操作して呼び戻し、自分が撃った犬Mr.ピックルのはく製を見せます。銃弾は空砲、訓練で死んだ者も生きてるそうです。

ハリー(コリン・ファース)はヴァレンタインの通信傍受で突き止めたアメリカのケンタッキーの教会へ行きますが、集まった信者たちと大殺戮を繰り広げてハリーだけ生き残り教会を出たところでヴァレンタインに脳天を撃ち抜かれて死亡します。配布したSIMカードのスマホから凶暴化する神経信号が出て、その周囲の人々は殺し合うことになるようです。

ハリーの最後を通信で見たエグジーはアーサーに会い、毒入りブランデー「ナポレオン」をふるまわれます。アーサーもヴァレンタインの「地球のウィルス=人類を減らし環境を保護する」プランの賛同者だったのです。しかし毒殺されたのはアーサー本人です。エグジーは手グセの悪さでグラスを交換したのです。

アーサーは上流階級出身者の至上主義者ですが、階級の低いエグジーに倒されたのです。その首にはチップが手術で挿入されてます。ロキシーはアーサー殺しの罪でエグジーに銃を向けるが、マーリンがアーサーのスマホに「VIP用の避難場所」が送信されてるのを見つけ、3人で向かって阻止することにします。

マーリンはエグジーの持ってきたチップが「SIMカードからの凶暴化の神経信号を打ち消す」「脳をオーバーヒートさせて破壊」する機能を持つことを突きとめます。世界中のVIP行方不明事件は、ヴァレンタインがこのチップを移植するためだったのです。エグジーはスーツ姿でアーサーに成り代わり潜入します。

『キングスマン』ネタバレ結末やラストシーン

エグジーはシステムハッキングに成功するが、VIP両親と共に出席してるチャーリーに見つかります。エグジーはチャーリーを電気で眠らせ、敵を倒しながらマーリンの指示で飛行機へ戻ります。ロキシーは大気圏へ上昇し人工衛星を爆破します。しかしヴァレンタインは別の人工衛星で準備をすすめます。

また、ハッキングはヴァレンタインの生体認証を突破できないため、エグジーはスパイガジェットの傘を持ってヴァレンタインの所へ向かいますが敵戦闘員に囲まれます。マーリンの飛行機も敵ミサイルを向けられ絶体絶命です。エグジーのアイデアで、マーリンはインプラント(首チップ)をハッキングし爆破します。

すると集まったVIPだけでなく世界中の政府関係者や著名人などヴァレンタインに賛成した人々の首が、名曲「威風堂々」にあわせて花火のように飛び散ります。ヴァレンタインは部下の戦闘員の首がほぼ吹き飛んで激怒し、世界中のSIMカードから凶暴化する神経信号を発信して、全世界で暴動を起こします。

エグジー家の赤ちゃんは、事前にロキシーが電話でバスルームに鍵ごと入れるよう指示したため母親から守られます。エグジーは義足が刃物のガゼル(ソフィア・ブテラ)と戦闘になりネクタイを切られるが、スパイグッズの毒盛りシューズで倒し、ガゼルの義足を投げてヴァレンタインに突き刺し絶命させます。

世界中の暴動は止められ、エグジーは捕らわれのスウェーデン王女ティルデの監獄部屋へシャンパンを持って行き、マーリンに暗証番号を聞き出して中へ入り、ティルデ王女と閉じこもります。

エンドクレジット途中、ロンドンへ戻ったエグジーはハリーが不良を倒した酒場へ行き、母親に一緒に住もうと誘い、義父ディーン・ベイカーが帰れと言うと、外のドアを施錠して「マナー礼節は人を作る」というハリーのセリフを言って、グラスをディーンにぶつけて気絶させ、不良達が躊躇したところで終わります。

続編前作や関連映画は、キングスマンシリーズ一覧もご参考に。

『キングスマン』シリーズ順番・映画ランキングや映画賞

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