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DC映画『シャザム!』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?キャプテンマーベルと関係あり?

(興収/評価は随時)
シャザム! 映画/ドラマ

DCEユニバース(DCEU)の新ヒーロー誕生物語。里親を転々とするビリーは、魔術師シャザムから筋肉マッチョな大人の体とスーパー能力を与えられ困惑。一方、父に認められず力を求めた男は…。ラストで数回驚き!芋虫や金魚の意味は?(ネタバレ感想あらすじ↓)

映画名/邦題シャザム!
日本公開日2019/4/19 [予告] 上映時間:132分
製作国アメリカ
原題/英題Shazam!
監督・キャストデヴィッド・F・サンドバーグ(キャスト
配給/製作
(画像出典)
ワーナー・ブラザース/ニュー・ライン・シネマ、DCエンターテインメント、マッド・ゴースト・プロダクションズ、ザ・サフラン・カンパニー
日本興行収入7.2億円(興行収入ランキング
世界興行収入3.6億USドル [出典]
製作費1.0億USドル
平均評価
平均:100換算
*批評家と一般は単純平均
75私の評価は含まず)
シリーズ
関連作品
DCU/DCユニバース一覧

登場キャラクター(キャスト/出演者)

ネタバレ感想『シャザム!』解説と評価

以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!

単独作としての面白さかDCユニバースか?

世界的な映画シリーズとしてはマーベルMCUの一人勝ちで、同じアメコミ勢だが後発のDCエクステンデッドユニバース(DCEU)も興行収入の不振で存続が危ぶまれています。

そんな中『アクアマン』の大ヒットと高評価で復活の兆しが見えてきて、『シャザム!』も成功しそうな勢いです。「ダーク・シリアス路線」から「コメディ路線」に切り替えたのが歓迎されてるように感じます。

また、ユニバースとしてのつながりにこだわらず「単独作品としての面白さ」を追求してる点も評価できます。別のシリーズ映画ですが『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』は、ダークユニバース構想を前面に出しすぎて、トムクルーズ主演にもかかわらず単独作として大失敗に終わりユニバースも凍結しました。

DCユニバースも凍結ぎりぎりのラインにいますが、とりあえずは単独作品としてヒットを繰り返すことが重要だと判断したようで、視聴者としてもその方が歓迎できます。そして結果的にユニバースが完成していくのが理想ですね。

『シャザム!』のDCエクステンデッドユニバース(DCEU)での立ち位置は、マーベルMCUでのコメディヒーロー『アントマン』に近いと感じます。

監督やキャストや日本語吹替えについて!

監督のデヴィッド・F・サンドバーグは『ライト/オフ』というワンシチュエーションホラー映画で注目され、『アナベル 死霊人形の誕生』も監督しています。『シャザム!』でもドクター・シヴァナ周辺でホラー経験が発揮されています。

ヴィラン(悪役)ドクター・シヴァナを演じたマーク・ストロングは『キングスマン ゴールデン・サークル』のマーリン等、出演すると目立つ俳優で、本作でも最も有名なキャストです。逆に彼以外は個人的に知らない俳優ばかりです。

変身後のシャザムを演じたザッカリー・リーヴァイは『マイティ・ソー バトルロイヤル』のファンドラル役でした。ビリー役のアッシャー・エンジェルは、まだまだ日本では知られていませんね。

フレディ役のジャック・ディラン・グレイザーは『IT イット それが見えたら、終わり。』のルーザーズクラブのぜんそくのエディ役が一番有名でしょうか。魔術師シャザムのジャイモン・フンスーは因縁作『キャプテン・マーベル』のコラスも演じてます。

日本語吹き替え版は『銀魂』監督でおなじみの福田雄一が監修して、大人シャザムの声優は俳優の菅田将暉です。かなり難しい役なのでプロ声優の方が良かったとは思います。ただ最初は違和感あるけど致命的に悪いとは感じなかったです。佐藤二朗の声はたぶんあのチョイ役だけど、ハマってましたね。

テーマは「家族」「超能力で何する?」「罪を憎んで人を憎まず」

主人公ビリーは幼い頃に母とはぐれてからもずっと探し続けて、見つけて会うと、若くて育児に自信のなかった母親に捨てられてたことがわかり失望します。しかし新しい里親と、似た境遇の子どもたちに出会えて「家族体験」を取り戻します。

一方でドクター・サデウス・シヴァナは、幼い頃に優秀な父と兄から「ダメ」と言われ続け劣等感のかたまりとなり、心の闇ゆえに魔法の目を得て、七つの大罪のモンスターも従えます。父と兄も殺害し、ビリーとは対照的なヴィランとなります。

ビリーもシヴァナも「子ども時代の家族体験は悪く」親の愛情を知らずに育ちますが、その後の出会いに「愛情」があった者となかった者とで人生が変わります。スーパーパワーを得たあと、善に使う者と悪に使う者がわかれるように。

ビリーは魔術師シャザムから突然スーパーパワーを与えられるが「何ができるのかわからない」ため、スーパーヒーローオタクのフレディの実験メニューで試行錯誤します。ここまで多種な実験したヒーロー像は初めて見たので楽しいです。

シヴァナは長年の劣等感とうらみが積み重なって父も兄も社会すらも憎みます。一方でビリーは母親に捨てられたと知っても憎むことはせず、ラストでもシヴァナを救って生かします。この「罪を憎んで人を憎まず」の精神は、ラストでいじめっ子を観覧車から救ったフレディにも見られました。

シャザム! 映画/ドラマ

別名キャプテンマーベル?シャザムの意味は?

1940年代にアメリカで、アメコミ『キャプテン・マーベル』『マーベル・ファミリー』として出版されました。しかし能力や衣装等がDCコミックスのスーパーマンに似てて盗作と訴えられ廃刊となり、1970年代にDCコミックスが版権取得します。

マーベル・コミックが「マーベル」を社名などで商標登録したため「キャプテン・マーベル」の表記は使えなくなります。そこでDCコミックスは、スーパーパワーの能力の由来(下記)である『SHAZAM(シャザム!)』に改名しました。

ちなみに原作では、メアリーはビリーの妹で「メアリー・マーベル」に変身します。フレディは原作でもビリーの親友で「キャプテン・マーベル・ジュニア(Jr.)」に変身します。ビリーは「キャプテン・マーベル」です

本作中でもヒーロー名が決められず、フレディとビリーがいろんな名前を名乗ったり提案したりを繰り返しますが、それは「キャプテン・マーベル」から「シャザム!」への改名をいじってるのだと思います。

そんな紆余曲折あった『シャザム!』がマーベル映画『キャプテン・マーベル』の約1ヶ月後に公開されたのは偶然でしょうけど、面白い因縁を感じてしまいますね。

シャザム!の設定の謎やツッコミどころ

魔術師シャザムは、ファミリーとともに七つの大罪のモンスターを永遠の岩に封印して、ファミリーがいなくなった後も1人で封印を守り続けています。しかし寿命なのか「魔力」が弱くなってきたので「清い心の後継者」を探します。

しかし「求める基準が厳しすぎて」サデウス・シヴァナから計算しても約40年間、後継者を見つけられません。それなのにシヴァナに魔物を解き放たれた後、あっさりとビリーを後継者として選びます。その選定条件には違和感しかありません。

また、魔術師シャザムが永遠の岩へ呼んだ人の記憶を消去しないのも、無責任でリスク管理があますぎると感じます。シヴァナや七つの大罪の魔物が、魔術師を殺害しないで放置した理由もよくわかりませんでした。

魔術師から能力を継承したビリーは、ダサいスーツの筋肉ムッキムキマッチョの大人になりますが、その顔はビリーに全く似てないので、誰が継承しても同じ顔になったのか疑問です。明らかに「ビリーが成長した大人」ではないのですが。

ラストでのネタバレになりますが、施設の仲間たちもヒーローに変身します。大学進学前のメアリーまでもが別人に変身したのは驚きですが、他の子も性別と白人黒人アジア人などの人種だけは継承されてるようですね。

あと、七つの大罪の魔物は、それぞれの大罪をモチーフにした攻撃方法やキャラ設定があるのかと思いきや、単なる七体の魔物だったことが残念すぎます。特に日本人のサブカル好きには『七つの大罪』やハガレンで浸透してますからね。

DCの課題はヴィランの魅力と戦闘アクション?

『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』『ジャスティス・リーグ』と比べると、『シャザム!』と『アクアマン』はヴィランにも魅力を感じられるようになりました。

それでもマーベル映画のサノスなどと比べると、まだまだヴィラン(悪役)の魅力は足りません。DCには『ダークナイト』のジョーカーという素晴らしいヴィランがいますが、そのリブート作『ジョーカー(仮題)』まで待つしかないのでしょうか。

ドクター・シヴァナに疑問を感じたのは、シャザムの力を得るために、子どもを何人も人質にとったことです。人質とるとしてもフレディだけでよくないですか。あまりに幼稚なので、シヴァナも子どもでしたというオチを予想したほどです。

あと、戦闘アクションのつまらなさも全く改善されません。『アクアマン』は少しましになったけど、『シャザム!』はあいかわらずただの殴り合いや投げ飛ばしが繰り返されるだけで、もっとロジカルな戦闘を見たいです。それと笑いをとるためとはいえ破壊しすぎです。

ラストの倒し方で「七つの大罪の魔物が全て体から抜け出せば、シヴァナは無敵でなくなる」というのは良い設定だと思ったのですが、あまり生かされなくて残念です。ちなみにメアリーが弱点を知ってた理由はどこかで語られましたか?

DCヒーローのオマージュや七つの王国とは?

他のDCヒーローとのからみはないけど、同じ世界に存在するという証拠はいくつか出てきます。スーパーヒーローオタクのフレディがコレクションしてる「スーパーマンが撃ち落とした弾丸」や「バットラング(コウモリ型ブーメラン)」等です。

バットラングは、ドクター・シヴァナの弱点をつくための武器としても使われました。他にも新聞記事やおもちゃが登場したり、フレディからオマージュのセリフを聞けます。ラストのアノ人については下記にて。

七つの王国」という単語が出てきた時、最初は『アクアマン』のネタバレ考察で書いた内容を思い出したけど、あれは「7つの海底王国」だった気がするので別物なのでしょうね。続編で明かされるかもしれません。

ラストのアレとエンドクレジット前後のオマケ映像

ラストシーンで学校生徒とフレディの前に、シャザムが現れますが、その横には「S」マークのスーツを着たアノ人もいます。顔ははっきり出ませんが『マン・オブ・スティール』のスーパーマンでしょうか。

エンドクレジットの途中では、刑務所内のサデウス・シヴァナの前に、永遠の岩にいたしゃべる芋虫(イモムシ型のミスターマインドと思われる)が現れ、七つの国とかヴィラン連合ぽいことを語りかけます。

エンドロール後、フレディのスーパーパワーテストで「金魚と話せる能力」があるか実験します。結局そんな能力はありませんが、続編で『アクアマン』が登場して金魚と話すのかもしれません。

『シャザム!』総括と続編とDCEUについて

崖っぷちのDCエクステンデッドユニバース(DCEU)ですが、ダーク路線からコメディ路線へ切り替えるようなので、その先鋒を行くような『シャザム!』は救世主になりえますね。アメリカでも高評価ですし。

個人的にはDCでは未だ『ダークナイト』が一番好きなので、マーベルの『デッドプール』のようにR指定にしてでもダーク路線をつらぬいてほしかったです。あとストーリーの薄さも物足りなかったです。

それでも『シャザム!』のコメディっぷりや、こどもが大人になったらあるある(酒飲んだり、ストリップ行ったり、電気能力でスマホ充電したり?)は面白いし、ファミリームービーとして人にもおすすめしやすいです。

これだけ評判が良いと続編はほぼ確定でしょうし『ジャスティスリーグ』の続編でもシャザムが見れそうで楽しみです。スーパーマンと組めば敵なしで、さらに強いヴィランが登場するとバットマンの存在意義が心配になりますが。

私の評価 64/100(60が平均)

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2024新作82、2023年225本鑑賞。好み⇒謎/驚き/社会性/感情動かす/多幸感/演出・ストーリー重視/本格ミステリ/SFファンタジ/ホラー/アニメ/MCU
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