『ゴジラvsコング』ネタバレ感想考察/結末は?共通の敵の正体は?小栗旬は活躍?
モンスターバース4作目。再びゴジラが人類の研究施設を襲うが、マディソンは何か理由があると感じ調査開始。一方、髑髏島のコングを地下空洞世界へ連れ出す計画も進行し…。なぜ戦う?APEX社の陰謀とは?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | ゴジラvsコング |
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日本公開日 | 2021/7/2 [予告] 上映時間:114分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | Godzilla vs. Kong |
監督・キャスト | アダム・ウィンガード[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:PG-13 |
配給/製作 (画像出典) | 東宝/レジェンダリーピクチャーズ、ワーナーブラザース |
日本興行収入 | 19.0億円(年間18位) |
世界興行収入 | 4.7億USドル [出典] |
製作費 | 2.0億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | 68(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ゴジラのモンスターヴァース |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- エイペックス社の秘密兵器: 詳細は後述
- コング: 髑髏島(スカル・アイランド)のキング
- ゴジラ: 地上のモンスターのキング
- マディソン・ラッセル(ミリー・ボビー・ブラウン。芦田愛菜)前作の科学者夫婦の娘。自分を救ったゴジラを信頼
- ジア(ケイリー・ホトル)髑髏島の先住民イーウィス族の少女。耳に障害をかかえる。コングと通じあえる
- バーニー・ヘイズ(ブライアン・タイリー・ヘンリー。尾上松也)エイペックス社の技術者。陰謀論のPodCast配信者
- ネイサン・リンド(アレクサンダー・スカルスガルド。津田健次郎)元モナークの地中地図製作者。地下空洞世界へ
- アイリーン・アンドリューズ(レベッカ・ホール。坂本真綾)モナークの人類言語学者。髑髏島でコングを研究
- ジョシュ・ヴァレンタイン(ジュリアン・デニソン。田中裕二@爆笑問題)マディソンの友人。ITにくわしい
- ウォルター・シモンズ(デミアン・ビチル。山路和弘)ハイテク企業エイペックス社CEO。モナークと協力関係
- マイア・シモンズ(エイザ・ゴンザレス。田中みな実)ウォルターの娘。エイペックス社の重役。ネイサンらと地下世界へ
- 芹沢蓮/レン・セリザワ(小栗旬)前作のモナーク・芹沢猪四郎の息子。エイペックス社で次世代技術改革を担う
- マーク・ラッセル(カイル・チャンドラー。田中圭)モナークの上役で生物学者。マディソンの父親
ネタバレ感想『ゴジラvsコング』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
関連作未見でもOK?監督とキャスト
本作の続編は『ゴジラxコング 新たなる帝国』
映画『ゴジラvsコング』は、『モンスターバース』4作目で『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(KoM)の続編です。過去作未見の人にも問題なくすすめられます。KoMだけ配信等で観てからの方がおすすめですが。
監督のアダム・ウィンガードは『サプライズ』『ブレア・ウィッチ』(20年後の続編版)『Death Note/デスノート』等、サスペンス・スリラー映画の監督経験が豊富です。ただし手がけた作品を観るとやや不安もあります。
アレクサンダー・スカルスガルドは『バトルシップ』『ターザン Reborn』等に出演。ミリー・ボビー・ブラウンは前作から続投。Netflixドラマ『スレレンジャーシングス』で一躍有名に。
日本人俳優としては小栗旬が、前作で渡辺謙が演じたセリザワ博士の息子役として登場。最近は『罪の声』『新解釈・三國志』『キャラクター』等に出演。
エイペックス社の目的とは?序盤あらすじ
数年ぶりに深海からゴジラが襲来し、フロリダのAPEX/エイペックス社の施設を中心に破壊。そこに従業員として潜入してたバーニー・ヘイズは、会社が隠す情報を入手。彼は陰謀論ポッドキャスト「タイタン=大怪獣の真実」の配信者です。
前作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』でゴジラに救われた少女マディソン(ミリー・ボビー・ブラウン)は、そのネット放送を聴き、ゴジラ襲来には理由があると確信。友人ジョシュと共にエイペックス社を調査開始。
一方、髑髏島(スカルアイランド)のコングは『キングコング 髑髏島の巨神』の頃より成長して島が狭くなってます。モナークは、ゴジラが手出しできないようという名目で、コングを地下空洞世界への案内人として移送する計画を実行。
序盤のあらすじは以上です。冒頭でゴジラが再び人類を襲い、その迫力とおそろしさに圧倒されます。モンスターパニック映画のアバンタイトル(プロローグ)としては申し分ないスタートです。少女マディソンが父マークに会う流れもスムーズ。
エイペックス社がモナークに地下空洞世界への同行を持ちかける理由は地下エネルギー源を得るためです。ゴジラを倒すために資源が必要だそうで人類が神のような頂点に立つための兵器開発が真意だと思います。
今回もマディソン役のミリー・ボビー・ブラウンの冒険が視聴者を誘導してくれます。ジョシュはもっとオタクキャラにしないと魅力を感じなくて不要だったかも。バーニーもいるし。コング側は、少女ジアの目線で進行します。
地下空洞世界とは?地下文明は?
過去作から提唱されている地下空洞世界とは、地球の内部に広がる広大な世界のことで、我々の立つ地表の裏側が地下世界の地表にもなってます。地球の核/コアやエネルギー源が太陽のような役割を果たしてるので、怪獣・モンスターなど巨大生物が生息できてます。
髑髏島は地下空洞世界がはい上がってできたので、巨大生物が存在するのだと説明されます。ゴジラは水爆実験の影響で表に出てきたと推測されます。ゴジラとコングの種は、太古の昔からライバル関係でキングの座をかけて戦ったようです。
現在の地下世界への入口は南極にあり、故郷や家族を求めてコングは下りていきます。地球規模の落とし穴なので、さすがにコングの大きさでも落下死か重傷を負いそうですが傷一つなしですか。核側にも地面があり、核と殻の中間で重力が反転する不思議な世界です。存在するなら行ってみたいですね。
今は文明はないようですが、コングの石像、手形の扉、ゴジラの背びれ製の大斧、玉座、斧をはめると動作する仕掛け等、明らかに謎の文明跡が残されてます。コングの先祖はもっと高IQだったのでしょうか。個人的には、これらの演出は不要だったと感じます。
地下空洞世界には、襲ってきた翼竜ぽい生物、地中からの大蜘蛛、それを食べる大トカゲ、大コウモリなど巨大生物が生息してます。しかし食物連鎖が成立するには、植物や生物が少ないように感じました。夢のような世界で好きですが。
ゴジラ襲来の理由?小栗旬は活躍?近未来映像化?
マディソンとジョシュは、陰謀論者バーニーと合流し、ゴジラに破壊されたエイペックス社を調べます。地下33階のシャトル内には、スカルクローラーの卵が積まれてて、真空チューブ輸送(リニア)で香港まで高速移動。実際にも計画されているハイパーループ構想の映像化です。
ネイサン達が地下空洞世界へ入る時の「反重力シャトルHEAV/ヒーブ」も近未来技術の映像化です。地下世界で重力が反転しても対応できる乗り物です。そしてエイペックス社の秘密兵器は、対ゴジラ決戦兵器メカゴジラです。
ゴジラがエイペックス社を襲撃した理由は、このメカゴジラを破壊するためでした。地球の環境に悪影響を与えるから排除したかったのか、強い相手を倒したかっただけなのかは不明です。前作から判断すると、強い敵を排除したかったのかも。
メカゴジラは動力不足で地下資源がないと未完成。エイペックスCEOウォルターの娘マイアが、ネイサンらを裏切って地下資源を入手。成分を分析して即座に香港基地内で生成できたのは、超技術すぎて世界中の電力事情がひっくり返るレベル。
冒頭でバーニーが見つけたのは、メカゴジラの目玉だったのですね。『前作ラスト』で登場したキングギドラの頭/頭蓋骨は、1つはメカゴジラの頭に組み込まれ、もう1つは操縦室となりテレパシー通信で遠隔操作します。
そこに座る芹沢蓮(小栗旬)が白目むいて操縦する様子は滑稽。小栗旬はそのシーンの前にも2,3度登場しますが、いなくても成立する役割で、前作の渡辺謙と比べると存在感なくて残念です。終盤にはキングギドラのDNAに操縦権も奪われ…
ゴジラとコングの勝者は?戦闘ダイジェスト
タイトルが『ゴジラvsコング』なので、その勝負の行方は気になります。主に3ラウンドを戦います。1回戦目の洋上バトルでは、得意の海中戦に持ち込んだゴジラが勝利。空母の上での殴り合いは画期的ですが、空母の頑丈さにも驚き。
コングはアメリカ代表らしくヘビー級ボクサーのようなパンチをくり出し、ゴジラは日本代表らしく相撲の張り手で応戦。コングのカウンターパンチはきいたけど、海では呼吸が続かないので敗北。最後はコングの死んだふりと、艦隊停止で勝利を確信したゴジラが引き返します。
2回戦の香港決戦は、大斧でゴジラの放射熱線を防御しながら飛びかかったコングが勝利。地上から地下世界へ貫通するほどの放射熱線すら防御できる斧はややチートアイテムですが。殴りあい、投げあい、放射熱線とそれを避けながらの攻防。
ゴジラは飛び道具(放射熱線)があるので離れると有利だが、接近戦では手や武器を使えるコングがやや有利。ゴジラが起きての3回戦は、重量と噛み技と投げ技を多用し、最後は左肩関節がはずれて片手になったコングを踏みつけて咆哮で威嚇したゴジラが完全勝利。
そこで暴走メカゴジラが参戦し、ゴジラは敗北。怪獣ロボットというよりエヴァンゲリオンに近い自由度のメカゴジラは、パワー、スピード、レーザー光線の威力ともゴジラを上回るのでゴジラに勝ち目はないのかも。
メカゴジラがゴジラの口に光線を撃とうとしたのは、1作目『GODZILLAゴジラ』でゴジラが宿敵ムートーにトドメをさした攻撃を模倣したのでしょう。電気ショックで復活したコングが、間一髪でゴジラを救い参戦。ラスベガスを1週間まかなえる電力のヒーブの伏線回収。
コングは手と大斧を使ってメカゴジラを追いつめ、両手をもぎとり、結末はゴジラの放射熱線を吸収した大斧でトドメ。『アベンジャーズ』のアイアンマンとキャプテンアメリカの協力技のオマージュでしょうか。2頭でメカゴジラを投げた攻撃もありました。
最後にメカゴジラの攻撃が止まったのは、ジョシュが酒でショートさせたからです。バーニーがホルスターに入れてる「妻の形見のバーボン」が、まさかここで伏線回収されるとは。
ラストでゴジラと対峙したコングが斧を落とすが、服従というより平和を望んだのでしょう。日米を代表するモンスター対決のラストとしては、アメリカ側が妥協した結果に思えますが「戦争を終わらせた側」と見るといい結末です。
ゴジラとコングの違い?アクションは前作超え?
上記のとおり、今回の『ゴジラvsコング』の勝者はゴジラです。前作までにムートー、キングギドラを倒してきた経験もいかされたのかも。しかしメカゴジラに対してはコングの方が有利だったので、怪獣どおしの相性もありそうです。
ゴジラが人類にとって災厄なのに対し、コングは手話でコミュニケーション可能な人類の友達的な位置づけなので対照的です。前作で人類はゴジラを応援したけど、再び二大巨頭が戦う時はおそらくコング側を応援するのでしょう。
ゴジラとコングの戦闘アクションは重量も感じられて大迫力なので、多くの人に映画館の大スクリーンで観てほしいです。メカゴジラも想像以上にすばやくて、初戦と思えないほど戦闘巧者だったので、良い意味で期待を裏切られて大好き。
ただし、戦闘回数、怪獣/モンスターの種類や数、飛行型などバトルのバリエーション等、アクション全般では前作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の方が好み。女王モスラの奮戦に涙し、ラドンのゴマスリに笑ったのも上乗せで。
映画『ゴジラvsコング』私の感想と評価と続編
日本のアイコン的怪獣「ゴジラ」と、アメリカのハリウッド映画が生んだモンスター「キングコング」が対決するってだけで数年前からワクワクしてましたが、やっとスクリーンで観ることができて感激。しかも想像以上に大激闘!
メカゴジラの登場は、前作ラストから予想できたけど、強さとスピード感は予想を上回っててかなり満足です。ただ、前作でキング・ゴジラにひれ伏したラドンや他のモンスターのその後が不明なままなのは不満点です。
モスラの登場については、勝手に期待してただけなので仕方ないけど、ラドンは見たかったですね。小栗旬がちょい役だったのは残念。亡き芹沢博士の偉業についても一言二言ほしかったです。チャン・ツィイー再登場も期待してたのに。
人間ドラマは期待してなかったとはいえ、ミリー・ボビー・ブラウンと少女ジアに頼りすぎと感じました。それでもメインの「ゴジラvsコングvsメカゴジラ」の戦闘アクションには大興奮したので、ぜひ映画館で観てほしい作品です!
私の評価 70/100(60が平均)
シリーズやジャンル⇒ゴジラのモンスターヴァース