『ザ・スーサイドスクワッド極悪党集結』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?作戦の真の目的は?誰が生き残る?
全員終身刑のやばい14人の悪党たちが、たった10年の減刑と引き換えに、逃げたら爆発する爆弾を埋めこまれ、南米の独裁国家で人類最大の脅威から世界を救うミッションに挑むのだが…。怪獣の正体と倒し方は?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結 |
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日本公開日 | 2021/8/13 [予告] 上映時間:132分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | The Suicide Squad |
監督・キャスト | ジェームズ・ガン[キャスト] |
映倫区分 | 日本:R15+(15歳以上) USA:R |
配給/製作 (画像出典) | ワーナー・ブラザース映画/Atlas Entertainment、Peter Safran Production |
日本興行収入 | 5.8億円 (興行収入ランキング) |
世界興行収入 | 1.6億USドル [出典] |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.15更新) 78(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | DCU/DCユニバース一覧 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- ハーレイ・クイン/ハーリーン・クインゼル(マーゴット・ロビー。東條加那子)元精神科医の狂った悪かわ。ジョーカーの元カノ
- キングシャーク/ナナウェ(声:シルヴェスター・スタローン/演:スティーヴ・エイジー。玄田哲章)サメ人間。食べることしか頭になくて人間も食べる
- ラットキャッチャー2(ダニエラ・メルシオール。悠木碧)ネズミ達をあやつれる天然系女性。相棒はネズミのセバスチャン
- ポルカドットマン(デヴィッド・ダストマルチャン。宮野真守)ボソボソしゃべる陰キャ。カラフルな水玉を放ち敵をチーズに。誰でも母親に見える
- ブラッドスポート/ロバート・デュボア(イドリス・エルバ。山寺宏一)スーパーマンをクリプトナイト弾丸で半殺しにした最強スナイパー
- アマンダ・ウォラー(ヴィオラ・デイヴィス。上村典子)スーサイド・スクワッドを結成し命令を出す政府組織のリーダー
- ピースメイカー(ジョン・シナ。大塚明夫)筋骨隆々のマッチョボディで射撃の名手。平和のためなら暴力も
- シンカー/ガイウス・グリーヴス(ピーター・カパルディ。姫野惠二)頭から謎の機械が飛び出てる天才科学者。ミッションの鍵を握る
- リック・フラッグ(ジョエル・キナマン。宮内敦士)スーサイド・スクワッドを監督するエリート軍人
- サバント(マイケル・ルーカー。立木文彦)経験豊富で冷酷な接近戦の達人。白髪ロングストレート
- T.D.K.(ネイサン・フィリオン。加藤亮夫)青緑のコスチュームとマスク姿。自らの腕を武器とし…。映画オリジナルキャラ
- ウィーゼル(演:ショーン・ガン。キモカワなイタチ人間。27人の子供を殺害したシリアルキラー)
- ジャベリン(フルーラ・ボルク。日野聡)超強力な槍の達人。ブロンド髪のマッチョイケメン
- キャプテン・ブーメラン(ジェイ・コートニー。江川央生)ブーメランが武器の泥棒。ハーレイクインと親しい
- ブラックガード(ピート・デイヴィッドソン。武内駿輔)黒いアーマーでエネルギーメイス等を生成し戦う。ヤンキー風
- モンガル(メイリン・ウン)人間離れした宇宙人のような容姿
- ソル・ソリア(アリス・ブラガ。ファーストサマーウイカ)ルナ将軍に敵対するレジスタンスのリーダー
- ラットキャッチャー1(タイカ・ワイティティ。さかき孝輔)ラットキャッチャー2の亡き父。ネズミを操る機械を発明
ネタバレ感想『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
前作の続編?監督とキャストについて
映画『ザ・スーサイド・スクワッド2 “極”悪党、集結』(新スースク)は、アメコミDCコミックスに登場するヴィラン(悪役)が集合するDC映画シリーズの作品です。2016年公開『スーサイド・スクワッド』の続編ではなく、それをベースにした新作です。
監督のジェームズ・ガンは、マーベル映画MCUシリーズの製作やその中の『ガーディアンズオブギャラクシー リミックス』等を監督。後に昔のSNS投稿内容でディズニーに解雇され、DC映画にスカウトされました。
その後、ジェームズ・ガンはディズニーにも復帰できて『ガーディアンズ…3』監督も予定されてます。本作では、そんな監督のディズニーへのラブコールも描かれました(この記事の最後に記述)。
主演ブラッドスポート役のイドリス・エルバは『マイティソー バトルロイヤル』『ワイルドスピード スーパーコンボ』等に出演。007シリーズの新ジェームズ・ボンドとして名が挙がることもあります。
ハーレイクイン役のマーゴット・ロビーは『ワンス・アポン・アタイム・イン・ハリウッド』『ハーレイクインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』等、ピースメイカー役のジョン・シナは『バンブルビー』『ワイルドスピード ジェットブレイク』等に出演。
他にヴィオラ・デイヴィス、マイケル・ルーカー(『ガーディアンズ…』ヨンドゥ)、ショーン・ガン(監督の末弟)、タイカ・ワイティティ(『マイティソー3』監督・出演)等。シルヴェスター・スタローンもキングシャークの声で出演。
チーム1のメンバーと生き残りは?裏切り者は?
とある島に上陸する作戦に「タスクフォースX」通称スーサイド・スクワッド(自殺部隊)として集められた異色の精鋭8人。サバント、キャプテン・ブーメラン、ブラックガード、モンガル、ジャベリン、T.D.K.、ヴィーゼル、ハーレイ・クイン。
それを率いる軍人フラッグの指示で島に降りたが、ウィーゼルはおぼれ死に、裏切って上陸場所を敵に教えてたブラックガードは射殺されます。T.D.K.は両腕を切り離して飛ばすがパンチに威力がなく、本体が殺害されます。
敵ヘリを落としたモンガルは、キャプテン・ブーメランを巻きこんで爆死。撃たれたジャベリンは、自慢の槍をハーレイ・クインに渡して死亡。逃亡したサバントを本部のアマンダが爆破し、その肉は小鳥についばまれます。冒頭の小鳥の復讐(伏線回収)です。
実はこのチーム1は陽動で「チーム2」が別ビーチから上陸。チーム1の生き残りは、フラッグ大佐とハーレイ・クインのみ。フラッグがいるチーム1が本命だったのかもだけど、ブラックガードの裏切りで敵を集めたことがチーム2の上陸成功につながったのは皮肉。
いきなり7人の極悪党を亡き者にしたのは意表つかれましたが、ジェームズ・ガン監督特有のブラックユーモアを感じます。同時に前回の『スーサイドスクワッド』(キャラは違うけど)はリセットして、新チームで挑むという宣言にも受けとれます。
チーム2のメンバーは?目的は?スターフィッシュ計画とは?
極秘政府組織のリーダーのアマンダ・ウォラー(ヴィオラ・デイヴィス)は、ウィーゼルの目の前で「チーム2」の5人を選抜。リーダーのブラッドスポート、ピースメイカー、キング・シャーク、ポルカドットマン、ラットキャッチャー2。
ブラッドスポート(イドリス・エルバ)は拒否するが、娘の将来を人質にとられ渋々参戦。チーム1の陽動のおかげで軽々と島へ上陸し、アマンダの指示で敵らしき部隊を全滅。しかしその部隊は、共通の敵を持つレジスタンスでした。
捕まったと思われたフラッグ大佐は、レジスタンスのソル・ソリアが救出してたのです。ソルは仕方なく共闘。スーサイド・スクワッドの目的は、軍事クーデターの起こった南米沖の小さな島国コルト・マルテーゼ島でヨトゥンヘイム塔のスターフィッシュ計画の痕跡を消滅させること。
スターフィッシュ計画とは、アメリカのスペースシャトルが捕縛した「宇宙ヒトデ」の「寄生した人間を操って人間を襲う能力」を利用して世界的に優位になろうとする計画です。逃亡ナチスがヒトデを入手し石塔で研究してたのを、前政権が横取りし遺伝学者シンカーが研究。
チーム2のメンバーは、ブラッドスポートとピースメイカー以外は頼りなさそうなので、やはりチーム1が本命だったのでは?ネズミ嫌いのブラッドスポートがラットキャッチャー2と組んだり、仲間を喰おうとするキングシャーク等、不安要素だらけ。
開始10分でハーレイ・クインのチーム1が全滅しただけでなく、島のレジスタンスがあっさりチーム2に全滅させられたのも驚き。コメディ調で大量殺戮を描くジェームズ・ガン監督は健在ですね。そして馬鹿げてるけど世界を滅亡しかねないスターフィッシュ計画も。
最初の任務達成はハーレイクイン?
チーム1の生き残りハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)は捕らわれるが、クーデター首謀者の1人・シルヴィオ・ルナ将軍に気に入られて赤いドレスを着せられ求婚されます。が、元カレのジョーカーでこりたハーレイはあっさり将軍を射殺。
一方「スーサイド・スクワッド」チーム2は、研究者シンカーが毎夜行くバーで彼を連行。チーム2が救出を試みたハーレイ・クインは、自ら脱出し敵部隊を全滅しジャベリンの槍も取り返します。この戦闘アクションは本作で一番好み!
コルト・マルテーゼ島のもう1人のクーデター首謀者マテオ・スアレス長官は大統領となるが石塔への侵入者を排除しに出動して戻らない人となります。レジスタンスのソル・スリア達が大統領官邸を占領して民主制を掲げます。
ハーレイ・クインは『ハーレイクインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』に匹敵するくらい見せ場が多くてアガりました。赤いドレスを着たままの残虐ファイトは、彼女の魅力や持ち味を120%以上引き出してました!
スーサイドスクワッド派遣の真相とは?トランプ批判?
チーム2は、研究者シンカーに協力させて「ヨトゥンヘイム塔」に強行侵入。「スーサイド・スクワッド」派遣の真相は、アメリカ政府が自国でできない人体実験を、コルトマルテーゼ島でシンカーに実行させてた事実を隠蔽する作戦でした。
フラッグ大佐は、この情報のハードドライブを入手して世間に公表すると言い出します。しかしピースメイカーは任務に忠実に行動して、フラッグ大佐を殺害。ピースメイカーは、ドライブを奪ったラットキャッチャー2も射殺しようとします。
そこへ、爆破されたヨトゥンヘイム上層階からブラッドスポートが落ちてきて、ピースメイカーを射殺。銃の撃ちあいの勝利条件がわかりにくかったけど「小さな銃弾」の方が空気抵抗が少なくて、ピースメイカーの普通弾を破壊したようですね。
ヨトゥンヘイム塔が崩壊すると、束縛されてたスターフィッシュ(ヒトデ型)の巨大怪獣「スターロ大王」が解き放たれますが、米国本部のアマンダは驚かないので、アメリカ政府は知ってたのでしょうね。
怪獣ヒトデが町や市民を襲っても「敵国の被害はほっとけ」と発言したアマンダは、「アメリカ・ファースト」のトランプ大統領と重なり皮肉も感じます。911の犯人にしたててイラクを破壊したブッシュ大統領など、アメリカのエゴへの批判も。
怪獣の倒し方は?星型の理由は?生き残りは?
宇宙カイジュウ「征服者スターロ」は、スアレス大統領も軍隊も市民も、ミニヒトデを寄生させて自分の一部にしてあやつります。アマンダの命令を無視した極悪党5人が、怪獣に立ち向かうシーンは胸が熱くなりました!本部のアマンダも気絶させられるし。
この時点での「スーサイド・スクワッド」の生き残りは、ブラッドスポート、ハーレイ・クイン、キング・シャーク、ポルカドットマン、ラットキャッチャー2。キングシャークとハーレイクインが立ち向かう動機は「面白そう」だからですよね。
ちなみに、研究者シンカーは塔内でスターロに殺害されました。怪獣映画は山ほどあるけど、生身の人間が怪獣を倒そうとする映画ってかなりめずらしいです。公開中の『ワイルドスピード ジェットブレイク』とおバカ度を競うほど。
ヒトデ怪獣とのバトルアクションは意外と迫力ありました。キングシャークは喰おうとして噛みつくがふっ飛ばされ、ポルカドットマンは、母親に見えたヒトデの足に水玉を発するがガレキの下敷きに。ブラッドスポートの武器はほぼダメージを与えられません。
一番戦力外と思われたラットキャッチャー2のネズミの大群が一番効果的でカイジュウを足止め。そのすきに、ハーレイ・クインがヒトデの目を槍で突き抜け、ネズミの大群も侵入して内部から怪獣ヒトデを食い破って倒します。
最終的な「スーサイド・スクワッド」の生き残りは、ブラッドスポート、ハーレイ・クイン、ラットキャッチャー2、キングシャークの他、チーム1のイタチ人間ウィーゼルも。エンドロール後、ピースメーカー(ジョン・シナ)の生存も明かされます(2022年には単独ドラマ化予定)。
ところで、怪獣はヒトデ型(スターフィッシュ)と思ったけど「星型」が正解だったようです。寄生されたスアレス大統領が「宇宙をただよい星を眺めてる時が幸せだった」と怪獣を代弁しました。つまり宇宙の星の1つを持ち帰ったら怪獣だったというオチ。
『ザスーサイドスクワッド2/極悪党集結』(新スースク)私の感想と評価と続編
前作『スーサイド・スクワッド』とは全く別物で、比較にならないほど残酷で面白く仕上がっています。ジェームズ・ガン監督らしく不謹慎な描写の連続や、情報量多く細部までこだわってる点もよかったです。
ネズミ大嫌いのブラッドスポートが、最後にラットキャッチャー2のセバスチャンをなでられるほどにネズミ好きに変わってます。これは、ネズミから連想できるミッキーマウスのディズニーともいろいろあったけど、仲よくしたいという願望だと思いました。
登場キャラは多いけど、短時間に紹介する手腕や混乱しないよう特徴づける展開も『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の監督らしいです。戦闘アクションの質も、演出のかっこよさも大好物でした。
ストーリーも何度も意表をついて驚かせてくれました。ただ、パターンが似てたし、大筋の流れは一本道だし、スーパーヒーロー映画の王道的な展開も物足りなかったです。悪役集団のわりに悪さを感じなかったのもやや残念。
「悪のヴィラン集団が世界を救う」という題材は、ジェームズ・ガン監督の力量をもってしても難しかったのでしょう。それをここまで魅力的に持ち上げたのはさすが。ハーレイ・クイン、サメ人間キングシャーク登場の続編は期待したいです!
私の評価 70/100(60が平均)
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