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『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』感想ネタバレ解説考察/結末は?敵の正体は?誰が救う?

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 映画/ドラマ

わがままな家族や日々の問題に追われる普通の中年女性エヴリンの前に、別宇宙から来たと言う夫ウェイモンドが現れ、全宇宙の悪を倒すためにマルチバースへ飛びこむのだが…。悪を倒す方法は?家族の問題はどうなる?(ネタバレ感想あらすじ↓)

映画名/邦題エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
日本公開日2023/3/3 [予告] 上映時間:139分
製作国アメリカ
原題/英題Everything Everywhere All at Once
監督・キャストダニエルズ(ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート)[キャスト
映倫区分日本:G(年齢制限なし) USA:R
配給/製作
(画像出典)
ギャガ/A24、IACフィルムズ、Gozie AGBO、Year of The Rat、Ley Line Entertainment
日本興行収入8.5億円(興行収入ランキング
世界興行収入1.4億USドル [出典]
平均評価
平均:100換算
*批評家と一般は単純平均
(興収・評価: 2024.8.15更新)
75私の評価は含まず)
シリーズ
関連作品
SF/ファンタジー映画一覧

キャラ・ランキング(キャスト/出演者)

個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)

  1. エヴリン・ワン(ミシェール・ヨー)コインランドリー経営の女性。世界を救えと言われるが…
  2. ジョイ・ワン(ステファニー・スー)エヴリンとウェイモンドの娘。同性愛者
  3. ディアドラ・ボーベアドラ(ジェイミー・リー・カーティス)国税庁/IRSの税務職員
  4. ウェイモンド・ワン(キー・ホイ・クァン)エヴリンの夫。優しいがのんびりしすぎ
  5. ゴン・ゴン(ジェームズ・ホン)エヴリンの頑固な父親。ボケはじめてる
  6. チャド(ハリー・シャム・JR)鉄板焼きシェフ。別バースのエヴリンの仕事仲間

ネタバレ感想『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』解説と評価

以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!

エンドゲームのルッソ兄弟も参加?監督とキャスト

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は、『ミッドサマー』等の人気スタジオ「A24」が放つオリジナルストーリーのSFアクション映画です。ゴールデングローブ賞で4ノミネート2受賞、アカデミー賞では最多11ノミネート。

監督のダニエルズこと、ダニエル・クワンとダニエル・シャイナートは、映画『スイス・アーミーマン』で常識を覆すような展開を見せてくれました。プロデューサーにはアベンジャーズ 『インフィニティウォー』『エンドゲーム』の監督ルッソ兄弟も参加。

主演のミシェル・ヨーは最近は『シャンチー テンリングスの伝説』や『ミニオンズ フィーバー』(声優)で出演。

キー・ホイ・クァンは『インディジョーンズ 魔宮の伝説』『グーニーズ』で子役を演じて、しばらくは映画製作を担当してたので、約20年ぶりの俳優復帰作となります。

エヴリンが選ばれた理由は?なぜこの世界?

アメリカでコインランドリーを経営する中国移民エヴリン(ミシェル・ヨー)は、夫ウェイモンド(キー・ホイ・クァン)にも頼れず毎日多忙です。娘ジョイは同性愛者なので恋人女性を連れてくるが、母エヴリンは祖父ゴン・ゴンに「友達」と紹介

恋人と去るジョイに、エヴリンは「太ってきてる」とも言ってしまいます。税務署へ確定申告に来たエブリンは、エレベーターで夫ウェイモンドにメモ通り動けと言われ、父に結婚を反対された過去などを回想。エブリンは、職員ディアドラの質問はうわの空。

エヴリンがメモ通りに「靴を左右交換したり」すると先ほどのウェイモンドが現れ「別の宇宙=バースから来た。全宇宙を滅ぼす悪を倒せる者を探すために。それが君だ」と言われます。混乱してディアドラを殴ってしまい、警備員が来ます。

「リップクリームを食べた」転生ウェイモンドはカンフーで警備員を倒します。「別バースの自分と記憶やスキルを共用」できる装置を開発したアルファバースのウェイモンドに「バースジャンプ」の方法を教わり、エヴリンも試みるのだが…

以上が序盤あらすじ。MCUでおなじみのマルチバース、知識ない人は理解できるか心配ですが、説明は上手い導入部です。日々の生活の多忙さに追われる主婦の大変さが描かれ、もう頭が爆発しそうな状態が「マルチバースの妄想を生んだ」ようにも思えます。

普通の中年女性エヴリンが選ばれた理由は、はじまりのアルファバースで「別宇宙と接続した最初の人」だから。しかも、倒すべき巨悪との強い関係性も後に語られます(後述)。

何千ものマルチバースから、この世界のエヴリンが選ばれた理由は「何もやり遂げず夢もかなえてない最悪のエヴリンが、多くの成功エヴリンへの分岐を生んでいる」から。つまりどのバースへも最短で行けるからだそうで納得。

敵の正体と目的は?悪誕生の秘密?祖父も敵?

エヴリンがバースジャンプした先の彼女は、ウェイモンドとは結婚せず中国でカンフー修行し、マスターとなりカンフー映画スターとして大成功してました。その世界ではウェイモンドも成功してるので、結婚しない方がよかったのかも?

カンフーマスターが転生したエヴリンは、飛び蹴りのディアドラを瞬殺。しかし敵ジョブ・トゥパキに見つかります。エヴリンを連行中の警官達はジョブの未知の力で全滅。ジョブ・トゥパキの正体は、エヴリンの娘ジェイでした。

アルファ・ジェイは、バースジャンプの達人にしようとしたエヴリンに何度も訓練されるうち精神がこわれ、あらゆる宇宙の能力を瞬時に使える超人に。各バースのエヴリンを殺害し、最後はベーグル・ブラックホールに吸い込ませようと考えてます。

エヴリン達を救った転生ゴン・ゴンが、ジョイ殺害をねらう理由は「この世界へジョブが転生できなくしたい」から。ゴン・ゴンが、エヴリン殺害もねらい出した理由は「エヴリンが次のジョブ・トゥパキ候補」だからです。

ゴンゴンの命令をうけた手下たちとのカンフーアクションは楽しくて混沌(笑)スロー多用は好みじゃないが。犬を振り回す女、おしりに刺すと強キャラが転生する者、下半身丸出しのカンフー達人などやりすぎ感満載で好みはわかれそう。

バース・ジャンピングの方法が「その世界での変な行為」なのは意味不明だが、そもそもメチャクチャな話なのでありかと。序盤のキー・ホイ・クァンのカンフーアクションシーンも大満足。スタントありかもだけどいい動き。

ジョブ・トゥパキの目的は世界を滅ぼすことではなく「有意義な未来のない自分と母エヴリンの自滅」。確かに各世界でのエヴリンの人生はみじめで、生きていく価値に疑いを持つかも。しかし、そんな彼女を救うのは意外な人物(後述)。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 映画/ドラマ

結末は?世界とエヴリンを救った者は誰?家族はどうなる?

エヴリンはバースジャンプの繰り返しで精神的にダメージを負って倒れて「映画は終映」に…。多くの別バースでもエヴリンは苦境に立ち絶望し、立ち上がったエヴリンも夫ウェイモンドを刺してしまいます。

しかし各バースでエヴリンを抱きしめたり救ったのは、夫ウェイモンドでした。エヴリンは「みんなに優しく寛容で、私に欠けてるものを補ってくれた」ウェイモンドを再評価し、おもちゃの第3の目で開眼し、敵にも「愛」を思い出させて無力化

エヴリンは、1人でベーグルに吸いこまれて自滅しようとするジョイにも「格闘」ではなく「抱擁」で対抗し、ウェイモンド、ゴンゴンの家族総出で救います。車で去ろうとする娘を「ただ一緒にいたい」と引き止め、石の世界では落ちた娘石を追います。

娘ジョイは「一緒にいると両方傷つくから別の道を歩みたい」と。エヴリンは、父ゴン・ゴンに結婚を反対されてしばらく疎遠だったので、同じ過ちを娘にしたくないと感じて力づくでジョイを救い出します。

ラストで母親の愛にふれて、ジョブ・トゥパキは改心したのでしょう。元の世界のエヴリンは、夫ウェイモンドとキスする関係に戻り、娘ジョイ、父ゴンゴンも一緒に国税局へ。ディアドラには確定申告書類の改善をほめられるが、エヴリンは家族一緒がうれしそう。

「親自身の人生を生きることも大切」という映画も増えてるけど、子どもがいる場合は「まずは子どもの気持ちや幸せが優先」という結末に賛成です。子どもより自分の人生を優先させたい人は、人の親になるのは考えなおした方がいいのかもと。

ラストのエヴリン、ウェイモンド、ジョイそれぞれの選択には涙。マルチバース多様化も楽しめました。指がソーセージの世界では足でピアノ演奏、中国歌劇の歌手は肺活量で毒ガス攻撃に強いし、アライグマが料理を教える世界ではヘラ達人になったり肩車で飛んだり、看板回し、アニメ、宙づり人形、幼児の絵、彫刻など多彩。

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』私の感想と評価

アカデミー賞など多数ノミネートしてるのでかたくるしい映画と思いきや、SFファンタジー・コメディ・アクションと多ジャンルなエンタメ映画として大満足。笑えるシーンも多く、最後は家族愛に涙させられました。

今年の映画賞作品の特徴である「下品さや下ネタ」は多いが、子どもが喜びそうな低レベルのギャグなので、そういうの苦手な人でもハードルは低め。ただし、マルチバースの知識がなくて頭が固い人はついていけるか心配。

バカバカしい始まり方だが、実は伏線もていねいに張られていて、サプライズや斬新な感性を見せられ続けるので頭は疲れるが達成感・多幸感は十分に得られます。今年2023年(アメリカでは昨年3月公開)の代表作の1本になりそう。

私の評価 64/100(60が平均)

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