映画『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形』評価は?ネタバレ感想考察/イザベラとテイラーの関係とは?
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形』あらすじ概要
教育係として派遣されてきたヴァイオレットに反発してたイザベラも、やがて身の上話する仲になります。数年後、ヴァイオレットを訪ねて来た少女テイラーによる一通の手紙は…。手紙がつないだ「永遠」とは?幸せ運ぶのは誰?(ネタバレ感想考察↓)
映画名/邦題 | ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形 |
日本興行収入 | 6.4億円(興行収入ランキング) |
平均評価★★★★★85(私の評価↓は含まず) | |
シリーズ/関連 | 続編『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』 > |
日本公開日 | 2019/9/6 [予告↓]上映時間 90分 |
映倫区分 | 日本 G(年齢制限なし) |
映画監督 | 藤田春香 [キャスト↓] |
配給/製作/画像 | ©松竹/京都アニメーション |
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形』予告動画
キャラ ランキング(キャスト/出演者/吹替声優)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(吹き替え声優)
キャラ・ランキングは本作まで考慮
- 1位ヴァイオレット・エヴァーガーデン(石川由依)感情の薄い金髪少女。元ギルベルト直属の凄腕軍人。愛の意味を探す
- 2位イザベラ・ヨーク(寿美菜子)大貴族ヨーク家の令嬢。名門女学校に通うが将来を悲観。旧名エイミー
- 3位テイラー・バートレット(悠木碧)エイミーと暮らした女児。施設に預けられた後、ヴァイオレットを訪ねる
- 4位ベネディクト・ブルー(内山昂輝)C.H郵便社の配達員。単調な仕事に意味をみいだせないでいた
- クラウディア・ホッジンズ(子安武人)C.H郵便社の社長。ギルベルトの親友の元中佐
- カトレア・ボードレール(遠藤綾)C.H郵便社の人気の自動手記人形
- エリカ・ブラウン(茅原実里)C.H郵便社の自動手記人形
- アイリス・カナリー(戸松遥)C.H郵便社の自動手記人形
ネタバレ感想『ヴァイオレットエヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形』解説や評価レビュー
この先はネタバレありの感想考察です。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。
テルシス大陸地図『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』公式サイト
観る順番は?原作とTV版と本作の位置づけ
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は、京アニ(京都アニメーション)出版の、暁佳奈による小説が原作です。TVオリジナルアニメーション、劇場版アニメも制作され、小説がベースですが独自キャラ等オリジナルな部分も多いです。
TVアニメシリーズは、その圧倒的な描画の美しさや、人間としての「心」が乏しい無機質なヴァイオレットが、少佐に「愛」という言葉を植えつけられ、様々な愛を知りながら成長する物語として、多くのファンを号泣させました。
本作『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形』の前半はTVアニメシリーズ5話の後を描き、後半は最終話の4年後を描いたスピンオフ的な物語です。TV版については劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンの前半で語っています。
- TVアニメシリーズ 全13話
- TVアニメの外伝(DVD特典)TV版の4と5話の間で観てもOK
- 本作『外伝 永遠と自動手記人形』
- 『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
ヴァイオレットが依頼された理由は?
C.H郵便社で自動手記人形サービス、通称ドールとして働くヴァイオレット・エヴァーガーデンは、ドロッセル王家とゆかりの深いヨーク家から、イザベラの家庭教師を依頼されます。主業務ではないけど、王家に関わる依頼なので断れません。
ヴァイオレットが選ばれた理由は、TV版5話でドロッセル王国とフリューゲル王国の「公開恋文」を成功させて信頼を得たからです。しかし王家から派遣されたヴァイオレットを「お高くとまっててキライ」と、イザベラはつき放します。
依頼内容は、3ヶ月後のレビュタント(令嬢としてのおひろめ会)に向けて、良家の淑女としてふさわしい教養・会話・礼儀作法・舞踏を学ばせることです。軍人あがりのヴァイオレットが、これらをどこで身につけたのかは気になりますね。
ヴァイオレットは男子禁制の女子寮で寝泊まりし、イザベラの侍女として女学校にも付いていきます。戦地できたえたヴァイオレットが、数冊の本を頭に乗せてバランスとるシーンは笑いました。イザベラの「僕」は「わたくし」になおします。
ヴァイオレットが「マネてるだけ」と言った真意は?
最初は反発してたイザベラですが、ヴァイオレットが孤児だったことに親近感を覚え、そして何よりも久しぶりに人に寄りそえることを実感できたため、少しずつ友達になります。「堅物なのに恋文書けるの?」「定評あります」も笑えました。
慣れると一緒に寝て、一緒にお風呂にも入り、髪をといて結びあったりして、女性の同性愛恋人(GL/百合)のようにも表現されてますね。でも実際は2人とも相手を「恋愛対象」としてではなく、全く別の愛の対象として見ています。
イザベラは「エイミー」だった頃の気持ちに戻り、ヴァイオレットをテイラーの代わりに妹のように感じてます。一方のヴァイオレットは「ただマネてるだけです」と言ったとおり、少佐が彼女にしてくれたように、イザベラにも接したのです。
ヴァイオレットは、他の令嬢からは「騎士姫様」と呼ばれて「あこがれの対象」として見られました。軍人あがりだからかダンスも堂々として男性的です。目標のレビュタントは意外にあっさりと成功で終わります。
ところでレビュタントの後、アッシュリー・ランカスターが「家柄は関係なく、ただお話したい」と言ってきますが、その後このエピソードが回収されないのは不思議でした。いじめキャラと見せかけて、実は良い人だったというオチですね。
ちなみにヨーク家とランカスター家は、私たちの現実世界では中世イングランドの内戦「薔薇戦争」で権力闘争したライバルです。そして1471年には「バーネットの戦い」という戦闘もあったので、それらが語源になってそうです。
イザベラの妹は今どこに?手紙がつなぎとめたのは何?
イザベラはヨーク家の娘として引き取られるまで、スラム街のような場所で日銭を稼ぐのがやっとの暮らしをしてました。ある日、道に捨てられた女児テイラーを見つけ妹として育てることにします。テイラーは貧しい生活に光を与えます。
エイミーはテイラーとほんの少しの食事を一緒にし、一緒に風呂に入り、一緒に寝る生活が「幸せ」でした。ところがヨーク家から父と名乗る人が来て、娘として暮らすなら、テイラーをきちんとした施設に入れるという交換条件を提示しました。
生活はぎりぎりだったし、テイラーの将来を考えたエイミーは、自分の自由は犠牲にして交換条件に従いました。テイラーはドロッセル王国運営の孤児院に入りましたが、イザベラ(エイミーから改名)は会うことを禁じられました。
そのテイラーに、C.H郵便社のベネディクトが手紙を2通届けます。1通目はヴァイオレットから「困ったことあれば、いつでも訪ねてください」。2通目は差出人不明で「あなたを守る魔法の言葉『エイミー』。ただそう唱えて」。
もちろん2通目はイザベラ・ヨークが、自動手記人形ヴァイオレット・エヴァーガーデンに代筆してもらった手紙です。幼いテイラーは「エイミー」の存在を忘れかけてましたが、名前を聞いただけでなつかしくて涙があふれてきます。
エイミーからテイラーへの手紙は、いいタイミングで届けられたのかもしれません。これ以上テイラーが大きくなった後では、多くの新しい記憶がエイミーのことを忘れさせた可能性もあります。手紙が、消えそうな記憶をつなぎとめたのです。
「永遠」の絆を運んだ物とは?幸せを運ぶ者は誰?
本作『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形』冒頭、船でライデンへ向かう赤髪の少年?が一通の手紙を読んでました。そしてC.H郵便社のヴァイオレットを訪ねますが、正体はイザベラの妹テイラーという女児です。
少しの期間だけ一緒に暮らしただけで、本物の妹ではありません。テイラーはドロッセル王国運営の孤児院をぬけ出してきました。郵便配達員になりたいと言い、ヴァイオレットのお願いもあり、ベネディクトが仕事を教えることになります。
エイミーを「ネエネ」と呼んだテイラーは、ベネディクトを「ニイニ」から「師匠」と呼び始めます。最初は面倒だと思ってたベネディクト、弟子ができて少しうれしそうです。テイラーはまだ字を読めないので、ヴァイオレットが教えます。
仕事をつまらないと思ってたベネティクトは、テイラーの言葉「郵便配達人が運ぶのは『幸せ』」で考え方が変わります。テイラーは手紙を書き、イザベラの嫁ぎ先「ネヴィル伯爵の屋敷」を見つけてくれたベネディクトと共に届けに行きます。
「あたしのために遠へ行ったと聞きました。あたしはテイラー・バートレット。エイミー・バートレットの妹です」とつたない手紙です。しかし読んだイザベラはその瞬間だけ「エイミー」に戻り、涙を流しながら妹テイラーの名を呼び、それだけで二人の絆は「永遠」だと感じられます。
テイラーはエヴァーガーデン家にひきとられ、配達員になれる年齢まで字を教わりながら過ごします。「一人前の郵便配達人になったら、自分でエイミーに手紙を渡す」という目的を達成できる日を夢見ながら。
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形』私の評価と続編
文字どおり外伝(スピンオフ)なので、ヴァイオレットや他の自動手記人形の活躍は最小限で、依頼主側のイザベラとテイラーの関係性が中心に描かれています。ギルベルト少佐や戦争シーン等もでてきません。
テイラーはかなり幸せになれそうですが、イザベラはもう令嬢という牢獄から抜け出せそうにないです。屋敷から出てないことから、嫁ぎ先でうまくいってるようには感じません。結局昔のままの方が、2人とも「幸せ」になれたのでしょうか。
しかし貧しくて衛生状態もわるく栄養も足りない状況では、幼いテイラーは早死にした可能性もあります。そんなことを考えたエイミーが、自分の「将来の幸せ」をテイラーに分け与えたように感じます。「幸せとは何か」を考えさせられます。
TVアニメシリーズの2話分を連作にした感じですが、前半のイザベラ・パートは後半のテイラー・パートへの序章的な物語です。裏テーマとして、配達員ベネティクトの仕事の取り組み方の変化も描いています。
そんなベネディクトが成長して、続編『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』でのセリフや姿勢につながっていくのでしょう。彼が何度も聞かれてた「電波塔」も気になりますね。
その続編では、再度ヴァイオレット・エヴァーガーデンが少佐から言われた「心から愛してる」の意味を探す旅になりそうです。TV版からの集大成としても楽しみです!
他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。
『ヴァイオレットエヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形』含む映画ランキングや映画賞
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