映画『ブラックウィドウ』ネタバレ感想考察/黒幕の目的と正体は?家族の結末は?
MCU(マーベル映画)。『シビルウォー』後、アベンジャーズを離れたブラックウィドウは、妹エレーナや家族と再会。そして自分達が育った組織「レッドルーム」の陰謀を知り…。タスクマスターの正体は?レッドルームの場所は?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | ブラック・ウィドウ |
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日本公開日 | 2021/7/8 [予告] 上映時間:134分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | Black Widow |
監督・キャスト | ケイト・ショートランド[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:PG-13 |
配給/製作 (画像出典) | ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ、ウォルト・ディズニー・ジャパン/Marvel Studios、Zak Productions、Walt Disney Pictures |
日本興行収入 | 9.4億円 (興行収入ランキング) |
世界興行収入 | 3.7億USドル [出典] |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.15更新) 73(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | マーベル/MCU一覧 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン/幼少期エヴァー・アンダーソン。米倉涼子)元S.H.I.E.L.D.エージェント。アベンジャーズの一員
- エレーナ・ベロワ(フローレンス・ピュー。田村睦心)ナターシャの妹。「レッドルーム」で訓練を受けたスパイ
- メリーナ・ヴォストコフ(レイチェル・ワイズ。田中敦子)ナターシャとエレーナの母。「レッドルーム」の天才科学者
- アレクセイ・ショスターコフ/レッド・ガーディアン(デヴィッド・ハーバー。大塚明夫)ナターシャとエレーナの父。ロシアのスーパーソルジャー
- アントニア・ドレイコフ/タスクマスター(オルガ・キュリレンコ)ドレイコフの娘。一度見たスキルをコピーできる
- ドレイコフ(レイ・ウィンストン。宝亀克寿)レッドルームの支配者
- リック・メイソン(O・T・ファグベンル。関智一)ナターシャのよき友人で調達屋
ネタバレ感想『ブラック・ウィドウ』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
MCUとは?監督とスカヨハ等キャスト
映画『ブラック・ウィドウ』は、マーベルコミックス(アメコミ)を元に制作された、MCU(ディズニーのマーベル映画シリーズ)24作目です。ただし独立作品なので、単独で観ても問題なさそうです。
監督のケイト・ショートランドは『15歳のダイアリー』(2004)で長編映画の監督デビュー。2作目『さよなら、アドルフ』は、各種映画賞の受賞や、アカデミー賞外国語映画賞のオーストラリア代表となりました。とはいえ今回は大抜擢だと思います。
主演のスカーレット・ヨハンソンは、歴代MCU映画で同役をつとめてきました。他に『ゴーストインザシェル』『マリッジ・ストーリー』『ジョジョ・ラビット』等に出演。日本では「スカヨハ」の愛称でも呼ばれます。
妹役のフローレンス・ピューは『ミッドサマー』『ストーリーオブマイライフ わたしの若草物語』等、母役のレイチェル・ワイズは『女王陛下のお気に入り』等、父役のデヴィッド・ハーバーは『スーサイド・スクワッド』等に出演。
幼少期のナターシャ役エヴァー・アンダーソンは、母ミラ・ジョヴォヴィッチと父ポール・W・S・アンダーソン監督の愛娘で『バイオハザード ザ・ファイナル』で映画デビュー。ドレイコフの娘役オルガ・キュリレンコは『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』の美女です。
ブラックウィドウが追われ、襲われた理由は?
ナターシャ・ロマノフ/通称ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)がアメリカに追われる理由は、『シビルウォー』で国家に叛逆したキャプテン・アメリカ達の逃亡を助けソコヴィア協定に背いたからです。追うのはロス国務長官の部隊。
ナターシャは、ノルウェーで調達屋メイソンにかくまわれます。ナターシャが昔活動してたブダペストへの郵便物も受け取ります。その中には、妹エレーナから送られた「赤い液体=洗脳を解除する薬品」も含まれてました。
全身を防護服に包んだタスクマスターが、ナターシャを襲った理由は、この赤い液体を取りもどすためです。この液体は、妹エレーナ(フローレンス・ピュー)がモロッコの作戦中に偶然あびて洗脳が解け、入手したものです。
突然登場した調達屋メイソンの正体は何者でしょうか?ブラック・ウィドウは「よき友人」と言いますが、メイソンはナターシャに気がありそうな感じもします。元SHIELD所属だったようですが、今後も登場しそうなキャラですね。
ナターシャの家族とは?洗脳薬の出所は?
ナターシャは幼少期、アメリカのオハイオ州で、妹エレーナ、母メリーナ、父アレクセイの4人家族で過ごしました。ナターシャも6歳のエレーナも、その後レッドルームで本格的にスパイ(ウィドウ)の訓練を受けます。
しかし、その偽りの家族ごっこも数年間で終わります。4人はSHIELD(ほぼヒドラ)からある技術を盗み出し、キューバへ飛び、そこで家族は解散。負傷した母エレーナの安否も不明のまま。その後、ナターシャはレッドルームから逃亡。
その時盗んだのが、洗脳薬品の技術で、後に解除用の赤い液体もメリーナが生み出します。これは『ウィンターソルジャー』でバッキー・バーンズが洗脳されたマインド・コントロールの進化版だと思います。
ナターシャは自分を捨てた親の記憶がありました。スパイ(ブラックウィドウ)の適性があった幼いナターシャは、両親への謝礼と引き換えにレッドルームへ入れられました。しかし実母はナターシャを探し続け殺害されたようです。
まだ幼かったエレーナは、本物の家族の記憶はなく、メリーナとアレクセイを本当の両親のように思ってたので、いやいや疑似家族を演じてたと知り悲しみます。そんなエレーナですが、姉ナターシャの「決めポーズ」をいじり、終盤にはマネした姿がかわいい。自分もやりたかったのかと。
ナターシャとエレーナの、ブダペストでの格闘戦は互角勝負で見ごたえありました!こんな小戦闘でさえ手抜きしないのがマーベル映画。邦画では、メイン・アクションでもこの水準の見ごたえに届く作品は少ないです。
黒幕の目的と正体とは?レッドルームの場所は?
母メリーナ(レイチェル・ワイズ)は、レッドルームに家族3人を引き渡します。レッドルームの場所は空中要塞なので見つからなかったのです。メリーナに変装したナターシャはバレて、フェロモン洗脳で黒幕を攻撃することもできません。
レッドルームの黒幕ドレイコフの目的は、世界中の若い娘の孤児等を薬品で洗脳して、世界各国を思いのままに操ることです。そこまで聞いたナターシャは、自分の神経を傷つけてフェロモンロックを解除し、ドレイコフを追いつめます。
特定のフェロモンの持ち主を攻撃できない洗脳(マインド・コントロール)が、21年たっても解除されてないのは驚きですが、わりと簡単に攻略できるのは科学者ならわかったのでは?とツッコミたくなりますね。
ちなみに、ナターシャ・ロマノフは過去の「S.H.I.E.L.D.最終試験」でクリント・バートン/通称ホークアイと共にブダペストに潜伏し、ドレイコフ将軍を殺害したつもりでした。その時に、ドレイコフの娘も一緒に巻きこんだのは心残りでした。
黒幕ドレイコフの野望は、どこかで聞いたことある展開なので新鮮味はなかったけど、攻撃されないので勝ちほこって憎らしかった後にボコボコにやられる姿が爽快でした。よくも悪くもこういう人間くさいヴィランってMCUには少ないと実感。
タスクマスターの正体は?その能力は?
序盤でエレーナの洗脳が反作用剤により解除された時「タスクマスター・プロトコル」が申請され、全身防護服の謎のヴィラン・タスクマスターが登場。反作用剤を持つナターシャも襲われ、得意のロープを使って逃げるのがやっとな強さ。
タスクマスターは一度見た相手の能力を完全コピーでき、スパイダーマン並の体術も披露。しかもレッドルームの技術力で、キャプテン・アメリカの盾、ブラックパンサーの爪、ホークアイ風の弓矢も再現され、実質アベンジャーズと戦うようです。
タスクマスターの正体は、ブラック・ウィドウ(ナターシャ)が爆死させたドレイコフの娘です。全身やけどで回復の見込みのない娘に、ドレイコフはチップを埋め込みタスクマスターとして復活させ、洗脳し利用してたのです。最低の父親です。
かつてキャプテン・アメリカのライバルを目指した父アレクセイ/通称レッド・ガーディアンも、老いて太った姿ではタスクマスターに歯が立たず閉じこめるのがやっと。強すぎるので、まともな格闘戦を見せてもらえなかったのはやや残念。
しかし、落下しながらのナターシャとタスクマスターの空中戦はハイライト・アクションです!超人能力を持たないナターシャが、落下する妹エレーナにパラシュートを譲り、タスクマスターを利用して着地するのも見事!いや、無事なの?
ナターシャはどこへ?エンドロール後の女性の正体は?
洗脳の解けたウィドウズは、ブラック・ウィドウの家族、タスクマスターと共に姿を消します。妹エレーナには、世界中のウィドウズの情報が手渡されたので、母メリーナにより増殖された洗脳解除薬を使って、ウィドウズを解放するのでしょう。
妹エレーナは、洗脳解除後に初めて自分の意志で買ったポケットだらけの服をナターシャにプレゼント。『アベンジャーズ エンドゲーム』で来てた服でしょうか。再視聴したら泣きそう。
ナターシャら4人は偽装家族でしたが「レッドルーム壊滅作戦」を家族でやりとげ絆を深めます。そしてナターシャは「アベンジャーズは家族」という考えも強くし「アベンジャーズの母」や調整役に徹して、1人も失いたくないので最後はホークアイの代わりに犠牲になります。
ナターシャは、調達屋メイソンに注文したクインジェット?で、キャプテン・アメリカと合流し、海中の「最高警備刑務所ラフト」へ仲間を脱獄させに向かいます。『シビルウォー キャプテンアメリカ』のエンドロール前のシーンです。
映画『ブラック・ウィドウ』のエンドロール後のおまけシーンでは、妹エレーナが『アベンジャーズ エンドゲーム』で命を落としたナターシャの墓参りに。エレーナに「姉のかたきはホークアイ」と告げる女性ヴァレンティーナも登場。
見覚えある顔と名前だと思ったら、ディズニープラスのMCUドラマ『ファルコン&ウィンターソルジャー』でジョン・ウォーカーを支援しそうなヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ伯爵夫人(ヴァル)ですね。
「アベンジャーズ」に不満を持つ仲間を集めて、反アベンジャーズ組織でも作るのでしょうか。エレーナはホークアイと激突しそうなので、MCUドラマで予定されている「ホークアイ」に出演の可能性もあり、今から楽しみですね!
映画『ブラック・ウィドウ』私の感想と評価
約2年ぶりのMCU(マーベル映画)にして「フェーズ4 1作目の映画」は私のみならず、世界中で待望されてました。ややスピンオフ的なあつかいで心配しましたが、全く手を抜かないのがマーベルの信頼できる点だと思い出せました!
MCUの中では比較的小規模な話ですが、最後にあっと驚く未来設定をもってくるのもさすが。めずらしく超人がいないため、近接格闘戦を堪能できたのもよかったです。空を飛べない空中戦アクションも、ブラック・ウィドウの有終の美でしたね!
家族の物語を中心にしたため、レッドルームの秘密やボスキャラを倒す展開が二の次に思えたのは少し不満点。あと、ナターシャのことをみんなが引き立ててた感じもしました。ホークアイを守りたかった理由も明確になると思ったんですが。
主演のスカーレット・ヨハンソンは本当におつかれさまでした。妹役のフローレンス・ピューとも息がぴったりで、彼女が姉の決めポーズをいじる様子は、本当の姉妹のように見えて微笑ましい。彼女が2代目ブラック・ウィドウになる続編も期待していいのでしょうか。
私の評価 72/100(60が平均)
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