『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』ネタバレ感想解説/結末は?敵の正体は?炎柱の強さは?
ジャンプ人気漫画のTVアニメ続編。鬼化した妹を人間に戻すため鬼殺隊の剣士となった炭治郎は、炎柱の煉獄杏寿郎や仲間と共に無限列車に乗車し、十二鬼月と戦うことになるが…。生き残るのは誰?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 |
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日本公開日 | 2020/10/16 [予告] 上映時間:117分 |
監督・キャスト | 外崎春雄[キャスト] |
映倫区分 | 日本:PG12(小学生指導必要) |
配給/製作 (画像出典) | 東宝、アニプレックス/ufotable |
日本興行収入 | 404.3億円 年間1位 / 歴代1位 |
世界興行収入 | 4.5億USドル [出典] |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.16更新) 81(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ジャンプ映画ドラマ一覧 前作『鬼滅の刃』評価84 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- 煉獄杏寿郎/れんごく きょうじゅろう(日野聡)炎柱。父も柱だった。弟がいる。炎の呼吸の使い手
- 竈門炭治郎/かまど たんじろう(花江夏樹)妹の禰豆子を人間にもどす方法を探す。水の呼吸。ヒノカミ神楽
- 猗窩座/あかざ(石田彰)十二鬼月の上弦の参
- 嘴平伊之助/はしびら いのすけ(松岡禎丞)炭治郎と同期の鬼殺隊剣士。イノシシの頭を被る。獣の呼吸の呼吸
- 竈門禰豆子/かまど ねずこ(鬼頭明里)炭治郎の妹。家族唯一の生き残りだが鬼化してる
- 我妻善逸/あがつま ぜんいつ(下野紘)炭治郎と同期の鬼殺隊剣士。弱虫だが秘められた力の持ち主。雷の呼吸
- 魘夢/えんむ(平川大輔)十二鬼月の下弦の壱。無限列車で何かをたくらんでる
- 鬼舞辻無惨/きぶつじ むざん(関俊彦)現時点のラスボス。1000年以上生きる鬼の始祖。人間を鬼化できる唯一の鬼
ネタバレ感想『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
原作とTVアニメと映画『鬼滅の刃 無限列車編』について
原作漫画は、週刊少年ジャンプで連載した吾峠呼世晴(ごとうげ こよはる)著『鬼滅の刃』です。発行部数1億部を越えてます。テレビアニメのシーズン1は全26話で、原作第7巻冒頭までが描かれました。復習したい人は『鬼滅の刃 TVアニメ版』をどうぞ。
今回の『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』は、そのTVアニメ版の続編で、原作第8巻までが描かれます。主人公の竈門炭治郎(かまどたんじろう)が任務で初めて鬼殺隊最高戦力「炎柱」と同行する物語です。声優/キャストは続投です。
炭治郎や煉獄杏寿郎はいつから眠ってたのか?
鎹鴉(かすがいがらす)の指令を受けた竈門炭治郎らは無限列車に乗りこみ「炎柱」(えんばしら)煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)と合流します。そして、あやしい車掌に切符を切られた直後、車両の前後から鬼が襲撃してきます。
しかし2匹の鬼とも煉獄が「炎の呼吸」の技で首を切り、あっと言う間に圧勝します。その後、煉獄も炭治郎らも眠りについてますが、眠りの血鬼術は切符にかけられてたようなので、先ほど倒した2匹の鬼も誰かの夢だったのでしょう。
ただ、魘夢の存在や血鬼術の切符(のニオイ・感覚)などに気づけなかった煉獄、炭治郎、伊之助、善逸には少し失望ですね。いくら十二鬼月といっても下弦にあそこまで近づかれるなら、上弦なんて目の前にいても感じとれないのでは?伏線?
煉獄杏寿郎の家族や過去は?精神の核とは?
眠らされた炭治郎は、鬼に殺されたはずの家族と幸せに暮らす「夢」を見ます。あの事件がなければ、禰豆子(ねずこ)が鬼になることもなく、炭治郎が鬼殺隊に入ることもなかったのです。
我妻善逸は、大好きな禰豆子と冒険する夢を楽しみます。嘴平伊之助は夢で親分になり、子分の炭治郎や善逸を従えて無限列車を倒しに行きます。
煉獄は「炎柱」になった報告を、炎柱を急にやめてゴロゴロしてる父にする夢を見ます。煉獄には弟の千寿郎もいます。死んだ母に「強い者は人を救う宿命を背負うべき」と言われた後、抱かれてほっこりする煉獄の顔がかわいい。
魘夢は最終的には「無意識領域にある精神の核」の破壊をたくらんでいます(実際は魘夢が列車と同化するまでの時間かせぎ)。善逸と伊之助の無意識領域への侵入者は、いないはずの本人に邪魔されて失敗。2人の我の強さが功を奏したのです。
煉獄の無意識領域は燃えていて、精神の核を破壊しようとした者を眠ったままの煉獄が阻止します。それだけ無意識下でも「生」への執着が強いのでしょう。
炭治郎の無意識領域は、青空と雲が湖面に反射したウユニ塩湖のような美しい場所です。そこへ入った結核の少年は「光る小人」により「精神の核」へ案内されるが、その優しさと暖かさで改心して核の破壊はせずに現実に戻りました。
それぞれの夢で、登場キャラの過去や性格を説明するのはうまい(原作どおりかな)です。テレビアニメ版を見てない人もいるだろうし、海外で公開・配信する時に単発映画としても理解しやすくなります。
炭治郎だけが夢からさめた理由は?
十二鬼月の下弦の壱「眠り鬼 魘夢」(えんむ)の夢の血鬼術によって眠らされた炭治郎らは、心地よい夢の中から抜け出せずにいました。その時、鬼だからか血気術で眠らなかった禰豆子(ねずこ)が出てきて、兄の炭治郎に頭突きします。
禰豆子は額から血を流し、その血で血気術の縄を切ります。夢の中では炭治郎自身も、楽しい家族との思い出を苦しいながらも断ち切って前へ進みます。禰豆子の血のニオイと父?の幻影による助言も加わり、炭治郎は強い精神力で夢からさめました!
魘夢の倒し方は?彼の最終攻撃と誤算とは?
竈門炭治郎は無限列車の上に立つ、十二鬼月の下弦の壱「魘夢」(えんむ)を見つけて攻撃します。魘夢の血鬼術で炭治郎は何度も眠らされるが、そのたびに強い胆力で「自分の首を斬って自害」し、眠りから覚めて攻撃を繰り返します。
やがて「水の呼吸」の連続技で魘夢の首を斬るが、魘夢は無限列車と同化した後で、体は本体ではなかったのです。「炎柱」煉獄杏寿郎のすばやい状況分析により、本体の頸(くび)は無限列車の最前部にあるとわかります。
煉獄は後方5両もの人命救助を引き受けます。前の車両は「雷の呼吸」壱の型「霹靂一閃」(へきれきいっせん)のみをマスターした我妻善逸と、鬼の禰豆子(ねずこ)が協力して人命救助します。善逸と禰豆子の活躍は少ないがかっこよすぎ!
魘夢の本体の脛骨(首の骨)は最前部の運転車両下に隠されてて、炭治郎と伊之助は破壊しようとします。魘夢の最終攻撃は、炭治郎らを連続で眠らせて「夢と現実をあいまいに」して現実で自害させようとします。
魘夢の誤算は、嘴平伊之助(はしびらいのすけ)の存在でした。伊之助はケモノのようなするどい触覚の持ち主で、イノシシの被り物のおかげで目線がよめずに眠りの血鬼術がききません。伊之助と炭治郎が協力して魘夢を倒しました。
魘夢は鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)に血を与えられたのに「1人も人間を喰えず。全力を出しきらず」に倒されたことを「悪夢」と言いながら消えていきます。今回は端治郎が重傷で動けなかったので、鬼を安らかな死に導けず残念。
予想外の刺客は何者?まさかの死?誰の勝ち?
重傷の炭治郎は、煉獄杏寿郎の教えにより「全集中の呼吸」で傷を回復させます。その時、十二鬼月「上弦の参」猗窩座(あかざ)が現れ、「炎柱」煉獄杏寿郎とのすさまじい次元での一騎打ちが始まります。炭治郎にも伊之助にも見えない異次元。
十二鬼月の上弦には、今まで「柱」でさえ勝った者がいないそうです。猗窩座(あかざ)は肉弾戦を得意とし、すばやい治癒力と再生能力を持つため、一撃で致命傷にならない斬撃は無意味。強い煉獄を認めて「鬼」になることをすすめます。
しかし心が強くて真っ直ぐな性格の煉獄は屈しません。煉獄は最後の最後まで気力を出し切り「炎の呼吸 最終奥義」玖ノ型「煉獄」による面攻撃で猗窩座(あかざ)の頸(くび)に斬りつけるが、敵のパンチが煉獄の腹を貫き致命傷に。
その状況でも煉獄は首を斬ろうとするが、朝日をおそれた猗窩座は両腕を引きちぎって逃亡。伊之助の攻撃が腕を斬ったようにも見えた(それなら余計な攻撃)けど、猗窩座は再生能力にすぐれてるので自分で引きちぎったんでしょうね。
炭治郎は逃げる猗窩座に日輪刀を投げて突き刺し「誰も死なせなかった煉獄さんの『勝ち』だ!」と宣言します。最期に煉獄は、死んだ母に「立派でしたよ」と言われ、まさかの死。原作未読で死亡フラグもなかったので驚いたと同時に号泣。
煉獄の鎹鴉(かすがいがらす)も涙し、お館様と柱たちに「死人0人で任務をまっとうしたことと煉獄の死」を伝えます。お館様は「私ももうすぐ黄泉の国へ行くので、そこでみんなと再会できる」と意味ありげなセリフ。
老いや死は人間の弱点?ジャンプ漫画への皮肉?
戦闘前に、猗窩座は「いくら強くても人間は老いてやがて死ぬ。鬼になれば何百年も鍛錬できてもっと強くなれる」と言うが、煉獄は「老いも死も人間の美しさであり、だからこそ愛おしく尊い。強さは肉体的なものだけではない」と反論します。
この言葉は死亡フラグですが、まっすぐな性格の煉獄杏寿郎が「人間を愛している」彼だからこその台詞です。「死」というタイムリミットがあるからこそ、人間は目標に向かって努力し続けることができ、鬼と比べると短期間で強く成長できるのです。
また「感動のために死を演出」したり「死んだ者がよみがえったり」「主要人物が死ななかったり」する物語、特にジャンプ漫画への皮肉にも聞こえました。同時に『鬼滅の刃』の死生観が示され、今後も厳しい覚悟が必要だと感じます。
劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』私の評価と感想と続編
原作未読でテレビアニメ版だけを観て行ったので「最高の体験」ができました。今年2020年は新型コロナの影響で、マーベルMCUのようなアメコミ映画もなく「多幸感」成分が足りなかったけど一気に元気になれました!
もちろん物語の内容的には悲しいのですが「『柱』なら後輩の盾になるのは当然。若い芽はつませない」と言った煉獄さんの志は、きっと炭治郎たちに引き継がれるのでしょう。すぐに原作の完結編まで読みたい衝動にかられています。
TVアニメ版と映画『無限列車編』までのストーリーは正直、既視感だらけですが、奇をてらいすぎて物語が破綻するよりも「王道」の応用で質の高い物語を見せ続けてくれることの方を望みます。久々に「ジャンプイズム」に興奮しました!
原作は既に完結してるので、これ以降の物語は間違いなくテレビアニメ版や映画で制作されそうですね。いや絶対にやってほしい!柱の残り8人vs十二鬼月6人、鬼舞辻無惨vsお館様、炭治郎と善逸と伊之助も。禰豆子が人間に戻れるかにも注目!
私の評価 76/100(60が平均)
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