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映画『ハーレイクインの華麗なる覚醒』ネタバレ感想考察/ジョーカー登場?

(興収/評価は随時)
ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY 映画/ドラマ

DC映画シリーズ。『スーサイドスクワッド』後、恋人ジョーカーと別れたハーレイクインは覚醒したように暴れまわり、ある少女を助けたことから大物に追われ、女性5人の即席チームで挑むが…。エンドロール後は?ハイエナの名の由来は?(ネタバレ感想あらすじ↓)

映画名/邦題ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY
日本公開日2020/3/20 [予告] 上映時間:109分
製作国アメリカ
原題/英題Birds of Prey: And the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn
監督・キャストキャシー・ヤン(キャスト
映倫区分日本:PG12(小学生指導必要) USA:R
配給/製作
(画像出典)
ワーナー・ブラザース/DCフィルムズ、ラッキーチャップ・エンターテインメント、クロール&Co.エンターテインメント、クラブハウス・ピクチャーズ
日本興行収入5.1億円(興行収入ランキング
世界興行収入2.0億USドル [出典]
製作費0.8億USドル
平均評価
平均:100換算
*批評家と一般は単純平均
66私の評価は含まず)
シリーズ
関連作品
DCU/DCユニバース一覧
前作『ジョーカー50.6
続編『ワンダーウーマン 19845.4

登場キャラクター(キャスト/出演者)

ネタバレ感想『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』解説と評価

以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!

アジア人女性監督と主要キャスト

中国生まれのキャシー・ヤン監督は、スーパーヒーロー映画を監督した初のアジア人女性です。「ウォール・ストリート・ジャーナル」の記者を経た後で監督した「Dead Pigs」がサンダンス映画祭で審査員特別賞を受賞しています。

主演ハーレイクイン役のマーゴット・ロビーは『ワンス・アポンア・タイムイン・ハリウッド』への出演が記憶に新しい売れっ子若手女優です。『スキャンダル』『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』でアカデミー賞ゴールデングローブ賞ともに助演や主演女優賞にノミネートしました。今回はプロデューサーも兼ねてます。

ヴィランのブラックマスク役のユアン・マクレガーは『トレインスポッティング』や『スターウォーズ エピソード1 ファントムメナス』のオビ=ワン・ケノービ役で有名な実力派俳優です。最近は『ドクタースリープ』の主演も務めました。

ハントレス役のメアリー・エリザベス・ウィンステッドは、最近では『10 クローバーフィールド・レーン』『ジェミニマン』に出演してます。ユアン・マクレガーとはTVドラマ『ファーゴ』でも共演して、私的キス写真をスクープされました。

カサンドラ・ケイン役でシンガー/ソングライター/ダンサーでもあるエラ・ジェイ・バスコ、ブラックキャナリー役でTVドラマでも活躍中のジャーニー・スモレット=ベル、婦警レニー・モントーヤ役で振付師でもあるロージー・ペレスも出演。

ジョーカー登場?スーサイドスクワッドの続編?

ハーレイクイン(マーゴット・ロビー)の映画デビュー作は『スーサイド・スクワッド』で、今回はその後を描いてます。その証拠に「ブーメラン、こいつ知ってる」というセリフがあります。

ハーレイクインは『ジョーカー』をアサイラムで精神治療中に恋して、薬品に落ちて狂ったことで誕生しました。しかしスーサイドスクワッドの後、ジョーカーとは別れてしまい、強力な後ろだてがなくなったのです。

映画『ハーレイクインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』は、DC映画シリーズ(DCEU:DCエクステンデッド・ユニバース)の一作ですが、強いつながりはない独立作品なので、旧作は何も観てなくても問題ありません

DCEUは『ジャスティス・リーグ』までの失敗により再スタートを模索中なので、本作も将来的な位置づけはまだ不明です。『スーサイド・スクワッド』もジェームズ・ガン監督によるリブートが予定されていますし。

ハーレイクインの元カレのジョーカーは、アニメや下手な似顔絵でのみ登場します。ハーレイクインは彼からもらったペンダントを、冒頭の化学工場爆破の時に引きちぎって気持ちにけりをつけます。

ハーレイクインや敵の魅力は?アクションの質は?

ほぼ主役はハーレイクインですが、狂人ぶりが凝縮されてた『スーサイド・スクワッド』での方が魅力的でした。今回は、カラフルでポップな衣装やアップテンポな曲がハーレクインにぴったりです!

悪カワのハーレイクイン演じるマーゴット・ロビーのハマりっぷりは他の女優ではマネできないでしょう。物語の構成が、狂ったハーレイクインの語りたい順番なのも面白いけど、キャラが多いのでわかりにくくしてる面もあります。

DCEU映画シリーズ全般の欠点である「ヴィラン(敵役)に魅力を感じない」について、本作『ハーレイクインの華麗なる覚醒』で改善は見られますが、ユアン・マクレガーを起用したわりには魅力は薄いと思います。

そもそも本作で最も「魅力」あるのは戦闘アクションシーンと破壊・爆発シーンだけなので、それ以外の場面はつなぎにしか見えないのが残念です。それでも回想も含めてアクションシーンはかなり多いので退屈はしません。

ハーレイクインがペンキ銃で警察署へ乗りこんだり、囚人と戦っかたり、ローラースケート・チェイスシーンや、5人共闘でブラックマスクの傭兵たちと戦うシーン等でアガりました。髪どめを渡すような、女性ならではの描写もいいですね。

戦闘アクションは、ジョンウィック・シリーズのチャド・スタエルスキ監督が関わってるため、息もつかせぬ展開や連携攻撃や鏡の間でのバトル等アクションの質は高いです。ハイエナのブルースも「ドッグフー」のように戦闘参加させてくれたならもっとアガったのですが。

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY 映画/ドラマ

女性が自立し男性をたたきのめす映画?

本作『ハーレイクインの華麗なる覚醒』は、自立した女性5人が徹底的に男性と男性社会を打倒していく映画です。それにしては、女性に横暴な男性像がそれほど描かれてないのは、テーマ性を伝えきれてなくてもったいないです。

男性社会に最もうらみを持ってそうなのは、ゴッサム市警で男性に手がらを横取りされ続けてるレニー・モントーヤです。ハントレス(ハンターの女性形造語?)も、幼少期に男性中心のマフィア団に家族を全滅させられてうらんでいます。

ブラック・キャナリーは、男性客ばかりのバーで歌うことでしか生活できない身でしたが、ブラックマスクの運転手に雇われ断れません。しかしブラックマスクの女性に対するひどいあつかいには怒りを感じます。

孤児カサンドラ・ケインは、男性社会にというよりも社会全体に復讐したいようで、女性からもスリで盗みます。カサンドラに関しては、父親をDVぎみに描くなどもっと男性に対する復讐心を持たせた方がテーマに近づけたとは思うのですが。

エッグサンドは何のメタファー?

映画『ハーレイクインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』は、美味しそうなエッグサンドを食べようとした無一文のハーレイクインが邪魔された序盤と、ダイヤで成金となってスリ少女とエッグサンドをほおばるラストが対(韻)になっています。

落とされたエッグサンドは、ジョーカーにふられたハーレクインや、男性社会でふみにじられる女性達の気持ちを表してそうです。ラストでひとまとめにかじられたエッグサンドは、共闘したハーレイクインとバーズ・オブ・プレイのメタファーにも感じられます。

少女が追われる理由?ダイヤ秘密とハントレスの関係?

アジア系の少女カサンドラ・ケインは、日常のとおりスリしてると警察に囲まれて逮捕されます。その前に、ブラックマスクの部下ザーズから、貴重なダイヤモンドをスリしてて、パトカーの中で隠すために飲みこんでしまいます。

実はそのダイヤには、昔マフィアに皆殺しにされた大富豪一家バーティネリ家の遺産の場所が記されています。それを手に入れたいローマン・シオニス、通称ブラックマスク(ユアン・マクレガー)が懸賞金をかけて捜索し少女を追います。

ヘレナ・バーティネリ、通称ハントレスは、皆殺しにされた大富豪バーティネリ家の唯一の生き残りです。ハントレスは殺し屋として成長して家族のかたきを暗殺して回り、ブラックマスクの側近ビクター・ザーズが最後の暗殺対象です。

バーズ・オブ・プレイ(BIRDS OF PREY)とは?タイトルの意味?

バーズ・オブ・プレイ(BIRDS OF PREY)とは、直訳するとタカ・ワシ・フクロウ等の猛禽類(もうきんるい)です。歌姫ブラックキャナリーが「小鳥ちゃん」と呼ばれてましたが、鳥は鳥でも最もどう猛で肉食の猛禽類ということなのでしょう。

ラストシーンで、ダイナ・ランス、通称ブラックキャナリーと、ヘレナ・バーティネリ、通称ハントレスと、ゴッサム市警を辞職したレニー・モントーヤが女性だけの自警団ヒロインチーム「バーズ・オブ・プレイ(BIRDS OF PREY)」を結成します。

ハーリーン・クインゼル、通称ハーレイクインと、アジア系のスリ少女カサンドラ・ケインの2人は、バーズオブプレイに加わらず、ダイヤから手に入れたバーティネリ家の遺産を元手に別のことを始めようとたくらんでいます。

バーティネリ家の遺産なら、ヘレナ・バーティネリ(ハントレス)が正式な相続人なのに、その点についてあまりふれてくれません。または次作で、ハーレクインとバーズ・オブ・プレイが共闘するきっかけになるのかもしれませんが。

ブラックマスクの結末は?

ローマン・シオニス、通称ブラックマスク(ユアン・マクレガー)は、バーティネリ家の遺産の場所を示すダイヤを奪うため、大勢の傭兵とともに乗りこんで行きます。側近ビクター・ザーズは、ヘレナ・バーティネリの復讐のえじきになります。

ダイヤをのみこんだスリ少女カサンドラ・ケインを捕まえたブラックマスクの結末は、カサンドラのスリ技で手榴弾をつけられての爆死です。あっけなさすぎるしコメディ調なのでゴッサムシティに不釣合いな気はしたけど、ハーレクインの物語にはあってるかもしれません。

ハイエナの名前の由来は?エンドロール後オマケあり?

冒頭で失恋したハーレイクインが、ペットショップにハイエナを買いに行き、異性として近づいた店員を襲わせてエサにします。そのハイエナの名前ブルースは、バットマンの正体である本名ブルース・ウェインから名付けています。

つまりこの時点で、ハーレイクインはバットマンの正体を知ってることになります。今後のDC映画シリーズへの伏線である可能性もあるし、それを知るきっかけとなる事件が「ハーレイクインvsバットマン」として後づけ公開されるかもしれません。

ラストのエンドロール後、ハーレイクインが「まだ座ってるの?じゃとっておきの秘密を教えるよ。バットマンは…」と言って終わりますが、あれもバットマンの正体を知ってることが続編で生かされる可能性を感じさせます。

このハイエナのブルース、今回は全く活躍しなくて、飼われる時、隠れ家が爆破された時、ラストで生きてることが判明し合流した後しか登場しません。肉食獣なので戦闘参加を期待したのに拍子抜け。次作で機会あればぜひ観たいです!

『ハーレイクインの華麗なる覚醒』私の評価と続編

『スーサイド・スクワッド』での「マーゴット・ロビー演じるハーレクインだけが魅力的」との声を受けての待望のハーレイクインの主役映画です。今回もマーゴット・ロビーは完全なる「悪カワ」を演じきれてます。

新キャラばかりだけど、紹介説明が多くならない配慮は感じられます。ハーレイクインの思い出し順という独特な設定は混乱のもとだけど「らしさ」を感じられるので好みです。

スーパーパワーは、ブラック・キャナリーの超高音波以外は登場しませんが、軽快な曲にのる派手でポップなアクションシーンは多めでとても楽しめます。女性チームが屈強なマッチョ男性をあれだけ倒す映画もめずらしいと思います。

一方、ストーリーはマクガフィンのダイヤを追ったり守って最後は戦闘で勝利!というありがちな展開なので目新しさは感じません。『チャーリーズエンジェル(2020)』と公開日が近かったので、1年後には記憶が混線してそうです。

それでも、マーゴット・ロビーやハントレス役のメアリー・エリザベス・ウィンステッドはまた見たいし、他のバーズ・オブ・プレイの活躍も気になるので、続編やリブート版『スーサイド・スクワッド』も期待したいです!

私の評価 65/100(60が平均)

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