『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース2』ネタバレ感想解説/結末は?黒幕の正体と目的は?
スパイダーバース1作目の続編。マイルスは久々のグウェンに導かれ、様々なユニバースのスパイダーマンが集結する場所へ。彼は愛する人と世界を同時に救う覚悟を決めるのだが…。誰が味方で敵は?世界を救う方法は?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース |
---|---|
日本公開日 | 2023/6/16 [予告] 上映時間:140分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | Spider-Man: Across the Spider-Verse |
監督・キャスト | ホアキン・ドス・サントス、ケンプ・パワーズ、ジャスティン・K・トンプソン[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:PG |
配給/製作 (画像出典) | ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/Columbia Pictures、Sony Pictures Animation、Marvel Entertainment、アラッド・プロダクション、ロード・ミラー・プロダクション、パスカル・ピクチャーズ |
日本興行収入 | 11.1億円 (興行収入ランキング) |
世界興行収入 | 6.9億USドル [出典] |
製作費 | 1.0億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.14更新) 85(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | スパイダーマンSSU一覧 前作『スパイダーマン スパイダーバース』9億 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- マイルス・モラレス(シャメイク・ムーア。小野賢章)グラフィティアーティスト。前作でキングピンと倒した
- グウェン・ステイシー/スパイダーグウェン(ヘイリー・スタインフェルド。悠木碧)別次元の白いヒーロー。ロックバンドのドラマー。
- ミゲル・オハラ/スパイダーマン2099(オスカー・アイザック。関智一)別次元2099年のスパイダーマン。スパイダーソサエティのリーダー
- ジェシカ・ドリュー/スパイダーウーマン(イッサ・レイ)別次元の妊娠中のスパイダーウーマン。ミゲルの腹心
- ピーター・B・パーカー/スパイダーマン(ジェイク・ジョンソン。宮野真守)別次元の40代のヒーロー。妻MJとの娘はメイデイ
- ホバート・ブラウン/ホービー/スパイダーパンク(ダニエル・カルーヤ)別次元のイギリス人スパイダーマン
- パヴィトラ・プラバカール/スパイダーマン・インディア(カラン・ソーニ)別次元のインド人スパイダーマン
- ベン・ライリー/スカーレット・スパイダー(アンディ・サムバーグ)別次元のピーター・パーカーのクローン
- バルチャー(ヨーマ・タコンヌ)巨鳥スーツのヴィラン
ネタバレ感想『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
スパイダーバース2作目?前作の簡単あらすじ
画期的なCGアニメーション映画でアカデミー賞長編アニメーション賞も受賞した前作『スパイダーマン スパイダーバース1作目』の続編です。
(前作あらすじ)おじのアーロンの影響でグラフィティアートにのめりこむ高校生の少年マイルスは、クモにかまれて特殊能力を得ます。ある日、街のヒーローのスパイダーマンことピーター・パーカーが、キングピンに殺害されたのを目撃。
ピーターから使命をたくされたマイルスは、キングピンの装置の影響で別世界から来た中年ピーターBパーカーや、グウェン、白黒ノワール、ロボをあやつる日本少女ペニー・パーカー、子ブタのスパイダーハムを元の世界へもどそうと計画。
敵のプラウラーの正体がおじアーロンと判明するが、彼はキングピンに殺害されます。亡き妻子を別次元から復活させようとするキングピンと部下ドックオク達を、スパイダーマン達が阻止。皆は元の世界へ。キングピンは逮捕されます。
エンドロール後、未来のスパイダーマンことミゲルが過去へ行き、最初のスパイダーマンと指の差しあいをします。
敵リザードマン、スポットの正体は?
前作スパイダーマン スパイダーバース後、グウェンは自分の世界アース65で暴走するリザードマンを倒すがその正体は友人ピーターパーカーでした。警察署長である父がピーターの死を目撃し、スパイダーウーマンは容疑者に。
別の日、ルネサンス期から来た紙バルチャーに苦戦するグウェンだが、別バースから来たミゲルと、妊娠中のジェシカの2人のスパイダーマンに救われます。警官の父に銃を向けられたグウェンは、スパイダーウーマンのマスクを取って正体を明かし、ミゲル達の世界へ逃れます。
一方、グウェンの絵を描いて過ごす、アース1610のマイルスは学校面談の時間に、ワープホールを作れるヴィランのスポットと対決。スポットの正体は、前作のキングピンの研究者の1人。マイルスが破壊した加速器に巻きこまれ穴人間に。
だからマイルスをうらんでます。スポットはスパイダーマンとの戦いで自分の穴に落ちたが、別バース移動の能力を身につけます。『ヴェノム』世界の雑貨店やレゴ/LEGO世界などに現れ、マルチバース全体のヴィランとなります。
以上が序盤あらすじです。グウェンの語りから始まったのは予想外だが、ヴィラン・リザードマンやバルチャーとの戦いの末、ミゲル達のソサイエティに入る流れがスムーズに理解できて、導入部としては見事。親友の死も描いてたし。
マイルスが戦うスポットは倒し方不明のヴィランで、それに接触して戦うマイルス・スパイダーマンは勇気というか無謀さが気になりました。結局倒すのは後編になったが、同情の余地もあるので、頭脳派ヒーローがスポットを人間に戻してほしいが…
ヴェノムの雑貨店が登場したのは同じソニーなので順当。妊娠中のスパイダーウーマン・ジェシカは画期的だし、多少ポリコレ的メッセージ性も感じるが、さすがにヒーロー活動の現場任務は妊婦には向いてないと思います。
グウェンが来た理由は?新スパイダーマン登場?
父の警察署長就任パーティーに2つのケーキを運ぶマイルスだがまた大遅刻し、両親から2ヶ月の外出禁止とされます。そこへグウェンが現れ、想いを伝えたいマイルスだが「どの世界でも恋人を失う」グウェンは距離をとろうとします。
実はグウェンがこの世界に来た理由は、スポットの調査。スポットは、ダークマターの力を増幅するため各バースのアルケミックス施設を襲う計画です。グウェンはスポットのいるポータルに飛びこみ、透明で隠れてたマイルスも追います。
アース50101のムバンタンで、現地のスパイダーマン・インディアのパヴィトル・プラパカールと合流し、マイルスとグウェンはスポットを追いつめるがはばまれます。そのバリアを、スパイダーマン・パンクのホービー・ブラウンが突破。
しかしスポットには逃げられ施設は爆破され、スパイダーマン達は救助に専念。パヴィトルは恋人を救出。ミゲルから「カノンが発生する」と聞いたグウェンはマイルスを制止するが、彼は無視してパヴィトルの恋人の父を救出。
以上が中盤あらすじです。マイルスと両親とのやりとりやケーキ運びが長く感じたし、グウェンとの再会をはさんでパーティーがずっと続いてたのか混乱しました。子どもも観る映画として2時間半は長いので、もう少しここを削れたのでは。
グウェンがスポットを追ってポータルへ入ってからのアクションや、インディア、パンクなどの新スパイダーマン登場と演出はかっこよくてアガりました!しかしスポットを倒すアイデアがなく、出たとこ勝負なのは、組織としてはありえません。
グウェンが「どの世界でも恋人を失う」のは、ミゲルの言う「カノン」の伏線にもなってます。別世界の人間の恋愛も禁止事項だと思うけど、後編で語られるのかな?ところで、マイルスの世界に、グウェンはいないのかな?
スパイダーマン軍団の目的は?マイルス敵対の理由は?
グウェン達とミゲルの世界の「スパイダーマン・ソサイエティ」を訪問したマイルスは、各バースの数百ものスパイダーマンに驚きます。スパイダーTレックスや、スパイダーキャットまで。『スパイダーマン ホームカミング』でアーロンを演じたドナルド・グローヴァーもプラウラーとして実写で登場。
この組織の目的は全バースの平和維持です。リーダーのミゲル・オハラは、マイルスに会うと激怒。その理由は「パヴィトルの恋人の父を救った」から。スパイダーマンの身近な警察署長や身内が死ぬ運命は「カノン」と呼ばれ改変禁止なのです。
グウェンがマイルスを止めたのも、心配したわけではなく改変阻止のためでした。MJとの娘メイデイを抱くピーターBパーカー、日本少女ペニー・パーカーも従ってます。マイルス世界のピーターパーカーが死んだ理由は、マイルスが別世界のクモにかまれスパイダーマンになったからとか。
マイルスは「愛する人も、世界も、両方救う」と譲らず、ミゲルと決別し逃走。多くのスパイダーマンの追撃をかわし、高速鉄道にひきつけてから逃げ切ります。そしてDNA解析で合致する世界へ送る装置を使い、元の世界へ…
以上が終盤あらすじです。「スパイダーマン・ソサエティ」の情報量の多さは半端ない。が、物理的に同じ場所に集まる意味って何?と疑問の方が大きいかも。キングピンの加速器の失態を収拾中だからでしょうか。世界の警察アメリカぽい発想。
ついに「カノン」の謎が明かされますが「知人が死なないと世界が滅ぶ」のと「知人が死ぬのを知ってて放置する」のは違うと思うので、今までミゲルに反対する人がいなかったのは不思議。反対だった人が複数いたのは後に判明しますが。
『アベンジャーズ インフィニティウォー』では何度も突きつけた「愛する人か世界か」の問いに答えはないだろうけど、スパイダーバースがどう回答するかは楽しみ♪安易に両取り成功!にはしないでほしいですね。
結末は?最後ヴィランの正体?グウェンの選択は?
元の世界に戻ったマイルスは、母リナに秘密を打ち明けます。しかし母もこの世界も「スパイダーマン」の存在を知らないようです。なぜならこの世界のクモは別世界のマイルスをかんだから。マイルスがここへ送られた理由は、体内のクモエキスがこの世界のものだったからです。
一方、グウェンはバース移動の腕輪を奪われ、元の世界に戻されます。父は警察署長をやめたので殺害されないかも。父はホービーから預かった「海賊版の腕輪」をグウェンに渡します。グウェンはマイルスの世界へ行くが、彼とは会えません。
マイルスはスパイダーマンのいない世界で、おじアーロンにプラウラーを紹介されます。その正体はこの世界のマイルスでした。グウェンはマイルスを救出すべく、ホービー、パヴィトル、ペニー達と共にピーターBパーカーを勧誘に行きます。
以上がラストまでのネタバレあらすじです。ミゲルをかんだクモが「別世界からのクモ」だったのは驚き。そのクモの本来のバースにはスパイダーマンが存在せず、マイルスやピーターパーカーの運命も変わったという設定も素晴らしい。オチによっては傑作になりそうな脚本で期待大。
そしてマイルスのDNA解析で送られた元の世界が、クモの本来の世界だったのも驚き。マイルスの部屋の窓の外で様子をうかがうグウェンが、別世界(本来のマイルス世界)だったのも意表つかれました!
さらに最大のサプライズが「クモのいない世界のマイルスがプラウラーになってたこと」です。アーロンおじさんは本物の悪党なのでしょうか。それともスパイダーマンの敵だが、全人類の味方とか?グウェン団結成にもアガッたし、早く続編観たい!
アニメ映画『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース2』私の感想と評価
前作『スパイダーマン スパイダーバス』は先進的なアニメーションと、初めて見るスパイダーマンの物語としてとても楽しめました。そして本作『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』はさらに斬新で、驚きと興奮の連続でした!
特に素早いアクション表現と、数えきれないほど多くのスパイダーマン軍団のキャラの描き分けは、実写では困難でアニメならではです。2D、レゴ、別の実写作品などマルチバースの表現法はMCUでも見たがさらに踏みこんでましたね。
マイルスの言動は序盤からあまり好きになれなかったが、ミゲルの前での決断から一気に主人公らしくなり「真のスパイダーマン」としての開花を感じました。そしてグウェンの葛藤から解放への成長もよかったです。
続編は来年公開なのでまだ先なのが不満点…。今回の中途半端な終わり方も1本の映画としては好みじゃないです。前後編の前編だとしても劇場映画なら一度完結してほしいです。とはいえ、グウェンの活躍を見たいので後編も期待してます!
私の評価 70/100(60が平均)
シリーズやジャンル⇒スパイダーマンSSU一覧