映画『ハリーポッターと死の秘宝PART2』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?最後の分霊箱は?杖の忠誠心の謎?
ハリーポッター・シリーズ8作目完結編。残る4つの分霊箱を探すハリー達は、スネイプ校長のホグワーツへ戻りヴォルデモートらと最終決戦。蘇りの石や牝鹿の秘密とは?誰と結婚?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 |
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日本公開日 | 2011/7/15 [予告] 上映時間:130分 |
製作国 | イギリス、アメリカ |
原題/英題 | Harry Potter and the Deathly Hallows: Part 2 |
監督・キャスト | デイビッド・イェーツ |
キャスト 出演者 | ダニエル・ラドクリフ(小野賢章)、ルパート・グリント(常盤祐貴)、エマ・ワトソン(須藤祐実)、レイフ・ファインズ(江原正士)、アラン・リックマン(土師孝也)、ヘレナ・ボナム=カーター(高乃麗)、ボニー・ライト(高野朱華)、マシュー・ルイス(上野容)、マイケル・ガンボン(永井一郎) |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:PG-13 |
配給/製作 (画像出典) | Warner Bros. Pictures/Heyday Films |
日本興行収入 | 96.7億円 (年間1位 / 歴代51位) |
世界興行収入 | 13.4億USドル [出典] (歴代19位) |
製作費 | 2.5億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.31更新) 82(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ハリポタ/ファンタビ一覧 前作『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』68.6億 |
ネタバレ感想『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
『ハリーポッターと死の秘宝PART2』ネタバレ感想や解説
ハリーポッターシリーズ8作目、完結編です。ついに全ての伏線や謎やアイテムが明らかになり、ハリー・ポッターとヴォルデモートの戦いに決着がつくだけでなく、ある人が十数年間も持ち続けた愛の深さに涙させられ期待以上の感動まで味わえる、これ以上ないラストです。
前半は主に前作『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』の続きで「分霊箱」を探して破壊する冒険がメインです。ラストなのに、のんきに銀行強盗とかしますが、ドラゴンまで登場させて映画のアクション性はアップしてます。銀行のセキュリティが甘すぎですが。
ダンブルドアも知らなかったのか、知ってて教えてくれなかったのか、分霊箱の手がかりがハリーが時折見るヴォルデモートの心で判明していく流れは、ご都合主義に思えます。もっと冒険らしく、ハリーらが自分たちでヒントを見つけて探索する旅にしてほしかったです。
ハリーの「両面鏡」やレイヴンクローのゴースト「灰色のレディ」は、原作小説ではしっかり描かれているが、映画版ではかなりカットされてるため、今回重要な要素として登場するのは唐突に感じてしまいます。原作の完結前に映画化したから仕方ないけど、説明はほしいです。
最終決戦はトロールなども登場して少しだけ戦闘シーンもありますが、魔法のほうきに乗っての戦いや人狼ルーピンや巨人族の登場などもほとんど見られず、その部分では期待はずれです。ファンタジーの大戦争を見たい人は『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』の方が迫力満点で断然おすすめです。
スネイプ校長によりホグワーツも闇に取りこまれようとしますが、彼の生涯をかけた愛やダンブルドアとの真相を知ると、今まで最も誤解されてたキャラのギャップに思わず涙します。その最後はあまりにあっけなさすぎて悲しみのやり場がありません。ニワトコの杖と牝鹿についてももっと説明ほしいです。
最終話での課題が多すぎて心配でしたが見事に全てすっきりと解決する展開は素晴らしいです。長くけわしかった戦いもついに完結しますが、予想以上にわくわくして心を動かされたり涙しました。
スネイプ先生の言動も含めて、グリンゴッツ銀行、杖職人オリバンダー、一見役に立たなさそうなネビルが最も活躍し世界を救うこと(1作目では彼の功績がグリンドール寮に勝利をもたらした)など、1作目『ハリー・ポッターと賢者の石』からの関連性も多いのでイッキ見もおすすめです!
映画『ハリーポッターと死の秘宝 PART2』考察・解説
本作の疑問と考察や解説です。ネタバレありです。
4つの分霊箱の場所は?ハリーが死ななかった理由は?
前作『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』までに3つの分霊箱(トムリドルの日記、マールヴォロ・ゴーントの指輪、サラザール・スリザリンのロケット)が破壊されており、残りはあと4つです。
4つ目「ヘルガ・ハッフルパフのカップ」はゴブリンの銀行のレストレンジ家の金庫でハリーが見つけます。ハーマイオニーとロンが、ホグワーツ魔法魔術学校の「秘密の部屋」の「バジリスクの牙」で破壊します。
5つ目「ロウェナ・レイブンクローの髪飾り」はゴースト灰色のレディの正体ロウェナの娘ヘレナ・レイブンクローが母から盗んでホグワーツの「必要の部屋」に隠してたのをハリーが見つけ、バジリスクの牙で破壊します。
6つ目「大蛇ナギニ」はヴォルデモート卿が最も信頼する強力な魔法生物です。ホグワーツ決戦時にネビル・ロングボトムが手に入れたグリフィンドールの剣で切り倒して、分霊箱ごと破壊します。
7つ目「ハリー・ポッター」は、ヴォルデモートが赤ん坊のハリーに死の呪文を唱え、母リリーの防御呪文にはね返された時、ヴォルデモートの魂の一部がハリーに引っかかり、7つ目の分霊箱になったのです。ヴォルデモートも気づいてないようです。ハリーは死の呪文を受けたが、ヴォルデモートの魂が犠牲になり、ハリーは生き残れました。
最後の8つ目「ヴォルデモート卿自身」は全ての分霊箱が破壊された後でもあり、ニワトコの杖の忠誠心も得てない状態だったため、ハリー・ポッターにより倒されます。
3つの死の秘宝とは?蘇りの石(よみがえりの石)の場所と使い方は?
ハーマイオニーがダンブルドアの遺品で譲り受けた『吟遊詩人ビードルの物語』の中の「三人兄弟の物語」に描かれた、ペベレル三兄弟が死神から譲り受けた品は「3つの死の秘宝」と呼ばれます。全てを集めると死を制すると言い伝えられています。
前作までで「透明マント」はハリーの父ジェームズから預かったダンブルドアがハリーに譲り渡していて、「ニワトコの杖」はダンブルドアの棺からヴォルデモート卿が奪っています。残る1つの死の秘宝は「蘇りの石(よみがえりの石)」です。
「蘇りの石」は最初のペベレル家の所有者の子孫マールヴォロ・ゴーントが指輪にはめこみ、「死の秘宝」のシンボルマークを彫りました。その後ヴォルデモートが指輪を「分霊箱の1つ」にしたが、それが死の秘宝の1つだとは気づかなかったようです。
その後、ヴォルデモートの分霊箱を探索してたダンブルドアが手に入れ、グリフィンドールの剣で破壊すると「蘇りの石」が出てきたため、ハリーに残す遺品の1つ金の球スニッチに封印し「終わる時に開く」の指示どおり、ハリーは死ぬ前にキスして開きます。
蘇りの石を使ったハリーは、母リリーと父ジェームズ、リーマス・ルーピン、シリウス・ブラックと再会して喜び、ヴォルデモートに死の呪文を唱えられた後は、ダンブルドア校長とも会えます。
レストレンジ家の金庫とは?
前作『ハリーポッターと死の秘宝 PART1』の終盤に、純血の名家ブラック家出身のベラトリックス・レストレンジ(ヘレナ・ボナム=カーター)がグリンゴッツ魔法銀行の金庫にグリフィンドールの剣を保管してたことを暴露しています。
ベラトリックスは金庫から剣を盗んだのは、ハリーやハーマイオニー達だと思ってましたが、彼らには全く心当たりがありません。なぜなら、金庫から剣を盗んだのは、ハリーの味方だったセブルス・スネイプ(アラン・リックマン)だったからです。
そのレストレンジ家の金庫には、他にも金銀財宝がたくさん保管されていて、分霊箱の1つ「ヘルガ・ハッフルパフのカップ」もあることを、ハリーはヴォルデモート卿の考えをよんで見つけていました。
ダンブルドア校長の弟アバーフォースと妹アリアナとは?
兄アルバス・ダンブルドアとゲラート・グリンデルバルドも関わったとされる妹アリアナ・ダンブルドアの死以降、弟アバーフォース・ダンブルドアは兄との仲が険悪になりました。
普段はホグズミード村の酒場「ホッグズ・ヘッド」のバーテンダーをしてますが、「不死鳥の騎士団」メンバーとして騎士団やホグワーツにも協力していて、兄アルバスとも疎遠だったわけではなさそうです。
前作で屋敷しもべ妖精ドビーを、「両面鏡」を見つめるハリーらの囚われている牢獄へ向かわせたのは、アバーフォースです。彼はマンダンガスが盗んだ「両面鏡」の片割れを取り返していたので、ハリーらのピンチがわかったのです。
スネイプの愛した女性とは?その苦悩の人生とは?
半純血のセブルス・スネイプは、マグル出身(両親とも魔法を使えない人間)の魔法使いリリー・ポッターを自分が死ぬまで愛し続けました。スネイプは幼なじみのリリーに魔女の素質を見出して友人となり、一緒にホグワーツ魔法魔術学校へ入学しました。
闇の魔法を学ぶスネイプは、優秀なジェームズ・ポッターやシリウス・ブラックらにいじめられ、救おうとしてくれたリリーに「けがれた血」と言ってしまい後悔します。やがて「半純血のプリンス」を影で自称します。その後、改心したジェームズはリリーを愛して結婚し、ハリー・ポッターが生まれます。
一方、闇の魔法使いヴォルデモートはリリーの子に自分が殺されるという占いを信じて、ジェームズの親友で不死鳥の騎士団のピーター・ペティグリューを裏切らせて、リリーとジェームズを殺害します。しかしリリーが命をかけてハリーに唱えた「守りの魔法」により、死の呪文ははね返されてヴォルデモートの肉体は滅びました。
その後、スネイプはヴォルデモートの手下の死喰い人(デスイーター)と不死鳥の騎士団の二重スパイとなり、愛したリリーの息子ハリー・ポッターを生涯守りとおします。ダンブルドアの殺害も、ダンブルドアによる命令でした。
スネイプの守護霊は愛した女性リリーと同じ「牝鹿(めじか)」です。それを見たダンブルドアは「それほどまで」と驚きます。ちなみにジェームズの守護霊は牡鹿(おじか)です。前作でスネイプはレストレンジ家の金庫にあるはずの「グリフィンドールの剣」を氷下に隠し、牝鹿の守護霊でハリーに教えました。
スネイプはヴォルデモートに信頼されててホグワーツの校長をまかせられるが、ハリーらが乗り込むとすぐ退散します。ヴォルデモートは「ニワトコの杖」の忠誠心が、ダンブルドアを殺したスネイプにあると誤解して、スネイプを殺害します。
ニワトコの杖の忠誠心(所有権)とは?持ち主を考察
ニワトコの杖は、ペベレル三兄弟の長男アンチオク・ペベレルが制作したとも死神にもらったとも伝えられる「最強の杖」「死の杖」「宿命の杖」とも呼ばれ、「蘇りの石」「透明マント」の3つを集めた者は死を制すると言われる「死の秘宝」の1つです。
全ての魔法の杖は持ち主を選び「杖による忠誠心」を得てないと、持ち主は弱い魔力しか発揮できません。忠誠心の持ち主が敗北(死や武装解除)すると、杖の忠誠心は勝者に移ります。ただし「杖の持ち主=杖の忠誠心の持ち主」とは限りません。
本作では既にニワトコの杖の忠誠心はハリーにありそこに至るまでは、グレゴロビッチ⇒ゲラート・グリンデルバルド⇒ダンブルドア⇒ドラコ・マルフォイ⇒ハリー・ポッターの順で移っていきました。スネイプやヴォルデモートがない理由を以下で考察します。
ニワトコの杖は長い間、血によって継承されたが行方不明となり、ブルガリアの杖職人グレゴロビッチから闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルドが盗み出して世間に知れます。1945年、アルバス・ダンブルドアが決闘で勝利して忠誠心を得て杖を隠します。
6作目『ハリーポッターと謎のプリンス』ラストで、天文台でダンブルドアに命令されたスネイプが苦悩の中、ダンブルドアに死の呪い「アバダ・ケダブラ」を放ったので、ニワトコの杖の忠誠心はスネイプに移ったように思えます。
しかし、その前にドラコ・マルフォイが武装解除でダンブルドアの「ニワトコではない杖」を落として拾っています。この状況でも「ニワトコの杖の忠誠心」はドラコに移っていますが、ドラコはそれに気づくはずもなく、杖はダンブルドアと共に埋葬されます。
そして前作『ハリーポッターと死の秘宝 PART1』でドラコから杖を奪ったハリー・ポッターが「ニワトコの杖の忠誠心」も勝ち得たことになっています。本作の序盤で杖職人オリバンダーも「ドラコの杖の忠誠心はハリーに移った」と発言してます。
ヴォルデモートの死の呪いでハリーが死ななかった理由とは?
ハリーが死ななかった理由は、ハリーの中の分霊箱「ヴォルデモートの魂」が犠牲になったからです。しかしヴォルデモートが死の呪文に使った「ニワトコの杖」が、本来の持ち主(忠誠心の対象)であるハリーを殺せなかったという解釈もできそうです。
ナギニがスネイプ殺すとヴォルデモートは杖の忠誠心得られるのか?
スネイプから「ニワトコの杖の忠誠心」を得ようとする(実際はスネイプではなくドラコに移ってた)時も、スネイプを瀕死にした後は大蛇のナギニにとどめをまかせます。
それでは杖の忠誠心はナギニに移らないか心配ですが、分霊箱ナギニはヴォルデモートの魂なので同一体ということで問題ないのでしょう。そもそもスネイプとハリーが話す必要があるため、即死にはできないという制作陣の都合も見えてきますが。
ヴォルデモートのツメの甘さはまだあり、ハリーに死の呪いを放ち手下のナルシッサ・マルフォイが「ハリーの死」を確認しただけで満足して去ります。しかし実際は、ナルシッサは息子ドラコを生かしてもらった恩で「ハリーの生」を知りながら見逃しています。
ネビルが持ったグリフィンドールの剣はどこから?
グリフィンドールの剣はゴブリンのグリップフックが裏切って持ち去りましたが、ヴォルデモートに銀行を襲撃された時、剣は消えました。そして「勇敢な真のグリフィンドール生徒」と認められたネビルだからこそ、組み分け帽子から取り出せたのでしょう。
魔力が弱くていじめられてたネビル・ロングボトムですが、最終話のホグワーツの戦いでは、橋を爆破したり、ヴォルデモートに降参すると見せかけて宣戦布告したり、グリフィンドールの剣で大蛇ナギニを切り倒して分霊箱を破壊したりとみどころだらけです。
19年後のハリーらの息子や娘の命名の由来とは?
19年後、ハリー・ポッターとロンの妹ジニー・ウィーズリー(旧姓)との間には3人の子どもがいます。長男ジェームズ・シリウス・ポッターは、ハリーの父ジェームズと、その親友でありハリーの名付け親でもあるシリウス・ブラックから命名しています。
次男アルバス・セブルス・ポッターは、アルバス・ダンブルドア校長と、セブルス・スネイプ先生から命名しています。長女リリー・ルーナ・ポッターは、ハリーの母リリーと、ジニーの親友ルーナ・ラブグッドから命名しています。
ジニーの親友とはいえルーナから命名してる理由は謎です。普通ならジニーの母モリーから命名するのではと思います。親友のロン・ウィーズリーとハーマイオニー・グレンジャー(旧姓)も結婚して、長女ローズと、長男ヒューゴがいます。
ちなみに不思議ちゃんルーナは『ファンタスティックビーストと魔法使いの旅』の主人公ニュート・スキャマンダーの孫ロルフ・スキャマンダーと結婚して、ローカン、ライサンダーの双子男子を育ててます。
- 人気ファンタジーシリーズ完結編
- 3人の主要キャラの安定感
- 積み残した伏線を全て回収
- 残る3つの分霊箱ともう1つの謎
- ホグワーツvsヴォルデモート軍団
- スネイプの愛の深さに感動
- 成長したネビルが世界を救う
- ハリーvs闇の帝王の最後の戦い
- ニワトコの杖の秘密と最後
- 明るい未来の光景
- 子どもや家族と一緒に楽しめる
- 個々人のバトル描写がつまらない
- 銀行のセキュリティが甘すぎる
- 銀行のゴブリンたちがかわいそう
- 蘇りの石が意味なさすぎる
- ハリーらはスネイプを助けられた
- スネイプの死があっさりすぎ
- ヴォルデモートのツメが甘すぎる
- ヴォルデモートの死が簡単すぎる
- ニワトコの杖の所有権問題が難解
私の評価 78/100(60が平均)
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