『死霊館エンフィールド事件』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?霊が伝えたい事とは?
これが実話?死霊館シリーズの2作目。アミティビル事件後、心霊調査に消極的な霊能力者ウォーレン夫妻はエンフィールドで見覚えある悪魔に遭遇。次女ジャネットに取りついた霊の正体と言葉の意味は?家族ぐるみの偽装なのか?悪魔の名前は?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 死霊館 エンフィールド事件 |
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日本公開日 | 2016/7/9 [予告] 上映時間:134分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | The Conjuring 2 |
監督・キャスト | ジェームズ・ワン |
キャスト 出演者 | ヴェラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、フランシス・オコナー、マディソン・ウルフ、サイモン・マクバーニー、フランカ・ ポテンテ |
映倫区分 | 日本:PG12(小学生指導必要) USA:R |
配給/製作 (画像出典) | ワーナー・ブラザース/サフラン・カンパニー、アトミック・モンスター |
日本興行収入 | 0.6億円 (興行収入ランキング) |
世界興行収入 | 3.2億USドル [出典] |
製作費 | 0.4億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.18更新) 76(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | 死霊館ユニバース一覧 |
- 予告動画/YouTube
- 死霊館シリーズとは?
- 実在したウォーレン夫妻が有名になった事件とは?
- アミティビル事件の真相とは?
- エンフィールド事件は「実話」なのか?
- ロレインがエンフィールド事件前にヴァラクの悪夢を見た理由は?
- ウィジャボード(霊応盤)とは?これが発端?
- ウォーレン夫妻が心霊事件に関わるのをやめた理由とは?
- ウォーレン夫妻がエンフィールド事件に関わった理由は?
- エンフィールドでジャネットに取りつく霊の正体とは?
- ビルの霊がジャネットに取りつく理由とは?
- 悪魔ヴァラクの目的は何?
- ジャネットと母ペギーが噛まれたのは真実なのか?
- ジャネットの瞬間移動やキッチンでの騒動は偽装だったのか?
- ロレインがエンフィールドで霊を感じなかった理由とは?
- ビルの霊がウォーレン夫妻に伝えたい言葉の意味は?
- ヴァラクはなぜロレインに自分の名前を教えたのか?
- ヴァラク、へそ曲がり男の正体とは?
- アミティビル事件(1976年/アメリカ)
- エンフィールド事件(1977年/英国ロンドン)
- エンフィールドの霊の正体は?
- 霊がジャネットに取りつく理由は?
- ネタバレ結末
ネタバレ感想『死霊館 エンフィールド事件』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
死霊館シリーズの2作目も前作『死霊館』と同じく「呪われた家や家族」の物語です。ホラー映画の中でもかなり恐い演出の多いシリーズで、苦手な人にはオススメできないけど、そうでない人にはクセになるかもしれません。
ストーリーは、エンフィールドに引越してきたシングルマザーと子ども4人が心霊現象に悩まされ、それを霊能力者ウォーレン夫妻が解決するというホラー映画です。メインストーリーが前作とほぼ同じなのは工夫が無いけど、実話ベースだから仕方ないですね。
ただ、前作は人里離れた屋敷で、その前に池やいわくありげな巨木があったりとホラーに向いてたのに比べ、本作は住宅街ですぐに向かいの家へ逃げこめたり、呪われた歴史もなかったり、タンスやオルゴールのようなグッズもなく、かなり雰囲気は劣っていました。
一方で起こるポルターガイスト現象の異常性や、シスター姿の悪魔ヴァラクのおぞましさ、へそ曲がり男?の異様さなど、ビジュアル面でのホラー表現はかなり増してて恐ろしさはアップしてます。住宅街で起こるのは、より身近に感じられる効果はあります。
本作では、ロレインがエドの命を気にしたり、夫婦がマスコミにたたかれたりして除霊・悪魔ばらいに消極的です。また、貧しいホジソン一家が補助金をもらうために心霊現象を演じてる可能性を見せるのは、実話らしいあやうさを感じられて興味深いです。
ジャネットの偽装がビデオ映像でバレますが「悪魔が、ウォーレン夫妻や教会をあざむくためにわざとさせた」というのも人間くさすぎます。結局悪い霊ではなかったビルは気の毒です。ところで悪魔や霊は考え、会話もできそうですが「脳」はあるのでしょうか?
家や家族が悪魔にねらわれた理由が最後まで明かされないのは拍子抜けですが、悪魔ヴァラクの物語は続編(前日譚)『死霊館のシスター』で語られるのかもしれず楽しみです。ラストの録音テープ音声や写真を見ると事実だったことを思い出してゾッとします。
エピソードや霊がわかりやすくて良かったけど、雰囲気や襲われる理由などが明確だった前作『死霊館』の方が好みです。ウォーレン夫妻の宿敵っぽい悪魔ヴァラクも現れて、今後のシリーズも目を離せないのでおすすめです!
『死霊館2 エンフィールド事件』17の疑問と考察・解説
本作の疑問と考察や解説です。ネタバレありです。
死霊館シリーズとは?
霊能力者ロレインと、悪魔祓い(ばらい)エドのウォーレン夫妻が関わった悪魔がらみの事件をユニバーサル化した映画シリーズです。多くが実話ベースで、惜しみのない恐怖映像で描かれるため、ホラー映画の中でもかなり恐い部類です。
今まで公開された映画と製作中のものは、アナベル・死霊館シリーズにまとめてます。
実在したウォーレン夫妻が有名になった事件とは?
1968年『アナベル人形』事件、1971年『死霊館』事件、そして本作冒頭で少し語られる、1976年「アミティービル事件」などでアメリカで有名になり、本作「エンフィールド事件」でイギリスでも名が知れわたりました。
アミティビル事件の真相とは?
1976年に、アメリカのニューヨーク州アミティビルに引っ越したラッツ家で起こった数々の心霊現象を、牧師や心霊研究家そしてウォーレン夫妻が実際に調査し「悪魔のしわざだと断定」した実在事件です。
その後、現実でのラッツ家はその体験を出版したり映画化して富を得ますが、ウォーレン夫妻の証言以外は作り話だったことが判明しています。本作では脚色して「修道女姿の悪魔ヴァラク」が関わってるように描かれています。
エンフィールド事件は「実話」なのか?
少し脚色はしてそうですが、ほぼ実話ベースの映画だそうです。エンフィールド事件は、史上最長期間続いた心霊現象(ポルターガイスト現象)としてイギリスでは有名です。
超常現象研究家のウォーレン夫妻、ホジソン一家の実物写真や、テープレコーダーに録音された実際の音声などは、映画ラストのエンドクレジット中に流れます。
ロレインがエンフィールド事件前にヴァラクの悪夢を見た理由は?
事実ではなく物語を盛り上げるための演出のような気はします。または、ロレインの「予知・透視能力」により、その後関わることになるエンフィールド事件の悪魔が見えたのかもしれません。
ウィジャボード(霊応盤)とは?これが発端?
欧米で霊と交信するためのオモチャで、日本でいうコックリさんです。19世紀に、死んだ人の霊魂と会話するための降霊術や心霊術などで使われた道具が起源だそうです。ヴィジャボードと呼ぶ人もいるが、正確にはウィジャボード(フランス語のウィ)。
本作ではジャネットが最初にウィジャボードで霊と交信しようとして失敗しますが、後のウォーレン夫妻も一切この件にふれてないので、ボードで悪魔や霊を呼んだわけではなさそうです。
ただ、4人いる子どもの中でジャネットが悪魔や霊に選ばれた理由やきっかけになった可能性はありそうです。
ウォーレン夫妻が心霊事件に関わるのをやめた理由とは?
霊能力者ロレインは、霊視で見たシスター姿の悪魔ヴァラクが、クイで夫エドを刺すのを見て脅迫されたと感じます。また、エドが見た悪夢を描いた絵がシスター姿のヴァラクだったことも、ロレインに恐れを感じさせます。
ロレインは夫エドの命が危険だと予知したため、今後の心霊事件への干渉をやめようと提案し、エドも了承しました。また、アミティビル事件についてのマスコミ報道も、ウォーレン夫妻の証言には懐疑的だったので、疑われることに疲れたのもあったと思います。
ウォーレン夫妻がエンフィールド事件に関わった理由は?
教会からの依頼をいったんは断るが、貧しいシングルマザーと4人の罪のない子ども達を助けたいという思いで、ロンドンのエンフィールド事件を引き受けることにします。
エンフィールドでジャネットに取りつく霊の正体とは?
昔この家に住んでて、リビングのチェアに座りながら72歳で亡くなったビル・ウィルキンスという老人男性の霊です。ビルの霊は墓場から家族に会うために帰宅したけど、既に家族はどこかへ引越していたようです。
ビルの霊がジャネットに取りつく理由とは?
ビルの幽霊が自分の家へ戻ってくると、家族はすでにおらず、代わりに悪魔に協力させられました。悪魔はジャネットの家族をこわがらせるためと、ジャネットを弱らせるために、ビルの霊をジャネットに取りつかせました。
悪魔ヴァラクの目的は何?
悪魔の目的は「人間の魂を奪うこと。魂を地獄へ導くこと」なので、ヴァラクの目的も同じだと思います。魂を奪うためには人間を弱らせる必要があるので、ジャネットや家族の睡眠妨害したり、恐怖を感じさせて衰弱させようとします。ビルの霊にも協力させます。
ジャネットと母ペギーが噛まれたのは真実なのか?
ジャネットが肩をかまれた歯型は、前歯2本がない老人、つまり72歳で亡くなったビル・ウィルキンスの霊によるか、そう思いこませるために悪魔ヴァラクが噛み跡をつけた可能性もあります。
問題は母ペギーが手を噛まれた傷ですが、エドが水の中で見つけた前歯のない「入れ歯」と歯型が一致します。この入れ歯がビルのものならゾッとするのですが、エドは誰にも言わないので、ペギーの偽装を疑ったような描写になっています。
幽霊が「実際の入れ歯」で噛むというのは変だし、「前歯のない入れ歯」を作るのもありえないため、私もこの入れ歯は「ペギーによる偽装」だと判断します。するとジャネットの歯型もあやしくなりますが、本作ではその真偽については明確にしません。
ジャネットの瞬間移動やキッチンでの騒動は偽装だったのか?
ジャネットが、外から施錠された部屋に瞬間移動して、悪魔が部屋の十字架の全てを逆さ十字にしたり、ジャネットを捕まえてカーテンでしめつけた時はまだビデオ撮影する前だったので偽装の確証はありません。ただ瞬間移動の方法は不明です。
ジャネットがキッチンで暴れた光景はビデオ映像に残されてて、ジャネットによるイカサマだったことが判明してます。しかしこれは、ジャネットが「悪魔や霊におどされて、わざと演じた」と言っています。
ロレインがエンフィールドで霊を感じなかった理由とは?
本作では明確にされませんが、次のとおり推測できます。「悪魔」と「霊」は全く違う存在なので区別してください。終盤にロレインが見た夢では、悪魔がビルの幽霊を追い払ったので、下の1つ目が映画的には一番近いと思います。
- 悪魔が霊の気配を完全に消している
- 霊は存在せず、全て悪魔のしわざ
- ロレインがエドを守るため嘘ついた
- 全てジャネットや家族の偽装
ビルの霊がウォーレン夫妻に伝えたい言葉の意味は?
ビルの言葉は「助けて。アレがオレのことを、はなしてくれない」です。アレとは悪魔ヴァラクです。
ビルの霊は家族に会いたかっただけなのに、悪魔におどされてジャネットに憑依(ひょうい)したり、ホジソン一家をこわがらせたりしました。
そのことを悪魔にバレないよう、ウォーレン夫妻に伝えようとして意味不明な謎の言葉を2回発します。それに気づいたエドは2つの言葉「助けて。アレが、、ことをはなして、、」「オレの、、くれない」をつなげて上の一文を完成させます。
ヴァラクはなぜロレインに自分の名前を教えたのか?
本作では明確にされません。シスター姿でロレインの悪夢に現れたヴァラクは、名前を教えることがそれほど重要だとは気づいてなかったのかもしれません。名前を教えることにより、むしろ恐怖を与えて今後の悪魔事件に関わらないよう促した気もします。
または、ロレインなど人間は取るに足らない存在だと、見くびってた可能性もあります。
ヴァラク、へそ曲がり男の正体とは?
本作では最後まで、悪魔ヴァラク(シスター姿)、へそ曲がり男の正体は不明のままです。前日譚のスピンオフ映画『死霊館のシスター』の中で明かされるかもしれません。
『死霊館 エンフィールド事件』ネタバレあらすじ
アミティビル事件(1976年/アメリカ)
1968年の『アナベル人形』事件、1971年の『死霊館』事件などで有名になった超常現象研究家の夫婦、霊能力者ロレイン・ウォーレン(ヴェラ・ファーミガ)、悪魔祓いのエド・ウォーレン(パトリック・ウィルソン)は、1976年、アミティビル事件を調査します。
アメリカのニューヨーク州アミティビルに引っ越してきたラッツ一家の屋敷で、霊視のための交霊会を行うと、以前この家に住んでたロニー・デフェオが悪魔に取りつかれて家族を惨殺したとわかります。ロレインは霊視で少年を地下室へ追うと黒目のシスターが夫エドの死を予知し、後日エドがそのシスターを描いたので以後の心霊事件は断ることに決めます。
エンフィールド事件(1977年/英国ロンドン)
ペギー・ホジソン(フランセス・オコナー)は離婚して4人の子どもを育てるのに精一杯で、イギリスのロンドン北部エンフィールドへ引越します。次女ジャネット(マディソン・ウルフ)は長女とウィジャボード(日本のコックリさん)で霊を呼ぶ遊びをします。
ウィジャ盤は反応なく、ベッド下に放置されます。その晩からジャネットは夢遊病のように下の階や床で寝てたりします。長女マーガレット(ローレン・エスポジート)もドアを激しく叩く音や、ジャネットの「俺の家だ。出てかないと殺すぞ」を聞きます。
ジャネットは肩を何者かに噛まれます。末っ子ビリー(ベンジャミン・ヘイ)も、へそ曲がり男(ハビエル・ボテット)の影を見ておびえます。疑ってた母ペギーもタンスが勝手に動くのを見て、警察もお手上げで、向かいのノッティンガム家にしばらく避難します。
エンフィールドの霊の正体は?
やがてテレビ局などマスコミが来て、心霊現象研究科のアニタ・グレゴリー(フランカ・ポテンテ)とモーリス・グロス(サイモン・マクバーニー)がジャネットにインタビューします。ジャネットは急に男性の声で「オレは72歳のビル・ウィルキンス。リビングの椅子で死んだが家族に会いに戻ってきた」と話します。
グレゴリー博士は懐疑的で、ジャネットがビルの噂を知ってて演じてる可能性を指摘します。しかしホジソン家への心霊現象は収まりません。教会から依頼されたウォーレン夫妻は、悪魔のシスターの夢でエドの死を警告されてたが、人助けのため調査へ向かいます。
霊がジャネットに取りつく理由は?
ジャネットに水を含ませ腹話術でないと証明しながらインタビューします。現れたビルにエドが十字架を向けると「助けて、アレが、、ことをはなして」が録音されます。夜、外から施錠した部屋に瞬間移動して叫ぶジャネットは、カーテンの中から助けられます。
母ペギーが地下室で何かにかまれた時、同じ歯型の入れ歯をエドは水の中で見つけます。キッチンでのポルターガイスト現象では、ジャネットに憑依したビルは「オレの、、くれない」とまた謎の言葉を言います。しかしアニタが録画映像を見せてジャネットの偽装を証明します。
霊の存在を全く感じないロレインとエドも、家族の狂言と判断して帰国することにします。しかし列車に乗ったエドは、ビルの謎の言葉を2つ同時再生します。「助けて。アレがオレのことをはなしてくれない」でロレインは悪魔が霊をあやつってると気づきます。
ネタバレ結末
ジャネットは姉に「霊におどされて、カメラ前で演技した」と言います。ウォーレン夫妻が駆けつけると、ジャネットが1人で家に閉じ込められて悪魔に体を乗っ取られかけています。エドは地下室から侵入して助けに行くが、水で一時的に視力を奪われます。
ロレインは悪霊シスターの悪夢時に、本に書きとめた悪魔の名前を思い出します。稲妻で庭の木が折られ、とがったクイになり、へそ曲がり男や悪魔はジャネットとエドを串刺しにしようとするが、ロレインが悪魔の名「VALAK/ヴァラク」を叫び、無事救出します。
名前を呼ばれると支配されるため、シスター姿の悪魔は地獄へもどされます。ジャネットは十字架をくれたエドに「私は2人に救われて運が良い」と言います。同じ家で母ペギーは2003年まで生きます。走馬灯はウォーレン夫妻の資料館(死霊館)に保管されます。エンドロール前に、実話での録音テープの音声とホジソン一家やウォーレン夫妻の写真が映されます。
私の評価 70/100(60が平均)
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