映画『あやしい彼女』評価は?ネタバレ感想考察

『あやしい彼女』あらすじ概要
韓国の人気映画の日本版。瀬山カツは、毒舌でおせっかいの73歳のおばあちゃんで、周囲から煙たがられている。女1人で育てた幸恵とその息子と3人で暮らすが、幸恵がいたために好きなことができなかったと言って、ケンカになり家出する。そして不思議な写真館で、20歳の姿に..(ネタバレ感想考察↓)
映画名/邦題 | あやしい彼女 |
日本公開日 | 2016/4/1 [予告↓]上映時間 125分 |
映倫区分 | 日本 G(年齢制限なし) |
映画監督 | 水田伸生 |
キャスト 出演者 | 多部未華子、倍賞美津子、要潤、北村匠海、金井克子 |
配給/製作 | (C)松竹/C&Iエンタテインメント |
日本興行収入 | 3.8億円(興行収入ランキング) |
平均評価★★★★★76(私の評価↓は含まず) |
『あやしい彼女』予告動画
ネタバレ感想『あやしい彼女』解説や評価レビュー
この先はネタバレありの感想考察です。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。
『あやしい彼女』は、多部未華子と倍賞美津子が同一人物の過去と現在を演じる、SFコメディです。毒舌ばあさんが若返ることにより、ノスタルジックなヒューマンドラマ要素もあります。人によっては後半、私のように泣けるかもしれません。
この映画のおすすめ、7つのポイント
- 若返りコメディだけど泣ける
- 今をしっかり生きようと教えられる
- 多部未華子の歌が良い
- 昭和歌謡を口ずさみたくなる
- 夢や好きなことをあきらめるな
- 女性1人の子育てを励ましてくれる
- 子どもや家族と一緒に見て話し合える

少し残念?つっこみどころ、4つのポイント
- 出だしの婆さんの行動に納得感がない
- 若返り後の節子の生活感がない
- 下町の商店街に音楽プロデューサーが来る?
- ラストの彼の若返りは余計
映画のネタバレ感想や結末
『あやしい彼女』は、韓国映画のリメイクだそうです。でも私は観おわった後で知りました。もちろん韓国版は観たことないし、そのリメイクの中国版やベトナム版も全く知りませんでした。
若い頃に夫と死別して姑にいじめられながらも、病弱な子どもを大切に育ててきた女性が主人公です。おばあさんになってから、自分の娘に対して「おまえがいたから好きなことやれなかった」と、禁句のようなことを平気でいう残念なばあさんで、地元でも嫌われてます。
ばあさんは娘のもとから家出して、ある写真館にたどり着きますが、そこで撮影してもらうと、なんと20代に若返りました。そして若い頃にやりたくてもやれなかったことを、いろいろ実現していく過程で、娘や孫との関係も改善していくという物語です。
あやしい彼女の印象深いシーン
冒頭のばあさん時代や若返った直後の行動には、あまり感情移入できなくて、なんか普通以下の映画だなと思っていました。しかし商店街で「見上げてごらん夜の星を」を熱唱したシーンには、孫の翼や音楽プロデューサーの小林拓人と同様に、ジーンときました。
そこから逃げ出す変なコメディ演出はやめてほしかったです。ミュージシャンとして芽が出ない翼に勧誘されて参加することになり、音楽の楽しさを再認識させる演出は結構好きです。
若い頃のカツこと大鳥節子を演じるのは多部未華子ですが、彼女の歌唱力もなめてたので、「真っ赤な太陽」の歌声とか聞いた時には、自分の持ち歌かと思ったほどです。私は昭和歌謡は聞いたことあるけど、誰が歌ってたのかは全く知りませんので(今でも)。
孫の翼が節子に恋して、節子は小林拓人に恋して、拓人は節子のことを母親のように感じての三角関係っぽくなりますが、あまり深くならないのも良かったと思います。それをやりだすと少女マンガ化して、ラブストーリーがメインになってしまいそうです。
節子がバンド「あやしい彼女」のボーカルとしてTVで歌う姿を、娘の幸恵や、元ボーカルの女性などが見るシーンもいいし、カツが幸恵を背負ったり、姑にいじめられながら、朝から晩までドブさらいなどをしてる回想シーンにも泣けてきました。
映画の結末/ラストシーン
あやしい彼女のメジャーデビューをかけてのロックフェスの当日、翼は交通事故にあいます。映画『セッション』と似た展開です。しかし節子は翼の作ったオリジナル曲「帰り道」は熱唱します。そして無事にバンド「あやしい彼女」デビューも決まったようで、その後は元ボーカルで活動を続けます。
節子は病院へ行き、翼に輸血する覚悟を決めます。しかし血を抜くと元のばあさん姿に戻ってしまうのです。ここで翼の母である幸恵が節子に「これからは自分の人生を生きて」というのはまだ理解できますが、次郎が言うのは「翼を見殺しにしろ」という意味になるのでやめてほしかったです。
また、幸恵は幼い頃に大病を患ったのに治療費がなくて、カツがずっと抱いて万病に効くツボを押し続けることにより元気にしたそうです。幸恵の「1人でよくがんばったね」には涙腺崩壊です。子育てに苦労している母親に節子が「がんばったね」と言ったエピソードにもリンクしています。
カツ(節子)が幸恵に「おまえが私を幸せにするんだよ」と言うシーンも好きです。そうなんです、カツは幸恵の存在があったからこそ、苦労しながらも幸せな人生をおくってきたのです。だからこそ、幸恵にも翼の存在が必要なことはわかってるのです。翼を死なせるわけにはいかないのです。
あやしい彼女のトリビア・考察など
カツが若返って名乗った「大鳥節子」とは「オオトリ写真館」と「オードリー・ヘップバーン」からのダブルミーニングです。髪型もローマの休日のヘプバーンみたいにしました。そして節子が若返ってた時間はまさに「ローマの休日」と似た体験だったのです。
また、カツが家出した時に行った神社で、昔の自分の書いた絵馬を一番上にもってきます。絵馬には「長生きしますように」と書いていて、その時点ではカツ本人のことかとスルーしますが、なんとそれは病弱だった娘の幸恵のことだったのです。
あと、カツが生きてきた時代には音楽を聞くことは娯楽というよりも、生きるための重要な糧(かて)として機能していました。だからこそ現代の量産消費される音楽に違和感があるのだと思います。そして同様に感じてた小林が節子の歌に魅了されたのも、当然の流れだったのでしょう。
興行収入的にはヒットしなかったかもしれませんが、いろんな世代の日本人が笑って泣ける良作ですので、多くの人におすすめしたい映画です!
他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。
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