『劇場版 呪術廻戦 0』感想ネタバレ解説/鬼滅越え?夏油の目的は?呪いの原因は?
『呪術廻戦』前日譚。高校生の乙骨憂太は、幼なじみの祈本里香の怨霊で悩んでたが、五条悟に導かれて呪術高専へ入学。一方、呪詛師・夏油傑が現れ「百鬼夜行」を宣言し…。乙骨の能力と強さは?里香を解呪できる?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 劇場版 呪術廻戦 0 |
---|---|
日本公開日 | 2021/12/24 [予告] 上映時間:105分 |
監督・キャスト | 朴性厚、梅本唯(副監督)[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:PG13 |
配給/製作 (画像出典) | 東宝/MAPPA |
日本興行収入 | 138.0億円 年間1位 / 歴代20位 |
世界興行収入 | 1.6億USドル [出典] |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.15更新) 80(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ジャンプ映画ドラマ一覧 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- 乙骨憂太(緒方恵美)幼なじみ里香の怨霊に悩む高校生。五條悟のすすめで呪術高専へ
- 五条悟(中村悠一)呪術高専の教師。最強の呪術師。乙骨を高専へ導く
- 夏油傑(櫻井孝宏)最悪の呪詛師。かつて高専で五條悟の親友だった
- 祈本里香(花澤香菜)乙骨と結婚を約束したが亡くなって特級過呪怨霊に
- 狗巻棘(内山昂輝)乙骨の同級生。言霊を現実にする呪言師。おにぎりの具でのみ会話
- ミゲル(山寺宏一)夏油一派。海外から来た呪詛師。縄使い
- 禪院真希(小松未可子)乙骨の同級生。御三家出身だが呪力を持たず呪具の使い手
- パンダ(関智一)乙骨の同級生。夜蛾正道が生んだ突然変異呪骸
- 伊地知潔高(岩田光央)呪術高専の補助監督。事務やバックアップを担当
- 夜蛾正道(黒田崇矢)都立呪術高専の学長。人形に呪いをこめた呪骸を生み出せる
- ラルゥ(速水奨)夏油一派。オネエ口調の呪詛師
- 枷場美々子(松田利冴)夏油一派。菜々子と双子。ぬいぐるみと縄を使う呪詛師
- 枷場菜々子(松田颯水)夏油一派。美々子と双子。スマホ術式を使う呪詛師
- 菅田真奈美(伊藤静)夏油一派の呪詛師。組織の金銭管理を行う
ネタバレ感想『劇場版 呪術廻戦 0』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
『呪術廻戦』用語集
週刊少年ジャンプの連載漫画『呪術廻戦』は、人間の負の感情から生まれる「呪霊」を、呪術ではらう「呪術師」の物語です。ジャンルは、ダークファンタジー・バトル漫画。アニメ化以降『鬼滅の刃』にもせまる人気でついに映画化。
先天的に呪力を持つ者だけが呪術師になれて(例外あり)、呪霊を見ることができ、呪術ではらうことも可能。術師は先天的に、生得術式/しょうとくじゅつしきや結界術を使えます。一部の家系では強力な「相伝の術式」も引き継がれてます。
結界術の応用「領域展開」とは、呪術師や呪霊の心の中「生得領域」を呪力で外部に構築。閉じ込めることに特化してるので外部からの侵入は容易。術師のステータス上昇、術式が必ず当たる、相手の術式の中和など、引き入れた側のメリットは大きいが呪力消費も大。さらに強い領域展開により逆転が可能。
非呪術師を殺害した呪術師は「呪詛師」と呼ばれて処罰対象に。呪いをこめられた物は「呪物」、呪力を持ち自立できる無生物は「呪骸/じゅがい」、術師が呪力で生み出す生物は「式神」と呼ばれます。
呪術師、呪詛師、呪霊、呪物等は強い順に「特級、1級〜4級」と等級が決定。1級呪術師は1級呪霊をはらえるため、同級の場合は呪術師の方が強い。御三家とは「禪院家/ぜんいん」「加茂家」「五条家」。
『呪術廻戦』キャラ簡単説明(TVシーズン1)
東京都立呪術高等専門学校、通称「呪術高専」の教師・五条悟は自他が認める最強の特級呪術師。御三家・五条家相伝の術式「無下限呪術/むかげん」や領域展開「無量空処/むりょうくうしょ」の使い手。乙骨憂太とは遠い親戚。虎杖悠仁の師。
五条悟のかつての親友だった夏油傑/げとうすぐるは、非呪術師の全滅をもくらむ特級呪詛師。特級呪霊の真人/まひと(術式は無為転変)、花御/はなみ(植物を操る)、漏瑚/じょうご(火を操る)達と手を組み、両面宿儺をねらう。
東京の呪術高専2年。乙骨憂太/おっこつゆうたは特級呪術師であり、五条家の遠縁。禪院真希/ぜんいんまきも御三家だが呪力を持たず、呪具と「天与呪縛」の身体能力で戦います。パンダは夜蛾学長が生んだ突然変異呪骸で、3つの核と怪力の持ち主。呪言師の狗巻棘/いぬまきとげは、言霊を実現化するため通常の会話はおにぎりの具のみ。
東京の呪術高専1年。虎杖悠仁/いたどりゆうじは、特級呪物「両面宿儺/りょうめんすくなの指」をのんで監視対象となり高専に入学。術式はないので逕庭拳/ていていけん等の肉弾戦。出せる術師が少ない「黒閃/こくせん」も出せる。
伏黒恵/ふしぐろめぐみは、御三家・禪院家の血筋で相伝の式神術「十種影法術/とくさのかげぼうじゅつ」の使い手。義姉・津美紀は呪いで寝たきり。両面宿儺と因縁あり。釘崎野薔薇/くぎさきのばらは、呪いの藁人形で攻撃する芻霊呪法/すうれいじゅほうの使い手。必殺技は「共鳴り」「簪/かんざし」等。
京都の呪術高専3年。東堂葵/とうどうあおいは、呪力を持つモノの位置を入れ替える術式「不義遊戯/ブギウギ」と並外れた体術の使い手。御三家の加茂憲紀/かものりとしは、相伝術式「赤血操術/せっけつそうじゅつ」の使い手。西宮桃/にしみやももは、ほおきで空を飛び索敵が得意。風を操る。
京都の呪術高専2年。御三家の禪院真依/ぜんいんまいは、術式を持たないので呪力をこめた銃を使う。真希の双子の妹。三輪霞/みわかすみは「シン・陰流 簡易領域」「抜刀/ばっとう」の使い手。究極メカまる/アルティメットは、与幸吉/むたこうきちが傀儡操術/かいらいそうじゅつで操る。
乙骨憂太の呪術高専の入学理由とは?同級生は?
高校生の乙骨憂太の「東京都立呪術高等専門学校、通称 都立呪術高専」入学理由は、取り憑いた特級過呪怨霊「リカちゃん」が周囲に危害を加えるため、解呪したいからです。呪術高専教師の五條悟が上層部にかけあって乙骨を死刑から救ったのです。
祈本里香は、幼少期に乙骨憂太と結婚の約束をして婚約指輪も渡しましたが、交通事故で亡くなりました。その現場を目撃してた乙骨に里香の呪霊がとりつき、乙骨に危害を加える者を彼の意志とは関係なく排除しようとします。
都立呪術高専1年の同級生は、禪院真希/ぜんいんまき、狗巻棘/いぬまきとげ、パンダの3人。御三家・禪院家の真希は呪力は持たないが呪具の使い手です。1級呪術師になって禪院家を見返すのが目標。双子の妹・真衣が京都呪術高専に在籍。
パンダは、夜蛾学長が生んだ「突然変異呪骸」で体術を得意とします。3つの核を持ち、本作『劇場版 呪術廻戦 0』では、お兄ちゃんのゴリラ核による「ゴリラモード」で夏油傑に立ち向かいます。
乙骨の能力と階級は?呪言師の能力とは?
乙骨憂太は、日本に4人しかいない特級呪術師の1人です。本人に自覚はありませんが。特級被呪者でもある乙骨の能力は、特級過呪怨霊「リカちゃん」を具現化したり「術式の模倣」。「自分の命を差し出す縛り」によりリカちゃんの制限を解除できます。
乙骨は狗巻棘との任務で、呪言師の能力を模倣できるようになります。狗巻棘は、言霊を実現化して攻撃できるが、のどの消耗が激しくてのどスプレーを常備。呪いが発動しないよう普段は「おにぎりの具」でのみ会話。「シャケ」は肯定、「おかか」は否定。
狗巻棘はいつもは不思議ちゃんだが、戦闘になって口を出した時のかっこよさは格段。大量に迫りくる下級呪霊を一掃するには最適の能力。格上の夏油傑にも「落ちろ」程度なら発動したが、どこまで有効なのかはまだ不明です。
乙骨憂太の「術式の模倣」もどこまで可能なのかまだ未知数。「祈本里香」を解呪した後、リカちゃんをあやつれるのかも本作だけでは不明です。原作漫画を読めばわかりそう。
夏油傑とは?百鬼夜行の真の目的は?結末は?
夏油傑/げとうすぐるは、都立呪術高専で五條悟の同級生で親友でした。本作では語られませんが原作によると主に2つの要因で闇落ち。1つは、親友の五條悟がある事件後、夏油の手の届かないほど急成長し「孤独やねたみ」を感じたこと。
もう1つは、愚かで救いようがなくても非術師である人間を、強者が命をかけて守らなければならないことに疑問を感じたから。ある村で「呪力を持った幼い双子姉妹」が牢獄に囚われ村ぐるみで迫害されてる姿を見て、村人を全滅し双子と共に逃亡。
最悪の呪詛師となった夏油傑は、人間の上位存在である呪術師だけの世界を作るのが最終目標です。夏油一派には、成長した双子姉妹の枷場菜々子/はさばななこ、美々子/みみこもいます。他に、ラルゥ、異国のミゲル、菅田真奈美も協力。
夏油一派は呪術高専に宣戦布告後、12月24日に東京の新宿と京都を攻撃する「百鬼夜行/ひゃっきやこう」を実行。しかし夏油傑の真の目的は「特級過呪怨霊リカちゃん」を手に入れることでした。
それを見抜いた五條悟は、禪院真希と乙骨憂太しかいない都立呪術高専へパンダと狗巻棘を転送。パンダのゴリラモード、狗巻棘の「落ちろ」、乙骨憂太の呪言師の術式模倣「しね」でも、夏油傑は呪霊操術でかわします。
ラストは乙骨憂太が「自分の命を差し出す縛り」でリカちゃんを制限解除し「純愛」による呪いで夏油傑を倒します。駆けつけた五條悟が、親友だった夏油傑にとどめを。凶悪な呪詛師・夏油傑でしたが、理想は純粋で心からは憎めない人物でした。
本作『劇場版 呪術廻戦 0』のクライマックスである「百鬼夜行」ですが、肝心の新宿と京都でのバトルは期待ほど盛り上がらなくて少し残念。十劃呪法/とおかくじゅほうで圧倒する七海や、京都の東堂葵や西宮桃らも登場したのはアガったけど、1シーンずつしか活躍せず物足りなかったです。
ミゲルと戦う五條悟も、術式「無下限呪術/むかげん」や領域展開「無量空処/むりょうくうしょ」などの見せ場は少なく、アニメシリーズの漏瑚/じょうご戦ほどのかっこよさも見れなくてがっかり。夏油傑とも本気どおしで戦ってほしかったです。
特級過呪怨霊リカちゃんの正体?乙骨の秘密とは?
「愛ほど歪んだ呪いはない」と言う五條悟は、特級過呪怨霊リカちゃんの正体は、乙骨憂太による呪い(呪霊化)だと説明。つまり祈本里香による呪いではなく、乙骨の「死ぬな」という強力な呪いで怨霊となってとりついたのです。
乙骨憂太の正体は、日本三大怨霊かつ超大物呪術師だった菅原道真/すがわらみちざねの子孫であり、御三家・五條悟の遠縁の親戚と判明。その家系由来の強大な呪力で、自分でも気づかぬうちに祈本里香を怨霊化してたのです。
だから乙骨憂太が自ら、祈本里香の呪霊を解呪できて成仏させます。呪霊化した里香が、乙骨のそばにいれてうれしかったようなのは、せめてもの救い。乙骨は里香との二度目の別れになり涙。ずっとヤンデレ風に見えた里香が最後はかわいい。
リカちゃんほどの特級過呪怨霊をあやつれるなら有したままの方がバトルでも使えるのでは?と思ったけど、愛する者を戦闘の道具にするのは呪詛師の領域にも入りそうなので解呪して正解ですね。
エンドロール後のオマケ映像の意味は?
夏油傑が倒されると一派は撤退。長いエンドロール後、オマケ映像があります。2年生になり海外派遣された乙骨憂太が、夏油一派として五條悟を10分も足止めしたミゲルとアフリカぽい国でお茶してます。そこへ五條悟がやってきます。
原作漫画はまだ途中までしか読んでないため、この意味を深く考察できないしネタバレも避けたいので個人的な感想だけ書きます。百鬼夜行の後、ミゲルは五條悟の説得により寝返ったのではないでしょうか。
そして、ミゲルが五條悟に対抗できた呪具「母国の術師が何十年もかけて編んだ特殊な縄」の秘密に関する任務で、乙骨憂太が派遣されたのではないでしょうか。あくまでも憶測にすぎませんが、続編を期待してしまいます。
映画『劇場版 呪術廻戦 0』私の感想と評価
ジャンプ漫画の映画化作品でありアニメシリーズも大人気の『呪術廻戦』の前日譚なので、初見の人より原作かアニメファンの方がアガるシーンは多いですね。特に夏油傑一派の百鬼夜行は気になってたので、全容を観れたのは収穫です。
また、まだあまり活躍の場がなかった乙骨憂太の能力や強さを観ることができたし、特級呪術師である家系の秘密も知ることができたのも本作『劇場版 呪術廻戦 0』の見どころでした。
一方、バトル以外のシーンはあまり魅力を感じなかったです。特に乙骨と里香との回想シーンは繰り返しを感じたし、同級生とのわちゃわちゃも、それらのキャラファン以外はやや退屈だろうなと思いました。
「百鬼夜行」のラストバトルはそれなりに楽しいアクション山盛りでしたが、キャラやシーンが多い分、見どころが分散したのが残念。同じジャンプ映画『鬼滅の刃 無限列車編』の方が1つの戦闘に集中できました。エモさ重視に好みは分かれますが。
タレント声優を使ってないので、声優の演技は満点に近いです。ただ、乙骨を演じた緒方恵美さんの声や演技がエヴァンゲリオン・シリーズの碇シンジに思えてきたのはやや雑音でした。もともとキャラかぶりしてるので仕方ないのですが(笑)
個人的には「五條悟の無双ぶり」が好きなので、アニメシリーズの方が好みですが、映画『劇場版 呪術廻戦 0』も乙骨憂太が成長し、最悪の呪詛師・夏油傑を圧倒する展開には胸熱でした。興行収入もどこまでいけるか楽しみです!
私の評価 70/100(60が平均)
シリーズやジャンル⇒ジャンプ映画ドラマ一覧