『アンビュランス』感想ネタバレ解説考察/結末は？妻の命は？生き残れるのか？

ネタバレ感想『アンビュランス』解説や評価レビュー

この先はネタバレありの感想考察です。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

私の評価 ★★★★★64/100（60が平均）［レビューサイト評価↑］

リメイク映画？監督やキャストについて

映画『アンビュランス』は、デンマーク映画「25ミニッツ」(2005年)のリメイク版で、アメリカ製作のアクションスリラー映画です。同タイトルのアメリカ映画『アンビュランス』(1990年)とは内容も違うし関係なさそう。

マイケル・ベイ監督は、映画『アルマゲドン』やトランスフォーマー・シリーズの監督として有名です。派手なアクションや演出を得意とするが、ストーリーは大味なことが多いので好みは分かれそう。

主演のジェイク・ジレンホールは『ナイトクローラー』『スパイダーマン ファーフロムホーム』『THE GUILTY ギルティ』等に出演。

ヤーヤ・アブドゥル＝マティーン2世は『マトリックス レザレクションズ』『アクアマン』（ブラックマンタ役）に、エイザ・ゴンザレスは『ゴジラvsコング』『ワイルドスピード スーパーコンボ』に出演。

タイトル『アンビュランス』の意味は？黄色字の意味？

アンビュランスは、直訳のとおり「救急車」です。主人公のダニーとウィルは、本編のほとんどを救急車の運転に費やします。

タイトルロゴでは、アンビュランスの「ラン」が黄色ですが、これは「逃走」という意味とかけてるのでしょう。ちなみに原題「AMBULANCE」では「LA」が黄色になってて、LAつまり舞台の「ロサンゼルス」とかけています。

銀行強盗の誤算は？逃走車の4人とは？

ウィリアム/通称ウィル（ヤーヤ・アブドゥル＝マティーン2世 ）は、アフガニスタン帰還兵で勲章までもらったが、出産後に病気となった妻の治療費すら払えないほど仕事に困ってます。ついに妻の助言を聞かずに、腹違いの兄に相談。

兄ダニー（ジェイク・ギレンホール）は、父と同様に犯罪に手をそめながら稼いでます。治療費を借りにきた弟ウィルを強引に巻きこみ、犯罪者仲間とともに大金3,200万ドルの銀行強盗へ。そこへ想定外の警官が訪れ、計画は狂います。

警官は銀行窓口のキムをデートに誘いに来ただけですが、外の相棒警官も強盗に気づきます。ダニーをマークしてた特別捜査部隊SISも駆けつけ、銃撃戦でダニーの仲間は全滅。ウィルは抵抗した人質の警官を撃ち、重傷を負わせてしまいます。

ダニーとウィルは、現場の救急車を盗んで逃走。重傷を負わせた警官と救急救命士キャム（エイザ・ゴンザレス）も一緒に。SISのヘリとパトカーだけでなくFBIも介入したカーチェイスになるが、元軍人ウィルの運転技術で逃げきります。

以上が、前半のネタバレあらすじ。軍人として活躍した人が、帰国後にいい職につけない物語は『ランボー』の頃から数多くありますね。日本では実感ないけど、他国でも同様なのでしょうか。

銀行強盗が失敗するまでは必要最小限でテンポいいのですが、強盗仲間が全滅するのはやりすぎ。兄弟しか描く気ないなら、最初から実行犯を2人だけにすればいいのに。苦言ついでにいうと、カメラワークもわかりづらかったです。

白人と黒人のバディムービーであり、全体的には「1990年代の大味ハリウッド映画」ですが、強盗が救命士と一緒に重傷の警官を治療したり、強盗も治療されたり、犯罪者どおしの抗争もあったりと盛りだくさんなのは現代風。

SIS隊長がいい味だしてました。愛犬の大型ブルドッグが銃撃戦に巻きこまれると撤退したり。部下たちの命よりも、愛犬の方が大切なんですね（笑）

手術成功の道具とは？逃走を助けた者は？生存者は？

ダニーは犯罪を有利に遂行するため、捜査官の養成所でFBIや警察捜査のノウハウを学びました。その時の知人が優秀なFBI捜査官として追跡・交渉してきます。人質の救急救命士キャムも、すきを見てスマホで警察側へ状況連絡。

しかし人質の重傷警官の治療が優先となり、キャムは外科医仲間とビデオ通話し、指示を聞きながらウィルと一緒に「銃弾摘出の手術」を行います。通話は切れ、内蔵破裂するが「髪どめ」で止血して警官の命を救います。

追いつめられたダニーは、父の友人だった犯罪ファミリーのボスのパピと交渉し、半分800万ドルでパトカーの逃走から救ってもらいます。しかしその過程でパピの息子が射殺され交渉決裂。ダニーとウィルは、パピと一味を射殺し逃亡。緑塗装の救急車へ戻ったウィルは、人違いでキャムに撃たれて重傷。

キャムは止血し、ダニーは救急車を病院へ。撃ったのがキャムと知ったダニーはキャムを射殺しようとするが、ウィルがダニーを射殺し事件は解決。キャムはウィルを病院へ運び、ウィルの妻に強盗の金の一部をこっそり。ウィルに撃たれた警官は、手術してくれたウィルをかばいます。

以上が後半と結末まで。ストーリーだけ抜き出すとわりと複雑に思えますが、ほとんどはカーチェイスシーンです。多くのパトカーが炎上・爆発するのはマイケル・ベイぽいが、似た展開ばかりで終盤は飽きてきました。長すぎます。

あれだけ難易度高い手術を、ビデオ通話の指示だけで成功させたのはツッコミどころだし「消毒なしの髪留め」もモヤモヤ。ちなみに「髪どめ」は序盤で救急車に乗りこむキャムが大げさに見せてたシーンの伏線回収ですね。

愛犬ラブで型破りなSIS隊長が、パピの自動運転車の銃撃であっさり退場したのは意外。パピ達も全滅し、よく分からない展開に。ウィルは自分が撃った警官を助け、キャムは自分が撃ったウィルを助け、が繰返しだが混乱した状況は実感。結局、逃走車の4人のうち3人無事だが関わった死傷者は多数という結末に。

映画『アンビュランス』私の感想と評価

ほとんどがカーチェイスで、アクションはノンストップで派手なので映画館向きです。ストーリーは期待してなかったが、わりと意外性やエモな展開も続くので不覚にも最後は少し泣かされました。90年代の映画好きにもウケそう。

一方、カーチェイスには起伏が少なく飽きました。最近はワイルドスピード・シリーズが面白さをアップグレードしてるので、カーチェイスをメインに描いても勝ち目はない気がしますね。

登場キャラはクセ者ぞろいで楽しめました。ギャングのボスのようなSIS隊長にはもっと派手に活躍してほしかったけど。父の知り合いだったパピも大物感だしてたわりにあっさり退場で残念。時間のわりにキャラが多すぎますよね。

ウィルは兄に巻きこまれたので同情の余地はあったが、警官を撃ち、カーチェイスで多くの人を死傷させた後も「いい人」扱いされるのはさすがに違和感。いい人なら銀行強盗の失敗時に降参したでしょう。とはいえ涙さそわれたので難しいことを考えずに観る娯楽作品としてはおすすめ！