映画『バビロン』感想ネタバレ解説考察/結末は?生き残るのは誰?
ハリウッドで夢持つ青年マニーは意気投合した新進女優ネリーと、サイレント映画の大スター・ジャックと出会うことに。やがてトーキー映画の時代が訪れるのだが…。3人のうち勝者はいるのか?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | バビロン |
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日本公開日 | 2023/2/10 [予告] 上映時間:189分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | Babylon |
監督・キャスト | デイミアン・チャゼル[キャスト] |
映倫区分 | 日本:R15+(15歳以上) USA:R |
配給/製作 (画像出典) | 東和ピクチャーズ/C2 Motion Picture Group、Marc Platt Productions、Material Pictures、Wild Chickens、Organism Pictures Production |
日本興行収入 | 3.0億円(興行収入ランキング) |
世界興行収入 | 0.6億USドル [出典] |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | 73(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ヒューマンドラマ/恋愛/コメディ映画一覧 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- ネリー・ラロイ(マーゴット・ロビー)新進気鋭の女優。ハリウッドでスター街道へ
- ジャック・コンラッド(ブラッド・ピット)サイレント映画の大スター
- ジェームズ・マッケイ(トビー・マグワイア)ハリウッド裏社会を牛耳る大物
- マニー・トレス(ディエゴ・カルバ)映画製作を夢見るメキシコ青年
- シドニー・パーマー(ジョヴァン・アデポ)ジャズ・トランペット奏者
- レディ・フェイ・ジュー(リー・ジュン・リー)サイレント映画の字幕書き
- エリノア・セント・ジョン(ジーン・スマート)ハリウッドのゴシップ・コラムニスト
- コリーン・ムーア(サマラ・ウィーヴィング)ネリーのライバル女優
- イナ・コンラッド(オリヴィア・ワイルド)ジャックの元妻
- エステル(キャサリン・ウォーターストン)ジャックの三人目の妻。舞台女優
ネタバレ感想『バビロン』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
オリジナルストーリー?監督とキャストは?
映画『バビロン』は、監督・脚本のデイミアン・チャゼルによるオリジナル・ストーリーです。アカデミー賞では主要賞を逃したが、ゴールデングローブ賞では作品賞や演技賞など主要5部門にノミネート。
デイミアン・チャゼル監督の最近の作品は『セッション』『ラ・ラ・ランド』『ファースト・マン』等。『スパイダーマン ノーウェイホーム』でスパイダーマンを演じたトビー・マグワイアが製作総指揮に入り出演もしてます。
ブラッド・ピットは『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『アド・アストラ』『ブレット・トレイン』等、マーゴット・ロビーは『ザ・スーサイド・スクワッド 極悪党、集結』『アムステルダム』等に最近出演。
3人の出会いは?出世のきっかけとは?
ハリウッドのパーティーにもぐりこんだネリー・ラロイ(マーゴット・ロビー)は、メキシコ青年マニーに、自分は生まれつきの女優だと語ります。サイレント映画の大スター・ジャック(ブラッド・ピット)は離婚直後に会場へ。
意気投合したネリーとマニーはダンスを披露。ドラッグ過剰摂取で倒れた女優を運ぶカモフラージュで、マニーが依頼された象が放たれパーティーは大狂乱。ネリーは倒れた女優の代わりに出演が決まり、マニーはジャックのそばで映画を学べることに。
中世の戦争シーンでは本当に大軍勢が激突し、死者も出て撮影カメラも全て故障。マニーは日没までにカメラを届けるため救急車でかけつけ、無事にジャックの名シーンが完成。ネリーは奔放さと天性の演技力を発揮し、監督に見いだされます。
以上が序盤あらすじ。既に大スターのジャック(ブラピ)は離婚も反省せずやりたい放題。テラスから落下しても無傷なくらい強運。酔っぱらって歩くのもやっとなのに、カメラが回ると人が変わったように演じ始めるのは大スターの風格。
忍びこんだパーティーで役をもらえた幸運なネリー・ラロイが、女優経験もないのにダンスで魅了し何度でも涙を流すシーンは、映画内の人々からも私たち視聴者からも神がかって見える名シーンでした。新スター誕生の瞬間!
象を運ぶ下っ端仕事をしてたメキシコ青年マニーは、ジャックの付き人になりながら、アイディアマンとして撮影の成功にも貢献しはじめます。サイレント映画の全盛期バブルを豪華絢爛に見せながら、犠牲者の命の軽さも描いててあやうい空気感。
音付きトーキー映画での死者の理由は?2人の強運?
ネリーは、スター女優コリーン・ムーア(サマラ・ウィーヴィング)を超える勢いでスター街道まっしぐら。ネリーの父は人気にあやかりマネージャーに。ジャックは、ハンガリー新妻に浮気がばれて銃撃されるが、強運で腕のケガだけですみます。
マニーは、街で熱狂ファンに囲まれたネリーを救い出し、精神病棟のネリーの母を一緒に見舞い。その後マニーは、世界初のトーキー映画(音楽や音声入り)に感動し、ジャックに電話で映画業界の変化を興奮気味に告げます。
1928年、ネリーは初のセリフ付き役を演じるが、慣れない現場のせいで十数回もテイクが繰り返されます。ネリーも監督もキレた後、無事に成功するが、エアコンが無音対策で切られてたため熱中症になったスタッフが死亡。
ネリーは嫉妬の対象となり行動がさらに過激に。パーティー出席者の前でガラガラヘビをつかんだネリーは首をかまれるが、レディ・フェイが冷静に対処し2人はキス。舞台女優を3人目の妻にしたジャックは車にはねられるが、強運はまだ健在。
以上が中盤あらすじ。まともな両親に育てられず暴発ぎみのネリー、妻を物のように取っ替えるジャックですが、2人の強運は継続。しかしトーキー映画が新時代の幕開けとなり、サイレント映画バブルを謳歌してた人々には暗雲が見えはじめます。
サイレント映画からトーキー映画への変化は、視聴者にとっては単純に「音楽や音声が入る」ってだけだが、製作者サイドでは大変化だったことがわかります。その変化に順応できない者は、無情にも次々と脱落していったのでしょうね。
結末は?3人の将来はどうなる?生き残るのは誰?
音声入りトーキー映画が主流となり、ネリーの色気や奔放さは敬遠されはじめます。マニー達はネリーのイメージを変えようとするが、上流階級の見下した態度に我慢できなくなったネリーは暴言や嘔吐で台無しに。ギャングに多額の借金も。
マニーは、トーキー映画で重要になった音楽演奏者シドニー・パーマーの提案「俺たちを映せ」を実行して映画を大ヒット。しかし「もっと黒人に見えるように」靴ずみをぬらされたシドニーは映画業界に見切りをつけ去ります。
サイレント映画ほどのスター性を演出できないジャックは、批判記事を書いたエリノアに抗議。ヨーロッパに呼ばれたレディ・フェイをたたえ、ホテル従業員にチップをはずんだ後、ジャックは浴室で1人さみしく銃で自殺。
ネリーの借金をボスに返したマニーは、偽札とバレて逃亡。初めてマニーに告白されたネリーだが姿を消し、後日の新聞に34歳の死亡記事が。マニーは暗殺者にゆるしをこい救われます。約20年後、マニーは妻子とロスへ戻り1人で映画『雨に唄えば』を観て、過去未来の映画史を感じ号泣。
以上が終盤からラストまでのネタバレあらすじです。サイレント映画の時代が完全に終わると、ジャックとネリーの強運も終了。反動で命まで失います。ネリーを救おうとしたマニーは命だけ助けられるが、ネリーとは離れることに。
そんなマニーがその後、どんな仕事をしてたのか詳細は不明ですが、ニューヨークで妻子と暮らして久々にロスのキネスコープ・スタジオへ来たようなのでハリウッドの映画業界とは縁遠かったようですね。
映画出演にこだわらなかった黒人シドニーは、その後も音楽演奏はできてて、実は一番息の長い勝者なのかも。レディ・フェイについては浅くしか描かれないので、その後もそれほど気になりません。記者エリノアの死で祭りは完全に終わりを告げます。
映画『バビロン』私の感想と評価
サイレント映画時代、豪華絢爛だが裏は下品なハリウッドバブル。しかしトーキー映画(音入り)の出現で大衆化し洗練されていく様子が、3人+αの悲喜こもごもな盛衰で描かれます。各シーンは中毒的で、ゴージャス感は映画館向き!
ただ、約200分は内容のわりに長すぎ。退屈でカットできる場面も多いと感じられ、2時間にまとまってればもっと評価できたのに。主要人物の背景としてのみ描かれる映画業界の変化だが、もっとそこに焦点を当てて見せてほしかったかも。
映画館で年1-2本しか観ない人には全くすすめる気はないが、映画好きなら一度は観てもいいかも。一番の見どころは、マーゴット・ロビー演じるネリーのデビュー時の輝きと、その後の狂乱ぶり。ブラピのセレブ感にも釘付けでした。
私の評価 58/100(60が平均)
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