『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』感想ネタバレ解説考察/真相と真犯人は?黒の組織と関連?
名探偵コナン劇場版シリーズ25作目。ハロウィンの渋谷。刑事どうしの結婚式で暴漢事件が発生。一方、3年前に同期を葬った犯人の脱獄を追う降谷零は、謎の人物に爆弾をつけられコナンを頼るが…。安室透の因縁?過去事件の関連は?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 名探偵コナン ハロウィンの花嫁 |
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日本公開日 | 2022/4/15 [予告] 上映時間:110分 |
監督・キャスト | 満仲勧[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) |
配給/製作 (画像出典) | 東宝 |
日本興行収入 | 97.8億円 年間5位 / 歴代49位 |
平均評価 平均:100換算 | (興収・評価: 2024.8.15更新) 77(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | コナン映画一覧 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- 松田陣平/じんぺい(神奈延年)降谷零の同期。警視庁警備部機動隊 爆発物処理班に所属してたが殉職
- 安室透/あむろとおる/降谷零/ふるやれい/バーボン(古谷徹)警察庁警備局警備企画課(通称ゼロ)公安警察捜査官
- クリスティーヌ・リシャール(山口由里子)村中のフィアンセ。在日フランス人
- 村中努/つとむ(三宅健太)目暮の同期の警視庁捜査一課の警視正だったがケガで退職。クリスティーヌと婚約
- エレニカ・ラブレンチエワ(白石麻衣)爆弾犯に復讐を誓う謎のロシア人部隊を束ねるリーダー。顔に火傷あり
- 高木渉/わたる(高木渉)警視庁捜査一課の刑事で巡査部長。佐藤刑事と両想い
- 佐藤美和子(湯屋敦子)警視庁捜査一課の優秀な警部補。高木刑事と両想い
- 萩原研二(三木眞一郎)降谷零の同期。警視庁警備部機動隊 爆発物処理班に所属してたが殉職
- 江戸川コナン(高山みなみ)黒の組織の薬品で小学生に。正体は名探偵の工藤新一
- 伊達航/だてわたる(東地宏樹)降谷零の同期。高木の先輩。警視庁刑事部捜査一課強行犯三係所属。1年前に交通事故死
- 諸伏景光/もろふしひろみつ(緑川光)降谷零の同期。警視庁公安部所属。黒の組織の潜入がバレて自殺
- 毛利蘭/らん(山崎和佳奈)工藤新一の幼なじみで恋人。空手の達人
- 毛利小五郎(小山力也)眠りの小五郎として有名な私立探偵。毛利蘭の父で、コナンの保護者。元警視庁捜査一課 強行犯係
- 灰原哀/はいばらあい(林原めぐみ)元 黒の組織の一員シェリーだが幼女化。コナンが頼れる親友
ネタバレ感想『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
25作目?ロシア関係?監督やゲスト声優
名探偵コナン劇場版シリーズ25作目です。『名探偵コナン ゼロの執行人』でも大人気だった安室透(本名:降谷零)が活躍するのでコナン念願の興行収入100億円に達するかが楽しみです。
監督の満仲勧は、主にアニメーターとして活躍し、映画では『ハイキュー』総集編シリーズも監督。今年公開の『鹿の王 ユナと約束の旅』では原画もつとめたようです。
声優はほぼTV版からの続投。ゲスト声優として、元 乃木坂46の白石麻衣が演じます。『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』では女優として出演。ロシア語にも挑戦したそうですが、時期的にアピールしづらいでしょうね…
結婚式の暴漢たちの正体は?目的は?
ハロウィンの渋谷で、警視庁捜査一課どおしの佐藤刑事と高木刑事の結婚式が行われたが、そこへ暴漢たちが乱入。すぐ取りおさえたが、佐藤を守るため高木は撃たれます。しかし暴漢の正体は捜査員で、結婚式じたいが模擬訓練でした。
元捜査一課の村中と、日本在住フランス人のクリスティーヌとの結婚式への犯行声明に対する訓練です。撃たれ役の高木を見た佐藤は、昔思いを寄せた松田刑事を思い出します。3年前に松田を殉職させた爆弾犯は、その後逮捕されました。
同じ頃、その爆破犯が脱獄し、公安警察捜査官の降谷零らが追いつめるが犯人は爆発自害。降谷零は仲間救助中に仮装犯に首輪型爆弾をつけられます。降谷は電波の届かない地下深くの爆破防護壁に閉じこもり、コナンに真相究明を依頼。
その依頼を受ける前、コナンは警視庁前で外国人の爆破事件に巻きこまれ、灰原哀を助けた毛利小五郎が負傷し入院。外国人は「松田刑事の名刺」を持ってました。その見舞いに来た村中とクリスティーヌに、爆破時の状況として「外国人が落としたメモを子どもが拾った」と説明。
以上が序盤のネタバレあらすじ。元同僚の結婚式のための訓練とはいえ、出席者もだますのはあり得ないですよね(笑)子どもも衣装とかそろえる必要あるし。
今回は安室透ががっつり活躍すると思ってたので、安室が閉じこもったのは残念。終盤に見せ場はあるので、安室ファンへの配慮もわすれてませんけど。警視庁前での爆弾事件、村中とクリスティーヌとの会話など伏線だらけです。
毛利小五郎に麻酔が効かないのは、いつもコナンに眠らされ耐性できたからですね。タイトルコール前の説明は、私のような原作漫画もアニメも1話も観てない者からすると状況がわかり助かります。何よりもワクワクするし!
松田らが止めた爆弾事件とは?同期5人の生死は?
捜査一課の佐藤と高木は、殉職した松田刑事を捜査する過程で「警察の降谷零」を調べるが、公安へ引き継がれ不満。降谷、松田、伊達、萩原、諸伏は警察学校時代の同期でしたが、萩原は7年前の11月7日に爆弾解体中に殉職。
安室は3年前の爆弾事件をコナンに解説。松田が殉職する前日11月6日、同期4人で萩原の墓参りへ。帰り道、雑居ビル内で松田は謎の外国人を助けて名刺を渡し、2つの液体による爆弾を止めました。亡き萩原のアイデア「ガム詰め」により。
降谷らは仮装した身軽な爆破犯を追い、諸伏の銃弾が犯人の右肩に入るが逃げられました。伊達は1年前、交通事故死。諸伏の生死は語られませんが、公式サイトによると「黒の組織」に潜入捜査中にバレて自決したそうです。
以上が、警察学校時代の同期5人の関係性と生死です。結局、安室透こと降谷零をのぞく4人は全員死亡という悲劇。諸伏についての詳細は語られてないので、もしかすると生きてる可能性もあるのでしょうか。
それにしても、そろそろ「黒の組織」との戦いを前進させるべき時期だと思うのに、未だに過去の人物をこれほど深掘りするのは驚きです。もちろん、原作ファンの多くが求めるストーリーなのでしょうから賛成です。
爆発物処理班だった萩原のアイデアから松田がひらめいた「ガム詰め」により爆発は阻止されましたが「このアイデアをもらった瞬間」は後に大きく伏線回収され(後述)涙しました。
警察学校時代の同期5人のエピソードは、アニメ第304話『揺れる警視庁 1200万人の人質』や、公開初日2022年4月15日にTV放映される『名探偵コナン 本庁の刑事恋物語 結婚前夜』等でも語られるようです。
謎のロシア人女性の正体は?爆死男との関係は?
捜査中の刑事が何者かに連行され、犯人は「松田刑事」を要求。亡き松田に容姿が似てる高木刑事が代わりに行くが、ハロウィンのかぼちゃコスプレ集団の混乱で拉致されます。コナンは尾行し、警察に動画配信。
その集団はロシア人女性エレニカ・ラブレンチエワがリーダーの「爆弾犯プラーミャに復讐を誓った民間組織」。エレニカは、かつて証人となった夫が息子と共に殺害されて以来、世界中で爆破事件を起こすプラーミャを追ってます。
3年前、雑居ビルにプラーミャを誘い込んだのもエレニカ達だそうで、その時に兄が捕まりました。その兄を救って名刺を渡したのが「松田刑事」。エレニカも兄もプラーミャの爆弾を唯一止めた松田を探してたのです。
エレニカの兄は、プラーミャが東京で大規模な爆破事件を起こす情報をタブレット端末で得て、警視庁の松田へ届けに行く時に、タブレットに仕掛けられた爆弾で死亡。灰原哀や毛利小五郎が巻きこまれた、あの事件です。
今回やたらと「ハロウィンのネタ」を使いたかったようで、拉致方法もかぼちゃ集団。しかし、あれほどの集団が来ることを現場で張ってた刑事たちが気づかないのは怠慢ですよね。民間組織なので松田の死を知らなかったのは納得。
エレニカの集団と、爆弾魔プラーミャと、爆死した外国人と、松田刑事との関係性は、本作で一番見事なミステリ要素です。大人も楽しめるエンターテインメント映画の水準には達してると思います。小さな子どもには複雑すぎるのかな?
爆弾犯プラーミャの正体は?東京での犯行の目的は?
爆弾犯プラーミャが再び東京で爆破しはじめた理由は、3年前に仕掛けた爆弾を止められたり、右肩に銃弾を撃ちこまれた復讐のためです。エレニカに人質にされたふりをしたコナンは、村中の前で真犯人をあばきます。
プラーミャの正体は、村中の婚約者クリスティーヌでした。彼女は爆弾を止めた刑事をつきとめ、刑事達を集めて爆破に巻きこむために、村中と婚約して結婚式への犯行声明を出して事件にしたのです。
「エレニカの兄のメモを読んだ可能性のある子ども」を特定できなくて、まとめて殺害するため雑居ビルへ行かせました。冒頭で「松田を殉職させた爆弾魔」を脱獄させ、降谷零に爆弾をとりつけ仲間ごとの爆死を企んだのもプラーミャ。
しかしこのプラーミャ、政治的思想があるでもなく金儲けでもなさそうなので動機がよくわからなくて薄っぺらい悪役キャラです。家族が殺されたわけでもなく、こんな小さな復讐のために数ヶ月間も婚約者になるのも変。
過去の犯行のひどさから、安室透や少年探偵団や灰原哀やコナンをすぐに殺害しなかった理由も納得できません。結局2回の爆弾設置(安室の首輪とコナンの雑居ビル)があだとなり中和剤を作られ、安室透に追いつめられ、村中に捕縛されます。村中への愛はなかったようですね…
渋谷の爆破計画とは?阻止作戦は誰のアイデア?
プラーミャが東京で計画したのは「渋谷全域の大爆破」。ハロウィンのかぼちゃ飾りの中に「東エリアでは青」「西エリアでは赤」のように爆破液体を入れ、渋谷の高低差を利用して2液体が混ざると大爆発するしくみです。
この大爆発を阻止するため、コナンが考えた作戦は「一番低地で巨大サッカーボールをふくらませて液体が混ざらないようにし、その間に消防隊が中和剤で無力化」。エレニカ達、警察、市民も協力して渋谷の街は守られました。
コナンのこの作戦は、7年前に安室の同期の萩原が殉職する前、激しい水が止まらない水道管の間に野球ボールをつめて止めた萩原のアイデアを応用したのです。過去から、亡き萩原が2回(渋谷の大爆発と、3年前の松田の雑居ビル)も大勢を守ったと考えると号泣。
爆破液体の中和剤は、コナンが機転をきかせて服にしみこませ、安室透が公安の風見に解析させ生成したものです。安室の首輪爆弾も中和剤ではずし、その起爆装置をヘリに仕掛けてプラーミャ逮捕にも役立てました。
ツッコミどころ満載ですがそれもコナンの魅力。プラーミャが1人で?渋谷全域に液体を仕掛けたこと、巨大サッカーボールで爆破阻止したこと、短期間で中和剤を開発したこと、ヘリ落下炎上で安室もプラーミャも負傷してないことなど。
最近のコナン映画は「大規模な大爆破劇」がエスカレート状態で、コナンや警察のある意味で敗北つづきでしたが、今回こそは大爆発を止めてよかったです。渋谷の大爆発の光景は映画『サイレントトーキョー』(2020)を思い出します。
エンドロール後は来年続編のヒント?高木も殉職?
冒頭のニセ結婚式が伏線になってたように、高木刑事は撃たれてしまい緊急手術。手術後の医師の言葉で泣き出す婚約者の佐藤。その後、高木の葬儀となりますが、また暴漢が襲撃し、これも本部長葬儀のための事前訓練だと明かされます。高木刑事の手術は成功し元気です。
エンドロール後、恒例の「来年のコナン続編のヒント」が流れます。謎の声「会いたかった、シェリー」と。シェリーは灰原哀が子ども化する前、黒の組織で働いてたコードネームらしいので、来年は「灰原哀と黒の組織」編が濃厚。
私は最近の映画版しか観てない「超ライトなコナン視聴者」なので、一番関心あるのは「黒の組織」との戦いです。だから来年のコナン映画で灰原哀の過去が描かれるのは、かなり期待値が上がります。原作漫画も進展するといいですね。
映画『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』私の感想と評価と続編
最近のコナン映画しか観てませんが、年々大爆破のスケールがアップし感覚がマヒしそうでしたが、今回は陰謀を止めてインフレ化に歯止めをかけたのは功績だと思います。久々にミステリ作品としても楽しめましたし。
いつもどおりツッコミどころは多いけど、ファンタジーと思って観てるのでこのくらいは許容範囲だし映画館ばえもするでしょう。ただ、真相を知ると意外と小者による犯行で「黒の組織」もからまず、その点は残念でした。
来年の続編では「灰原哀と黒の組織」について描かれそうなので、安室透、赤井秀一、領域外の妹など関係者が総出演してくれるとコナン映画ベストになるかも!さて、念願の興行収入100億円達成は2022年か2023になるのか楽しみ!
私の評価 66/100(60が平均)
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