『ワイルドスピードICE BREAK』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?敵の正体と目的は?
ワイルド・スピード8作目。ドミニクとレティは新婚旅行でキューバへ。しかしドムは突然ある兵器を奪い逃走。裏切られたファミリーはドムを追うのだが…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | ワイルド・スピード ICE BREAK |
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日本公開日 | 2017/4/28 [予告] 上映時間:136分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | The Fate of the Furious /Fast & Furious 8 |
監督・キャスト | F・ゲイリー・グレイ |
キャスト 出演者 | ヴィン・ディーゼル、ドウェイン・ジョンソン、ジェイソン・ステイサム、ミシェル・ロドリゲス、タイリース・ギブソン、クリス・“リュダクリス”・ブリッジス |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:PG-13 |
配給/製作 (画像出典) | 東宝東和/オリジナル・フィルム |
日本興行収入 | 40.5億円 (年間10位) |
世界興行収入 | 12.3億USドル [出典] (歴代26位) |
製作費 | 2.5億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.24更新) 76(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ワイルドスピード一覧 |
ネタバレ感想『ワイルド・スピード ICE BREAK』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
映画『ワイルド・スピード ICE BREAK』ネタバレ感想と解説
まちに待ったワイルド・スピード(通称ワイスピ)シリーズの最新8作目です。前作『ワイルド・スピード SKY MISSION』はカーアクションというジャンルでは、もはや最高点を極めたと言ってもいいくらいインフレ状態ですが、今作も違う路線で驚かされました。過去作を見てなくても楽しめます。
ストーリーはシンプルです。ファミリーの中心のドミニクが裏切るところからはじまり、ホブス、ラムジーだけでなく、前作の敵デッカードまで出てきて、今までの黒幕サイファーと戦う物語です。仲間だけでなく、今回は親子というのも重要なキーワードになってきます。
私はワイルド・スピードは少年漫画だと思ってます。内容もカリスマ持ったリーダーが仲間を大切にしてチームワークと戦闘力で世界を救ったり、昨日の敵は今日の友、死んだと思ったら生きてました、過去作キャラが再登場したり、とまさに『ワンピース』です。
今作は3部作の第1弾で、2019年4月にワイルド・スピード9、2021年4月にワイルド・スピード10の日本公開まで既に決定しています。そういう意味でもICE BREAKは見逃せないので、ぜひ劇場の大画面で観ることをおすすめします。できればIMAX3Dですね!
おすすめ10ポイント
- ド派手カーアクション超大作
- 魅力的なファミリーは健在
- ハゲマッチョ3人の弱点とは
- シャーリーズ・セロンが参戦
- 鉄球と自動運転車と車の雨
- 氷上レースと巨大潜水艦と魚雷
- 過去作の関連人物が複数登場
- ステイサムの赤ちゃん付戦闘
- マッチョは魚雷進路も変える
- ブライアンへのリスペクト多数
少し残念6ポイント
- ストーリーがシンプル
- キャラの関係性が記号的
- IT兵器が強力すぎる
- ノーバディのセキュリティ甘い
- ファミリーを生かす理由が不明
- サイファーの人材不足
映画『ワイルドスピード ICE BREAK』ネタバレあらすじ
ドミニク・トレット(ヴィン・ディーゼル)は、前作『ワイルド・スピード SKY MISSION』のラストで記憶を取り戻したレティ・オルティス(ミシェル・ロドリゲス)と、キューバのハバナでハネムーン代わりの旅行を楽しんでいました。キューバは今もクラシックカーだらけで音楽にもあふれています。
そんなハバナでフェルナンドというドミニクのいとこが、ラルドという男に借金を返済できず、車を取られそうになっています。ラルドはキューバで一番速いと言われていて、ドミニクは自分の車を賭けてカーレースすることになります。
ドミニクの搭乗車はおんぼろクラシックカーなのに対して、ラルドの車は高性能です。しかもラルドは妨害工作まで行いますが、ドミニクは火を吹いた車を後ろ向きにして、ブライアンがよくやってたバック走行で勝利します。ラルドは素直に車を渡そうとしますが、ドミニクは返して友情がうまれます。
一方もう1人のハゲマッチョ、ルーク・ホブス(ドウェイン・ジョンソン)は、DSS捜査官(アメリカ外交保安部)の仕事を休職して、娘サマンサのサッカーチームと共に「ハカ」を踊っています。しかし別のDSS捜査官が極秘任務を持ってきたので、ホブスは仕方なく仕事に戻ります。
元々カーレースではじまったワイスピなので、作品中で1度は誰かがレースを走ります。私もキューバのハバナへは行ったことあるので、クラシックカーが走り、陽気な音楽とサルサを踊りそうな服装の人々はなつかしいです。ブライアンの得意技は、黙ってるけどリスペクトを感じます。
レース中、ドミニクの車は火を吹いたので、ダメいとこのために命をかけたということですが、それがファミリーを最優先するドミニクのキャラ紹介でもあるのでしょう。レティは少し心配そうな顔はするけど、ドミニクがすることは信頼してるので、それほど動じてない様子がいいですね。
ホブスに娘がいたのは意外です。ハカはニュージーランドのラグビーチーム「オールブラックス」が踊る、ポリネシアン先住民のマオリ族の民族舞踏です。ザ・ロック様ことドウェイン・ジョンソンがサモア出身であることと『モアナと伝説の海』でマウイの声を演じたことへのオマージュでしょうか。
ホブスの任務は、ドイツのベルリンの反体制派に盗まれた電子機器を無効にする兵器「電磁パルス砲(EMP)」を奪還することで、ドミニクのチームに力を借ります。レティ、ラムジー、ローマン、テズは連携と巨大鉄球で相手の車を破壊して奪還に成功します。しかし作戦後にドミニクはホブスを攻撃して、EMPを奪って1人で逃走します。
ホブスは極秘任務中に現地警察に逮捕されたから?アメリカの刑務所行きとなります。前作のヴィラン(敵)でラストに収監された、デッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)と同じ刑務所でしかも隣の牢獄なのは、収監前にホブスを勧誘したミスター・ノーバディ(カート・ラッセル)のたくらみですね。
デッカードは前作では厚さ12メートルのコンクリート部屋で厳重管理されることになりましたが、模範囚とかで軽減されたんですかね。ホブスと会話できる設定は個人的には好きです。突然、牢獄のロックが解除されて、全囚人が脱走します。ホブスとデッカードの肉弾戦の見せ場です。
ホブスは撃たれた気がしたけど、ゴム弾か麻酔銃かで全くきかなくて、他の囚人や看守をなぎ倒していきます。デッカードは柔術ぽい格闘技で、かわしつつ軽く倒していきます。この戦闘スタイルの違いも面白いです。そして最後は2人で向き合いますが、ミスター・ノーバディに連行されます。
ミスター・ノーバディに集められたホブス、デッカード、レティ、ローマン、テズ、ラムジーに、新米のリトル・ノーバディ(スコット・イーストウッド)も加えたファミリーは、ドミニクが加わった、サイバーテロリストのサイファーの一味の陰謀を阻止することになります。
3作目と前作でデッカードがファミリーのハンを殺害したことが明らかになったのに、そのうらみの帳消しは納得しかねますね。デッカードも弟オーウェンがボコられたうらみは忘れたのでしょうか(これは後半に解決します)。あと、ブライアンとミアは巻き込めないことも判明します。
ラムジー開発の「神の目(ゴッドアイ)」でのドミニクの居場所は世界中に表示されハッキングが判明します。ハッキング場所を探ると、なんと今いる基地で、同時にドミニクに侵入され脳震盪グレネード弾で全員麻痺し、神の目は奪われ、サイファーはレティの前でドミニクとキスして去っていきます。
神の目は前作でもハッキングできたし、上には上がいて、もはや万能ではないですね。あっさり場所特定と侵入までされたミスター・ノーバディのセキュリティの甘さは疑問ですが、ファミリーを麻痺させただけで殺害しないサイファーも甘すぎます。殺すとドミニクが従わなくなるからでしょうか。
ドミニクは少し前に、サイファー(シャーリーズ・セロン)と出会い、ある写真を見せられます。ドミニクが仲間を裏切ってまで従う理由は、『ワイルド・スピード EURO MISSION』で元カノだったエレナとの間に赤ちゃんが生まれていて、2人が人質に取られているからです。エレナは5作目以降ずっと出演してます。
サイファーらは常に専用ステルスジェット機内にいて追跡不可能です。サイファーがドミニクを実行犯に選んだ理由は、過去に「ナイトシェイド」「神の目」を奪われたから実力を認めているのです。過去に敵側と接触のあった、デッカード、オーウェン、レティ、ラムジーもサイファーとは因縁があるようです。
サイファーの居場所は特定できないけど、次のねらいはニューヨークにいるロシア国防大臣の持つ核ミサイルの発射装置だと判明します。実行犯のドミニクは1人だけ地上へ降りて、神の目で見張るサイファーの死角に入り、謎の老女(実はマグダレーン・ショウ(ヘレン・ミレン))に会った後、作戦実行します。
サイファーは近くの自動運転車を全てハッキングしてオートドライブで操作して、ロシア国防大臣のリムジンを追いつめつつ、立体駐車場などから大量に「車の雨」を降らせて進行を妨害します。そしてドミニクがリムジンを襲撃して、核ミサイルスイッチのアタッシュケース強奪に成功します。
そこでファミリーの車5台とカーチェイスとなり、ドミニクの車をチェーンで身動きとれなくしますが、ドライビング・テクニックと馬力によりドミニクは逃げ切ります。走って逃走中、立ちはだかるデッカードを撃ち殺し、レティに銃を向けるローズに銃を突きつけ3つ巴になるが、ドミニクはローズと逃走します。
サイファーは部下のローズに銃を向けたドミニクに怒り、ローズにエレナを射殺させます。冷静なサイファーがあっさりエレナを殺すのは、少し違和感ありますが、エレナが生きてるとレティが息子を育てられないという設定上の無理が生じるため、脚本に殺された気もします。息子の名づけ親は、ドミニクにお願いして。
前作は戦闘型ドローンの恐怖を見せつけましたが、今回は自動運転車の危うさを警鐘してきます。ネットからの入力はまだ受付けないと思うけど、近未来には起こりうる話かもしれませんね。序盤の鉄球に加えて、大量の「車の雨」のアイデアにも驚きました。
サイファーの最終目的は、ロシアのウラドビンで反体制派が占拠した潜水艦基地の巨大原子力潜水艦だと判明します。ロシアから強奪すると無理だと言われるからか、反体制派から盗むことにしたのでしょうけど、ロシアは反体制派に占拠された時点で管理能力が甘すぎますよね。
ドミニクは氷上でも走れるアイス仕様の車で潜水艦基地に侵入し、前半で奪った電磁パルス砲(EMP)を使って、敵の基地内と原子力潜水艦のセキュリティや防衛システムを全て無効化します。そして上空のサイファーが潜水艦をハッキングするのを、ラムジーが防ごうとしますが負けてしまいます。
EMPって何でしょうか。ボタン押すだけでその先の電子機器が無効化できるチート技術がまた登場です。これあれば、どこでも侵入し放題です。ラムジーがサイファーに負けたのはショックです。でも何かいわくありげな2人なので、次作以降で明かされるのでしょうか。まさか親子?
ホブスらは原潜内の核ミサイル発射装置のチップを抜いて、0.6秒前?にサイファーによる発射を阻止します。そして外洋への水門を閉じるために、氷上仕様の戦闘車両などに乗り込んで向かいます。サイファーも原子力潜水艦を外洋へ出そうと追ってきて、前代未聞の潜水艦と魚雷と戦車と車のカーチェイスになります。
『ワイルドスピード8 ICE BREAK』ネタバレ結末ラスト
ローマンは序盤でほしいと言ってたオレンジの車に乗りますが、スタッドレスタイヤではない?ため運転に苦戦して色も目立つので狙われ、割れた氷の下へ水没します。しかしテズが「ドアにつかまれ!」と言い、なんとチェーンでドアを引きはがして、氷上ソリとしてローマンを乗せて滑走させます。
ローマンはコメディ担当なのでしっかり笑わせてくれます。最後はドアで敵を倒します。ブルドーザーのような戦車のホブスはローマンを拾ってくれます。そしてローマンに運転させ車外に出てアイススケートしながら、潜水艦から発射された魚雷が氷上をすべってくるのを捕まえて方向を変え敵車にぶつけます。
そのころ、サイファーの専用ステルスジェット機に飛び乗った2人の男がいました。デッカードとオーウェン・ショウ(ルーク・エヴァンズ)の兄弟です。前々作『ワイルド・スピード EURO MISSION』のラストでファミリーに再起不能にされたオーウェンが生きて再登場です。
実はドミニクが地上で会ってた謎の老女マグダレーン・ショウは2人の母親で、サイファーは共通の敵なので、ジェット機内の人質の救出を依頼します。ドミニクはデッカードを殺したふりをして神の目から消したのです。そして機内のネックレスに追跡装置をつけています。
マグダレーンが宿敵ドミニクの依頼を、共通の敵がいるとはいえ受けた理由は弱い気がします。母親に頭が上がらないハゲマッチョのデッカード(ジェイソン・ステイサム)が、泣きべそをかきながら狂った弟を押し付けられるのはギャップ萌えです。
ドミニクがマグダレーンと会う時に協力したヒゲの人は見覚えあると思ったら、序盤のキューバで友人になったラルドです。撃たれたデッカードをマグダレーンのもとへ運んだのは、なんと4作目『ワイルド・スピード MAX』で冒頭でドミニクと組んだ、テゴ・レオとリコ・サントスですね。
デッカードとオーウェンはさすがの腕前で、あっという間にサイファーの機内を乗っ取ります。デッカードはエレナの赤ちゃんを抱きながら、次々に敵を倒していきます。その様子が前作の怪物ぶりとはギャップがあり、ただのマッチョ戦闘に飽きた頭には新鮮で楽しかったです。
赤ちゃんを助けたと連絡を受けたドミニクは、ローズをぼこぼこにしてエレナのかたき討ちをします。そしてファミリーを追いかけて、敵車両を同士討ちさせ、レティの隣まで追いつきます。そして水門まで先に着けそうなところで、サイファーは潜水艦を氷上に浮上させます。
潜水艦の浮上によって反体制派の戦闘車は全滅し、ファミリーも絶体絶命になりますが、ドムがサイファーを挑発すると、潜水艦から熱感知ホーミング(赤外線誘導弾?)ミサイルを撃ってきます。ドムは車を熱噴射して自分にミサイルを引きつけ、氷山でターンして潜水艦のもとへ戻りジャンプして逃げ切ります。
ミサイルは見事に原子力潜水艦の側面に命中して、爆発し沈没していきます。上空のサイファーはデッカードが追いつめますが、パラシュートで脱出します。ジェット機はオーウェンの指示で無事に着陸したようです。その後、サイファーはギリシアのアテネで目撃されたようです。
ラストは恒例のファミリーが集まってのお祈りと会食です。ミスター・ノーバディとリトル・ノーバディも加わります。ホブスはDSS捜査官への復帰を期待されますが、しばらくは娘のそばにいたいからと拒否します。エレナとドミニクの息子は「ブライアン」と名付けられレティと育てることになります。
ブライアンを演じてたポール・ウォーカーは自動車事故で亡くなりましたが、劇中のブライアンはドミニクの妹ミアと幸せに暮らしてるはずなのに、その名前をつけるのは死んだような扱いで気になります。ラムジーの名字や、潜水艦とローマンとの自撮りも次作への伏線ぽくて気になります。
今回からファミリーに合流したリトル・ノーバディは、たぶんブライアンの後釜なんでしょうけど、まだ微妙です。何か得意分野があるのかもしれません。今回はタイマン勝負がなくて、ホブスの活躍が少ないなと思ってたら、ついに魚雷の方向すら変えたのには大興奮です。
前作までは肉弾戦ではほぼ無敵なハゲマッチョ3人組でしたが、今回はドミニクは自分の赤ちゃん、デッカードはママと赤ちゃん、ホブスもかわいがってる娘がいることがわかり、3マッチョとも最大の弱点がさらけ出されました。次作ではホブスの娘や、デッカードのママが危険な気がします。
見終わった後にストーリーは残らないけど、ミッションクリア型の映画なので問題ないでしょう。カーアクションの派手さで現在これを超える映画はないので、それを観るだけでも、ぜひおすすめします!
私の評価 72/100(60が平均)
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