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『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?怪獣王は?

(興収/評価は随時)
ゴジラ キング・オブ・モンスターズ 映画/ドラマ

モンスターバース3作目。1作目『ゴジラ』の続編だが単独で観ても問題なし。邦画ゴジラシリーズとつながりなし。秘密組織モナークが管理する複数の怪獣が目覚め人類存亡の危機の時、ゴジラも現れるが…。人類の味方は?萌えるシーンも?(ネタバレ感想あらすじ↓)

映画名/邦題ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
日本公開日2019/5/31 [予告] 上映時間:132分
製作国アメリカ
原題/英題Godzilla: King of the Monsters
監督・キャストマイケル・ドハティ(キャスト
映倫区分日本:G(年齢制限なし) USA:PG-13
配給/製作
(画像出典)
東宝/レジェンダリー・ピクチャーズ、ワーナー・ブラザース
日本興行収入28.4億円(年間21位
世界興行収入3.8億USドル [出典]
製作費2.0億USドル
平均評価
平均:100換算
*批評家と一般は単純平均
69私の評価は含まず)
シリーズ
関連作品
ゴジラのモンスターヴァース

登場キャラクター(キャスト/出演者)

ネタバレ感想『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』解説と評価

以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!

監督と渡辺謙やチャンツィイーら出演者

監督のマイケル・ドハティは、自他ともに認めるゴジラオタクでゴジラを「神 God」と呼ぶほどです。今まで『X-MEN2』『X-MEN アポカリプス』の原案や脚本の経験があるようですが、今回は大抜擢です。

秘密機関モナークの芹沢博士を演じる渡辺謙と、その助手役のサリー・ホーキンスは前作『GODZILLA ゴジラ』からの唯一の続投です。ゴジラや核とは切り離せない日本人が1人なのはさみしいけど、存在感は人間では一番でした!

『シェイプ・オブ・ウォーター』やパディントン2作などで名女優のサリー・ホーキンスを差し置いて、中国の人気女優チャン・ツィイーがモナークでの重要人物として登場します。アジア代表というより中国資本の重要性を感じますが。

チャン・ツィイーは双子姉妹を1人2役で演じてます。渡辺謙と行動を共にしてたのが姉チェン博士で、モスラの羽化を見とどけて三代にわたってモナークに所属してると説明したのが妹リン博士です。モスラ過去作での双子の小美人や、髪型は平成ゴジラの超能力少女の三枝未希(さえぐさみき)のオマージュと感じます。

主役はおそらく3人家族を演じた、カイル・チャンドラー、ヴェラ・ファーミガ、ミリー・ボビー・ブラウンになるのでしょうけど日本では知名度低いですよね。しかもこの3人の存在感より、渡辺謙とチャンツィイーが上回ってたと感じます。

声優では、田中圭、木村佳乃、芦田愛菜のタレントが3人家族を演じ、賛より否定派の方が多そうです。ただ、メインは怪獣たちで通常映画よりセリフは少ないためそれほど気にする必要はないかもしれません。私は字幕版なので賛否不明ですが。

ゴジラ映画での位置づけとモンスターバース

本作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は、邦画ゴジラシリーズとは全くつながりないですが、BGMなど音楽や戦い方や造形などに過去作オマージュが豊富なので、ゴジラ映画を多く観てきた人ほど胸熱だと思います。

ハリウッドが今まで巨大怪獣バトルをあまり映画化してないのは不思議ですが、本作はいきなりその頂点に登りつめたような超大作です。もはや越える邦画のVSゴジラは作れないし、過去作すら比較対象にならない気がします。『シンゴジラ』のように路線を変えて成功させた庵野秀明はやはり先見の明がありますね。

本作はハリウッドでの怪獣ユニバースのモンスターバースの3作目で、1作目『GODZILLA ゴジラ』の5年後を描いてますが、つながりは薄いので単独で観ても問題ないでしょう。

時間がある場合や、本作視聴後に興味を持った人はぜひ、1作目ゴジラだけでなく2作目『キングコング 髑髏島の巨神』もエンドロール後までしっかり観てください。きっともう1回キングオブモンスターズを観たくなりますよ!

最大の見どころは怪獣バトル?

タイトルと予告編から感じられるとおり、本作の最大の見どころは怪獣プロレスです。こんな大迫力の映画は過去に観たことないので、IMAXレーザーGT 3Dで観たという優位性も加味すると、個人的には映像迫力では今のところ歴代首位です。

もちろんゴジラ映画の中でも間違いなく他の追随をゆるさないでしょう。平成ゴジラ以前は「当時としてはがんばった」というほめ言葉以外には思いつきませんが、本作はそんな着ぐるみや特撮時代への愛を示してるのも感動的です。

4頭の怪獣が戦うけど、バトルロイヤルのような混戦になることはあまりなく、それぞれの怪獣の得意攻撃や特性などをうまく見せてくれます。怪獣へのリスペクトだけでなくバトルの交通整理もしっかりでてきる点が好印象です。

特に、ゴジラvsキングギドラ、モスラvsラドン、のタッグマッチ戦は大興奮。ゴジラはモナークの助けを借りないと敗北してたのでギドラの方が強いそうですが、ラストで核をまとったバーニングゴジラ?は超サイヤ人的で最強です。

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ 映画/ドラマ

ゴジラは王か神か?人類の味方なのか?

ゴジラは作品によって「核兵器や大地震のような大災害」や「人類の敵を倒す救世主」など描き方が違っています。本作『ゴジラ キングオブモンスターズ』では、人類を滅ぼしかねないキングギドラ勢と対立し人類の味方的な立ち位置です。

ゴジラが歩いた後に緑が芽生えた表現でわかるように「地球という生命体の守護神」だと判明します。だから宇宙からの侵略者であるギドラを倒す使命を果たしたのです。結果的に人類の救世主になっただけです。

ゴジラは「地球の神 GOD」的存在であり「人類は地球の敵」だと判断すると、人類抹殺のために動くでしょう。ラストでギドラを倒した後、ラドン他の怪獣たちはひれ伏して「王 キング」の称号を得て「キングゴジラ」が誕生します。

キングギドラが王の時は十字架の先の赤い火山に立ち、キリスト教的な神々しさを見せつけました。逆にキングゴジラは平地で青く威厳を見せ、仏教的な悟りを開いたブッダに動物が集まったように、怪獣達が自然とひれ伏す姿が美しすぎます。

戦う怪獣一覧!全世界の巨大生物の総数も判明?

主に戦う怪獣は、ゴジラ、キングギドラ、ラドン、モスラです。特務機関モナークが把握している全世界の巨大生物の総数は17体と明かされます。『キングコング髑髏島の巨神』のコングやスカルクローラーも含まれています。

ゴジラは前作でムートーとの戦いに力尽きるが、なんとか海へ去りました。今回はモナーク基地に挨拶にきた後、地球の脅威であるラドン、キングギドラを撃退に向かいます。オキシジェン・デストロイヤーで仮死状態になるが、芹沢博士の自己犠牲で水爆をあびて復活します。

南極では怪獣「モンスター・ゼロ」(怪獣大戦争のオマージュ)をエマが目覚めさせます。後にチェン博士が太古の文献からギドラと名づけ、宇宙から飛来して地球の怪獣を従える偽りの王となったことから「キングギドラ」と呼ばれます。

キングギドラは3つの首と2つの尾を持ち、巨大な翼で飛ぶとハリケーンが発生します。電気を蓄え、引力光線で攻撃します。首はそれぞれ性格が違い、真ん中がリーダー格です。首がゴジラに喰われた後、同じ場所から再生しました。

本作でキングギドラが登場するのはポスター等でもわかってたけど、その異様さ神々しさ美しさは、実際に大画面で観ないと伝えきれないほどです。こんな巨大な龍が空から電気や引力光線を出しながら降臨したら絶望感しかないです。

ラドンはメキシコの火山島イスラ・デ・マーラで炎の悪魔と呼ばれマグマでも生きられる翼竜で、モナークに管理されてたが目覚めてギドラの配下となります。光線技はないが、高速飛行によるソニックブームは街を壊滅させるほど強力です。

モスラは中国でモナークが管理して孵化させたが、エマが計画的に持ち出して成虫に羽化させます。口からの頑丈な糸は攻守に使え、前足で攻撃もできます。ラドンと一騎打ちし敗北直前に、尾針でラドンの背中を刺して勝利するが力尽きます。

ゴジラが絶体絶命の時、怪獣の女王モスラはギドラに決死の特攻をかけ、最後は引力光線で消滅し、リン粉が降り注いでゴジラの力になります。太古の昔、ゴジラとは共生関係にあったようですが、この健気な行動には胸を打たれました。

モスラのかわいさが見どころの1つであることは間違いなく、萌えた人、応援した人、泣いた人、恋した人は多いでしょう。ただ、小美人的な双子姉妹やモスラと触れたマディソンとの絆を、もっとしっかり描いてほしかったなとは思います。

モナークと芹沢博士・エマの目指す構想の違いとは?

巨大生物を管理する特務機関モナークは、リーダーの芹沢博士の思想である「人類と怪獣との共存」を目指しています。芹沢博士は被爆者2世だからか、核から生まれたゴジラには人一番執着して、ゴジラが人類の味方であると信じています。

ゴジラはオキシジェン・デストロイヤーで瀕死となり、海底のアトランティスのような超古代文明遺跡で地球の核からエネルギーを得ながら療養します。ゴジラを即復活させるため、芹沢博士は自己犠牲の水爆で目覚めさせます。

その前に芹沢博士が、ゴジラの顔にさわる姿は「ゴジラに触れた唯一の人間」としてのリスペクトを感じます。被爆2世の芹沢博士が持ってた「8時15分で止まった懐中時計」は、父親が広島で原爆を受けた時間に止まったことを表しています。

エマはモスラのふ化後、アラン率いる部隊にモスラごと拉致されたと見せかけて、実はアランと通じていました。エマの思想は「怪獣を目覚めさせ、地球の害である人類を排除し、選ばれた少数の人類と怪獣を共存させる」ことです。

この発想はマーベル映画MCUのある映画(ネタバレなので作品名は内緒)とほぼ同じと感じました。ただ、マーベルでは宇宙の維持のためには愛する者さえ失う覚悟があったのに対し、本作では娘や自分は助かろうとするのが残念です。

最近のエコロジストや環境保全をうったえる映画ではよく聞く思想なので新しさもありません。そして最もエマを許せなくて信用できないのは、モナークの仲間を皆殺しにしたり、銃撃される現場に娘を連れて行ったりする「心のなさ」です。

エンドロール中と前後の最高リスペクトに感動!

大興奮で本編が終わった後、新聞記事で次々と大決戦後の世界が描かれます。ゴジラと従う巨大生物たちは神格化していきます。そしてエンドロールでは、ゴジラ、キングギドラ、ラドン、モスラの俳優に「himself(本人)」と表示されます。

これは特撮時代の怪獣アクターに敬意を表すると共に、今回は中の人はいないので「怪獣たちは本物」だと表しています。さらにスタッフロール中の音楽BGMは「ゴジラのテーマ、モスラの歌、ゴジラ音頭?」などで、旧ファンは涙モノでしょう。

その音楽にたずさわった伊福部昭氏と古関裕而氏の名前もありました。エンドロール後には、ゴジラアクターとして着ぐるみの中で戦った中島春雄氏の名前と写真や、前作に関わった坂野義光氏の名前もあり、日本人として誇らしいです。

長いエンドロール後には、地元漁師たちが見つけたという「キングギドラの生首」が、アラン大佐の部隊に引き渡されます。続編では、遺伝子操作で強力にしての復活や「メカ・キングギドラ」が誕生する可能性もありそうです。

『ゴジラ キングオブモンスターズ』総括と続編

ゴジラ、キングギドラ、ラドン、モスラの4体の巨大怪獣が大暴れして、本気の怪獣プロレスで覇権を争うだけでも大興奮なのに、数ある過去作オマージュや音楽で日本人だけアガるポイントも満載です。かっこいい演出と美しさも見事です。

一方で人間ドラマのパートでは、敵として動機づけの弱いエマ、無理やりで空虚な家族ドラマ、無意味に多すぎてキャラかぶってるモナーク要員、渡辺謙やサリーホーキンスを次回続投させないように死なせたと感じることなど不満点だらけです。

しかし「怪獣こそが主役」なので、狂言回しの人間ドラマで感動したくないという気持ちも強いです。怪獣映画オタクのマイケル・ドハティ監督も同じような考え方と感じます。モスラやラドンの動物的なかわいさを強調する手腕も見事です。

映像面での迫力と大音響の咆哮などはインフレを起こしてて、しばらくこれを上回る映画は思いつかないほどなので、ぜひ映画館の大スクリーンで没頭してほしい作品です。できればIMAX 3Dがオススメ。家でのTV鑑賞では魅力が半減しそうです。

続編でモンスターバース4作目ゴジラvsコング』は感染拡大で公開延期されましたが、小栗旬も出演予定なので楽しみです。マディソン役のミリー・ボビー・ブラウンも続投なのでモスラ復活も期待したいですね!

私の評価 85/100(60が平均)

シリーズやジャンル⇒ゴジラのモンスターヴァース

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2024新作82、2023年225本鑑賞。好み⇒謎/驚き/社会性/感情動かす/多幸感/演出・ストーリー重視/本格ミステリ/SFファンタジ/ホラー/アニメ/MCU
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