『ソー ラブ&サンダー』感想ネタバレ解説考察/結末は?敵の目的は?ジェーンの正体は?
MCU29作目。マイティソー4。サノス戦後、戦いをさけるソーの前に最悪の敵が。アスガルド王ヴァルキリーや元恋人ジェーンと共に敵に立ち向かうソーだが…。敵の正体は?ジェーンはなぜ…?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | ソー ラブ&サンダー |
---|---|
日本公開日 | 2022/7/8 [予告] 上映時間:119分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | Thor: Love and Thunder |
監督・キャスト | タイカ・ワイティティ[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:PG-13 |
配給/製作 (画像出典) | ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ/Marvel Studios |
日本興行収入 | 13.5億円 (年間29位) |
世界興行収入 | 7.6億USドル [出典] |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.15更新) 69(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | マーベル/MCU一覧 前作『マイティ・ソー バトルロイヤル』11.5億 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- ジェーン・フォスター(ナタリー・ポートマン。坂本真綾)天体物理学者。ソーの元恋人
- ソー(クリス・ヘムズワース。三宅健太)元アスガルド王。最強の雷神。アベンジャーズのメンバー
- ヴァルキリー(テッサ・トンプソン。沢城みゆき)新アスガルド王。アスガルドの女戦士ヴァルキリーの最後の1人
- ゼウス(ラッセル・クロウ。千葉繁)ギリシア神話の全能神。稲妻の神で武器サンダーボルトを持つ
- ゴア(クリスチャン・ベール。子安武人)謎の神殺し
- コーグ(タイカ・ワイティティ。金谷ヒデユキ)全身が岩で構成されたクロナン人。ソーの友人
- ピーター・クイル/自称スター・ロード(クリス・プラット。山寺宏一)幼少期に地球から宇宙へ誘拐され成長。GoGリーダー
- ドラックス(デイヴ・バウティスタ。楠見尚己)ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの巨漢
- グルート(声:ヴィン・ディーゼル。遠藤憲一)ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの樹木型ヒューマノイド
- ロケット(声:ブラッドリー・クーパー。加藤浩次)ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの賞金稼ぎのアライグマ
- ネビュラ(カレン・ギラン。森夏姫)サノスの義理娘で父にサイボーグ化された。ガモーラの義妹
- マンティス(ポム・クレメンティエフ。秋元才加)ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの一員。ふれた人の心をよめる
ネタバレ感想『ソー ラブ&サンダー』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
29作目?ソー4はどれの続編?監督やキャスト
MCU(マーベル映画)29作目。マイティソー4作目。『マイティソー3 バトルロイヤル』の続編だが、実質的には『アベンジャーズ エンドゲーム』の続編的な位置づけ。
タイカ・ワイティティ監督は、前作『マイティソー バトルロイヤル』『ジョジョラビット』を監督したり、俳優としてMCUのコーグ役や、『バズライトイヤー』では声優も演じました。
主演のクリス・ヘムズワースは、MCUでのソー以外も『メン・イン・ブラック インターナショナル』や、ネットフリックス『タイラーレイク』『スパイダーヘッド』等にも出演。
ナタリー・ポートマンは『レオン』で映画デビュー後、スターウォーズシリーズでアミダラを演じ、ソー過去作では恋人役に。テッサ・トンプソンはロッキー続編『クリード』にも出演し、『メン・イン・ブラック』ではクリスと共演。
カメオ出演として劇中の寸劇内で、恒例のマット・デイモンがロキ役、サム・ニールがオーディン役、メリッサ・マッカーシーがヘラ役で登場。ソーを務めたのはクリス・ヘムズワースの3人兄弟の長男ルーク・ヘムズワースです。
そして、ゴアの娘ラブを演じたのは、ソー役クリス・ヘムズワースの実の娘インディア・ローズ・ヘムズワース。他の子ども達にも、ナタリー・ポートマン、クリスチャン・ベール、タイカ・ワイティティ監督の実子達が混じってたそうです。
宇宙へ旅立った理由は?ゴアの地球での目的は?
『エンドゲーム』のサノス決戦後、ソーは「自分探しの旅」へ出発。ガモーラを探しながら、救いを求める種族を助けるガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの宇宙船に同行。地球でぶくぶく太ったお腹は筋トレで解消。
苦戦したガーディアンズが助けを求めるとソーも参戦するが、勢いあまって大聖堂も破壊してしまい、あきれた教祖から2匹のヤギをおしつけられます。ソーは元カノのシフの救難信号を知り、ガーディアンズと別れて助けに行きます。
しかしその星のゴジラのような守り神は倒されてて、重傷のシフは「地球のニューアスガルドが危ない」と。再び地球へ戻ったソーはシフを預け、謎のレディ・ソーやヴァルキリー王と共闘し、ゴッド・ブッチャー(神殺し)ゴアと戦います。
そのすきにゴアは、ニューアスガルドの子ども達の誘拐に成功し逃亡。ソー達は、ゴアが「影の国」へ向かったと知るが、まず神の援軍を得るために、ヤギがひく船にビフレスト機能持つストームブレイカーを付け「神々の星」へ。
以上が序盤あらすじ。期待したガーディアンズとの共闘はあまりなく、ピーター・クイルととぼけた会話をしたくらいで少し残念。ドラッグス、マンティスとのからみも観たかったのに。グルート、ロケットは仲良し健在で一安心。
少し危ういと感じたのは、救難信号を見つけても「どちらの勢力を助けるべきか」の判断基準。破壊してる側を倒してたが、そもそも自衛のためや迫害された仕返しの可能性もあるのでは?ガーディアンズ3等で語られるかも?
地球のニューアスガルドは、ノルウェー内の自治国みたいな位置づけでしょうか。アスガルド王のヴァルキリーは自治国のリーダーとして、TVCM等で好感度を上げようとしてたけど大変そう。レディソー、神殺しゴアについては後述。
ジェーンがマイティソーになった理由とは?
天体物理学者ジェーンは、元彼ソーと別れた後、宇宙理論の書籍でベストセラー作家となりました。しかしステージ4(最も深刻)のガンと判明し、ダーシーには励まされるが、セルヴィグ博士のすすめる化学療法でも効果はなし。
ジェーンは「ヴァイキングの歴史書」をヒントにニューアスガルドへ。ソー、ロキの寸劇でヘラが「ソーのハンマー武器ムジョルニア」を粉々に。展示されてる粉々のムジョルニアの前に立ったジェーンは、マイティソーに変身。
ジェーンが新マイティソーになれた理由は、かつてソーがムジョルニアに「ジェーンを守れ」と命令したからです。ソー2作目『ダークワールド』でジェーンがインフィニティストーンの1つエーテルを体内に吸収した経験も影響してるかも。
ニューアスガルドに神殺しゴアの影の軍団が攻めてくると、ジェーンはマイティソーとしてムジョルニアで戦います。ヘラに粉々にされたことを逆手にとり、粉々になって複数の敵を倒した後、元のハンマーに戻す戦い方は斬新。
ムジョルニアはソーが来てもジェーンの手にしか戻らず、ソーは不服そう。ソーがムジョルニアを持ち上げて安心すると、今のソーの武器「ストームブレイカー」がヤキモチ焼く描写はかわいい。ジェーンもムジョルニアもソーの元カノ。
ジェーンがマイティソーに変身した経緯は納得はできるが、かなり雑な設定だと感じました。でも普通の元カノとの元サヤでは面白みがないでしょうね。エーテルの件も一言ほしかったけど、初見さんへの配慮でしょうか。
ジェーンのガンは、ムジョルニアを手にしても治らなかったようです。むしろ体力を消耗するので死期が早まるとソーは心配してました。
ゴアの正体と目的は?神殺しとは?
ゴアは飢えた小さな娘のために神に祈ったが、神の恵みはなく娘は死亡。それでもゴアは、光の神ラプーをあがめるが「民は神のぜいたくのために存在」とつき離されて信仰が消滅。神殺しの剣ネクロソードがゴアに協力し、神を殺害。
それ以降、ゴアは「ゴッド・ブッチャー(神殺し)」として下級クラスの神を次々と殺害。ソーの元カノ・シフのいた星の神を滅ぼした後、地球のニューアスガルドへ。影の軍団をあやつり、アスガルドの子ども達を宇宙へ誘拐。
ゴアの真の目的は「神が持つビフレストの橋」を手に入れて「永久の門」を開き、神を全滅させることです。しかし実際には別の願いをかなえることになります(後述)。
誘拐された子どもを救いに行ったソー、ジェーン、ヴァルキリー、コーグだが、ゴアの待伏せにあい、地球へ退却する時にビフレスト機能ある斧ストームブレイカーを奪われます。ゴアはストームブレイカーで「永久の門」を開きます。
それにしても、神頼みが叶えられず、愛する家族が死んだからって簡単に「神殺し」できる設定は雑。偶然そばに「神殺しの剣ネクロソード」があったから成立したのですが、そもそも何度も神の前まで行けるとは、地球では考えられません。
ニューアスガルドの子ども達の中に「元ビフレストの番人ヘイムダル」の息子アクセルが混ざってて、開花したての能力でソー達に誘拐された場所を伝えます。ゴアの目的はこのアクセルのビフレスト能力と思いきや深読みでした。
影の星へ入ったソー、ジェーン達の色が白黒になったのは面白い演出ですが、あまり効果的とは感じませんでした。何か色に関する伏線や仕掛けがあればもっと楽しめたのに。
全能神ゼウス登場?ソーも神殺しに?
ソー達は、神殺しゴアと影の軍団に対抗するため、騒々しいヤギ2匹がひく船で宇宙の「オムニポテンツシティ」のゼウス宮殿へ行き加勢をたのみます。しかしゼウスは下級神を殺すゴアに関心はなく、低姿勢のソーを全裸ではずかしめます。
怒りが爆発したソーは、ゼウスが投げた武器サンダーボルトを投げ返してゼウスの腹をつらぬきます。ジェーン、ヴァルキリーも参戦して場内乱闘に。コーグは破壊されるが、顔だけ残れば問題ないようでヤギ船を呼び、皆で脱出。
この構図は、ゴアが怠惰な光の神を殺害したのと同じです。結局この世界の神々は、下々の民のことなど考えてなくて、日々のぜいたくや豊かな暮らしだけを求めて生きてるのでしょうか。政治家への皮肉とも感じられますが。
結論を言うと、ゼウスは生きてる(後述)のでソーは神殺しにはなりませんでした。姉ヘラを倒す時も直接手をくだしてないが、ヤンチャ時代に他国の神を倒してような気はしますが…
オムニポテンツシティのゼウスの集会には、様々な宗教の神やセレスティアルズも?出席してましたが、一番記憶に残ったのは「小籠包の神パオ」でかわいい。シャンチー続編とかで登場してほしいかも。
結末は?ラブ&サンダーの意味?エンドロール後?
地球へ退却したソーだが、ビフレストを手に入れたゴアを止めるため1人で出発。ヴァルキリーは腎臓をなくし治療中。ジェーンはガンで歩くのも困難に。ソーは子ども達を救い「雷神の力」を分け与えて影のモンスターと戦わせます。
ゴアはストームブレイカーのビフレストで「永久の門」を開けようとします。ソーが阻止しようと戦闘になるが、ゴアのネクロソードに苦戦。その時、ジェーンがヴァルキリーのペガサスに乗って到着し加勢。
ソーがストームブレイカーとサンダーボルトでネクロソードを受けてる間に、ジェーンがムジョルニアで破壊。再生するネクロソードの破片も、ジェーンがムジョルニアに封じこめ粉砕。しかし永久の門は開き、ゴアは願いをかなえます。
ソーは娘さんの願いは「復讐」ではなく「愛」だと。ジェーンは「娘さんを1人にはしない」と約束し亡くなります。ゴアも「神への復讐」ではなく「愛」を選び「娘ラブ」を復活させて絶命。ソーが娘を育て、娘=ラブ&サンダー=ソーのコンビは宇宙の敵と戦います。ラブが能力者だった理由は永久の門をくぐったから?
短いエンドクレジット後、生きてたゼウスがソーへの復讐を誓い、半神の息子ヘラクレスに命じます。エンドロール後、死んだジェーンが亡きヘイムダルと再会。そこは「ヴァルハラ」と呼ばれる北欧神話の死の世界です。
ついに「ヴァルハラ=死の世界」まで登場ですが、本編にからむのか、または単にソー関連だけのエピソードかは不明。マルチバースもからめると、各バースに死の世界があるとか描ききれないだろうから今回だけの方がいいかも。
ゼウスやヘラクレス等、ギリシア神話の神々が敵になるのもバランス的に危うそうで賛成できないけど、原作がうまくやってる?ならありなんでしょうか。今回の「永久の門」の設定も唐突だし、風呂敷を広げすぎて不安ですが…
子ども達をモンスターと戦わせるのは、子どもウケはよさそうだけど、そんな技(雷神の力の分配)があるなら地球のアスガルドを守る時や『エンドゲーム』時も使えたのでは?と後づけ設定に疑問を感じます。
MCU映画『ソー4 ラブ&サンダー』私の感想と評価
初期アベンジャーズのメンバーも残り少なくなったので、その1人ソーのエンドゲーム後の冒険を観れたのは満足。元カノ(ジェーンとムジョルニアとシフ)とも再会し、ソーの「心の穴を埋める旅」の終着点を見届けることができました。
一方、1本の映画としては様々足りない感じでした。ジェーンのマイティソー化もうれしい反面あまり効果的に演出できてなかったし、ヴィランのゴアの葛藤も表面的にしか描かれずかなり残念。
神とは?や神殺しは興味深いテーマなのに、深掘りをさけてたのも物足りなさの要因。今後のMCUの重要テーマになる予感もするので、集大成映画まで観ないと判断できませんが、その作り方は映画ではなくドラマシリーズですべきかと。
ただ「ソーシリーズ」は世界観が荒唐無稽すぎるため、MCU内ではもともと低調だったので、本作もそれを継承してると言えなくもないです。続編やMCUでの、ゴアの娘とソーの「ラブ&サンダー」父娘ペアの活躍は今後も期待できそう!
私の評価 64/100(60が平均)
シリーズやジャンル⇒マーベル/MCU一覧