映画『名探偵コナン緋色の弾丸』評価は?ネタバレ感想考察/真相と真犯人は?赤井一家の関連とは?
4年ごとのスポーツ祭典WSG=ワールド・スポーツ・ゲームス東京開催と世界最速「真空超電導リニア」開発が発表され事件発生。FBIや赤井秀一もからみ、コナンは過去事件を疑うが…。15年前事件の関連は?赤井の目的は?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 名探偵コナン 緋色の弾丸 |
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日本公開日 | 2021/4/16 [予告] 上映時間:110分 |
監督・キャスト | 永岡智佳[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) |
配給/製作 (画像出典) | 東宝/トムス・エンタテインメント、V1Studio |
日本興行収入 | 76.5億円 (年間3位 / 歴代93位) |
世界興行収入 | 0.9億USドル [出典] |
平均評価 平均:100換算 | (興収・評価: 2024.8.15更新) 68(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | コナン映画一覧 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- 灰原哀/はいばらあい(林原めぐみ)元黒の組織の一員だが幼女化。コナンが頼れる親友
- 世良真純/せらますみ(日髙のり子)蘭の同級生で女子高生探偵。赤井秀一、羽田秀吉の実妹
- 羽田秀吉/はねだしゅうきち(森川智之)六冠のプロ棋士。宮本由美の彼氏。赤井秀一の実弟。真純の実兄
- 赤井秀一(池田秀一)FBI捜査官。凄腕の狙撃手で截拳道の達人。沖矢昴の名で工藤邸に居候中
- 領域外の妹/メアリー・世良(田中敦子)真純と暮らす少女。MI6所属。赤井秀一、羽田秀吉、世良真純の母
- 江戸川コナン(高山みなみ)黒の組織の薬品で小学生に。正体は名探偵・工藤新一
- アンドレ・キャメル(梁田清之)屈強なFBI捜査官。赤井秀一をサポート
- ジョディ・スターリング(一城みゆ希)赤井秀一をサポート。メガネの女性
- 白鳩舞子/しらはとまいこ(平野綾)日本WSG協会広報の女性
- 井上治(鈴村健一)リニアの開発チーフエンジニア。技術職の男性
- 毛利蘭(山崎和佳奈)工藤新一の幼なじみで恋人。空手の達人
- 毛利小五郎(小山力也)眠りの小五郎として有名な私立探偵。毛利蘭の父で、コナンの保護者
- 宮本由美(杉本ゆう)警視庁交通部の婦警で警部補。羽田秀吉と交際中
- ジェイムズ・ブラック(土師孝也)FBI捜査官。日本で黒の組織を追うチームのボス
- 石岡エリー(浜辺美波)真空超電導リニアのスタッフで客席担当。ぶりっ子でオーバーリアクション
ネタバレ感想『名探偵コナン 緋色の弾丸』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
上映延期の経緯は?監督・脚本やゲスト声優
名探偵コナン劇場版シリーズの24作目として2020年4月公開予定でしたが、感染拡大で1年延期の2021年4月公開に変更されました。オリンピック想定のストーリーなので、五輪延期も影響したのかもしれません。
監督の永岡智佳は、数作の劇場版コナンで演出や助監督をつとめた後、前作『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』を監督してからの続投です。脚本の櫻井武晴は『ゼロの執行人』も手がけたので期待できそうです。
声優はTV版どおりで、コナンの高山みなみ、毛利蘭の山崎和佳奈、灰原哀の林原めぐみ、世良真純の日髙のり子、領域外の妹/メアリーの田中敦子など。ゲスト声優として『HELLO WORLD』ヒロインの声を演じた浜辺美波が出演。
鈴木園子の父を発見した探偵は誰?
4年に一度のスポーツ祭典WSG(ワールド・スポーツ・ゲームス)東京大会の開会式にあわせて、真空超電導リニア開通が発表。VIP以外の一般人も抽選で乗車可能と聞き、少年探偵団3人組はスポンサーの鈴木財閥の園子にお願いします。
しかし30秒の停電後、鈴木その子の父・鈴木財閥会長は行方不明に。コナンがスタンガンの光を見かけ、名古屋名物うなぎのひつまぶしの残されたにおいを追う元太のおかげで、縛られた鈴木会長は発見されます。
その手がらのお礼に園子は、少年探偵団とコナンと毛利蘭と灰原哀に「真空超電導リニア」の優先乗車券を渡します。実は数日前にも、スポンサー企業社長が誘拐後に発見された事件が発生してました。そしてコナンの盗聴器を聞く沖矢昴の姿も。
ここまでがアバンタイトルで、いつものかっこいい音楽とともにコナンや灰原哀や赤井ファミリーの紹介があり本編が始まります。少年探偵団や阿笠博士のクイズは子供向けとして必要なのでしょうけど、今回はあまり有効には思えなかったです。
いちおミステリーなのに、子供向けでもニオイだけで真相をあばくのも納得できません。誰かが警察犬連れてきた設定にでもすればよかったと思います。沖矢昴=赤井秀一、メアリー・世良、世良真純などが思わせぶりなのはアガりました!
クエンチとは?リニアの伏線?
WSGに関するVIP誘拐事件は、15年前のボストン大会でも発生し、逮捕された日本人はFBIに無罪を主張しながら亡くなりました。11年前にも模倣事件が発生。その関連性から、次は自動車会社「日本コードCEO」ジョン・ボイド誘拐が浮上し、ボイドは毛利小五郎らに警護を依頼。
しかし健康診断中、リニア乗車者は大量の煙で倒れ、ジョン・ボイドは誘拐されます。この煙の正体クエンツとは、MRIを冷却する液体ヘリウムが気化する現象で、閉め切った部屋では酸欠を引き起こすほど危険です。今回は何者かがMRIの緊急停止ボタンを押して発生させたようです。
ちなみにMRIは超電導磁石が使われているので、クエンツの事故は「真空超電導リニア」の伏線になりそうだと気づきました(後述)。縛られたジョン・ボイドは発見され、クエンツでの死者も0なので犯人の目的はまだ不明のまま。
真犯人の正体と目的とは?
クエンツやボイド誘拐の真犯人の目的は、他の死者0にこだわるために、リニアに乗客を乗せないことと開会式の中止でした。その真犯人の正体は、日本WSG協会広報をつとめる女性・白鳩舞子と、リニア技術者・井上治の共謀と判明。
白鳩舞子の目的は、15年前のVIP誘拐事件時に無実の罪で亡くなった父・石原まことのかたき討ちとして、当時のFBI長官アラン・マッケンジーをリニア事故で殺害することです。「しらはとまいこ」は「いしはらまこと」のアナグラム(並べ替え)。
井上治は、15年前に誘拐された日系社長が父でした。その後、風評被害で事業が傾き、家族が不幸になりました。FBIが石原まことを逮捕後は捜査しなかったことをうらみ、白鳩舞子と組んで、開発したリニアでうらみをはらそうとしたのです。
サッカーボール花火で警護の目をそらし、リニアに乗りこんだコナンと世良真純は、縛られたアラン・マッケンジー(元FBI長官で現在WSG協会会長)を見つけます。白鳩舞子に銃を向けられてたじろぐが、何者かの弾丸が白鳩を撃ち抜き形勢逆転。
ちなみに、死ぬまで冤罪を主張した石原まことですが、実際には真犯人だったことがラストで明かされます。元FBI長官や模倣犯の自白だけという弱い証拠ですが。いずれにしろ白鳩と井上は、リニアや会場破壊のテロ行為や、WSG中止の損害賠償だけでも一生罪をつぐなうことになるのでしょうけど。
タイトル「緋色の弾丸」とは?三重の意味?
タイトルの「緋色の弾丸」とは、犯人を撃ち抜いた赤井秀一の銀の弾丸です。緋色は「血色」と「赤井」のダブルミーニング。白鳩舞子が元FBI長官に向けた銃は、亡き父が犯行に使用した同型で、それも悲しい過去を持つ「緋色の弾丸」です。
また、時速1000kmのリニアは「ジャパニーズ・バレット(日本の弾丸)」とも呼ばれてました。つまり、日本の弾丸(未来)の中で(過去の)弾丸を向ける白鳩を撃ち抜いた赤井の弾丸(現在)という「過去/現在/未来」のトリプルミーニング(三重の意味)になってますね!
あと、銀の弾丸(シルバー・バレット)とは、黒の組織がコナンと赤井秀一に対して付けたコードネームらしいです。黒の組織を破壊しかねない危険な人物という意味です。オリンピックの「銀メダル」も連想させますね。
銀の弾丸が超電導トンネルで加速されて飛び続ける点や、赤井秀一の射撃のねらいが超人級だったり、リニア大惨事でもシートベルトでかすり傷だけの無敵のコナンらは、ツッコミどころですがファンタジーと割り切る方が楽しめます。
見どころは赤井一家の関係性?灰原哀も!
映画『名探偵コナン 緋色の弾丸』の最大の見どころは、赤井秀一が赤井ファミリーとからむ展開です。赤井秀一とFBIは元長官のために動いてます。メアリー世良と世良真純は、MI6の任務でイギリス要人を守ろうとします。羽田秀吉は、偶然?名古屋に来てて、宮本由美とデートです。
世良真純は得意の截拳道(ジークンドーはブルースリーが創設した武道)で沖矢昴と戦うが、同じ截拳道をさらに使いこなす沖矢に驚きます。真純は、沖矢昴が何者かの変装と見抜くが、赤井秀一だとは確信できてないようです。
領域外の妹ことメアリー世良は、MI6エージェントという立場からかFBIとつながりある沖矢昴には顔を見せません。ラスト(エンドロール後でしたっけ?)で沖矢昴の背後から忠告した時、沖矢昴の正体には薄々気づいてそうな雰囲気です。
羽田秀吉は、中盤までずっと宮本由美といちゃついてたのが残念でしたが、逃げた井上治をカーチェイスで追いつめる時の「詰将棋」思考が冴えすぎててかっこよかったですね!赤井ファミリーの頭脳になりそうな存在感。
コナンをサポートする灰原哀も大活躍でかわいかったです。いつも以上に話したし、毛利蘭には恋敵のような嫉妬を見せたり会話も試みてました。「だって子どもだもん」などで綾波レイぽさも感じ萌えましたが、声優が同じ林原めぐみなのでオマージュかも。
ところで、灰原哀と領域外の妹(メアリー)は顔が似すぎてて同族の可能性もあるよう(原作もTV版も未読)ですが、今回は全くからみがなくて残念でした。早くこの2人の共闘が見たいですね!
雑学/トリビアネタですが、赤井秀一の声優はガンダム「赤い彗星のシャア」の池田秀一です。真っ赤な車、沖矢昴(シャアの本名キャスバル)も関連。シャアの妹セイラ・マスが、赤井の妹・世良真純の名前の由来です。シャアのライバルのアムロ・レイの声優・古谷徹は、安室透=降谷零の声優をつとめてます。
オリンピック開催に反対?コナンとFBIの対比も
リニアのエンジニア井上治のプログラムにより、時速1000kmに達したリニアは減速も停止も不可能になります。赤井秀一たちが井上治を捕まえても、自力解決しかなさそうです。
そこで、石岡エリー(浜辺美波)のドジっ子発言や、仮面ヤイバーのヒーローショーでの伏線が回収されます。ゴールで掲げる予定だった万国旗をパラシュートに使い、コナンの巨大サッカーボールでブレーキをかけて減速させクエンツも発生させ伏線回収。
それでもリニアは脱線して、観客避難後?の開催式会場に高速でつっこみ大惨事となります。毎回ながら爆発と大事故が定番となりインフレ化しすぎてるのはよくない傾向ですね。もっとアクション重視で未然にふせぐストーリーを望みます。
あの大脱線は、電車好きの子どもにはトラウマにならないかも心配です。また、コナンや世良が軽症のみなのも、ファンタジーと考えてもさすがに都合がよすぎます。シートベルトしてても、車体や座席が破壊されれば押しつぶされますので。
大惨事後、スポーツ祭典WSGも開催中止でしょうね。現実の2020年東京オリンピックも、感染拡大で1年延期されて中止か縮小開催となりそうなので皮肉です。そもそもスポーツシーンもなかったので、五輪リスペクトは感じませんでした。
ラストで、赤井秀一の超長距離射撃の弾丸が、犯人の急所をはずれた理由を説明されます。コナンが元FBI長官を誘導し、犯人の心臓からそらしたようです。正義のためなら犯人を殺すFBIと、人を殺していい正義なんてないというコナンの思想の違いが対比されてて見事。
『名探偵コナン 緋色の弾丸』私の感想と評価
コナン初心者で、実は赤井ファミリーについては『名探偵コナン 緋色の不在証明』で初めて知った後に少し復習した程度ですが、4人とも魅力あるキャラなので一気に赤井一家ファンになりました。
東京オリンピックにさほど興味ない(原作者や監督もかな?)けど、真空超電導リニアが物語の核になってる点で期待値も大きかったです。ただ、結果的にリニアもWSGも破壊され、赤井秀一の出番も少なく、メインストーリーも雑で残念。
コナン映画は「ミステリーではなくアクション」と言われがちですが、昨年の『紺青の拳』に引き続き「アクションというより破壊」になってた点も残念です。犯人の動機も人生をかけるほど深刻には描写されなかったし。
一方、灰原哀の活躍とかわいさぶり、羽田秀吉の詰将棋カーチェイスのかっこよさ、世良真純がコナンの正体を疑うシーンだけでも本作を観た価値はあると感じます。エンドロール後のオマケ映像から、来年は安室透も登場する「警察学校編」という人気エピソードらしいので、また1年待ち遠しいですね!
私の評価 63/100(60が平均)
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