映画『アナベル 死霊博物館』ネタバレ感想/ラスト結末は?闇の正体は?
アナベル/死霊館シリーズ。アナベル3作目。ウォーレン夫妻が出張中、娘ジュディはメアリーらと女性3人でお留守番。死霊博物館に興味をもったダニエラは中に入り、アナベル人形の鍵を…。悪魔退治の方法が驚き?悪霊アベンジャーズ?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | アナベル 死霊博物館 |
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日本公開日 | 2019/9/20 [予告] 上映時間:106分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
原題/英題 | Annabelle Comes Home |
監督・キャスト | ゲイリー・ドーベルマン(キャスト) |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:R |
配給/製作 (画像出典) | ワーナー・ブラザース映画、同上/ニュー・ライン・シネマ、ザ・サフラン・カンパニー、アトミック・モンスター・プロダクションズ |
日本興行収入 | 4.4億円 興行収入ランキング |
世界興行収入 | 2.3億USドル [出典] |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.17更新) 63(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | 死霊館ユニバース一覧 前作『アナベル 死霊人形の誕生』評価67 |
登場キャラクター(キャスト/出演者)
- ジュディ・ウォーレン(マッケナ・グレイス)超常現象研究家ウォーレン夫妻のひとり娘。両親不在でお留守番
- メアリー・エレン(マディソン・アイズマン)ウォーレン夫妻の姪。ジュディらとひと晩お留守番
- ダニエラ(ケイティ・サリフ)メアリーのクラスメイト。ウォーレン家の地下の博物館に興味を示す
- エド・ウォーレン(パトリック・ウィルソン)妻ロレインとともに心霊・悪魔ばらいに関わる
- ロレイン・ウォーレン(ヴェラ・ファーミガ)夫エドと様々な心霊・悪魔ばらいに関わる
ネタバレ感想『アナベル 死霊博物館』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
監督の不安と主要キャストへの期待
アナベル/死霊館シリーズ[作品一覧]の功労者ジェームズ・ワンは、共同原案・共同制作プロデューサーにとどまり、『アナベル 死霊人形の誕生』の脚本家ゲイリー・ドーベルマンが監督です。
ゲイリー・ドーベルマンは『死霊館のシスター』の脚本家、『ラ・ヨローナ 泣く女』の共同制作プロデューサーにも名を連ねてましたが、それら関わった作品を考えると少し不安要素ではあります。
他には『IT イット それが見えたら、終わり。』とその続編『IT イット THE END それが見えたら、終わり。』や、『新感染 ファイナルエクスプレス』のハリウッドリメイク版の脚本家も担当してるのでホラー映画には精通してそうです。
主人公ジュディ役のマッケナ・グレイスは、『gifted ギフテッド』の天才っ子演技が記憶に新しく、『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』『キャプテンマーベル』では主人公の子ども時代を好演しました。ケイティ・サリフも含めて期待したキャスト3人組です。
メアリー役のマディソン・アイズマンは『ジュマンジ ウェルカムトゥジャングル』のベサニー役を覚えています。ウォーレン夫妻のパトリック・ウィルソンとベラ・ファーミガは、もはや登場すると安心できる存在です。
魅力的な3人女子について
メインキャラの3人の女子がそれぞれ魅力的です。ジュディは両親から受け継いだ霊能力や除霊や悪魔祓いの能力を、まだ弱いながらも持っていて、退治や封印はできないけど近づけないくらいはできます。目力の強さは頼れる存在になりそう。
メアリーは天使のように優しくてジュディのこともよくわかってる、良きお姉さんキャラです。玄関チャイムで開けたりとすきは多いけど、叫びキャラとしてもホラー映画に欠かせない存在です。今後のタマありボブとの恋愛も楽しみです。
ダニエラは運転した車事故で父を亡くした闇を抱えてて、今回の騒動の火付け人ですが同情の余地もあります。ラストでロレインに父からの伝言を聞いて一安心します。弟はジュディいじめの首謀者ですが、姉に叱られてラストの誕生日会にも出席したので、ジュディと急接近しそうな予感もします。
アナベル/死霊館シリーズでの位置づけは?
アナベル/死霊館ユニバース[作品一覧]は『アナベル 死霊博物館』が7作目になり、さらなるシリーズ続編の制作も決定しています。マーベル映画MCU[一覧]と同様に成功してるユニバースだと思います。
ただし本作は他作品とは独立してるため、シリーズ作品を1本も見てなくても全く問題なく楽しめます。本作冒頭でウォーレン夫妻がアナベル人形を預かるシーンのみ『死霊館』『アナベル 死霊館の人形』の映像を使ってるけど、この映像を見ただけで理解できるように作られています。
時系列的には『アナベル 死霊博物館』は『死霊館』の冒頭シーンの後です。ラストのジュディの誕生会で地下の死霊博物館にあった「うずまき模様の鏡つきオルゴール」は『死霊館』の住人を苦しめた物で、夫妻が持ち帰り封印したのです。
ホラー映画の中でも怖い方だと思うシリーズ作品ですが『アナベル 死霊博物館』は別物です。メインキャラが10代女子3人だし、お留守番中に悪霊キャラ達が交代でおどかしに現れる設定なので、エンタメ要素の強い「お化け屋敷」映画です。
制作陣も「アナベル版ナイトミュージアム」と語ってたり、世界中のいわくつきの物品から出る死霊達が多彩なので「死霊館版アベンジャーズ」にすら感じます。R指定でもないし笑える場面や最後は涙までさそうので、子どもでも観れそうです。
死霊博物館は実話?アナベル人形の正体とは?
エドとロレインのウォーレン夫妻は、アメリカで実在した悪魔・心霊研究科で、数々の悪魔祓いに関わってきました。エドは2006年に、ロレインは本作公開の2019年に亡くなってます。自宅内には一般公開されたオカルト博物館があります。映画ラストで彼らの実物写真が映され、亡くなったばかりのロレインへの哀悼もあります。
それが本作「死霊博物館」のベースであり、実際にアナベル人形もガラスケースで頑丈に保管されてて、月に1度は神父による悪魔祓い・除霊が実施されてるそうです。ただし現実のアナベル人形は、映画のように恐ろしい容姿の陶器製ビスクドールではなく、布製のラガディ・アン人形です。
映画でのアナベル人形(ビスク・ドール)は『アナベル 死霊人形の誕生』で人形職人サミュエルが作りました。彼の愛娘アナベルは、幼くしてトラック事故で亡くなり、当初はその霊が人形に乗り移ったと思われます。
しかし実際に人形を動かしてたのは、人間の魂を奪い憑依(乗っ取り)をねらう悪魔でした。本編冒頭でも、悪魔は物に憑依できないが、人間を怖がらせたり攻撃するために取りついたのがアナベル人形だと説明されます。
ウォーレン夫妻は引き取ったアナベル人形を無造作に後部座席に座らせます。悪魔人形は帰宅中の車内で「メアリーヴィルの墓地」の心霊を集め、車を修理中のエドをつき飛ばして、少女アナベルと同じようなトラック事故で殺害しようとしました。
人形は夫妻の自宅の死霊博物館で神父に悪魔ばらいしてもらいますが、それでも悪魔の力は衰えないため、教会の解体時に譲ってもらった聖なるガラスケースに入れて鍵をかけ、やっと封印できたのです。
角ある悪魔・悪霊・神父の霊の正体と目的は?
本作では「2つの角ある黒い悪魔」が姿を現します。過去作でも登場したことがあり、おそらくアナベル人形を媒介とする悪魔の正体と思われますが、その名は未だに不明です。最終目的は人間への憑依です。
『死霊館のシスター』の悪魔尼僧ヴァラクや、『死霊館』の魔女バスシーバとは別の悪魔だと思います。悪魔は名前を知られると退治されるため、そう簡単に名を知ることはできません。
死霊博物館の呪いコレクションは全て除霊や悪魔ばらいで封印されてましたが、ダニエラがアナベル人形を解放したことにより、人形に取りついてた悪魔がそれらの封印も解除したのでしょう。
死霊博物館の、フェリーマン、死のウェディングドレス、黒い魔犬(狼男)などはアナベル人形に取りつく悪魔とは別の悪魔か悪霊だと思います。それ以外の品々もいわくつきですが、アナベル人形の悪魔が動かしてた物も多そうです。
ジュディ(マッケナ・グレイス)が学校や家の階段で見かけた神父の霊は、通ってる学校に胸像があったので創立者だと思います。神父の霊は「良い霊」なので、ジュディや友人を救うために導いたのでしょう。
悪魔に憑依されたダニエラが救われた理由は?
ダニエラは悪魔か悪霊に憑依されてしまい、ジュディとメアリーの命を奪おうと襲ってきます。ジュディの力ではまだ無理でしたが、両親エドとロレインの除霊・悪魔祓いの光景が映写機で映されると、悪魔はダニエラの体から逃げ去りました。
死霊博物館の悪霊と呪いコレクション一覧と解説
『アナベル 死霊博物館』では、ダニエラが悪魔のとりついたアナベル人形の封印を解いてしまい、死霊博物館内の呪いコレクションの悪霊たちも動き出します。日本では一般的でない悪霊ばかりですが一覧にしました。
- アナベル人形
- フェリーマン(フェアリーマン)
- 死のウェディングドレス
- 黒い魔犬(ブラッグドッグ/ブラックシャック)
- 鬼侍の甲冑(SAMURAI)
- 手探りゲーム
- 未来が見える運命テレビ
他の呪いの品々としては、ダニエラが父との写真を入れたブレスレット、勝手に演奏されるピアノ、シンバル・モンキー、アナベルが「miss me」と打つタイプライターなども登場します。ラストには『死霊館』のオルゴールも加わります。
フェリーマンは、ギリシア神話の神がベースの船乗りの亡霊です。冥界や地獄への渡り舟に乗りたい者は、コインを渡す必要があるが、コインを持ってない者は魂を奪われて両目にコインをつめられるという伝承が残っています。
死のウェディングドレスは、結婚前に亡くなった花嫁の霊がウェディングドレスにとりつき、幸せな家族達を惨殺するようです。ダニエラはこの霊に腹を刺され(幻影)て憑依されてしまいます。
黒い魔犬はブラックシャックやヘルハウンドとも呼ばれ、人を殺害する黒い犬が現れるというイギリスの伝承です。本作では狼男のような姿で、タマありボブやニワトリやジュディを襲います。車の屋根も貫くほど強力な爪を持っています。
鬼侍の甲冑は日本製で、殺害された人々の嘆きが日本語なので「サムライ」以外は日本人だけが理解できます。「ヤクザ」とも聞こえたのは気のせいでしょうか(笑い)。詳細は不明ですが、戦国時代の侍の怨念がこもってそうです。
『アナベル 死霊博物館』私の評価と続編
メインキャラの3人の女子がそれぞれ魅力的で「アナベル版ナイトミュージアム」の宣伝どおり、エンタメにふり切った「お化け屋敷映画」としてや、ホラー映画初心者への入門としても、子どもも含めて多くの人におすすめできます。
解放された悪魔・悪霊たちも本気で魂を奪うつもりがあるのか、おどかすことを楽しんでるのか中途半端な行動ばかり繰り返すのがかわいいです。逆に、怖いホラー映画を期待してた人には、かなり物足りないと思います。
『アナベル 死霊博物館』で新たに登場した、コイン目のフェリーマン、死のウェディングドレス等は今後スピンオフの可能性もありそうです。黒い魔犬は『死霊館3(仮題)』でウォーレン夫妻と対決すると噂の狼男と同一体なのか、続編で明らかになりそうで楽しみです!
私の評価 65/100(60が平均)
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