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映画『十三人の刺客』評価は?ネタバレ感想考察/村を要塞化して暴君ら300人を斬る

映画十三人の刺客

『十三人の刺客』あらすじ概要

過去作のリメイク。江戸時代末期、将軍の異母弟の松平斉韶(なりつぐ)の暴君ぶりを訴えるために、明石藩の間宮が老中の門前で切腹自害した。幕府内では秘密裏に斉韶を暗殺するべく、御目付役の島田新左衛門に命をくだす。新左衛門はおいの新六郎や道中で山の民も加えて、十三の..(ネタバレ感想考察↓)

映画名/邦題 十三人の刺客
日本興行収入16.0億円興行収入ランキング
世界興行収入0.1億USドル [出典]
製作費0.1億USドル
平均評価★★★★★76私の評価↓は含まず)
日本公開日 2010/9/25 [予告↓]上映時間 141分
映倫区分日本 PG12(小学生指導必要)USA R
映画監督三池崇史
キャスト
出演者
役所広司、山田孝之、伊勢谷友介、沢村一樹、古田新太
配給/製作/画像©東宝、マグノリア・ピクチャーズ(USA)/セディックインターナショナル

『十三人の刺客』予告動画

ネタバレ感想『十三人の刺客』解説や評価レビュー

この先はネタバレありの感想考察です。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

私の評価 ★★★★★76/100(60が平均)[レビューサイト評価↑]

『十三人の刺客』は、江戸時代末期に将軍の弟である松平斉韶(なりつぐ)が暴君のかぎりをつくし、その積み重なったうらみをはらすべく、十三人の刺客のみで討ちとうろとする、時代劇アクション映画です。参勤交代中とはいえ、敵は約300人の多勢なので工夫が必要となります。

この映画のおすすめ、8つのポイント

  • 少数精鋭で多人数を相手にする興奮
  • 飽きるほどの侍アクションが爽快
  • 斉韶の稲垣吾郎の悪逆ぶりがハマリ役
  • 十三人の刺客の役割が明確
  • 敵を暗殺する理由が納得できる
  • 脇を固める時代劇役者の存在感
  • トラップのはり方がスパイもののよう
  • チームプレーものとしても楽しめる
映画十三人の刺客

少し残念?つっこみどころ、3つのポイント

  • 十三人の刺客の半数くらいは特徴が薄い
  • 落合宿では最初にもっと数を減らすべき
  • ラストの山の民・小弥太は納得しづらい

映画のネタバレ感想や結末

『十三人の刺客』は、久しぶりに時代劇としてわくわくする映画を見せられた気がしました。最初の切腹の場面から、島田新左衛門に松平斉韶の暗殺を依頼する場面までの、人物相関図がわかりにくいのですが、ストーリー上はあまり影響ないのでほっとしました。

暗殺の命を受けた新左衛門は、斉韶にうらみがあるわけでもなく、依頼を断ることもできそうな立場ですが、あまり躊躇することなく受けます。まさに「正義」のために命を投げうつ覚悟です。そしてその意志を聞いて集まるものが、12人もいたのには驚きです。

十三人の刺客で印象的だった人物

新左衛門をのぞく12人は、登場時こそ特徴が語られたりしますが、道中や戦闘時には誰が誰だったかすらわからなくなりました。途中の山で罠にかかっていたところを助けられた、伊勢谷友介が演じる山の民の小弥太は、十三人の刺客の中では道化役なので一番印象的です。

新左衛門のおいの新六郎は、遊び人っぽい登場の仕方で、前田慶次のような傾奇者(かぶきもの)を期待したのですが、剣技がたつだけで性格はまじめすぎて少し拍子抜けでした。それでも演じる山田孝之の存在感の大きさは絶大でした。

伊原剛志が演じる浪人は一番の剣豪として異彩を放っていたし、古田新太が演じる槍の名人も差別化がしっかりできていました。そして名シーンや名言を作りまくってた松方弘樹が演じる倉永左平太の、鬼気迫る太刀さばきは、その周囲だけ空気が違って見えたのはさすがです。

十三人の刺客の他では、ラスボスの松平斉韶が最強ならぬ最狂でした。演じたSMAPの稲垣吾郎の役者人生の中でも怪演として、代表作になることは間違いないと思います。斉韶の悪者ぶりと、十三人の刺客の本気度は対照的になるため、中途半端なワルではダメだったと思います。

そしてその斉韶を命がけで守ろうとする、市村正親が演じる鬼頭半兵衛も新左衛門との対比で重要な人物でした。斉韶を人としては尊敬できないけど、封建社会で生きてきた自分の役割を果たすために必死に守ります。予想できたとおり、半兵衛の結末は登場人物中で最もむごいことになります。

あと忘れられない人物は、松本幸四郎が演じる尾張藩の牧野靭負(ゆきえ)です。彼も斉韶にうらみがあるため、新左衛門の申し出を受けて、斉韶一行が橋を通るのを妨害し、進路の選択肢を少なくするのを助けました。その後は、橋の上で見事な切腹自害で果てます。

十三人の刺客で印象に残った名シーン

上に書いた以外では、まず斉韶の非道ぶりが強く印象に残りました。切腹自害して老中に嘆願した間宮一族を、子どもも含めて弓矢で射殺すシーンや、百姓一揆の村を全滅して1人残した娘の手足と舌を切り落としたむごたらしさは、人の皮をかぶった悪魔です。

その娘の姿を見た時の、新左衛門の笑いとも怒りともとれる反応はわかる気がします。このシーンだけでもR指定になるくらい凄惨な場面ですが、暗殺する立場の新左衛門は決して目をそらしてはいけない現実です。この非道ぶりを見たことにより、暗殺の決意がブレなくもなります

さらに彼女が口でくわえた筆で書いた「み・な・ご・ろ・し」の紙を、新左衛門が斉韶一行に見せたシーンが、最もゾッとしました。これこそ怨念です。

ラスト50分?の大人数でのちゃんばらシーンは、時代劇史上に残るくらいの大乱闘です。同じような斬り合いは繰り返さないので、飽きないよう配慮されていますが、登場人物たちに疲れが見えはじめると、観てる方も疲れてきました。

半兵衛がそっちはワナだ!というと、面白そうだと入っていく斉韶は、万能感を持つゼウスなどの神が刺激を求めるために危険な人間界へ降りていくのと似てるように感じました。恵まれすぎてて、退屈で仕方ないのでしょう。「戦の世とはこのようであったのかのう…」にはゾッとしたけど良いセリフです。

映画の結末/ラストシーン

敵も味方も次々に殺されていき、ラストに残ったのは、斉韶と半兵衛と、新左衛門と新六郎のみです。あの乱戦で斉韶が残るのは変ですが、時代劇のお約束的な展開ですね。まずは、新左衛門は砂を蹴り上げて伏線を回収しながら、半兵衛を討ちます。

そして残った斉韶は、忠臣の半兵衛の首を蹴り飛ばします。こんな人物が老中になれる幕府はもう長くはない、のとおりになるのは歴史が語っています。死ぬ間際にも、今日が一番楽しい日だとか言うのは、サイコ連続殺人犯の雰囲気もでてました。

ここで斉韶が実は剣豪だったりしたら、山田孝之の新六郎の出番もきて面白かったのに、予想通り弱くてあっさりやられますが、新左衛門もわざと?刺されて死んでしまうのは、いまいち納得できませんでした。将軍の弟を殺した責任をとるなら、切腹自害の方が良かったと思います。

結局生き残ったのは、山田孝之が演じる新六郎のみですが、彼が生き残った理由は待つ人がいるから、未来があるからだと思いました。

十三人の刺客のトリビアや考察

小弥太が生きてた理由は不明で、幻影や亡霊だという解釈もあるようですが、斉韶の投げた小太刀ごときでは殺せなかったか、武士ではない小弥太はこんなバカバカしい殺し合いでは死なない、ということを表してる気がしました。

生き残った新六郎の待ち人を演じる吹石一恵は、一人二役で、山の民の頭の娘ウパシも演じてて一瞬だけ出てきます。彼女が小弥太の帰りを待つから、小弥太にも待ち人がいて生き残ったと解釈することもできそうです。このへんは深く考えずさらっと流した方がいいでしょう。

邦画や時代劇でこんな面白い作品を観たのは本当ひさしぶりな気がします。SMAPの稲垣吾郎の鬼畜ぶりを見るだけでも十分に価値はありますが、グロ表現が多いため気になる人は注意してください。なるべく多くの人におすすめしたい映画です!

他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

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